概要 [ ] カムイは、本来神々の世界である カムイ・モシリ に所属しており、その本来の姿は人間と同じだという。 例えば火のカムイである なら赤い小袖を着たおばあさんなど、そのものを連想させる姿と考えられている。 そしてある一定の使命を帯びて人間の世界であるアイヌ・モシリ にやってくる際、その使命に応じた衣服を身にまとうという。 例えば キムン・カムイ が人間の世界にやってくる時にはの衣服(肉体)をまとってくる。 言い換えれば我々が目にするヒグマはすべて、人間の世界におけるカムイの仮の姿ということになる。 また、カムイの有する「固有の能力」は人間に都合の良い物ばかりとは限らない。 例えば熱病をもたらす疫病神なども、人智の及ばぬ力を振るう存在としてカムイと呼ばれる。 このように、人間に災厄をもたらすカムイは ウェン・カムイ と呼ばれ、人間に恩恵をもたらす ピリカ・カムイ と同様に畏怖される。 カムイという言葉は多くの場合にただ「神」と訳されるが、このような場合は「」と訳すべき時もある。 例えばとは「カムイの村」という意味だが、多くは地形上の難所などであり、「神の村」というより「恐ろしい荒神のいる場所」とした方が実際のイメージに近い。 語源には説がある。 江戸時代中期の国学者が著わした国語辞典である和訓栞 には、古い時代に日本語の「かみ(神)」を借用したものらしいとか書かれている。 脚注 [ ] [] 注釈 [ ]• : kamuy mosir• : ape huci kamuy、火の老婆のカムイ• : aynu mosir• : kim un kamuy、山にいるカムイ• : kotan kor kamuy、集落を護るカムイ、• : rep un kamuy、沖にいるカムイ、• : wen kamuy、悪しきカムイ• : pirka kamuy、善きカムイ• 「北海道事始め」 楡書房 1956年2月• www. wul. waseda. 2019年11月2日閲覧。 コトバンク. 2019年11月2日閲覧。 関連項目 [ ] に関連の辞書項目があります。
次のカムイ(muy)とはの彙のひとつで、簡単に言ってしまえば「」といったような意味を持つ言葉である。 をあてると「」「居」など。 概要 カムイとはあらゆるものに宿り、にはないを有し恩恵や災厄をもたらす存在であって、()と対されるとして捉えられている。 たとえば、を駕するを持つと同時に毛皮やをもたらしてくれるや、をもたらす疫病…これらはの人々に「カムイ」と呼ばれ信仰の対となってきた。 では単純に「」と訳されることが多く、におけるとカムイに同一の起をめる説もある。 カムイは、普段はカムイの(カムイモシリ)に住んでおり、そこではと同様の姿をしているという。 の(モシリ)で見られるカムイは仮の姿とされている。 カムイ信仰の特徴的な点として、カムイとが対等の関係にあることが挙げられる。 そもそも、一般的なにおいて「」と呼ばれる存在は、のの及ばない事をどるものであり、基本的にの上位に立つと考えられていることが多い。 しかし、カムイ信仰においてはカムイがにないを有するのと同じように、にもまたカムイには為し得ない役割があるとされている。 そして、カムイととが互助的な関係にあることで、が成り立っていると考えられていたのである。 その秘性や感の格好良さ(臭さ?)のためか、よく作品における固有名詞として使われる単であり、にとって較的なじみのあるのひとつである…かも知れない。 もしかして• かむい - ・が、からまで運行していた。 - がからまで運行していた。 - サトルによる作品。 カムイ伝・カムイ - 土三による作品。 代表作に『火』『』など。 - 「」に登場する。 - 「」の()の名。 カムイ() - 「」に登場する。 で殴る。 カムイ - 「」に登場する極北の。 全てのはこの地より生まれるとされている。 - が発売するの名。 - PRのために生み出された。 の名前。 お探しのは ですか?• それとも ですか?• それとも ですか?• 表記のものは の項で探すと見つかるかも。 関連項目•
次の山の神様、キムンカムイ アイヌの考えでは、カムイ(神様)たちは、普段神の国にいるときは自分たちと同じく人間の姿をしており、人間の国へ降りてくるときにハヨクペ(鎧や衣)まとい、この世界に姿を現すと考えられていました。 熊もそのカムイのひとつであり、「キムンカムイ(山の神)」と呼ばれています。 また、キムンカムイが人間の国へ降りてくるときは、黒い衣を身にまとい、熊の姿になります。 この身支度をするくだりは、重々しい神になるほど時間がかかると言われています。 熊はふつうキムンカムイ(山の神)と呼ばれていますが、高い山のふもとなどに住んでいる熊などは「ヌプリパコロカムイ(ヌプリコロカムイ)」と、山の上手を司る神としてアイヌの人々は特別の敬意をはらっていました。 キムンカムイとウェンカムイ キムンカムイをはじめ、神様たちはコタン(人の住む集落)を訪れてくださり、貴重な毛皮や肉などを人間に与えてくれます。 ですがときには人間を無残に殺したり、危害を与える熊なども現れます。 そういった神様はウェンカムイ、すなわち悪い神様と呼ばれ、殺してもコタンに来させることはなく、山でばらばらに切り腐れ根の上に放置するのです。 しかし、山で人がクマに殺されたとき、殺した熊を必ずしもウェンカムイと断定するわけではなく、ときには偉い神が人を殺したりするのです。 偉い神である熊が、若い娘を殺したりする場合は、その熊は神々の国で花嫁を探していたがなかなかいい娘が見つからず、人間の国を見ていたら良い娘が見つかったため、妻にしようと神の国へ連れて行ったと考えられました。 このような話は、ユーカラの中で人と動物が結婚する、いわゆる異類婚姻譚としてしばしば語られています。 娘を失った一家としてはとても悲しいことではありますが、カムイと親戚になったと考えられ、その後も守護神として一家に猟運をもたらしたりしたと言われています。 イヨマンテ(霊送りの祭) イヨマンテとは、霊を迎えもてなして霊を送る祭りのことで、一般的に知られているのは熊を送る祭りのことです。 たとえば、討ち取ったキムンカムイが雌熊であり、そこに小熊などがいた場合、その小熊はカムイの子として大切に養っていきます。 養う場所もありきたりな所ではなく、イナウチパと呼ばれる祭壇に近い神聖な場所に、木組みで作られた小屋を建て、食物も残飯ではなく、人間と同様のものを分け与え、我が子以上に大切に育てたりもしたのです。 マタギ(狩猟)で獲った母熊は、カムイとなって丁寧に神の国へ送られているため、カムイの子供の小熊のほうはペウレプカムイと呼ばれ賓客としてコタンへ招き入れ、1年ほど滞在し家族同様にもてなして、そのあと母熊の待つ神の国へ送り返すのです。 この送り返す儀式のことをイヨマンテと言います。 アイヌの方々はあらゆるところで神々をみるため、こうした祈りは日常のあらゆる場面で行われました。 その中でも熊を送るイヨマンテの祭りが特に盛大なのは、ふつうカムイと言えば熊のことを指すくらいに、熊の神が非常に重い神であったからなのです。 2016年6月28日.
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