逆流性食道炎のグレードMと3ヶ月前に胃カメラで診断されたのですが、それがまだ治っていなくて気になっています。 そして、気にしているからか、痛たたたとなるほどの痛みじゃないのですが、痛むような感じがします。 そして食道がんになってしまったのだろうかとか考えてしまっています。 気にしているからなのか、元から痛んでいるのかどうかも分からないです。 何かに夢中になっているとき、例えばゲームに集中していて痛いってことを忘れていたときなどは痛いのを忘れています。 思い出すと痛みが出ます。 気にしている間ずっと痛いと感じている訳でもなく痛いなと思って、すぐ痛みが違和感ぐらいになってって感じです。 気にしているからでしょうか? 回答お願いします 逆流性食道炎は胃と食道の間の逆流防止弁が(年齢とともに)劣化して胃酸が逆流することが原因です。 私も軽度の逆流性食道炎にかかったのですが、痛み止めとして即効性のある太田胃散(制酸剤)を飲む他には食後すぐに横にならないなどの生活上の注意を払うだけで(胃カメラで見て)治ってしまいました。 何年かはかかりましたが。 治った後もたまに胃が痛むことはありますが、その都度太田胃散を飲むと痛みは収まるようです。 胃カメラは1年に1回が普通ですよね。 その都度悪化したり、太田胃散などの手近な制酸剤も効かないようなら医師の薬を貰うことはアリと思います。 ただし胃の薬は高価な割にはさほどの効き目もなかったりすることもある(従って以外と長期戦になる)ことは知っていて良いと思います。 癌になることはあり得ることですが、軽いうち(=グレードM)はあまり心配せず、生活習慣病と割り切って制酸の工夫をすることが対処の出発点と思います。
次の逆流性食道炎が発症する仕組み 逆流性食道炎は、食道へ胃酸が逆流することが原因で発症する病気です。 LES(Lower Esophagus Sphincter・下部食道括約筋)と呼ばれる筋肉が胃と食道の中間にあり、健康なときはこの筋肉が締まっている状態です。 下部食道括約筋は胃液の逆流を抑える役割を担っていますが、食べ物を口にするときだけ通常は締まっているこの筋肉が開いて胃に運ばれます。 いろいろな原因がきっかけで下部食道括約筋が弱まると締まることがなくなってしまうので、食道に胃酸が逆流します。 胃で分泌される粘液のお陰で、胃の粘膜は胃酸によって障害を受けることがありません。 ただ、 食道の粘膜は保護されていないことから、胃酸が流れてくることで炎症を起こして(ただれて)しまいます。 胃酸は胃液に入っている酸のことで、塩酸を主成分とし、消化酵素の機能をサポートしたり、食べ物や飲み物を口にしたときに混ざって体内へ侵入する微生物を殺菌する作用を持っています。 食道が胃液で溶かされてしまい、炎症を発症するのが逆流性食道炎です。 アルコール アルコールを摂取すると、下部食道括約筋が弛緩したり胃酸の分泌量が増えるなどの症状を招くといわれています。 腹圧が上昇することと下部食道括約筋の働きが弱まることから、食道へと胃酸が戻されることによって発症します。 肥満 欧米諸国では、肥満症の方ほど食道裂孔ヘルニアの発症リスクが高まることがわかっています。 肥満症になると腹圧が高まることから、胃酸の逆流の症状を招きます。 姿勢の悪さによる胃酸の逆流 姿勢が悪く背中が曲がっていると 腹圧が強化され、胃酸の逆流が生じやすくなります。 腹圧とは胃・腸・肝臓など腹部の内腔にかかる圧力のことで、便を排出させるためにいきんだりするときに生じる圧力のことをいいます。 猫背の姿勢は腹部が潰された体勢になりますので、お腹に大きな圧力がかかってしまい、胃が圧迫を受けて逆流します。 加齢 年齢を重ねるにつれ、下部食道括約筋の働きが弱まりゆるくなります。 過食や脂肪が多い食生活 脂肪分が豊富な食事を摂ると、ホルモンの機能などを介して下部食道括約筋がゆるくなることがわかっています。 胃酸が増加することから、症状を進行させてしまいます。 食道裂孔ヘルニア 食道裂孔ヘルニアとは、腹圧が上がることや年齢が高くなったことなどが原因で食道の方に胃が飛び出した病態のことです。 下部食道括約筋がゆるまってしまうことから、食道への胃酸の逆流が生じやすくなります。 逆流性食道炎の主な症状 逆流性食道炎は、主に以下の症状が現れます。 喉の違和感(喉が痛いなど)• 咳や喘息の症状• 胸の痛み• 呑酸(どんさん・口の中に胃酸が逆流すること。 酸っぱい物が上昇してくる)• 胸焼け• げっぷ• 飲み込みにくさ• 声がしわがれる• 背中の痛みなど 咳の症状が出る原因は、食道に流れている神経が刺激を受けるからだといわれています。 逆流性食道炎だから必ずしもどの症状があるというものではなく、個人差があります。 上記の症状があっても、逆流性食道炎とは異なる病気を診断される患者さんもいますので、正しい病名を知るためには医療機関を受診することが大切です。 逆流性食道炎の場合は 何科を受診するかというと、消化器科などになります。 反対に、別の疾患だと思って病院へ行ったら逆流性食道炎が判明したというケースもあります。 咳の症状が改善しないので喘息を疑って診てもらったところ、逆流性食道炎が判明した。 胸痛の症状が現れたので心臓の疾患だと思い受診したら、逆流性食道炎だったなどです。 あまり多くない事例ではありますが、逆流性食道炎が改善しなかったら食道が狭くなったという患者さんもいます。 検査で内視鏡検査が行われる理由 逆流性食道炎かどうかの診断は、一般的に内視鏡検査と患者さんによる自覚症状との主に2種類で行われています。 どうして内視鏡検査をするかというと、逆流性食道炎だと推測していたのに実際には 食道がんを患っていたという可能性があるためです。 以前に内視鏡検査を受けて食道がんではなかったという方も、前回から1年以上経過しているならまた検査を受けて現在の状態を診断してもらった方が安心です。 逆流性食道炎の治し方 医療機関における逆流性食道炎の治し方は、主に以下の2通りです。 薬物療法 逆流性食道炎の薬物療法は、 胃酸の逆流を阻止する、または逆流してしまった場合でも酸を弱めるのどちらかを目指して処方されます。 胃酸の分泌を抑えるために、胃酸分泌抑制薬が処方されます。 胃酸分泌抑制薬はネキシウム、タケキャブ、タケプロン、パリエットなどのPPI(プロトンポンプインヒビター、またはプロトンポンプ阻害薬)やH2RA(H2受容体拮抗薬)という種類が用いられています。 胃酸で受ける刺激を抑制させられることから、高い効き目が発揮されます。 逆流性食道炎には、H2RAもPPIの方が有効です。 効果が実感されるまで、何日も必要な場合があります。 患者さんの体質によってあまり効果がでないこともありますので、もし回復している時間が得られなければ、そのことを率直にかかりつけ医に伝えてください。 患者さんによっては、上部消化管に効く漢方薬の六君子湯や、腸管蠕動改善薬のガスモチンなどが適することもあります。 アルギン酸は水が加わることでとろみのある液体に変化することから、食道粘膜全体に行き渡って包み、そこへ酸が逆流してきたとしても食道に刺激を与えないようにしてくれます。 ただ、複数回ものを摂取することで落ちてしまうと、効き目も損なわれてしまいます。 制酸薬は服用することで酸が中和され、胃酸が逆流したとしても刺激を起こさない働きをします。 即効性は高いものの、中和されたら速やかに胃から排出されてしまうので、効き目が長く続きません。 アルギン酸も制酸薬もこれらの性質から、一時的に症状を楽にする目的で使用されます。 消化管運動賦活(ふかつ)薬は、食道蠕動(ぜんどう)運動を増やし強化する働きと、噴門(ふんもん・食道と胃がつながっている部分)の逆流を予防する効果があります。 ただ、逆流性食道炎の薬物療法における消化管運動賦活薬は、補助的なものです。 手術 手術は、薬物療法を行った上で回復されなかったときに検討される治し方です。 胃液が逆流するのを、胃を利用することによって予防するという手術内容になります。 近年では、手術によって逆流性食道炎の治療が行われるケースは 減少しています。 理由は薬物療法で十分に効果が発揮されるようになっていることと、手術をするということは患者さんの体にとても大きな負担をかけてしまうためです。 逆流性食道炎のチェック方法 以下の4項目の中で、当てはまるものがあるかチェックしてみてください。 1つでも該当する項目があれば、 逆流性食道炎の可能性が考えられます。 ぽっちゃり体型である• 咳込んで夜中に目が覚めることがある• 酸っぱいものが胃の中から上昇してくる• 1週間に1日以上不快な胸焼けの症状がある、もしくは1週間に2日以上軽度の胸焼けがある 逆流性食道炎の予防方法 逆流性食道炎を防ぐ方法は、主に以下の点に気を付けることが大切です。 ・腹圧が上昇する姿勢を改善すること ・アルコールの摂り方や脂肪分が豊富な食生活を見直すこと 逆流性食道炎は、 日常生活上で少し気を配るだけで改善できることがあります。 ぜひ、以下のことに注意してみてください。 肥満対策を行う 食べ過ぎると胃の中の圧力を上昇させたり胃酸の分泌量を増加させますので、ほどほどの量を意識しましょう。 特に夕飯はさっぱりとした献立を心掛けたいところです。 早食いにならないようよく噛んでゆっくり味わい、過食を避けることが大切です。 早食いや暴飲暴食、炭酸飲料などは、一過性LES弛緩の原因となり、逆流を引き起こしやすくなりますので注意が必要です。 腹圧を上げない 日常生活の中で、以下のようなことをすると腹圧が上がってしまいます。 腹圧が上がれば胃酸の逆流を招きますので、 できるだけ避けたり作業を減らすなど心掛けてください。 力んで排便を行わない• ベルトをきつくしめない• 庭仕事など前かがみの姿勢を取らない• 重量が大きなものを持たない• 演説や歌などで大きな声を出さない 妊娠中や骨粗しょう症が原因で常に腰が曲がった状態でいる場合は腹圧があがりますが、これらはすぐにどうにかできるというものではありませんので、極力背中を伸ばすようにしてみてください。 内臓脂肪が多いほど腹圧をあげますので、胃酸の逆流させないために脂肪を落としましょう。 寝方はうつぶせ寝を避けよう 食事をしたら眠くなるので、ちょっと横になって昼寝をしたくなることがありますよね。 でも、食べた直後は体を横にすると胃酸を逆流させやすくなります 逆流性食道炎の可能性があるときは、食後1時間~2時間は横にならないようにしてください。 胸焼けの症状がひどいときには就寝前に物を口にしないように注意し、1日3食の中で特に夕飯の量を抑えるように心掛けましょう。 多少上体が高めの寝姿勢がいいので、マットを折り曲げたりクッションを敷くなどして、10cm~20cm頭部が高くなるように工夫してみてください。 寝るときの姿勢はうつぶせ寝を避け、寝方が横向きの方は右を下にするのではなく、左を下にして寝ることをおすすめします。 胸焼けを招く食べ物を減らす 逆流性食道炎の患者さんのほとんどは、胸焼けの症状があります。 食べ物そのものが胸焼けを起こしやすいものがありますので、量を控えることが逆流性食道炎の症状を減らすことにつながります。 食道の粘膜に刺激して胸焼けなどの不快な症状をもたらす食品は、フルーツジュース・スタミナドリンク・トマト・高い酸度の柑橘類・アメ・和菓子・酢の物・アルコール・タバコ・香辛料・紅茶・コーヒーなどです。 チョコレートなどの甘い物・脂肪分が豊富な食べ物などは、胃の中に長時間停滞する、または胃酸の分泌量を増加させることから胃酸の逆流を生じさせやすい傾向があると考えられています。 ただ、これらの食品は一般的に胸焼けを起こしやすいといわれていますが、厳密に避けなければならないというわけではありません。 逆流性食道炎への対応は、患者さん一人ひとりが違っていていいものです。 上記の食品を 実際に口にしてみて、胸焼けの症状が起きたものだけは避けたり量を控えるなどする程度で十分です。 食品それぞれに対しては個別の判断で構いませんが、生活習慣病のリスクを減らせるという観点から、早食い・暴飲暴食・高脂肪食を控えること、禁煙や禁酒に積極的になることなどができれば理想的です。 食道がんにつながるリスク 逆流性食道炎は、確かにすぐに命をおびやかすような疾患ではありません。 がんにつながる可能性がどのくらいあるのかなど明らかになっていない部分が多いので、「たかが逆流性食道炎だから病院に行かなくても大丈夫」などと自己判断で治療を受けないのは間違いです。 バリウムや内視鏡の検査を受けずに、患者さんの問診だけで食道がんを発症していない診断するのは医師でもできません。 逆流性食道炎である場合でも、放置していれば合併症を引き起こすリスクがあります。 バレット食道(胃の粘膜に食道の粘膜が置き換えられてしまう疾患)の発症につながりかねず、バレット食道は放置しておくと食道がんを発症する可能性があります。 これらを総合的に考えれば、やはり逆流性食道炎と疑われる症状がある場合には、医療機関で正しい診断と治療を受けられることをおすすめします。
次の今、学会・研究会においては、胃十二指腸潰瘍に代わり逆流性食道炎及び胃食道逆流症への関心が高まっています。 なぜ今、胃食道逆流症(逆流性食道炎)なのでしょうか? ひとつには、食事および生活習慣の欧米化やヘリコバクター・ピロリ菌感染者の減少に伴い、逆流性食道炎及び胃食道逆流症の頻度が増加していることにあります。 事実、1970年代後半の報告では、逆流性食道炎の頻度は1. 6%~2. 9%であったのに対して、20年後の1990年代後半の報告では、16. 3%に増加しています。 内視鏡検査で異常を認めない症候性GERDも逆流性食道炎と同等に存在し、胃食道逆流症は30%前後の頻度でみられるとされています。 実に3~4人に1人の割合で存在することになるのです。 当院においても、逆流性食道炎は12%の頻度で、症候性GERDを含めた胃食道逆流症全体では25%の頻度で認められました。 もうひとつには、逆流性食道炎及び胃食道逆流症がQOL(Quality of Life)を著しく障害する疾患であるということです。 未治療の逆流性食道炎は狭心症よりもQOLを損なう疾患とされているのです。 このような理由で、逆流性食道炎及び胃食道逆流症は胃酸関連疾患の中で非常に重要な疾患になったのであります。 胃食道逆流症 GERD の診断・症状は? 胃食道逆流症の診断は、逆流の有無を知ることが最も確実であり、その為、食道内pH測定や内圧測定が推奨されますが、患者の負担が大きくどこでも出来る検査ではありません。 そこで、他の食道・胃疾患と同様に上部消化管X線検査、内視鏡検査が行われています。 これらの検査は食道裂孔ヘルニアの有無、逆流性食道炎の有無を知ることができ有用な検査であります。 しかし、逆流性食道炎やヘルニアが必ずしも存在するとは限らず、胃食道逆流症の診断は患者様の症状によりなされることが最も多いようです。 第一線で診断にあたっている医師を中心にアンケートをとったところ、大半の医師は症状重視で胃食道逆流症と診断しており、悪性病変さえ否定できれば症状のみでGERDを診断していいと考えているようでした。 それではGERDの症状はどのようなものでしょうか?まず、最も重要な症状は、胸焼け(溝落ちから口側にむかって広がる焼けるような感じ、チクチクした感じ)です。 そして、それは食後や前屈位で増強することが多く、PPI(プロトンポンプ阻害薬:胃酸を抑える薬)で改善すること(PPIテスト)が診断の助けとなります。 それ以外にも、胃痛、胃の不快感、嘔気、胸痛さらには咽頭痛や咳など消化管らしくない症状もあり、十分な問診が重要となります。 胃食道逆流症 GERD の治療は? 食事療法・生活指導 胃食道逆流を悪化させる食物としては、高脂肪食をはじめチョコレート、アルコール、コーヒー、炭酸飲料、柑橘系ジュース、香辛料、玉ねぎ等が挙げられます。 また、わが国に特徴的なものとしては餅やあんこ、饅頭なども増悪因子と考えられます。 食事療法としては、これらの食事を避けることが重要です。 たばこもLES圧を低下させ、胃食道逆流症の増悪因子となるので喫煙も避けた方がいいでしょう。 また、腹圧の上昇が逆流の原因、増悪因子となることから、食べ過ぎに注意する、前屈位を避ける、食べてすぐ横にならない等の注意が必要となります。 そして、就寝時の上半身挙上は、胃酸逆流を抑制させるので、薬物治療とともに有効な治療法となります。 このように食事・生活様式は胃食道逆流症と深く関わっているので改善することが重要です。 薬物療法 胃食道逆流症(GERD)の治療薬としては下記のようなお薬を投与致します。 決められた量を規則正しく服用しましょう。 GERD治療の場合、H2ブロッカーがあまり効かないことが多く、PPIが用いられます。 食道粘膜を直接保護する薬剤も用いられます。 それでも、PPIでコントロールできない場合、服薬の中止で再燃・再発を繰り返す症例、食道狭窄、短食道などの合併症を認める場合には、手術療法が選択されます。 また、最近では内視鏡手術も行われるようになってきています。
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