早稲田大学第一文学部を卒業して1年後の1990年、「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞して作家デビュー。 04年、「対岸の彼女」で第132回直木賞を受賞した。 03年の婦人公論文芸賞を受賞した「空中庭園」は、豊田利晃監督が小泉今日子主演で05年に映画化。 読売新聞で連載された「八日目の蝉」はTVドラマと映画になり、ドラマ版では檀れいが、映画版では井上真央と永作博美が主演した。 その他の映画化された作品に「真昼の花」(05)、「Presents」所収の「合い鍵」(06)、「うに煎餅」(07)がある。 「まどろむ夜のUFO」で第18回野間文芸新人賞、「ぼくはきみのおにいさん」で第13回坪田譲治文学賞、「キッドナップ・ツアー」で第46回産経児童出版文化賞フジテレビ賞と第22回路傍の石文学賞を受賞した。 関連作品(映画)• 7 2019年公開• 2 2017年公開• 4 2014年公開• 7 2011年公開• 5 2008年公開• 7 2007年公開 写真・画像.
次の角田光代さんのプロフィール まず初めに、角田光代さんのプロフィールです。 角田光代 1967年神奈川県生まれ。 早稲田大学第一文学部卒業。 1990年「幸福な遊戯」で、海燕新人文学賞を受賞し、デビュー。 2003年「空中庭園」で婦人公論文芸賞、2005年「対岸の彼女」で直木賞、2012年「かなたの子」で泉鏡花文学賞を受賞するなど、さまざまな文学賞の受賞歴を持つ。 その他の著書には、「笹の舟で海をわたる」「平凡」「愛がなんだ」「紙の月」など。 角田光代作品の魅力といえば、作品を通して描かれる、 壮大なテーマでしょう。 主人公はたいてい女性なのですが、彼女らは皆、傍目にはわかりにくいけれど、非常に大きな問題を抱えて生きています。 ですが、彼女らの悩みは、いわゆる分かりやすいもの 失業した、とか、離婚した、とか ではなく、周囲からの共感を得ることができません。 なかなか理解してもらえないからこそ、人知れず苦しんでいる。 そんな彼女らの悩みや苦しみ、その中でも感じることのできる喜びなどが、とても丁寧に、かつドラマチックに描かれていて、読者は物語を読み続けるうちに、いつのまにか主人公たちに感情移入しているのです。 特に女性の心理描写については、卓越していると思います。 サスペンス調だが、出生、愛情、家族などの日常的な要素が、独特の切り口で描かれる。 筆者が初めてふれたのは、永作博美さんと井上真央さんがW主演していた、映画版「」でした。 映画を観て非常に感動し、原作を読んでみたいと思ったことがきっかけで、角田光代さんを知りました。 原作では、映画よりもそれぞれの登場人物の心の葛藤が深く描かれており、それぞれの登場人物がおかれた立場について、より深く考えることができます。 そして、注目していただきたいのは、この小説のタイトル。 蝉はふつう、成虫になってから、7日間しか生きることができません。 8日目を生きることができた蝉にとって、世界はどんな風に見えるのでしょうか。 虐待事件の補充裁判員になった里沙子は、子供を殺した母親をめぐる証言にふれるうち、いつしか彼女の境遇に自らを重ねていくのだった。 社会を震撼させた乳幼児虐待事件と、であることの光と闇に迫る心理サスペンス。 筆者にはまだ子供がいないのですが、周囲で小さいお子さんを育てている友人や、親戚に話を聞くと、皆口をそろえて、「 子供を虐待して死なせてしまった母親のニュースをよく見るが、他人事とは思えない」と言っています。 小さいお子さん、特に乳幼児の間は、母親と子供がずっと家で2人きりで過ごしている、というケースは珍しくありません。 いくら、旦那さんがいるといっても、昼間は仕事に行っていますし、子供と向き合う時間は、圧倒的に母親の方が多いからです これから、そんなケースがどんどん減っていったらいいですね。 育児は本当に大変なことです。 知らず知らずのうちにストレスがたまり、つい子供にキツい言い方をしてしまったり、手をあげてしまいそうになることもあるそうです。 そんな、人知れず苦しんでいる母親たちの悲鳴が聞こえてきそうな物語でした。 子供を虐待死させてしまう可能性は、もしかしたら誰もが孕んでいる問題なのかな…と考えながら読んでいました。 裁判が進んでいく様子や、裁判員に選ばれた人たちが話し合っている場面は、とても臨場感があり、ページをめくる手が止まりません。 なかなかの長編小説ですが、読み応えのある作品をお探しの方には、ぴったりだと思います。 うとましいけど憎めない、古ぼけているから懐かしい。 変わらないようで変わりゆく、谷島酒店一家六人のアルバム。 作者初の長編小説。 角田光代さんの作品と言えば、どちらかといえば、社会問題を取り扱った重々しいものが多いのですが、この作品はほのぼのとしていて、安心感を持って読み進めることができます。 谷島家には4人の姉妹がおり、末っ子の里々子の視点で物語が進みますが、この4人姉妹がみな個性的で、読みながらくすくす笑えるようなお話です。 この作品以降の角田光代作品は、重く、暗い雰囲気が漂う物語が多いので、「 重くて暗い話は苦手」という方にも、このお話はおすすめです。 日本中、どの家庭にも起こりうる事件や、自分たちの意思とはうらはらに、どんどん家族の形が変わっていく様子を、どこか懐かしい気持ちで眺めることができそうです。 最後に この記事では、筆者の独断と偏見による、「角田光代」作品のおすすめをピックアップしてみました。 読了後、心の中に深い印象を残してくれる、角田光代作品。 彼女の書く作品はいつも、私たちが普段、見てみぬふりをしてしまいがちな問題についてあぶり出し、読者の心を揺さぶります。 現在、最も注目されている作家の1人である、角田光代さん。 最近では、古典の超大作「源氏物語」の現代語訳に挑まれています。 小説の他にも、エッセイなどを多く出版されていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。 あなたの心に刺さる一冊がありますように。 カテゴリー• 118• 368• 358• 1,429• 150• 815• 593• 172• 100• 179• 144• 135• 109• 567•
次の読売新聞文化部 待田晋哉 作家の角田光代さん(53)の朝刊連載小説『タラント』が、7月18日から読売新聞朝刊と読売新聞オンラインで始まる。 『源氏物語』の現代語訳に専念していた著者が、5年ぶりに挑む長編小説だ。 「本当に小説の書き方を忘れていて……。 うまくゆくように祈ってください」。 謙虚にスタートの日を待つ。 新作の主人公は香川のうどん屋が実家の女性 みのりの実家はうどん屋。 「去年、香川でうどんを食べたとき、こんなにおいしいものはないと思いました」(2020年6月) 今作の主人公のみのりは、香川のうどん屋が実家で、18歳の大学進学とともに上京した。 結婚して現在は洋菓子店で働く。 40歳を前にどこか宙ぶらりんな彼女の日々と、思春期を迎えた中学生のおい、片足がない90代の祖父との交流を描きながら、戦争やパラスポーツなどのテーマを織り込んでゆく。 「タラント」とは聖書にも出てくる言葉で、才能や 賜物 たまもの の意味だ。 「私はキリスト教徒ではありませんが、最近、『与えられたもの』といったことに興味があります。 何かを与えられ、それを生かすとは、どんなことなのか。 書きながら考えてゆくのでしょう」 それぞれの状況で、与えられたものを生かそうと心をめぐらせる人々の物語となりそうだ。 近代史・海外・パラスポーツ……広がる角田ワールド 小説『ツリーハウス』を書いた頃。 「自身の父方や母方の祖父が戦死したことが、年を重ねるにつれ、気になるようになった」という(2010年11月) 本紙連載は、乳児誘拐した女性とその後の世界を描いた2005年から06年の『八日目の 蝉 せみ 』以来、2回目となる。 「若い頃の私は、自分の近くのことに興味があった。 でも最近は、私を取り巻く世界や女性同士の人間関係だけではなく、例えば今の私に至るまでの背景にある長い時間の流れに関心が向くようになりました」と語る。 10年には、戦後に満州(現中国東北部)から引き揚げた一家を描く『ツリーハウス』を、16年には、裁判員制度を扱った『坂の途中の家』を刊行した。 近代の歴史や社会的な問題を扱う作品も発表してきた。 また、国際NGOの活動に協力し、インドやパキスタンなどの女性への差別や教育格差が残る地域を訪ねている。 パラスポーツは、パラ陸上の大会や練習風景を見学した。 競技用の義足をつけた選手と話す機会もあった。 「今まで、オリンピックもパラリンピックもきちんと見たことがなかったので、はじめてパラの陸上を見たときはやっぱりびっくりしました。 障がいの程度や種類による細かい区分けがあること、競技の方法も異なること(例えば目の見えない人の走り幅跳びと、義足の人のそれとは違いますよね)もはじめて知りました」と振り返る。 「パラリンピックの歴史をひもといてみて、障がいを持つ人の意識を変えようと、日本のパラリンピック開催に尽力した医師について知り、感銘を受けました。 1964年のパラリンピック開催から、オリンピックとはまったく別の歴史があることも知りました。 そこまで書くことはできないかもしれませんが、少しは触れられたらいいなと思います」 今作は、現代女性の感情を細やかに描く持ち味はそのままに、より広がってゆく「角田ワールド」を感じられる機会になるはずだ。 「源氏物語」現代語訳の影響は? 趣味はマラソン。 小説執筆のため、体力をきたえる。 走り出したきっかけは、「走ることが好きな作家仲間の飲み会に参加したかったから」(2016年10月) 準備期間を含めて6年をかけ、今年2月に完結した『源氏物語』現代語訳の経験が、自作に与える影響は、「まだ分かりません」と話す。 「『源氏物語』は細かい人物名や行事など、細々と物事が描かれます。 私も油断していると、小説の枝葉ばかりを詳しく描いてしまいそうになります」と、冗談めかして語る。 角田源氏は、敬語を思い切って省いた歯切れの良い訳文が、現代的だと評判になった。 「『源氏』には多くの人物が登場します。 現代語訳をすることは、その人物たちの声に耳を傾けるようなところがありました。 小説を書く際にも、それぞれの人物の声や言い分を注意深く聞くようになったかもしれません」 作中の人物たちが角田さんの手から離れ、自分たちの声を発するようになるとき、読者も思いも寄らない世界に誘われることになる。 木内達朗さんの挿絵も見逃せない 木内達朗さん 挿絵を担当するのは、イラストレーターの木内達朗さん(54)だ。 「角田さんの物語は、リアルな世界が描かれている。 小説にある程度、忠実に沿いながら、読者のイメージを膨らませるものを描くつもりです」と抱負を語る。 25年以上の画歴を誇るベテランの描き手だ。 重松清さんの小説『きよしこ』の装画と挿絵や、池井戸潤さんの半沢直樹シリーズ装画、下町ロケットシリーズ装画、ウディ・アレンの新作映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』の日本版限定ポスターなど、数々の作品を手掛けてきた。 今回の挿絵は、版画風の雰囲気を取り入れながらデジタルで制作してゆくという。 「自分の描き方であるノスタルジックなものが自然に出てくると思う。 長丁場なので、まずはしっかりと描きためてゆきたい」.
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