ロボットものって、たとえば「スーパーロボット」と「リアルロボット」のようにジャンルの中で細かく方向性が分かれると思うんですけど、僕がその時に聞いた感じでは、リアルロボットと呼ばれるような方向性だと思いました。 それで自分からもアイデアをいくつか提示しました。 そもそも少年少女がロボットに乗るというのは日本のロボットアニメの伝統ではあると思うんですよ。 だけどリアルロボットの系譜が持ち込んだ新機軸って「戦争」なのかなと自分では考えています。 昔のスーパーロボットもののロボットアニメは、悪い異星人や科学者、つまり絶対悪の存在がいて、それと戦うために少年少女がロボットに乗る、という話だったと思うんです。 でもそこでロボットとはつまり兵器であり、戦いとは戦争なのだという要素を持ち込んだのがリアルロボットものですよね。 だから『アルドノアゼロ』も、少年少女が戦争に巻き込まれて、兵器としてのロボットで戦うアクションものとして考えていきました。 そうですね。 火星と地球という2つの陣営に分かれて戦うストーリーになっているんですが、火星側もいわゆる 異星人ではなく、もともと地球人なんだけれども火星に移民していった人たちという設定になっています。 地球側の陣営としても、群像劇になると思っています。 当然、主人公にストーリーを引っ張っていってもらわないといけないんですけど、同時にみんながそれぞれ戦うことで戦争という状況そのものをきちんと描きたいな、と。 リアルにしすぎるとまた方向性が変わってしまうので、難しいところなんですが。 軍服を着た人ばかりが出てきて戦う、あまりにもリアルなものにはしたくはなかったんですよね。 そのあたりのバランスについては、虚淵さんや岩上さんとずいぶん話し合いました。 やはり虚淵さんは戦争を格好よく、男らしく描いてくださるんですよね。 だから僕はそこに少年少女の要素を足していくという役割を担当しながら作っていきました。 やはり、主人公たちと同年代の男の子や女の子も含めて、楽しんで見られるものにしたいと思いましたので。 政治や軍事的な要素もバックボーンとしてはあるけれども、あまりにもそういう部分ばかりになると、主人公たちの年代から見た世界とは少しかけ離れてしまうと思うんですよね。 あくまでも主人公たちは、大人たちと同じ目線で戦争をするというよりは、自分たちに降りかかった火の粉をどう払うかという戦いをすることになるのではないかと考えています。 10代の男の子や女の子が見る「戦い」という感じを、うまく出せればいいなと。 そもそも地球人類が火星に移民したことには理由があるんです。 火星で先史文明が発見されて、しかもそこには超科学的なエネルギー源がある。 それをいま「アルドノア」と呼称しているということなんです。 全く未知の星にするというアイデアもあったんですが、最終的には地球との距離感も一番よい火星になりました。 ちなみに作品の最初の仮タイトルは「火星のプリンセス」だったんですよ。 ストーリーは全然違うんですけど、エドガー・ライス・バローズの有名な古典SF小説に同じタイトルの作品があるんです。 そういう点でも、SFでは王道の舞台だし、火星でいこうということになりました。 原作がある場合は、それを踏まえてどう作るかという発 想になるんですよね。 原作にゴール地点が書いてあるから、あとはそのゴールにどうたどり着くかを考えればいい。 だけど今回はそのゴール地点をまず考えなければならなかったので、そこが一番大変でした。 何度も話し合って、シナリオも何稿も重ねて、どれが自分たちの一番やりたい作品なのかを考えて。 アニメーションは集団作業なので、みんなが合意しないと先に進めないところもあるんですよね。 その合意する地点を決めるのに時間がかかりました。 いえ、今回はロボットものということもあって、むしろ設定が膨大なんですよ。 「ここはどうやって動いてるんだろう」みたいなことからロボットの弾丸のサイジングまで、いろいろ考えないといけない。 最初は正直、「これは大変そうだな」と思いました(笑)。 たとえオリジナル作品でも、学園ものや日常ものだったらそこまで大変じゃないと思うんですけどね。 ロボットの身長も、何メートルが一番いいのか、たとえば18メートルだったら高すぎるのか低すぎるのかとか、一つ一つ検証しながらやりました。 実はロボットものの監督をやるのは初めてなんです。 だけど作り始めてわかったのは、自分がけっこうロボットものが好きだったんだということ(笑)。 振り返ってみると僕が小学校・中学生くらいの頃はロボットアニメの全盛期で、ロボットものの一番いい時期に触れていたんです。 小学校の頃からガンプラ世代でしたし、中学生になってからもサンライズの作品なんかをずっと見ていました。 そこでいざ自分がロボットものをやるとなれば、ロボットものをちゃんと作るということ自体がチャレンジなんですよね。 だから見せ方にしても、脚本のアイデアにしても「こういう形でロボットのかっこよさを出したい」と、いろいろと考えるところがありますね。 今までありそうでなかったような描写を表現したいと狙っています。 そうですね。 「自分は子供の頃、なぜあの作品があんなに好きだったんだろう」と振り返ってみて、「ここがよかったんだな」というところがわかったら、今の技術だとどう作れるかを考えてみたり。 それもあると思いますが、そもそもこの企画自体が「王道のロボットアニメをやろう」というものなんですよね。 最初からそう言われたわけではないですけど、なんだかんだ言って王道ものって好きだよねというのが、打ち合わせするうちにわかってきた。 だから監督としても、変化球じゃなくて、直球のストレートで重くて速い球を投げろって言われてるんだろうなと感じています。 変にひねらなくていい、と。 単にベタなことをやればいいというわけでもないでしょうし。 たしかに、今の時代は価値観がいろいろあるので、何をもって王道と呼ぶのかわからないとも言えますね。 今でもロボットものの作品ってたくさん作られていますけど、その中でどれが王道らしいかと言われたら、わからないですし。 個人的には、ロボットが最後の2分くらいだけ出てくるのではなく、プロットの中心にいる物語だと思うんです。 僕は作品を分析的に見ることはしないんですけど、改めて過去の名作と呼ばれているものを振り返ると、やはりそう思う。 だから、ロボットを外すと成立しないストーリーって何だろうと考えながら作っています。 ロボットを出さなくてもストーリーが成り立つような作品は作りたくないですね。 ロボットものであることに殉じたい。 自分が小学校や中学校の頃に毎週テレビにかじりついていたロボットものの感じ、ロボットのかっこよさとか、ワクワクする感じを出せたらいいなと思っています。 そうやって、自分にとっての王道が作れたらいいなと思いますね。 そうです。 ロボットに乗り込む子供たち、主人公や敵の火星サイドのキャラクターたちを、ちゃんと感情移入してハラハラドキドキできるように描きたいと思っています。 だから「ロボットものってあまり興味ないな」という人も、キャラクターをきっかけに物語に入っていけるようにしたいです。 幅広い皆さんが楽しめる作品にしますので、ぜひご期待いただければと思います。 アニプレックスの岩上さんから「次はロボットものをやりたい」と雑談レベルでお話があったんです。 そこからあおきさんを監督に…など少しずつ具体的になっていき、定期的にブレストをして内容を考え始めました。 いま調べてみたら、2012年の2月にプロットの草稿を作って、5月に第一稿を上げていたようです。 でも、そこに至るまでにも紆余曲折あって、方向性に関してはかなり悩みに悩んだ記憶があります。 「王道」という言葉を何度も言っていましたね。 奇をてらわない王道。 それをキーワードにしていました。 ロボットものの原点回帰みたいな企画をやりたいねというのが根底にあったんです。 しかし、じゃあ王道って何だろうという、その言葉の解釈について何度も話し合った覚えがあります。 たとえば、あおきさんの切なる思いとして、メカには顔が付いていてほしい、とか(笑)。 でもそれに対して「そもそもロボットに顔があるのってどうなの?」というようなことを延々と話したり。 実は最初はもっと違う話だったんです。 ゲームの「モンスターハンター」みたいなのをやろうよっていう案で。 つまり、ものすごく巨大な敵ロボットを、小さなロボットたちがチームを組んで倒すというような極端なアイデアだった。 でも、やはり王道っぽくないなということでやめたりして。 そんなやりとりを経て、だんだん方向性が決まっていきました。 つまり長いスパンの話で、大河ドラマのイメージで、という提案がされていました。 それで視点を固定せずに、群像劇みたいな方向でやろう、ということになった。 主人公サイドだけじゃなくて敵サイドも深く掘り下げていくべきだし、むしろ火星と地球、どっちが主人公サイドとかはっきり決めなくてもいいんじゃないか、という気持ちがありました。 最初からコンセプトに、人間と人間を戦わせるという案がありました。 人間以外の者と戦っても、王道にならないので。 そこは最初からブレませんでしたね。 これも、王道のロボットものというのを考えた時に、やっぱり宇宙に行ったり地球に行ったり、いろんなフィールドの戦場を転々としていく感じがほしいよねということになったんです。 宇宙でも戦わせたいけど、宇宙だけに限定したくないね、という。 そこで、太陽系の中でもわりと地球と近さのある舞台ということで火星が選ばれたように思います。 むしろ「昔の作品はどこがよかったんだろう」「なぜ自分たちは、あれが好きだったんだろう」ということを、ずっと話していました。 今まで自分がやってきたスタイルをある意味では封印して、手堅い将棋ってどんなものだろうと考えながら作っていくような感じでしたね。 「色物じゃないものって、どうやって作るんだろう」と。 今まで色物ばっかり作ってきたから、難しかったですよ(笑)。 それでも基盤は基盤でちゃんと遵守してもらってますから、それなりに匂い立つ雰囲気としては残ってるんじゃないかと。 王道というのも、なかなかやる機会があるものではないですからね。 結果的にはいろんなスタッフと一緒に物語を作っていける作品になったので、そういう意味でのチャレンジは達成できたかなと思います。 自分の個性だけで押していくようなワンマンなものにはなっていません。 スタッフ内での共通見解を固めて、いろんな人に書いてもらえるものになった。 それを目指した企画という意味では、うまくいったと思いますね。 それもあって、アニメにするのに時間と手間のかかる話だったと思うんですよ。 そういう人だからこそ、自分が今回のような話をお届けできたという気もしますね。 こちらが期待していた部分を、期待以上のものとして作っていただけて。 もちろん脚本の段階で抱いていた不安もすべて解消されました。 書きながら「これでいいのかな」と思っていたところが、コンテを見た瞬間「うん、やっぱりよかったんだ!」って思えるような、そんな安心感がありました。 大筋の部分は何も変わってないですからね。 二人の少年の関係性の物語であり、それが移り変わっていくのを描いていく。 それが基本になっています。 その関係プラス戦争というか…戦争という状況が、二人の少年をどう変えていくのか、というのが大きなテーマだと思います。 そこはやっぱり「大河もの」というキーワードが関わってきていると思います。 大河といえば戦記もので歴史もの、というイメージが強かったんじゃないですかね。 それは当然、あり得ると思います。 戦争ですから。 ひたすら人間賛歌で押せるものでもないので。 圧倒的な環境の中で人間が揉まれてどうなるかといえば、いいほうにばかり転がっていくわけじゃないですし。 ただ視聴者をびっくりさせるより、堅実に内容を積み上げていく作品だと思っています。 だからむしろ今まで虚淵玄が苦手だと思っている人にも見てほしいですね。 「このくらい手堅い仕事もできますよ」というのを見てもらいたいと思います(笑)。 誰もが求めている部分ですからね。 だからこそ大事にしなきゃいけない部分だと思います。 過去に王道と呼ばれたロボットアニメだって、そのポイントを大切にした骨太な物語だったからこそ、今に生き残っているわけですからね。 そういうテイストは継承したいというのは、僕だけでなくみんなが思っていたことです。 しかしそれも、いろんな人の助けを借りながらやっとできたという感覚はあります。 僕一人でやっていたら、少年二人の話として作り上げることはできなかったと思います。 そういう意味でもチームで作っているからこその作品だと思いますので、構えないで見ていただければ。
次のロボットものって、たとえば「スーパーロボット」と「リアルロボット」のようにジャンルの中で細かく方向性が分かれると思うんですけど、僕がその時に聞いた感じでは、リアルロボットと呼ばれるような方向性だと思いました。 それで自分からもアイデアをいくつか提示しました。 そもそも少年少女がロボットに乗るというのは日本のロボットアニメの伝統ではあると思うんですよ。 だけどリアルロボットの系譜が持ち込んだ新機軸って「戦争」なのかなと自分では考えています。 昔のスーパーロボットもののロボットアニメは、悪い異星人や科学者、つまり絶対悪の存在がいて、それと戦うために少年少女がロボットに乗る、という話だったと思うんです。 でもそこでロボットとはつまり兵器であり、戦いとは戦争なのだという要素を持ち込んだのがリアルロボットものですよね。 だから『アルドノアゼロ』も、少年少女が戦争に巻き込まれて、兵器としてのロボットで戦うアクションものとして考えていきました。 そうですね。 火星と地球という2つの陣営に分かれて戦うストーリーになっているんですが、火星側もいわゆる 異星人ではなく、もともと地球人なんだけれども火星に移民していった人たちという設定になっています。 地球側の陣営としても、群像劇になると思っています。 当然、主人公にストーリーを引っ張っていってもらわないといけないんですけど、同時にみんながそれぞれ戦うことで戦争という状況そのものをきちんと描きたいな、と。 リアルにしすぎるとまた方向性が変わってしまうので、難しいところなんですが。 軍服を着た人ばかりが出てきて戦う、あまりにもリアルなものにはしたくはなかったんですよね。 そのあたりのバランスについては、虚淵さんや岩上さんとずいぶん話し合いました。 やはり虚淵さんは戦争を格好よく、男らしく描いてくださるんですよね。 だから僕はそこに少年少女の要素を足していくという役割を担当しながら作っていきました。 やはり、主人公たちと同年代の男の子や女の子も含めて、楽しんで見られるものにしたいと思いましたので。 政治や軍事的な要素もバックボーンとしてはあるけれども、あまりにもそういう部分ばかりになると、主人公たちの年代から見た世界とは少しかけ離れてしまうと思うんですよね。 あくまでも主人公たちは、大人たちと同じ目線で戦争をするというよりは、自分たちに降りかかった火の粉をどう払うかという戦いをすることになるのではないかと考えています。 10代の男の子や女の子が見る「戦い」という感じを、うまく出せればいいなと。 そもそも地球人類が火星に移民したことには理由があるんです。 火星で先史文明が発見されて、しかもそこには超科学的なエネルギー源がある。 それをいま「アルドノア」と呼称しているということなんです。 全く未知の星にするというアイデアもあったんですが、最終的には地球との距離感も一番よい火星になりました。 ちなみに作品の最初の仮タイトルは「火星のプリンセス」だったんですよ。 ストーリーは全然違うんですけど、エドガー・ライス・バローズの有名な古典SF小説に同じタイトルの作品があるんです。 そういう点でも、SFでは王道の舞台だし、火星でいこうということになりました。 原作がある場合は、それを踏まえてどう作るかという発 想になるんですよね。 原作にゴール地点が書いてあるから、あとはそのゴールにどうたどり着くかを考えればいい。 だけど今回はそのゴール地点をまず考えなければならなかったので、そこが一番大変でした。 何度も話し合って、シナリオも何稿も重ねて、どれが自分たちの一番やりたい作品なのかを考えて。 アニメーションは集団作業なので、みんなが合意しないと先に進めないところもあるんですよね。 その合意する地点を決めるのに時間がかかりました。 いえ、今回はロボットものということもあって、むしろ設定が膨大なんですよ。 「ここはどうやって動いてるんだろう」みたいなことからロボットの弾丸のサイジングまで、いろいろ考えないといけない。 最初は正直、「これは大変そうだな」と思いました(笑)。 たとえオリジナル作品でも、学園ものや日常ものだったらそこまで大変じゃないと思うんですけどね。 ロボットの身長も、何メートルが一番いいのか、たとえば18メートルだったら高すぎるのか低すぎるのかとか、一つ一つ検証しながらやりました。 実はロボットものの監督をやるのは初めてなんです。 だけど作り始めてわかったのは、自分がけっこうロボットものが好きだったんだということ(笑)。 振り返ってみると僕が小学校・中学生くらいの頃はロボットアニメの全盛期で、ロボットものの一番いい時期に触れていたんです。 小学校の頃からガンプラ世代でしたし、中学生になってからもサンライズの作品なんかをずっと見ていました。 そこでいざ自分がロボットものをやるとなれば、ロボットものをちゃんと作るということ自体がチャレンジなんですよね。 だから見せ方にしても、脚本のアイデアにしても「こういう形でロボットのかっこよさを出したい」と、いろいろと考えるところがありますね。 今までありそうでなかったような描写を表現したいと狙っています。 そうですね。 「自分は子供の頃、なぜあの作品があんなに好きだったんだろう」と振り返ってみて、「ここがよかったんだな」というところがわかったら、今の技術だとどう作れるかを考えてみたり。 それもあると思いますが、そもそもこの企画自体が「王道のロボットアニメをやろう」というものなんですよね。 最初からそう言われたわけではないですけど、なんだかんだ言って王道ものって好きだよねというのが、打ち合わせするうちにわかってきた。 だから監督としても、変化球じゃなくて、直球のストレートで重くて速い球を投げろって言われてるんだろうなと感じています。 変にひねらなくていい、と。 単にベタなことをやればいいというわけでもないでしょうし。 たしかに、今の時代は価値観がいろいろあるので、何をもって王道と呼ぶのかわからないとも言えますね。 今でもロボットものの作品ってたくさん作られていますけど、その中でどれが王道らしいかと言われたら、わからないですし。 個人的には、ロボットが最後の2分くらいだけ出てくるのではなく、プロットの中心にいる物語だと思うんです。 僕は作品を分析的に見ることはしないんですけど、改めて過去の名作と呼ばれているものを振り返ると、やはりそう思う。 だから、ロボットを外すと成立しないストーリーって何だろうと考えながら作っています。 ロボットを出さなくてもストーリーが成り立つような作品は作りたくないですね。 ロボットものであることに殉じたい。 自分が小学校や中学校の頃に毎週テレビにかじりついていたロボットものの感じ、ロボットのかっこよさとか、ワクワクする感じを出せたらいいなと思っています。 そうやって、自分にとっての王道が作れたらいいなと思いますね。 そうです。 ロボットに乗り込む子供たち、主人公や敵の火星サイドのキャラクターたちを、ちゃんと感情移入してハラハラドキドキできるように描きたいと思っています。 だから「ロボットものってあまり興味ないな」という人も、キャラクターをきっかけに物語に入っていけるようにしたいです。 幅広い皆さんが楽しめる作品にしますので、ぜひご期待いただければと思います。 アニプレックスの岩上さんから「次はロボットものをやりたい」と雑談レベルでお話があったんです。 そこからあおきさんを監督に…など少しずつ具体的になっていき、定期的にブレストをして内容を考え始めました。 いま調べてみたら、2012年の2月にプロットの草稿を作って、5月に第一稿を上げていたようです。 でも、そこに至るまでにも紆余曲折あって、方向性に関してはかなり悩みに悩んだ記憶があります。 「王道」という言葉を何度も言っていましたね。 奇をてらわない王道。 それをキーワードにしていました。 ロボットものの原点回帰みたいな企画をやりたいねというのが根底にあったんです。 しかし、じゃあ王道って何だろうという、その言葉の解釈について何度も話し合った覚えがあります。 たとえば、あおきさんの切なる思いとして、メカには顔が付いていてほしい、とか(笑)。 でもそれに対して「そもそもロボットに顔があるのってどうなの?」というようなことを延々と話したり。 実は最初はもっと違う話だったんです。 ゲームの「モンスターハンター」みたいなのをやろうよっていう案で。 つまり、ものすごく巨大な敵ロボットを、小さなロボットたちがチームを組んで倒すというような極端なアイデアだった。 でも、やはり王道っぽくないなということでやめたりして。 そんなやりとりを経て、だんだん方向性が決まっていきました。 つまり長いスパンの話で、大河ドラマのイメージで、という提案がされていました。 それで視点を固定せずに、群像劇みたいな方向でやろう、ということになった。 主人公サイドだけじゃなくて敵サイドも深く掘り下げていくべきだし、むしろ火星と地球、どっちが主人公サイドとかはっきり決めなくてもいいんじゃないか、という気持ちがありました。 最初からコンセプトに、人間と人間を戦わせるという案がありました。 人間以外の者と戦っても、王道にならないので。 そこは最初からブレませんでしたね。 これも、王道のロボットものというのを考えた時に、やっぱり宇宙に行ったり地球に行ったり、いろんなフィールドの戦場を転々としていく感じがほしいよねということになったんです。 宇宙でも戦わせたいけど、宇宙だけに限定したくないね、という。 そこで、太陽系の中でもわりと地球と近さのある舞台ということで火星が選ばれたように思います。 むしろ「昔の作品はどこがよかったんだろう」「なぜ自分たちは、あれが好きだったんだろう」ということを、ずっと話していました。 今まで自分がやってきたスタイルをある意味では封印して、手堅い将棋ってどんなものだろうと考えながら作っていくような感じでしたね。 「色物じゃないものって、どうやって作るんだろう」と。 今まで色物ばっかり作ってきたから、難しかったですよ(笑)。 それでも基盤は基盤でちゃんと遵守してもらってますから、それなりに匂い立つ雰囲気としては残ってるんじゃないかと。 王道というのも、なかなかやる機会があるものではないですからね。 結果的にはいろんなスタッフと一緒に物語を作っていける作品になったので、そういう意味でのチャレンジは達成できたかなと思います。 自分の個性だけで押していくようなワンマンなものにはなっていません。 スタッフ内での共通見解を固めて、いろんな人に書いてもらえるものになった。 それを目指した企画という意味では、うまくいったと思いますね。 それもあって、アニメにするのに時間と手間のかかる話だったと思うんですよ。 そういう人だからこそ、自分が今回のような話をお届けできたという気もしますね。 こちらが期待していた部分を、期待以上のものとして作っていただけて。 もちろん脚本の段階で抱いていた不安もすべて解消されました。 書きながら「これでいいのかな」と思っていたところが、コンテを見た瞬間「うん、やっぱりよかったんだ!」って思えるような、そんな安心感がありました。 大筋の部分は何も変わってないですからね。 二人の少年の関係性の物語であり、それが移り変わっていくのを描いていく。 それが基本になっています。 その関係プラス戦争というか…戦争という状況が、二人の少年をどう変えていくのか、というのが大きなテーマだと思います。 そこはやっぱり「大河もの」というキーワードが関わってきていると思います。 大河といえば戦記もので歴史もの、というイメージが強かったんじゃないですかね。 それは当然、あり得ると思います。 戦争ですから。 ひたすら人間賛歌で押せるものでもないので。 圧倒的な環境の中で人間が揉まれてどうなるかといえば、いいほうにばかり転がっていくわけじゃないですし。 ただ視聴者をびっくりさせるより、堅実に内容を積み上げていく作品だと思っています。 だからむしろ今まで虚淵玄が苦手だと思っている人にも見てほしいですね。 「このくらい手堅い仕事もできますよ」というのを見てもらいたいと思います(笑)。 誰もが求めている部分ですからね。 だからこそ大事にしなきゃいけない部分だと思います。 過去に王道と呼ばれたロボットアニメだって、そのポイントを大切にした骨太な物語だったからこそ、今に生き残っているわけですからね。 そういうテイストは継承したいというのは、僕だけでなくみんなが思っていたことです。 しかしそれも、いろんな人の助けを借りながらやっとできたという感覚はあります。 僕一人でやっていたら、少年二人の話として作り上げることはできなかったと思います。 そういう意味でもチームで作っているからこその作品だと思いますので、構えないで見ていただければ。
次の『アルドノア・ゼロ』については、『スパロボ』シリーズ初参戦ということで、首を長くして待っていたファンも多いのではないでしょうか。 近接格闘用にカスタマイズされたグラフディンとともに、ストーリーの中核を担っていきます。 ガシャの引きをはじめ、どうしても運の要素が大きく絡んでくるのがスマホゲーなので、こうして好きなユニットが使いやすくなるように配慮してくれるのは本当にありがたいですね! いよっ、太っ腹!! ……と、運営をヨイショしておけば、またキャンペーンをやってくれるかも……。 新規参戦5作品の主役ユニット&必殺技パーツの性能やいかに!? ……ということで、12月26日には大量にユニット&パーツが追加されました。 いつもどおり、電撃攻略チームによる必殺技専用パーツの評価をご紹介しましょう。 今回はユニット自体の評価もセットです! グレンダイザー&ダブルハーケン グレンダイザー&ダブルハーケンの評価(B) 防御特化のマジンガー、攻撃&防御のグレートに続き、グレンダイザーも防御入りの命中&防御で登場。 必殺技のダブルハーケンは照準値9%増加、HPが25%減少する毎に攻撃力と防御力が3%増加というアビリティのため、壁役として運用するにはやや不安が残る性能。 支援パーツの「大介の帰る場所」が「我慢」を持っているので、グレンダイザーを運用するならセットにしたいところ。 照準値が高く、通常攻撃とダブルハーケンがどちらも斬属性なので、機体改造【運動】ステージ(9まで)での活躍が見込める。 『スパロボ』では、マジンガー系の最強ユニットとして、マジンカイザーかグレンダイザー、どちらか一方が登場するのがお約束ですが、今回は「両雄並び立つ」という夢の展開が実現しそう。 ちなみに、今作でのデューク・フリード役は山寺宏一さんが担当。 オリジナルキャストの富山敬さんが1995年に亡くなられてしまったため、『スパロボ』には代役の方が出演されています。 『IMPACT』以降ずっと山寺さんなので、『スパロボ』プレイヤーには、もうおなじみの声ですね。 『スパロボT』での山寺さんは、同じく富山さんが演じた『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』のトチロー役も担当していました。 ダイターン3&サン・アタック ダイターン3&サン・アタックの評価(S) 2Lのサイズ補正は攻撃&防御タイプのダイターンとベストマッチといえる。 パーツのサン・アタックは射程が1なものの、高威力かつ攻撃力9%増加のメインアビリティも付いているため、ボスキラーとしての火力は十分だ。 さらに初期精神コマンドで「気合」を持っているため、ステージ開始直後から、活躍させやすいのもプラスポイント。 ただし、2Lサイズゆえの400というスピードの低さが唯一の欠点。 精神コマンドでLv2で「加速」を習得できるので、精神コマンドLv3にして「気合」と「加速」を両方装備させれば、使い勝手は一気によくなるだろう。 相変わらずダイターンは高性能なようで。 『スパロボ』では、1993年発売の『第3次スーパーロボット大戦』からの参戦という歴戦の勇士。 当時はマジンガーZのブレストファイヤーの威力が1100だったのに対し、サン・アタックは2400という破格の性能で、以降ずっとシリーズのボスキラーとして活躍しています。 しかも『第3次』では武器を改造できなかったので、本当にお世話になりました……。 当初はダイターン・クラッシュのトドメ演出がなかったのですが、『第4次スーパーロボット大戦』から追加されています。 そういえば、最近は『スパロボ』オリジナル設定の破嵐財閥が登場しませんね。 ウイングガンダムゼロ&ツインバスターライフル最大出力 ウイングガンダムゼロ&ツインバスターライフル最大出力の評価(A) これまでガンダム系にいなかった、攻撃&命中タイプでの参戦となった。 通常攻撃が射程3の斬撃属性のため、ブラックゲッターや紅蓮弐式がライバルになるが、この2機には攻撃力増加量や固有のスキル、アビリティなどで劣り、同じ土俵で張り合うにはやや分が悪い。 SSR必殺のツインバスターライフル最大出力の射程は5あり、さらに自分のアクション時に移動せず攻撃した場合の必殺技威力26%増加という高火力技に仕上がっているので、こちらを生かしていこう。 支援パーツで「狙撃」を装備させ、原作さながらの高火力長距離砲として活躍させていきたい。 近年はマンガ『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz 敗者たちの栄光』で、メッサーツバークというツインバスターライフルの火力を底上げする追加武装も登場しているので、いつか『スパロボ』に出ないかなーと思っています。 ちなみに同作では、OVA版になかったシールドが復活しているので、高速巡航形態であるネオバード形態への変形が可能になっています。 ブラックサレナ&ディストーション・アタック ブラックサレナ&ディストーション・アタックの評価(未定) 今作初となる、防御&回避タイプのユニット。 防御と回避というチグハグさが気にかかる。 これならどちらかに特化していた方が……という気持ちを抑えきれない。 さらには移動力5というのも、このブラックサレナが初となる。 初物要素が多いこともあり、いまの段階では評価もしづらく、現段階では未知数のユニットといえるだろう。 筆者はアラフォーなので、『機動戦艦ナデシコ』直撃世代なんですよ。 『ナデシコ』について語りだすとメチャクチャ長くなりそうなので、おいおいやっていきたいと思いますが、劇場版すら1998年に公開された作品で、もう20年以上前の作品だということが信じられない……。 さて、そのブラックサレナは、『スパロボDD』のオリジナルロボット・メラフディンと同じく、明貴美加さんデザインの機体。 パッと見まったく似ていませんが、開閉式の肩部に大型スラスターが内蔵されているという共通点があったりします。 ブラックサレナには、劇場版に登場した高機動ユニットのほかにも、用途別のユニットに換装できるという設定があるのですが、いつか日の目を見ないものでしょうか。 KG-6 スレイプニール&精密射撃 KG-6 スレイプニール&精密射撃の評価(S) バランスタイプでありながら、SSR必殺の精密射撃に攻撃力9%増加、さらに戦闘回数に応じて照準値が4. 6%増加(最大23%)のアビリティが付いており、攻撃&命中タイプ顔負けの性能を持ち合わせるのが特徴的。 通常攻撃と精密射撃の属性が実弾属性で一致しており、初期精神コマンドで「狙撃」を持っているため、ブレイク要員としての使い勝手も上々だ。 ただ、精神コマンドに火力上昇系のものが少ないため、火力不足感は否めない。 初参戦『アルドノア・ゼロ』から、主人公機のスレイプニール。 形式番号からもわかりますが、『スパロボDD』でも複数機入手できる、地球連合軍の主力機・KG-7 アレイオンより旧式の機体です。 主役機にも関わらず型落ちの量産型であり、総合性能的には現行機に及ばないという珍しいパターン。 火星カタフラクトがあまりにも圧倒的な性能を誇るがゆえに、機動性ではアレイオンを上回る本機のほうがマシという判断で、伊奈帆は本機に乗り続けていました。 作中には、コンフォーマルパワーアシストや宇宙仕様など多様な形態、武装が登場しているので『スパロボDD』での実装が楽しみです。 新年の運試し! 80連ガシャの結果は……? 前回、筆者は「お正月限定パーツが出たらどうしよう」と言っていたのですが、ありませんでしたね。 ガシャチケット80枚に、SSR確定ガシャチケットがセットになったもので、筆者も新年の運試しということで、1パックだけ購入してみました。 ではでは80連ガシャ、行きますよ!! はぅあ!! こんなの、主力にするしかないじゃない……!• さほど苦戦はしなかったものの、やはりランスロットの回避性能は侮れなかった。 こちらも楽しみ!! 2020年最初の『スパロボDD』コラム、いかがでしたでしょうか? 今年もパーツ紹介やプレイレポートなど、様々な企画をお届けしていく予定ですので、なにとぞ応援よろしくお願い申し上げます!! G/1998 NADESICO製作委員会 C 1998 永井豪・石川賢/ダイナミック企画・「真ゲッターロボ」製作委員会 C 2001永井豪/ダイナミック企画・光子力研究所.
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