てこの原理 [ ] 支点・力点・作用点の関係 [ ] てこには 支点・ 力点・ 作用点があり、支点を中心に回転しうるやがある時、力点は力を加える点、作用点は力が働く点であり、普通は作用点にはおもりなどの負荷がある。 支点は動かないよう固定しているため、力点を動かすと作用点が動く仕組みである。 てこを使う上で重要なのは、支点・力点・作用点の位置関係、特にその間隔である。 てこで大きな力を得ようと思えば、なるべく支点から離れたところに力点を置く、あるいは支点のなるべく近くに作用点を置けばよい。 小さい力を得ようと思えばその逆を行えばよい。 実験をすると支点から力点までの距離が支点から作用点までの距離の2倍であれば、得られる力は加えた力の2倍になることがわかる。 この関係を式で表すと、下記のようになる。 力点と作用点という名前 [ ] では支点・力点・作用点の3点セットで教わるが、大学のでは力点は物理用語としては普通登場しない。 力学では「力」はとして扱われる。 大抵の場合、単純化のため「1階のテンソル」()として扱われ、大きさ・向き・始点を持つ(中学校以上ではこちらの概念で学ぶ)。 これを力の三要素と呼び、特にベクトルの始点を 作用点(または着力点)と呼ぶ。 このため力学で'てこ'を扱う際は、人がてこに加える力と、重りがてこに加える力のそれぞれの作用点があるだけである。 例えば英語では、力の作用点を point of application と呼ぶが、てこを説明する際は「人が加える力」の 作用点を point of effort、「重りが加える力」の 作用点をpoint of load と呼ぶ。 この2点を小学校では力点・作用点と呼んでおり、物理学を学んだ者は混乱しないように注意が必要である。 なぜ2つの力のベクトルの始点を異なる名前で呼ぶ必要があるかといえば、てこの分類に必要であるからである。 もし力点・作用点を区別しなければ、「」で述べる 第2種てこ・ 第3種てこを分類できない。 このような分類をする理由は、てこが「力を増幅させ、あるいは力の向きを変更させる」最も基礎的な装置として古代に開発された道具()であり、力を伝達する装置であるからである。 力の伝達装置の入力・出力を区別するため、力点・作用点という異なる名前が必要だったのである。 なお、天秤においては力点・作用点を区別できない。 これは、てことは道具の目的が異なるからである。 ある小学校の指導案 では、「てんびん」を学習させた後、てんびんの片方のおもりをはずして手で押し、重いおもりを小さい力で持ち上げられるという「てこの原理」を体感させることで「てこ」を学習させる。 ここで自分の手があるほうが力点となり、同時に天秤は重い物を持ち上げる道具になっている。 ちなみに支点は力学でも重要であり、英語では Fulcrum という固有の単語がある。 てこの歴史 [ ] この節のが望まれています。 のは、てこを使用し各種発明をしている。 伝説では「私に支点を与えよ。 さればを動かしてみせよう」といったという。 またの兵器等、いろいろなものに使用されてきた。 てこの種類 [ ] てこは支点、力点、作用点の位置関係により、以下の三種類に分類される。 三点を一直線上に並べたとき、真ん中が支点になるものを第1種てこと呼ぶ。 同様に真ん中が作用点であれば第2種、力点であれば第3種と呼ぶ。 英語では、てこの三種類で真ん中に来る点をそれぞれfulcrum(支点), load(作用点), effort(力点)として、 flex と呼ぶ覚え方がある。 ここでは、説明のため支点、力点、作用点が一直線上にあるが、実際はその必要はない。 くぎ抜きはそのよい例。 第1種てこ [ ] 第1種てこの図。 手の記号がある所が力点。 支点は三角形で支えられている。 矢印の大きさは力の大きさを表す。 てこで大きな力を得る場合は、力点と作用点の間に支点を置く。 力点を右側とした場合は、左から「作用点、支点、力点」の順になる(右図参照)。 力点で加えた小さい下向き力は、三角形で支えられる支点を媒介して、作用点で大きな上向きの力となる。 力点と作用点を入れ替えると要する力は大きくなるが、動きを大きく、あるいは速くすることができる。 代表的なてこの一種で、古くから巨石などを動かすのにも使われてきた。 この種類のてこを用いて大きなものを小さい力で動かす仕組みを使っている道具として、、、、等がある。 小さなものを速く大きく動かす仕組みとしてはがある。 おもりが落下することによって石弾を高速で投擲(とうてき)することができるが、おもりは石弾の数倍〜数十倍の重量が必要となる。 第2種てこ [ ] 第3種てこの図。 逆に、てこで大きな運動を得る場合は、支点を力点と作用点の外側で、かつ力点に近い場所に置く。 左側を作用点とした場合は、左から「作用点、力点、支点」の順になる(右図参照)。 力点に加えた小さな運動は、作用点において大きな運動となる。 その代償として、この種類のてこでは、加えた力よりも小さい力が伝えられる。 この種類のてこを用いた道具には、、、手持ち式の、、などがある。 てこの応用 [ ] 実際の道具や機械には、てこの仕組みを複数使っているものがある。 例えばは、力点、支点、作用点、各2つずつあると考えることができる。 のでは、かつてやを人力で動かすために、巨大なレバーをてことして動かしていた。 その名残で、電気的なスイッチの操作で済むようになった後も「てこ」と呼び習わされている。 てこの原理はにおけるにも使用されており、少林寺拳法でも重宝すべき原理とされている。 木てこと金てこ [ ] てこは工事現場などで、てこの原理を使って石や樹木をこじ上げて動かしたり、石材の合端を合わせたり、樹木の向きを変えるための専用の道具の名称でもある。 木製の木でこや鉄製の金てこがある。 追いてこ てこを物体の手前にこじ入れ、てこの先と地面の接する点を支点に物体を向こう側に移動させる方法 持ちてこ てこを物体の手前にこじ入れ、てこの先と地面の接する点を支点に物体を持ち上げる方法 はねてこ てこを物体の手前にこじ入れ、角材などの枕を差し込み、それを支点に物体を持ち上げる方法 舟漕ぎ てこを使って3人がかりで物体を少しずつ移動する方法 脚注 [ ]• 小学校では力を加える点を力点、てこが力を重りに与える点を作用点としているが、作用反作用の法則により力点も作用点も外力を受け、反力を出しているという点でなんら変わりがない。 そのため力学では力点・作用点をまとめて作用点(もしくは着力点)と呼ぶ。 を参照。 2007年10月27日時点の [ ]よりアーカイブ。 2008年5月10日閲覧。 参考 のMnemonic• 理科ねっとわーく、2017年10月4日閲覧。 『少林寺拳法のススメ』16頁。 日本造園組合連合会. 2019年10月16日閲覧。 関連項目 [ ]• - などの商取引において、少ないで大きな資本を動かす上の仕組みをてこになぞらえてレバレッジ(: leverage)などと呼ぶ。
次のスポンサーリンク てこを入れるの語源とは? それでは「てこを入れる」の語源について解説していきますね。 まず「てこ」とはなんなのか?その事から説明します。 「てこ」は漢字で「梃子」と書き、冒頭文でも少し触れましたが 「てこの原理」のこと! ここで「てこの原理」について少しお話しします。 てこの原理は「一本の棒の中心を支え、棒の片方に軽い力を加えることで、もう片方にある物体などを動かす仕組み」こと。 てこの原理を使えば、重いものでも簡単に動かせるようになるんです! 例えば公園にあるシーソー。 これも「てこの原理」で動いています。 シーソーの中心が軸となり(支点)、一人が地面を蹴って力を加えると(力点)、宙に上がりますよね。 それが正に「てこを入れる」の基になったと言われています。 「てこを使うとうまくいく」ことから、 「てこを入れる」=「うまくいっていない物事をうまくいくように助ける」という意味で使われるようになったんですね。 では、この言葉はどんな場面で使えるのでしょう? せっかく意味を知ったのですから使ってみたいですよね! 次で使い方を解説していきます! てこを入れるの使い方・例文! それでは「てこを入れる」の使い方の例をあげてみます。 まずはその場面を想像しながら読んでみてくださいね!• 「経営不振の会社にてこを入れる」• 「てこを入れることで、なんとか番組の打ち切りは免れた」• 「売り上げをあげる為のてこ入れとは?」 まず1つ目は、会社の経営がうまくいっておらず、そのことに対する対策の意味で「てこを入れる」と使われています。 一般的な使い方です。 2つ目はテレビ局が思い付く例文ですが、「てこを入れる」はこのようにテレビ局や出版社などでもよく使われているようです。 テレビ番組や雑誌などの視聴率や売上が悪い際、打ち切りを免れる為の対策のことを「てこを入れる」と現場で表現しているそうですよ。 3つ目は「てこ入れ」という言い方をしてみました。 この言い方も正解で、この例文では売上を伸ばす為の対策という意味で使っています。 今回は売上を例にしてみましたが、 「てこ入れする」は「相場」に対してとてもよく使われる言葉。 そもそも「てこを入れる」という言葉自体に「相場が下がらないように、若しくは上がるように買うこと」という意味が含まれているので、「てこ入れ」と新聞の経済面に載っていたりもしますね。 参考までに時間がある時にでも見てみてくださいね。 ちなみにですが、 「てこ」は「テコ」とカタカナ表記することもありますよ。 どちらでも正解ですので覚えておいてくださいね! スポンサーリンク さいごに さいごに「てこを入れる」類義語を紹介していきますね!• 「立て直す」 「改めてもう一度立てること、または悪くなった物をもとに戻すこと」という意味があります。 「チームを立て直す」などと使うことが出来ます。 「アシスト」 「人の仕事を手伝う」という意味です。 「先輩をアシストする」などと使えますよ。 サッカーでよく耳にする言葉だと思いますが、この場合は「ゴールに繋がるパスを出すこと、またはそれを行った選手」の意味があります。 また、「てこを入れる」の他にもてこの原理が語源になっている言葉があります。 「てこずる」 「もてあます、処理に困る」という意味があります。 「てこづる」と書く間違いが多いので気を付けてくださいね!• 「どんなことがあっても動かない、または意思や主張を変えない」という意味の言葉です。 今回は「てこを入れる」について説明してきました。 これからは会話で耳にした時には受け答えもしっかり出来ますし、経済にも使われる言葉ですから、さらっと使えたらかっこよく決まりますよ! 使うチャンスが来たら是非活用してみてくださいね!•
次の棒を一つの点で支え、その点を中心として自由に回転できるようにしたもの。 小さな力を大きな力に変えたり、小さな移動距離を大きな移動距離に変えたりする目的で使われる。 大きな石やレールのような重いものを動かす作業に役だつほか、鋏 はさみ 、ペンチ、滑車などの日常の道具によく応用されている。 てこを支える点を支点、力を加える点を力点、物体に力が作用する点を作用点という。 したがって、 aが bより大きければ、加えた力 Fよりも大きな力 Wを物体に加えることができる。 支点・力点・作用点の3点の位置関係によって、てこの働きは3種類に分けられる。 一つは力点と作用点が支点の両側にある場合で、釘 くぎ 抜き、ペンチなどに応用されている。 二つ目は支点と力点がてこの両端にあり、作用点が中間にある場合で、栓抜き、缶切りなどに応用されている。 三つ目は支点と作用点が両端にあり、力点が中間にある場合で、物体に加えられる力は力点に加えた力よりも小さくなるが、移動距離が拡大されるので微小な動きを観察しやすくなる。 天秤 てんびん の目盛りを読むための指針やピンセットなどはこのようなてこの働きを応用している。 てこを使って物体を動かす場合に、物体に加えられる力 Wが力 Fの2倍ならば、物体を動かす距離は半分になるので、力と移動距離の積で決められる仕事の量は、どちらの量も同じである。 [石川光男].
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