2019年10月よりキャッシュレス消費者還元事業が始まりましたが、キャッシュレス決済の種類や決済事業者によって還元方法が様々です。 決済時やポイント還元時の具体的な会計処理についてご紹介します。 1.自身が決済を行った時に受けることができるポイント還元等の還元方法は4つあります。 それぞれの会計処理について見ていきましょう。 ポイントが付与された場合は、付与された時点で雑収入 不課税 として計上することとなります。 ポイント付与時の会計処理 借方 金額 貸方 金額 未収入金 ポイント 1,000円 雑収入 不課税 1,000円• クレジット明細書などでマイナス表記に還元金額が記載されているものがこちらです。 決済時の会計処理 借方 金額 貸方 金額 消耗品費 1,000円 電子マネー等 950円 雑収入 不課税 50円 キャッシュレス消費者還元事業での還元金額の処理の注意点は、還元金額は購入商品の値引きではないというところです。 こちらについては国税庁より「」が発表されています。 消費税法上、「課税仕入れにかかる支払い対価の額」は、商品対価の合計額とすること、つまり商品金額を計上する際はポイント還元前の金額で計上すること。 還元金額は、消費税上は補助金と同様の取扱いとなり、不課税となること。 こちらの2点を抑えておくのが良いと思います。 2.お客様が使ったクレジットカード等の決済手数料の補助を受けた場合は以下の通りです。 クレジットカードで決済時の会計処理 借方 金額 貸方 金額 売掛金 1,000円 売上 1,000円• 決済業者よりクレジット売上入金時の会計処理 借方 金額 貸方 金額 普通預金 980円 売掛金 1,000円 支払手数料 30円 雑収入 不課税 10円 キャッシュレス消費者還元事業は、2020年6月末までで終了し、2020年9月からはマイナンバーカードを活用したマイナポイント事業が始まります。 マイナンバーカードを持っている方がキャッシュレス決済をした場合、一人当たり最大5,000円のポイント還元を受けられるというものです。 マイナンバーカードの取得申請から交付までは1ヶ月くらいの時間を要してしまい、9月前には申請が殺到する可能性がありますので、またお持ちでない方は早めの申請をおすすめします。 2020年1月.
次の【事業者様向け】キャッシュレス決済に伴う会計処理について 2019年9月27日 すでにキャッシュレス決済導入済、または新たにキャッシュレス決済導入・プラン見直しされる事業者様に向けて、今後の会計処理をどのようにするか、注意点をまとめました。 事業者様ご自身がキャッシュレスで購入される場合の会計処理(購入側) 現在行っているキャッシュレス決済による購入の経理処理を継続して行えばよいです。 〈ビジネスクレジットカードを利用した場合の仕訳例〉 ボールペン100本を8,000円 消費税込 で購入し、ビジネスクレジットカードで支払った。 決済代行会社等に対しての債権管理が必要 従来の現金売上の処理と違い、決済代行会社等に対しての売掛金が発生します。 売掛金の計上と決済代行会社等に対しての債権管理を行う必要があります。 現在の情報に基づいた補助金を考慮した仕訳例は、次の通りとなります。 現金売上の場合のみと比較して資金繰り管理が重要 資金繰りの正確な把握が重要となります。 正確に把握しないと 利益が出ているのに資金がないということに陥る可能性があります。 078-965-7000 FAX. 078-965-7005 E-mail:td-office kfa. biglobe. jp <みなと神戸合同事務所>.
次の原則としてキャッシュレスで決済した代金が引き落とされるときに還元されますが、コンビニで払ったときは、その場で還元されます。 たとえば、この場合、240円から4円が還元されて、236円となるわけです。 キャッシュレス還元の4円はどちらから引くのか? そして、一定の場合には、これらの消費税処理も含めて経理しなければいけません。 消費税には、原則(原則課税)と簡易(簡易課税)という2つの計算方法があります。 どちらを選ぶかは、事前に届け出を出す必要があり、何もしなければ原則です。 売上が1100万円 経費(消費税がかかるもの)が660万円の場合で考えると、消費税をそれぞれ次のように計算します。 簡易なら、経費の消費税は関係ありません。 簡易ではなく、原則で消費税を計算する場合は、経理がより大変になります。 キャッスレス還元により経理の手間は、原則でも簡易でも消費税免税でも大変になりますが。 このキャッシュレス還元、期間限定ですので、2019年10月1日から6月30日の9か月のみです。 9か月のみとはいえ、経理の手間は軽減したいものでしょう。 このレシートの場合で考えてみます。 キャッシュレス還元を値引きと考える キャッシュレス還元を値引きと考えた場合、厳密に計算すれば、キャッシュレス還元の4円を、143円と97円に按分します。 4円*143円/(143円+97円)=2. 切り捨てるとして2円と考えると、2円ずつの還元なので、 ・143円-2円=141円 ・97円-2円=95円 となります。 経理(仕訳)は、 消耗品費 141円 社長借入金 236円 会議費 95円 です。 (社長借入金はなんでもかまいません。 個人事業主なら「事業主借」) ・・・とはいえ、こんな按分など手間がかかりすぎてやってられません。 ざっくりどちらかから引けばいいでしょう。 上と下でどう違うかというと、消費税を納める金額が増える可能性があります。 こういった取引が9か月間にどれくらいあるかによりますが、そんなに影響なければ値引きとして引いてしまってもかまわないでしょう。 消費税が免税、簡易の場合(経費の消費税を考慮しない)なら、なおさらです。 消耗品費と会議費でわけるのもそれほど重要ではありません。 ただ、143円から4円引くのが暗算なり電卓なりを使うのも手間ではあります。 一応、弥生会計だとこういった電卓モードもありますが。 キャッシュレス還元を収入と考える 一方、この還元を収入とする考え方もあります。 明確な基準はないのですが、厳密には、こちらのほうが妥当かなと。 実質的には国からの補助金なので、一般的には雑収入という経理をします。 消耗品費 143円 社長借入金 236円 会議費 97円 雑収入 4円 会計ソフトで入力するときは、仕訳入力だと、こうなります。 1行増える感じです……。 補助金扱いと考えるなら、消費税の対象となりません。 振替伝票で入れるならこうなります。 左右(貸借)を合わせられるというメリットはありますが。 (私は振替伝票で入れるのは好きではありませんけど。 Excelで入れています) キャッシュレス還元の経理の手間を軽減 キャッスレス還元、税金の正しい使い方かどうかという是非はありますが、はじまってしまった以上、これ以上の被害はおさえたいものです。 経理の手間は軽減していきましょう。 値引き、収入、どっちが楽か キャッシュレス還元の値引きと収入の処理は、どっちが楽か。 値引きだと、キャッスレス還元を引いて計算しなければいけません。 ミスする可能性もあります。 収入だと、レシートの金額だけですむのです。 消費税が原則なら、こちらのほうがいいでしょう。 「楽かどうかで決めていいのか?」と思われるかもしれません。 しかしながら、現状、値引きか収入かは明確な基準がなく(今後出るかもしれませんが)、あるとしても金額的にそれほど大きくはならないなら、楽かどうかで決めるしかないでしょう。 これ以上被害を増やさないために。 また、収入=補助金と考えると、今の制度は矛盾があります。 国の制度でキャッシュレス還元は、直営店は対象外です。 コンビニには、直営店とフランチャイズ店があり、補助金扱いなのはフランチャイズ店のみ。 ただ、そうなると混乱もあり(直営店とバレたくない?)、コンビニ各社(セブン、ファミマ、ローソン)は、直営店は独自にキャッシュレスをしています。 (ミニストップは直営店キャッシュレスなしとの報道がありました) 先ほど行った、ローソン フジテレビ店は、直営店っぽいです。 ローソンスマホレジがあり、キャッシュレス還元検索アプリにも出てきません。 それでも、キャッシュレス還元があります。 厳密に処理するなら、直営店は、収入でも消費税の対象(値引き)、フランチャイズ店は、消費税の対象じゃないとなりますが、その区別は難しいでしょう。 あいまいなのです。 どっちみちあいまいなら、経理の手間を考えないほうがいいかと。 万が一、税務調査で指摘されても、それほど大きな金額にはならないでしょうし、見るべきところはたくさんあるので(指摘する税金が大きいところ)……。 なお、前述のとおり、消費税が免税、簡易なら、どちらで処理しても消費税額はかわらないので、好きなほうでいいかと。 私自身の経理は、値引きでやっています。 音声認識入力なので、処理が少ない(前述の例だと値引きだと2つ、収入だと3つ)ほうがいいので。 会計ソフトの工夫 会計ソフトでも工夫はできます。 早すぎました。 決算書項目をどちらも「会議費」にしておけば、問題ありません。 これはキャッシュレス還元の期間が終わっても有効です。 キャッスレス還元も同様です。 このように、科目で内容がわかるなら、摘要は空欄でもかまわないかと。 なお、よく使う科目は、ショートカットキーをqとか固有のものにしておくと速いです。 使わない科目は、科目設定で、削除しておくことも大事です。 通知預金とか、定期積金とか。 なお、ファミマだとこういった数字を見ます。 経費っぽくない事例ですが。 セブンイレブンだとこんな感じです。 nanacoだと、切手をキャッシュレスで買えます(一部店舗のみ)。 切手の場合は、キャッシュレス還元の適用外なので、値引き処理のときはご注意を。 使ったときに税金がかかるという考えなのですが、そうすると経理が複雑になるので、買ったときに消費税課税にするのです。 レシートには「非課税」とでるので特殊ですが。 Excelでやるなら Excelでやるなら、収入としてシンプルに入れる場合こうなります。 3行も……。 こういったフォーマットに入れると、データ形式にするマクロをつくってみました。 グレーの部分に入力して、仕訳作成ボタンまたはCtrl+Shift+Kを押すと、マクロが実行され、 このようにデータ(仕訳)になります。 次のレシートを入れて、ボタンまたはショートカットキーでマクロを実行すると、 データが蓄積されていきます。 適度なところで、取り込んでいただき、ここは空欄にしていただければ。 (弥生会計形式にすることもできます) サンプルはこちらです。 コードはこういうものを書きました。 即席で不格好ですが。 還元額のところはIFで処理を分けました。 金額欄が空欄のものは転記しません。 試してみていただければ。 Rows. Count. End xlUp. Value "" Then '金額が空欄じゃない場合のみ処理 '日付 Worksheets "data". Value Else Worksheets "data". Value Else Worksheets "data". Value End If '金額 Worksheets "data". Value '摘要 Worksheets "data". ・株式会社タイムコンサルティング ひとり社長 ・ひとり税理士 ・アイアンマン スイム3. 8km、バイク180. 2km、ラン42. 日課は1日1新、ブログ。 2007年7月9日以来、日毎日更新中。 1972年12月18日 大阪生まれ。 宮崎育ち東京在住。 娘3歳3ヶ月。
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