コスプレ衣装• 【ア】行 衣装• 【カ】行 衣装• 【サ】行 衣装• 【タ】行 衣装• 【ナ】行 衣装• 【ハ】行 衣装• 【マ】行 衣装• 【ヤ】行 衣装• 【ラ】行 衣装• 【ワ】行 衣装•
次の回復訓練でのたちへの指導から、厳しくも優しい性格が窺えます。 容姿 黒髪はツインテールに結われており、蝶の髪飾りを付けています。 鬼殺隊隊士であるため、隊服を着用していますが、隊士の治療などを行うことから、隊服の上から看護服を着用しています。 神崎アオイの役割 蝶屋敷で負傷した隊士の治療したり、復帰訓練のサポートを行ったりと、裏方としての役割を担っています。 薬学に精通するしのぶの下で薬学の勉強をしており、簡単な薬の調合が可能であることが24話の予告で明らかになっています。 怪我を避けて通れない鬼殺隊にとって、怪我人の世話や簡単な調合の行うことができる神崎アオイの存在は大きいようです。 神崎アオイの初登場 アニメ 23話 『柱合会議』 漫画 6巻 48話にあたるエピソード。 鬼殺隊の隊士になるべく最終選別を生き残ったものの、恐怖から戦いに出ることができずサポートを行う自分に、思うところがあるようです。 「そんなの関係ないよ 俺を手助けしてくれたアオイさんはもう俺の一部だから アオイさんの想いは俺が戦いの場に持っていくし」 己のことを「腰抜け」だという神崎アオイは、炭治郎のこの言葉を聞いて以降、彼を気にかけるようになります。 候補の中には「胡蝶」、「久世」、「本宮」なども存在していましたが、カナヲは結局「栗花落」を選んでいます。 神崎アオイの担当声優 神崎アオイの声優を担当されているのは、江原 裕理 えはら ゆり さん。 ufotableに所属されており、声優、アニメーションスタッフとして活躍されています。 12で発表された『おへんろ。 ~八十八歩記~』の主役の1人である、ちわ役でデビューを果たしています。 2016年-2017『テイルズ オブ ゼスティリア クロス』では、ノルミン天族、イアン役を務め、2019年『シーサイド荘のアクアっ娘』では、マール役を務められています。 神崎アオイの名シーン・名台詞 神崎アオイの名シーン・名台詞にはどのようなものがあるのか紹介します。
次の見守る恋 [jump:2] 大学生現パロ。 学食のおばちゃんが二人がくっつくまでを見守ります。 I love you [jump:3] キメ学軸現パロ。 診断メーカーより。 『「I love you」をほおずきの伊アオ風に訳すと「今すごくどきどきしてる」になりました。 』 3. ご飯を食べよう [jump:4] 大学生現パロ。 同棲しています。 二人がご飯を食べるだけのお話。 ありきたりな光景 [jump:5] 大学生現パロ。 同棲しています。 アオイちゃんが食器を洗っている最中に、ちょっかいをかける伊之助。 花嫁衣裳 [jump:6] 鬼のいなくなった世界で淡々と暮らす二人。 炭カナ要素あり。 pixiv. php? [newpage] [chapter:見守る恋] 私の働く大学の学食は、それなりに大きな大学という事もあってか、午前10時の開店から午後8時の閉店まで、人の入りが割りと良い。 パートタイマーとして短い時間だけ働けるのも、年のいった自分にはありがたい。 私はいわゆる学食のおばちゃんだ。 学食には、毎日通いつめてくる子もいる。 そういう子達は、学食のおばちゃん連中の中でも顔を覚えられていたりする。 勝手に渾名が付けられていたり。 それに、たまにしか来ない子でも、目立つ子はすぐに覚えられる。 例えば、昨年入学するなり美人だと話題になり、ミスコンにも他薦で優勝した、1つ結びの片側ポニーテールに蝶の髪飾りを付けた子や、その子と一緒に学食に来る、2つ結びのこちらも蝶の髪飾りを付けた女の子とか。 この2人はだいたい一緒だから、まとめて蝶々コンビ、とおばちゃん達は影で呼んでいる。 あとは、その子達とたまに一緒にいる金髪の男の子。 女の子達への態度がとても優しいので、金髪ジェントルマンと呼ばれている。 そして今年、その3人組にさらに1人、目立つ子が混じるようになった。 すごくカッコいい子が入ってきたと、今年の話題を攫っていった、ワイルドイケメンだ。 入学早々、数多の女子に告白され、その全てを一刀両断にしていったとの噂は、耳の早い食堂のおばちゃん内ですぐに共有された。 おばちゃん内では、イケメンなのに彼女がいないなんて勿体ない派と、取っかえ引っ変えしないなんて良い子じゃないの派に別れた。 ちなみに私は後者だ。 彼に彼女がいない事は入学早々に判明した。 金髪ジェントルマンとワイルドイケメンが2人揃って、入学早々に人の集まる昼の学食に現れて、昼ご飯を食べながらこんな話をしていたのだ。 「え?大学生活の謳歌には彼女作っていちゃいちゃする、とかも必要でしょ?!」 「んなもん興味ねーし。 おまえそんな事考えてたのかよ。 もしかしてカナヲとかと仲良くしてんのも、それ狙ってか?おまえ気持ちわりーな」 「んなわけないでしょ!!分かってるのになんでそーいう事いうかなぁ、伊之助は!俺は禰豆子ちゃん一筋なの!!」 「ふーん」 この会話から、ワイルドイケメンに彼女がいない事は判明した。 女の子に興味が無いとはっきり言っているのに、それでも突撃していく女子達には脱帽だ。 若さってすごい。 ちなみに、ワイルドイケメンが蝶々コンビと食堂に現れるようになったら、告白の嵐は止んだらしい。 ミスコン優勝者には敵わない、という冷静な判断だろうか。 と、このように入学時には女の子には興味が無いと公言していた彼だが、入学して早半年。 既に秋も深まり、食堂でも芋栗かぼちゃ特集を組むような時期になった。 今、彼には好きな子がいるんじゃないかと私は踏んでいる。 きっとお相手は蝶々コンビの片割れだ。 2つ結びの子の方。 ミスコン優勝者の陰に隠れがちだが、彼女も綺麗だ。 いつもぴしっとした姿勢が美しいし、品物を渡した時の、きりっとしていた顔がふんわりと笑って「ありがとうございます」というギャップもたまらない。 彼女に恋をしているだろう、と思った理由は、ワイルドイケメンくんが彼女と二人で食堂に来る時だけ、なんだか優しいからだ。 例えば、食堂にはお茶の無料サーバーが置いてあるのだが、彼女の分のお茶も汲んできてあげている。 蝶々コンビの1つ結びの子と二人で来る時は、お互い自分で汲みに行っている様子が確認されている。 ちなみに金髪ジェントルマンと2人の時は、金髪ジェントルマンに汲みに行かせているようだ。 金髪ジェントルマンが「俺の方が先輩だよ?!」等、嘆きながらも汲みに行ってあげている優しさ溢れる様子を見た。 例えば、彼女がメニュー表を見ながら何にしようか悩んでいる様子をガン見している。 他は眼中にありませんって顔しながら。 そして、彼女がAセットとBセットで悩んで、Aセットにしたら、ワイルドイケメンはBセットにして、ひと口やるよ、と言い放つのだ。 この他にもいくつか事例はあるが、私の中の見解では、ワイルドイケメンは2つ結び蝶々ちゃんに恋をしている、で落ち着いている。 夏休みが終わった辺りから、2人きりで学食に現れる事が増えたから、脈ありなのではないかと思っている。 頑張れワイルドイケメン、とひそかに私は応援している。 事件だ。 世間は間もなくクリスマスだと浮かれているのに、ワイルドイケメンくんが2つ結び蝶々ちゃんと一緒に学食に来る事が無くなってしまった。 忙しくなったのか、ワイルドイケメンくんは1人で学食に来て、すぐに去っていく。 蝶々コンビは相変わらず食堂に来てくれているけれど、2つ結び蝶々ちゃんの方の元気が最近ない気がする。 いつもと変わりないように見えるが、意識してそうしている、という感じがしている。 おばちゃんの目は誤魔化せない。 元気づけるためなのか、1つ結びちゃんが彼女にデザートを奢ってあげている時もあった。 ワイルドイケメンくん、振られちゃったから会いにくくなっちゃったのかな?2つ結び蝶々ちゃんは振った事を悔やんでる…とか? しがない食堂のおばちゃんは、そういう事もあるよね、と若者の恋を見守るしかないのだ。 冬休み明け、構内に物凄い勢いで噂がまわった。 ワイルドイケメンが右手の薬指に指輪をしてきたのだ。 それを見た女子達が、彼にとうとう彼女が出来た、相手は誰だ、他大学の美人な先輩だ、いやいやもっと年上の女性に養ってもらってるんだ、なんて根も葉もない噂を話し出したのだ。 でも私にとっては、なんでみんな気づかないの?ってぐらい、相手は明白だった。 だって、ワイルドイケメンが2つ結び蝶々ちゃんと、二人で仲良く、前よりも距離が近くなって学食に現れたから。 配膳の際にさりげなくワイルドイケメンの指をみたら、確かに右手の薬指に指輪が嵌められていた。 でも、2つ結び蝶々ちゃんの方を確認したら、何もしてなかった。 ちょっと残念に思ったけど、二人の距離感が明らかに縮んでいたから、私は絶対二人が良い感じになったんだ!と確信した。 そして乙女の闘いの日、バレンタインデー。 いつものようにワイルドイケメンと2つ結び蝶々ちゃんが食堂に来た。 そして配膳の時に、私は見た!彼女の右手の薬指に、さりげなく指輪がされているのを!蝶々モチーフの、おそらくブルーダイヤモンドがワンポイントに入っている物だ。 学生にはペアで購入するには少し高いのではないかと、下衆の勘ぐりをしてしまったが、きっとワイルドイケメンは頑張ったのだろう。 「なぁアオイ、2月の頭には直し終わってたのに、なんですぐ指輪付けなかったんだ?」 「伊之助さんの噂が凄すぎて、付ける勇気が湧かなかったんです」 「じゃあなんで今日は付けてきてくれたんだ?」 「…自信持てるから…」 「は?自信?」 「今日バレンタインじゃないですか!伊之助さんいっぱいチョコ渡されるかと思って。 …指輪つけてれば、私が彼女だって自信持ってられるから…」 彼女の赤面はにかみ顔に、ワイルドイケメンも私もノックアウトだ。 私の見解は間違って無かった!指輪の直しって事は、きっとサイズを間違えて渡して、彼女の分を直してもらってる間に、先にワイルドイケメンが付け始めたようだ。 納得納得。 彼女が赤い顔をしながらそわそわと指輪を触っている。 それを見るワイルドイケメンも赤面しつつ、とても嬉しそうな顔をしている。 見ていて、私まで幸せのお裾分けをしてもらった気分だ。 ワイルドイケメンくん頑張ったね、の気持ちを込めて、ほんの少しだけ、彼の生姜焼き定食のお肉を増やしてあげた。 二人に幸あれ! [newpage] [chapter:I love you] バタバタと校舎を走る。 普段は注意する側だが、人気の無い校舎では良いだろう。 すっかり遅くなってしまった。 つい1週間前から付き合い始めた彼は、まだ待っていてくれるだろうか。 短気な彼の事だから、もしかしたらいつも一緒にいる友達たちと帰ってしまったかもしれない。 一抹の不安が胸をよぎる。 走って来たことを知られたくなくて、彼の教室に近づいたら早足に切り替えた。 そっと教室のドアを開ければ、彼が机に突っ伏して寝ているのが見えた。 待ちくたびれて、眠ってしまったのだろう。 申し訳なくて、彼を起こさないようにそっと前の席に座った。 手を枕にして寝ている彼は、綺麗な顔が髪で覆い隠されている。 静かに手を伸ばして、前髪を分けると、くぅくぅとあどけない寝顔が見えた。 起きている時はあんなにうるさくて、突拍子もない行動ばかりする彼も、眠っているとまるで人形のようだ。 この人が自分の彼氏だなんて、いまだに信じられない。 アオイはちょうど1週間前の出来事を思い出した。 その日に伊之助に告白しよう、と思った訳ではなかった。 むしろ、ずっと胸に秘めているつもりだった。 告白して、友達という関係すら失うことは嫌だった。 それなのに、その日は伊之助がやたらとしつこく、好きな奴いるのかよ?と聞いてきた。 しばらく前に、カナヲと炭治郎が付き合い始めたから、そんな事を話題にしたのだろう。 「例えいたとしても、伊之助さんに言う必要はないですよね」 まさか本人にあなたですよ、なんて言えなくて、可愛くない返事をしてしまった。 「いるのかよ?どこのどいつだよ、それ。 教えろ」 「いやです、言いません!大して興味も無いくせに、何なんですか!」 「ある」 「え?」 「興味ある。 お前の事だから。 お前だから、誰が好きなのか知りたい」 真摯な翠の瞳に見つめられて、二の句が告げなくなった。 数秒なのか、数分なのか、体感としてはとても長い時間見つめあって、絶対引かないぞ、と言う伊之助の瞳にアオイは負けたのだ。 「…じゃあ、伊之助さんの好きな人も教えてくださいね?」 「おぅ」 「……伊之助さんです。 好きな人は…」 真っ赤になって、蚊の鳴くような声で呟けば、伊之助はひどく嬉しそうに、 「俺はお前だ!」 と言い放った。 その時から所詮彼氏彼女の関係になったのだが、お互い初めてお付き合いというものをする。 まずは何をしたら良いのか、と言う伊之助と、とりあえず毎日一緒に帰ることを約束した。 今日で1週間、約束は破られていない。 1週間前の出来事を思い出しながら、伊之助の綺麗な寝顔を見ていると、しみじみと、あぁ、愛しいな、と思った。 そうして気がついたら、伊之助の額に触れるだけの優しい口付けを落としていた。 あぁ、私、今すごくどきどきしてる。 [newpage] [chapter:ご飯を食べよう] アオイは伊之助が食事をしている姿が好きだ。 それが自分が作ったものならなおさらだ。 伊之助が子供のように瞳をきらきらさせて、アオイが席に付くのを待っている。 高校時代では考えられない姿だが、伊之助の高校卒業とともにアオイと同棲し始めて、早一年近くが経とうとしている。 その間、散々アオイは口酸っぱく、それこそ耳にタコができるくらい、できるだけ食事は一緒に取ること、味見は良いがつまみ食いはしないこと、いただきますとごちそうさまの挨拶はきちんとすること、などを言っていた。 そのかいあってか、アオイと食事を取るときだけは、先に食べ始めることなく、アオイを待つようになっていた。 今日の晩御飯は、揚げたてのから揚げに炊き立ての白米。 豆腐とわかめの味噌汁と、ほうれん草の胡麻和えに温野菜のサラダ。 2人で一緒にいただきます、と手を合わせて箸をとる。 すっかり美丈夫に成長した男が、ぐわり、と大きな口を開いて、大きめに作ったから揚げにかぶりつく。 がぶりと噛みちぎって、一口二口噛みしめた。 そしてすぐに、アオイから見たら一口には多すぎる白米を口に放り込んだ。 そのままもぐもぐと咀嚼を続けて、ごくりと飲み込む。 ぺろりと舌先が唇をなぞって、から揚げの油で唇がつやつやしだした。 「これ美味いな!なんか前のよりざくざくしてるぜ!」 伊之助が嬉しそうに、無邪気に笑いかけてくる。 アオイはこの瞬間が一等好きだった。 「そうなんです、今回はちょっと作り方変えてみたんですよ」 ふふふ、と笑って、冷めないうちに、と箸を進める。 伊之助の気持ちの良い食べっぷりを横目に、アオイは心の中で、今回のから揚げの作り方を覚えておこう、と考えたのだった。 伊之助はアオイの作った飯が好きだ。 最初に食べたのは、高校時代にアオイの弁当から奪った卵焼きだった。 昼休みに中庭の木の上で寝ていたら、下から良い匂いがしてきたのだ。 下をのぞくと、炭治郎とたまに一緒にいるカナヲと、その友人らしき高い位置で髪を二つ結びにした女がいた。 良い匂いの発生源はその女の弁当箱からのようで、カナヲの友人ならいっか、と軽く考えた伊之助は、木から飛び降りるやいなや、アオイの弁当箱から卵焼きをぶんどったのだ。 カナヲとアオイはいったい何が起こったのか、とぽかんとしていたが、状況が理解されるにつれ、烈火のごとく怒りだした。 特にカナヲの怒りはすさまじく、途中からアオイもなだめにかかるほどだった。 さすがに悪かったな、と反省した伊之助だったが、それなら堂々ともらえば良いのでは?と考え、その後はアオイ達の昼食に乱入してアオイに弁当をねだるようになった。 伊之助は胃袋をつかまれたのだ。 今日の晩飯はから揚げだった。 数日前にテレビでから揚げ特集をやっていて、食べたいとこぼしたのを覚えていてくれたようで嬉しくなる。 本当は今すぐにでもかぶりつきたかったが、先に食べるとアオイが怒る。 しかも口では怒るくせに、肌で感じる雰囲気は寂しいものになるのだ。 それを知っているから、アオイが席につくまで我慢した。 2人で一緒にいただきます、と手を合わせて箸をとる。 いの一番にかぶりついたから揚げは、ガツンとにんにくの香りがして、まだ熱い肉汁がじゅわっと口の中に広がった。 ざくざくとした衣と、柔らかな肉の歯ごたえがたまらない。 米も口の中に放り込んで、しっかり味わってから飲み込んだ。 「これ美味いな!なんか前のよりざくざくしてるぜ!」 「そうなんです、今回はちょっと作り方変えてみたんですよ」 伊之助がそう言うと、アオイは褒められた子供のように、どこか得意げに微笑んだ。 伊之助はアオイのこの表情が好きだった。 しっかり者でいつも凛としているアオイが、伊之助の前でふにゃりとする。 他愛もないことを話しながら食事を進めれば、2人分にしては多すぎる食事の大半が、伊之助の腹の中におさまった。 2人で一緒に手を合わせて、ごちそうさまでした、と今日も大満足な晩飯を堪能したのだった。 [newpage] [chapter:ありきたりな光景] 晩御飯を食べ終えて、アオイは台所で食器を洗っていた。 伊之助はなにやらスマホをいじっている。 先ほどからピロンピロンと音が鳴っていた。 「なぁ、アオイ」 「はい、なんですか?」 伊之助がいつの間にやら背後に立っていた。 アオイの腹に手を回し、頭の上に顎をおく。 悔しいことに、にょきにょきと伸びた背は、アオイよりも頭一つ分は高い。 乗せられた頭が重かったので、えいと背伸びをして軽く頭突きをする事で、その意を告げる。 無事に伝わったようで、頭を乗せることをやめてくれた。 「金曜日に、炭治郎達と呑むことになった」 「金曜日ですか。 あなたバイトじゃなかった?」 「シフト変わって休みになったんだよ。 んで、その事話したら久々に呑もうぜって」 「いいんじゃないですか?前みたいに善逸さんの家ですか?」 伊之助が高校時代からつるんでいる炭治郎と善逸とは、大学に入って成人してからもちょくちょく遊んでいる。 善逸が大学に入って一人暮らしを始めたので、3人で集まる時にはもっぱら善逸の家だった。 「おう。 善逸ん家だ。 多分泊まってくるわ」 「じゃあ、前日になにかおつまみ作っときますね。 タッパに入れて冷蔵庫に入れときますから、持ってって下さい」 会話をしている間も伊之助の手はアオイの身体に回されているし、アオイも手をとめずに食器を洗っていく。 ふと会話が途切れた瞬間に、伊之助がちゅっ、とアオイのうなじに口付けをした。 高校の頃とは違って、低い位置でふたつ結びにしている髪型では、うなじは無防備なのだ。 そのまま続けてちゅっ、ちゅっ、と2度3度口付けが落とされる。 「ちょっと伊之助さん!今食器を洗ってるんですから、やめてください!」 ぴく、と身体が反応するのが気恥しくて、わざと声を荒らげてアオイは言った。 対して伊之助は無言のまま、口付けをやめようとしない。 それどころか、れろ、とうなじを舐めてきたではないか。 「や、ちょっと、ほんとに何してるんですか!?」 ぞくりと背中を走った甘いしびれは知らないふりをして、伊之助を咎める。 「何って、美味そうだったからちょっと味見しただけだ」 「美味そうって…食べても美味しくないですよ」 「ふぅん?食べてみないと分かんねーな?」 そう言うと伊之助はうなじを甘噛みして、味わうように舌でなぞってくる。 ぞくりぞくりとする背中にたまらず、伊之助の方を振り向いた。 にやり、と罠にかかった獲物を見つめる翡翠の瞳に、アオイは心の中で諸手をあげて陥落した。 そのまま唇に噛みつかれる。 だんだん深くなっていく口付けに、あぁ、残りの食器は明日の朝洗うことになるのだな、とぼんやりと考えた。 [newpage] [chapter:花嫁衣裳] 障子越しの柔らかな朝の光を受けて、伏し目がちに優しい笑みを浮かべるアオイの白衣の上に、つやりとした光沢を持つ白無垢がひろがっている。 とろとろとやさしく黄味がかっているそれは、伊之助の手では触れてはいけないような、そんな神聖さを持っていた。 恭しいと言って良いほどの丁寧さで、ひと針ひと針丁寧に、襟が閉じられていく。 聞けば、花嫁に美しく打掛を着付けるためには必要な作業なのだ、と言う。 正直何を言っているのかさっぱり分からなかったが、間もなく炭治郎のもとへ嫁ぐ、カナヲのためなのだ、という事だけは分かった。 まだ誰も起きないような早朝だ。 蝉の声もまだ遠い。 隣で眠っていたアオイが起き出すのを感じて、 伊之助も目を開いた。 「おはようございます。 起こしちゃいましたか? 」 「いや、少し前から起きてた。 目、つぶってただけだ。 まだ朝飯の支度には早いだろ? 昨日も遅かったし、まだ寝てろよ」 「あなたが寝かせてくれなかったんでしょ。... 目が覚めたから、涼しい内に針仕事をしてしまおうと思って」 「ふーん」 「伊之助さんは寝てて良いですよ。 それとももう山の方へ行きますか? 」 「いや、今日は畑の方をやる。 そろそろ雑草取りをしなくちゃいけねぇ」 「あぁ、そうでしたね。 私も手伝います」 話している間にも、アオイはキビキビと浴衣から服に着替えて、昔からずっと大切にしている白衣を羽織っていく。 鬼がいなくなり、怪我人が蝶屋敷に運び込まれなくなっても、アオイは白衣を着続けている。 たまに薬を貰いに来る元鬼殺隊の人間がいるからだろう。 ぐ、と腹に力を込めて起き上がれば、ほとんどはだけていた浴衣が肩からするりと落ちていった。 「俺も目覚めちまったから、お前の作業見てても良いか? 」 「良いですよ。 面白いかは分かりませんけど」 一言そう言うと、アオイは鏡台の前で髪を結い始めた。 伊之助は気まぐれに、アオイの料理をする姿だったり、掃除をする姿だったり、薬を調合する姿だったりを、ただただじぃっと見ていることがあるから、アオイももう慣れたのだろう。 すぅっと薄い紅を唇に乗せて、アオイの身支度は完成だ。 さ、行きますよ、と部屋を出るアオイの後ろを、のたのたとだらしなく着いて行く。 からりとアオイが開けた部屋は、数日前にカナヲと二人で何やら楽しげに笑いあっていた部屋だった。 何をしているのか気になって覗こうとしても、カナヲにすぐに気付かれて、アオイにこっぴどく怒られたからよく覚えている。 花嫁衣装の試着をしていた、と後から聞いた。 部屋の中には、美しい着物達が、直接日の光に当たらないように掛けられている。 アオイは迷うことなくそのうちのひとつを手に取り、皺にならないように丁寧に広げて、針仕事を開始した。 ちくちく、ちくちく、一定のリズムでアオイの手が動く。 まるで母のような柔らかな表情で、どこか夢を見るように針を動かしている。 肌で感じる柔らかな空気が心地良い。 炭治郎から、カナヲと祝言を挙げる、と言われた時、そんなものしなくたって番になれば良いのに、と思った。 だから伊之助は、アオイと番になりたいと思った時に、その気持ちを伝え、受け入れてもらい、ともに夜を過ごすようになった。 その頃には、蝶屋敷の三人娘も皆それぞれにやりたい事を見つけ、屋敷にはアオイとカナヲしか住んでいなかったから、カナヲにだけ報告をした。 祝言は挙げないのか、と詰め寄られたが、アオイが自分達はこれで良いのだ、と言い張ったら、カナヲは引き下がった。 しかし、こうやって幸せそうに、カナヲのための美しい花嫁衣装達に囲まれている様を見ると、こいつのために花嫁衣装をあつらえたら、どんな顔をするのだ ろう? と思ってしまった。 猪突猛進な伊之助が、そう思ってしまったのだ。 アオイが針を置いたその瞬間を狙って、口を開いた。 「なぁ、アオイ。 祝言を挙げよう。 お前の花嫁姿が見てみたい」 アオイの返事は、伊之助だけが知っている。
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