オシロスコープ トリガ。 【デジタル・オシロスコープ活用入門】第6回 トリガの達人になる

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オシロスコープ トリガ

計測器・測定器玉手箱 計測とトリガ 計測とトリガ 電子計測器を扱う上で、トリガの操作は欠かせません。 オシロスコープやカウンタなど、電子計測器を使う上で、トリガに関する設定は基本項目のひとつです。 トリガの設定次第で計測値は大きく変わります。 設定を誤ると、一見正しく表示されている結果が、実は意図しない部分を計測していたということもあります。 高精度な時間計測では、トリガのジッタ Jitter:タイミングのゆらぎ)が計測値の不確かさに直接影響を与えます。 トリガは、正確な計測を支える要素でもあるわけです。 ツマミの下にはSLOPEというボタンが見えます。 これで、トリガ源に選んだ信号の立ち上がりの傾斜部分 SLOPE を捉えるか、下りの傾斜部分を捉えるかを選択します。 LEVELと表示されたツマミは、選択した傾斜中のどの値 LEVEL を検出の境界とするかを調節するためのものです。 計測ではこうした境界値のことを、閾値(しきいち :Threshold level と呼びます。 この場合は、閾値が即ちトリガレベルであり、閾値を超えた瞬間がトリガポイント(計測開始点)です。 なお、一般にトリガによって計測を開始することを、トリガを「かける」と表現することが多いことを憶えておくと良いかも知れません。 ついでにもうひとつ、トリガをかける準備態勢に入り、トリガの待機状態にすることをアーム arm と呼ぶことがあります。 ロジックアナライザのように多チャネルのデジタル信号を扱う計測器では、デジタル信号(符号)が特定の値(パターン)になったときにトリガをかけることもできます。 反対に、特定の値から外れたときにトリガを発生できるものや、これらを組み合わせることもできます。 このように符号の組み合わせでトリガをかけることを、論理トリガなどと呼ぶこともあります。 テレビ(ビデオ)信号の計測では、垂直あるいは水平同期パルスを検出してトリガをかけたり、特定の部分(ラインナンバー)を指定できるものもあります。 信号の有無を判断してトリガする場合もあります。 例えば、オシロスコープのAUTOトリガは、信号が存在するときは通常のトリガ設定に従ってトリガを発生するほか、信号が一定時間到来しないときにもトリガを発生さます。 その結果、無信号時には画面に水平なラインが出ることになるので、無信号であることをオペレータが確認できます。 最近のオシロスコープでは、連続する信号が一瞬途絶えたときにトリガがかかる機能を持つものもあります。 この機能と、この後に述べる負の遅延を使うと、まれに信号が途絶えることによって起こるトラブルの原因究明などに便利です。

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[仕様]シングルトリガ、オートトリガとノーマルトリガ(トリガード)の違いは何ですか?

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jp 概要 ここでは、ディジタルオシロスコープ Digital Storage Oscilloscope; DSO を 使って、いろいろな電圧波形を観測するための、 基本的な手順を知識をまとめてあります。 研究室にあるDSO Tektronix TDS2024等 には、多数のボタン・ツマミが ありますが、主に使うのは上図の赤丸で囲った部分です。 以下で、これらを使って順に波形を観測してみましょう。 波形の観測とトリガ オシロスコープは、基本的には、周期的な電圧波形を、 「ある条件」を「トリガ」として、画面上に静止させて表示する計測器です。 この「ある条件」とは、通常は、 「電圧が、設定したしきい値を上昇して rising あるいは 下降して falling 横切る」タイミング、として定義します。 例えば上図では、1kHz・約4V p-pの正弦波を観測している 状態です。 画面内の波形表示エリアの上の端に下向きの黒色の矢印が、 また右端に左向きの黄色の矢印があります。 この矢印の交点である、画面上の赤丸内の点が、「トリガ」が かかる位置、になります。 このトリガの垂直位置は、「TRIG MENU」ボタンの左側の LEVELツマミで変更できます。 またトリガの水平位置は、パネル右端のHORIZONTALグループ内の POSITIONツマミで変更できます。 なおこの画面は、パネル上の「TRIG MENU」ボタンを押して トリガ条件を指定するメニューを表示させた状態です。 この中の「Slope」 傾き で、この中でトリガ位置を、 波形の立ち上がり rising とするか、立下り falling とするかを 指定できます。 この例では、トリガ条件をrisingに設定してあることがわかり、 確かに波形の立ち上がりをとらえていることがわかります。 なおこのトリガ条件指定メニュー内の他の項目をまとめておきます。 Type: 通常はEdgeのまま。 他にNTSCビデオ信号の垂直同期をとらえるNTSCなどがある。 Source: トリガを、どのチャンネルの波形を使うかを指定する。 例えばCH2にすると、トリガの水平位置を表す矢印が、 CH2の色である水色になる。 Mode: 通常はAutoにしておく。 後述のように、ときどき変化する波形を とらえるときは、Normalにする。 Coupling: 波形から、トリガ垂直位置をどのように取り出すかを指定。 波形メニュー 各波形の色のボタン 「CH1 MENU」など を押すと、 各波形の設定メニューが現れます。 ここでよく使うのは、「Coupling」メニューで、 これはプローブで拾った信号を、直接表示 DC か、 コンデンサをはさんで直流分をカットし、交流分 変化分 だけを 表示する AC か、あるいはチェック用にGNDに固定する GND かを 指定します。 この方形波の直流分がカットされ、 -2. 5Vの範囲で表示されていることがわかります。 9V〜10. 1V を観測するときに使います。 波形の電圧レンジは、MENUボタンの下の大きめのツマミで 変更できます。 例えば上図の例では、画面の左下のほうに「CH1 2. 00V」と 表示されていますが、これは画面上の縦方向の点線の間隔 DIVと呼ぶ が 2. 00Vであることを示していますが、このツマミで、この数値を 変更できます。 また波形の0Vの位置は、画面内の波形表示エリアの左端に、 波形の色の三角マーク・チャンネル番号とともに示されていますが、 これはMENUボタンの上の小さめのツマミで変更できます。 なお「CH1 MENU」ボタンなどをもう1回押すと、 そのチャンネルの波形自体が表示・非表示を切り替えられます。 観測していない波形は非表示にしておくとよいでしょう。 単発波形の観測 オシロスコープは、基本的に、波形の表示が常時更新されていて、 トリガがかかっているときにはその位置を固定し、 トリガがかかっていないときはそのままの波形を表示します。 そのため、周期的な電圧波形の場合は波形が止まって見えますが、 単発的におこる現象をとらえるのは、本来は原理的に不可能です。 ところがディジタルストレージオシロ DSO では、観測波形を 常時メモリに蓄えているため、単発現象を観測することが可能です。 その方法は、次の2つがあります。 Normalモード トリガ条件指定メニュー内の「Mode」を「Normal」にすると、 トリガがかかるときだけ画面が更新され、 次にトリガがかかるまで画面が更新されません。 そのため、単発的におこる現象を、画面上で止めて観測することができます。 Single Sequence トリガが1回かかったら、観測自体を止めてしまうのが Single Sequenceモードです。 まずパネル上の右上のほうにある 「SIGNLE SEQ」ボタンを押します。 すると画面の上のほうに「Ready」と表示され、波形表示が静止します。 この状態が、トリガがかかるのを待っている状態です。 この状態でトリガがかかると、画面の上のほうの表示が 「Acq Complete」となり、設定したトリガ条件の前後の波形が 表示され、再び波形表示が静止します。 この状態では、再びトリガがかかっても、画面は更新されません。 そのため、測定開始後の本当に1回だけの現象を観測することができます。 カーソルと計測 ディジタルストレージオシロスコープでは、画面上に電圧や時間などを 計測するためのカーソルを表示させることができます。 パネルの上のほうの「CURSOR」ボタンを押すと、 カーソル設定メニューが現れます。 Typeを「Amplitude」にすると、2本の水平線が現れ、 それぞれの電圧、および両者の電圧の差が表示されます。 この例では、上の水平カーソル1が2. 16V、下の水平カーソル2が -2. 16Vの位置にあり、その両者の差が4. 32Vであることが わかりますが、このカーソルを正弦波の上下のピークにあわせて ありますので、この4. 32Vが正弦波のピーク-ピークの電圧であることに なります。 Typeを「Time」にすると、2本の垂直線が現れ、 時間方向の計測ができます。 GND接続 オシロスコープの4本のプローブのGNDは、すべて内部で接続されています。 そのため、4本のプローブすべてのGNDを回路に接続する必要はなく、 どれか1つをGNDにつないでおけばOKです。 ただし、周波数が高い信号や微弱な信号を測定するときは、測定点と オシロのGNDが離れているとそこに電位差が生じ、本来の波形が 観測できないことになりますので、各プローブのGNDをちゃんと接続しましょう。 またプローブのGND端子 ミノ虫クリップ は、引っ張るとはずれます。 そのため、使っていないチャンネルのプローブを回路のGNDに接続しておき、 測定したいチャンネルのプローブのGNDをはずしておくと、 測定する箇所をいろいろ変えたい場合にはやりやすいでしょう。 プローブの先 プローブの先は、引っ張るとはずれ、針のような電極があらわれます。 そのため、端子にひっかけて固定して測定するのではなく、 測定する箇所をいろいろと変えたい場合には、この状態にして 測定箇所にプローブの針をあてるようにするとやりやすいでしょう。 UART通信波形などの観測 UARTやI2Cなどのディジタルのシリアル通信の波形を 観測する場合は、単発波形ですからNormalモードあるいは Single Sequenceモードを用いるとよいでしょう。 またトリガ位置より前の現象は意味がありませんので、 トリガの水平位置を画面の左のほうに持っていくと 測定範囲を有効に使えるでしょう。 波形の保存 TDS-2024Bでは、USBメモリに波形 画像・CSVデータ を保存できます。 PRINTボタンを押すと、その時点での波形の画像とCSVデータが保存されます。 なおUSBメモリによっては相性があるようです。 おや?と思ったときは・・・ プローブの倍率 プローブ本体の腹の部分には、下図のように倍率を設定する スイッチがあります。 プローブの根元 プローブの根元のところは、プローブ本体と ケーブルの接続部分になっていて、ネジ留めで固定されています。 ときどきゆるんでいると、観測しているはずの波形が現れない、 などの現象がみられますので、おかしいな、と思ったときは 疑ってみましょう。 ちなみに、プローブのGND端子のミノ虫クリップがついてるケーブルも ときどき断線しかかっていることがあるようです。 上図の赤丸内 正確な波形観測が必要な場合は、特に、測定に先立って 校正を行いましょう。 CH1のプローブ接続端子のすぐ左にある金色の端子には、 1kHz・5V p-pの方形波が現れていますので、 プローブをそこにつなぎ、下の図の校正OKの状態の波形になるように トリマを小型プラスドライバーで調整します。

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トリガモードには、シングル、オート、ノーマル トリガード の3種類があります。 シングルモードは、Singleボタンを押すことで、トリガ回路をアーミングし、指定したトリガイベントが発生すると1回だけ波形表示を更新します。 インパルス応答を捉えるなど、単発現象を見る際に使います。 シングルモードは、フロントパネルのSingleボタンを押すことで実施できます。 ノーマル トリガード モードは、シングルモードに似ています。 違いは、トリガイベントが発生する度に、波形表示が更新されることです。 波形を更新し、画面に表示を終えると、トリガ回路はアーミング状態になり、次のトリガを待ちます。 機種により、ノーマルモード、トリガードモードと言われます。 オートモードは、トリガイベントが繰り返し、速く発生する場合には、ノーマルモードとほとんど同じ動作をします。 違いは、一定時間以内にトリガイベントが発生しない場合、オシロ内部でトリガ信号を発生させ、自動的に波形表示を更新することです。 内部で発生したトリガ信号は観測対象の波形と非同期となりますので、画面はパラパラと更新されます。 トリガ条件がわからない場合、とりあえず、非同期で、観測対象の波形を見ながら、安定したトリガ条件を探します。 トリガ条件がわかる場合には、ノーマルモードを用います。 ノーマルモードとオートモードの切り替えは、オシロスコープのトリガ関連の項目で変更ができます。

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