あ つもり ヤドカリ。 オカヤドカリのサンゴ砂の洗い方

ヤドカリの種類、生態、飼い方

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【目次】ヤドカリの種類、生態、飼い方 ヤドカリってどんな生き物? ヤドカリは甲殻類の中の十脚目ヤドカリ上科に属する生き物で、巻貝を体に背負って生活する仲間を指します。 簡単にいえば、貝殻をおんぶしている や の仲間ということになります。 ヤドカリの仲間はお馴染みの磯場から深海まで幅広く海に生息しているのものや、主な生活拠点が陸地のものまで、広範囲に生活域が広がっています。 中には貝殻を背負っていないヤドカリの仲間も存在します。 例えば、高級カニの代名詞であるタラバガニ、これも実はヤドカリの仲間です。 また、南の島のヤシの木に登ることで有名な南方系の巨大なカニ・ヤシガニもオカヤドカリというヤドカリの仲間とされています。 これらのヤドカリの仲間は食材としても有名ですが、神奈川県の三浦市では貝殻付きの巨大なヤドカリが味噌汁として食用されています。 自然界では天敵が多く、途中で命を落とす個体が多いのですが、天寿をまっとうした場合は20年以上生きるものも少なくないと言われています。 もしペットとしてヤドカリを飼育する場合、どういった種類が妥当なのでしょうか。 各種類ごとにご紹介します。 ホンヤドカリ 日本列島の海岸域に見られるヤドカリの仲間です。 小型のヤドカリで体長は平均して1cm位と小型で、磯遊びで馴染みの深いヤドカリの一種と言えます。 本種ははさみが左右対称ではなく、右のはさみの方が大きく、オスはメスより少し大きめです。 砂浜には生息せず、岩場が最もポピュラーな住処となっています。 なお、同じ生息域にはケアシホンヤドカリ、ヨモギホンヤドカリ、ほかヨコバサミ類と言われるヤドカリの種類も存在しています。 姿形や大きさが若干違うという差があるくらいで、図鑑でよく調べないと区別がつきにくいので、ここではみなホンヤドカリの仲間として一括りで紹介します。 基本的な飼育方法は同じです。 ホンヤドカリ類の入手方法 海洋熱帯魚を扱うペットショップに、外国産や南西諸島産のヤドカリも販売されています。 しかし、ペットとして飼育する人が少ないという背景から、磯場に住んでいるヤドカリはほとんど販売されていません。 そのため、磯場で採取して持ち帰るのが一般的な入手方法となるでしょう。 国立公園内の海辺は採取禁止のところもあるため、気を付けなければなりません。 ヤドカリで問題になることは余りないかもしれませんが、地権者の方に確認してから持ち帰ることをおすすめします。 また、持ち帰る際には大きめのバケツにヤドカリ数匹を海水ごと入れ、必ずエアレーションをしておきましょう。 できれば2リットルほどのペットボトルに別途海水を入れて一緒に持ち帰ります。 その際に同時に隠れ家となりそうな岩と、引越しに使えそうな貝殻も持って帰ると良いでしょう。 電車やバスといった公共交通機関を利用する場合は、周りの人の迷惑にならないようにすることが大切です。 ホンヤドカリ類の飼育方法と飼うのに必要なもの 水槽 飼育に必要な水槽は、海水魚飼育用の水槽を使用するのが良いです。 小型海水魚飼育用の比較的小型の水槽があれば充分です。 なけれなペットシップや通信販売で、水棲ヤドカリ用の水槽も販売されているため検討してみてください。 お値段は6,000円程度が目安です。 2㎏ 生産国:インドネシア 海水 自宅近くに海がある場合は、そこの海水をペットボトルで採取してくれば問題ありません。 もちろん、可能であればヤドカリ本体を採取した海の水を使うのがベストです。 ただ、1週間程度で水質悪化しますので、大量の汲み置きはおすすめできません。 近くに海がない場合は、市販の人工海水の購入がおすすめです。 1リットル当たりで35グラム程度を投入して作り、比率は比率計(ペットショップなどで市販されています)で1. 023に合わせると良いです。 ジェックス シーウォーター 海水の素 Mサイズ貝殻セットの商品情報 参考価格:1,488円(税込) メーカー名:りゅうか商事 サイズ: 全長:34~44mm 入口:18~24mm レイアウト 水槽に水をいっぱいに入れるよりも、水は水槽の半分か6割くらいにして、ヤドカリの日向ぼっこ用に岩などを水面上に出しておくと良いでしょう。 水族館の潮だまりの生き物の展示コーナーのようなイメージです。 熱帯性水棲ヤドカリ 熱帯~亜熱帯の海、いわゆるサンゴ礁に住んでいるヤドカリは、色とりどりでカラフルな種類が多いのが特徴です。 自然からの採取は、よほど南方に住んでいたりしない限り難しいので、ペットショップ等からの購入が一般的となります。 ペットショップで販売しているものは沖縄や東南アジア、ハワイ近郊の海から採取されたものが中心です。 カラフルな色彩が特徴のユビワサンゴヤドカリを中心としたサンゴヤドカリ類、イソギンチャクと共生しているソメンヤドカリなどがいます。 金額の相場として、ユビワサンゴヤドカリ類は1,000~3,000円程度、ソメンヤドカリ類は3,000円程度です。 熱帯性水棲ヤドカリのエサ ヤドカリ単独で飼うより、他の小型海水魚を一緒に飼われることが多いです。 水槽の掃除屋さんのようなイメージです。 ススメダイの仲間のようにおとなしい小型魚と一緒に飼育した方が、 的にも華やかですし楽しいでしょう。 海水魚の餌はクリルと言われる乾燥したエビが、魚の食いつきも良く定番です。 熱帯性水棲ヤドカリの飼育方法と飼うのに必要なもの 基本的な飼育方法は前述した「ホンヤドカリ類」と同じですが、熱帯の生き物なのでヒーターの設置が必須です。 水槽は海水魚用のものをおすすめします。 海の潮だまりに住んでいる他のヤドカリと違い、生活のほとんどが陸上生活という特徴をもっています。 寿命は自然界では20~30年生きると言われる大変長寿な生き物で、飼育環境下でも上手く育てれば10年近く生きることが出来ます。 日本に生息しているオカヤドカリの仲間は全て国の天然記念物に指定されていますが、一部を除いて絶滅危惧種であるというわけではありません。 それではなぜ天然記念物に指定されたかといえば、1970年に小笠原諸島に生息していたオカヤドカリの数が減少したため、これは保護しないとまずいと思った国から指定を受けたそうです。 しかし、その2年後に沖縄が日本復帰した際、日本の法律が沖縄県にも適用されることになったわけですが、現地ではありふれた存在であり特段珍しい生き物ではなかったことからこうした不思議な現象が発生してしまいました。 そうとはいえ、採取できるのは指定を受けた業者だけで、旅行者が海岸から勝手に持ち出すのは禁じられています。 天然記念物なのに、ペットショップ等で売られ、自宅で買うことができる不思議な生き物なのです。 オカヤドカリの入手方法と価格 天然記念物なので、沖縄旅行のお土産として、海岸にいるオカヤドカリを持ち帰るのは問題です。 ペットショップかホームセンターのペット売り場で購入することになります。 最近はネット等で通信販売も行っています。 値段はサイズによって異なり、一番小さいベビーサイズ(1~2cm)だと100円くらいから、ジャンボサイズで1,000円くらいから販売されています。 オオナキヤドカリをはじめレアな種類は10,000円位するものもいます。 ショップで購入する場合は、貝殻にヒビ等が入っていないかを確認して、元気な個体を選びましょう。 オカヤドカリの飼育方法と、飼うのに必要なもの 水槽 プラスチック製でもガラス製でも問題ありませんが、冬場にヒーターをセットすることを考えればガラス製の水槽の方がベストだと思われます。 ヤドカリケースという簡易なプラスチックケースも販売されていますが長期飼育という観点からはおすすめできません。 水槽の大きさは個体の大きさ及び個体数によって選びましょう。 あまり過密状態にならない程度で、目安として60センチの水槽にSサイズが3~4匹が妥当です。 また、ヤドカリは脱走するのが得意なので、しっかりフタの閉まる水槽であることは必須になります。 砂 オカヤドカリは砂の中で脱皮して成長します。 また、砂に潜る性質を持っているので、水槽には必ず砂を敷きましょう。 市販されているサンゴ砂(ヤドカリ用として販売されているものもあります)を、飼おうと思っている個体の体長の3倍くらいを目安に敷きます。 砂を敷いた後、表面は必ず湿らせておいてください。 遊具 ヤドカリはよく高いところに登ります。 ガジュマルなどのミニ観葉植物を置くのが良いという意見がありますが、市販されているアーチ状の金具、または割り箸を上手く設置しても大丈夫です。 ヒーター オカヤドカリは南方系の生き物のため寒さには弱いです。 水入れ オカヤドカリの水飲み場を設置しましょう。 あまり軽いとヤドカリが持ち上げたりしてひっくり返ってしまうので、直径5センチ位の陶器制の皿(百均などでも購入できる)が望ましいです。 オカヤドカリを飼う際の注意点 オカヤドカリは他の甲殻類同様、脱皮によって成長していきます。 また南国の生き物のため、寒さには弱いです。 脱皮と越冬、この2点がオカヤドカリ飼育にあたっての最もキーとなるところです。 この対処の失敗により命を落とすことが非常に多いです。 大切なペットを長生きさせるためにも充分に配慮してください。 その他、ヤドカリはカタツムリと違って生まれつき貝殻をもっているわけではありません。 近くに落ちている貝殻を住処にするのです。 拾った貝殻の大きさは変わらないため、体の成長に合わせて貝殻を乗り換えていく必要があります。 以下に脱皮、越冬、貝殻の引っ越しに関して解説していくので、是非チェックしてください。 脱皮 オカヤドカリは脱皮によって成長すると前述しましたが、その前兆を確認することは難しいです。 一般的に小さな個体は2週間から1ヶ月に1回の間隔で、大きな個体になると数ヶ月に1回と言われていますが、ヤドカリにとっても命がけの行為であることは間違いありません。 例えば、急に元気がなくなったり、餌を食べなくなったりしてやたら砂に潜っている場合は、脱皮の準備をしている可能性が高いと思われます。 しばらくそっとしておいてあげましょう。 すると沖縄県などを除く日本列島のほとんどの地域で冬を越すことが出来ません。 必ずヒーターを設置するようにし、砂も多めに敷くようにしましょう。 また、冬は乾燥するため、霧吹きで湿気を与えることも必要です。 引越 ヤドカリはカタツムリと違って、生まれたときから殻を持っていません。 成長に従い貝殻を変えていきます。 飼育水槽の中に今の貝殻と同じくらいか、ちょっと大きめの貝殻(ヤドカリ用としてペットショップ等で市販されています)を複数入れておきましょう。 自分の気に入った貝を選ぶはずです。 ここで気を付けたいのが複数の個体を飼っている場合で、お気に入りの貝を仲間同士で取り合ったりするときです。 ヤドカリが貝殻から抜け出し、裸の状態でいると生命の危険もありますので、個体を離すなどの配慮をしてあげてください。 ヤドカリ全般を飼う際の注意点 ヤドカリのはさみはとても挟む力が強く、挟まれたらかなり痛いです。 うかつに手を出したりしないようにしましょう。 小さなサイズでも痛いのですから、キングサイズのヤドカリに挟まれて殻の中に逃げ込まれたら大変なことになります。 また、ヤドカリは泳ぐことができません。 特に水飲み場を設置するとき、体の大きさより大きな容器を用意しないように注意してください。 ご紹介したヤドカリの基本データとまとめ ホンヤドカリ 生息地:北海道、本州、九州、四国とその周辺島嶼、小笠原諸島、台湾、朝鮮半島南部 近類種:ケアシホンヤドカリ ヨモギホンヤドカリ ユビナガホンヤドカリなど 主な餌:自然界ではデトリタス、藻類 小動物の死骸など ユビワサンゴヤドカリ(熱帯性水棲ヤドカリの代表) 生息地:沖縄、フィリピン、ハワイ島南洋海域 近類種:シロサンゴヤドカリ、アカツメサンゴヤドカリなど 主な餌:自然界では魚の死骸など 購入額:3,000円前後 オカヤドカリ 生息地:熱帯~亜熱帯地域の海岸域に広く生息。 国内では小笠原諸島、南西諸島 近類種:オオナキオカヤドカリ、ムラサキオカヤドカリなど 主な餌:雑食性。 自然界では魚介類の死骸、アダンなど植物 購入額: 小サイズ:100円より 大型サイズ:1,000円位まで ヤドカリは、 や と違って人に懐く生き物ではありません。 臆病者で、ちょっとでも人の気配を感じると貝殻に入ってしまいます。 そういう時は、少し離れた場所に移動してそっと覗き見るように水槽の中を眺めてみてください。 愛らしい目をキョロキョロさせて安心したように動き始めます。 その様子がたまらなく可愛いです。 上手に飼えば、何年も何十年も長いお付き合いのできるヤドカリ。 皆さんも是非一度触れ合ってみてください。

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オカヤドカリの飼育方法、注意点などを飼育体験をもとに紹介します

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ヤドカリとはどんな生きもの? ヤドカリは、エビやカニと同じ「十脚甲殻類」の仲間です。 ヤドカリといえば貝殻をせおっている姿が印象的で、一見したところエビやカニとは大きく異なっています。 しかし、この貝はヤドカリの体の一部ではなく、別の生きものである巻貝の殻です。 ヤドカリを貝殻から出し、その体をくわしく見てみると、エビやカニと共通する部分がたくさんあることがわかります。 ヤドカリやエビ、カニなど、十脚甲殻類に共通する特徴として、頭と胸が甲(頭胸甲)でおおわれていることや、はさみ脚と歩くための脚の合計が10本であることなどがあげられます。 ヤドカリと貝殻の関係。 貝殻の部分をスライドさせると貝の中のヤドカリのようすがわかる標本を使って展示しました。 ヤドカリ科とホンヤドカリ科 わたしたちが磯遊びなどで目にするヤドカリは、大きくふたつのグループ(科)に分かれます。 左右のはさみの大きさを比べると、簡単に見分けることができます。 左右のはさみがほぼ同じ大きさか、左側が右側に比べて大きくなっているのがヤドカリ科です。 一方、右側のはさみが左側に比べて大きくなっているのがホンヤドカリ科です。 まずはこれらふたつのグループを見分けると、ヤドカリの名前調べはより簡単になります。 ヤドカリ科のヤドカリ ホンドオニヤドカリ Aniculus miyakei コブヨコバサミ Clibanarius infraspinatus イシダタミヤドカリ Dardanus crassimanus アカボシヤドカリ Dardanus aspersus ホンヤドカリ科のヤドカリ ヤマトホンヤドカリ Pagurus japonicus ベニホンヤドカリ Pagurus rubrior トサカコテホンヤドカリ Pagurus lophochela イダテンヒメホンヤドカリ Pagurixus nomurai ヤドカリのオスとメス ヤドカリのオスとメスは、脚のつけ根に開く生殖孔の位置によって見分けます。 オスでは最後の脚のつけ根に生殖孔が開き、一部の種類では、生殖孔の開く位置に「精管」とよばれる突起があります。 これに対し、メスでは前から三番目(はさみ脚を除くと二番目)の脚のつけ根に生殖孔が開きます。 ヤドカリもカニと同じように、卵の中から幼生が出てくるまでの間、メスは腹部に卵を抱いています。 十脚甲殻類の腹部には「腹肢」という「附属肢(触角や脚などの総称)」があり、メスの腹肢は卵を抱くためにオスに比べて長くなっています。 ヤドカリの多くは、腹部の左側のみに腹肢をもっています。 ヤドカリが利用しているものをはじめ、巻貝は基本的に右巻きで、左側に空洞ができます。 ヤドカリの腹肢の位置は、巻貝の形に関係すると考えられています。 オスの生殖孔(矢印) メスの生殖孔(矢印) オスの腹肢(矢印) メスの腹肢(矢印) 腹肢に卵を抱えたカブトヤドカリ Dardanus deformis ヤドカリの成長 卵から生まれたばかりのヤドカリは、親とはまったく異なった形をしており、ミジンコのように水中を漂っています。 これを「ゾエア幼生」とよびます。 ゾエア幼生は、数回脱皮するとやや親に近い形となり、海底付近で暮らすようになります。 この時期のヤドカリのこどもを「グラウコトエ幼生」とよびます。 グラウコトエ幼生の腹部はエビのようにまっすぐで、はっきりした節があります。 そしてさらに脱皮をして小さなヤドカリ(稚ヤドカリ)になります。 稚ヤドカリでは腹部の節が目立たなくなり、このころから貝殻をせおうようになります。 親と同じ形になり、貝殻をせおうようになってもヤドカリは脱皮をしながら成長を続けます。 そして、大きくなった体にあうサイズの貝殻を探し、引っ越ししていきます。 これでもヤドカリ 十脚甲殻類をエビ、ヤドカリ、カニと分けた場合、カニのような形をしていても分類学的にはヤドカリの仲間に含まれるものがいます。 私たちの食卓にのぼるタラバガニの仲間がその一例です。 広い意味でのヤドカリの仲間を「異尾類」とよびますが、その特徴のひとつは、胸脚のうちいちばん最後の脚が最も小さくなっていることです。 タラバガニの仲間は、いちばん後ろの脚が小さく、さらにメスの腹部がヤドカリと同じように右にねじれているため、「カニ」ではなく「ヤドカリ」の仲間に入れられています。 また、カニの形に似たカニダマシやエビの形に似たコシオリエビの仲間も、いちばん後ろの脚が他に比べて小さいため、ヤドカリの仲間に分類されています。 タラバガニの仲間、アブラガニ Paralithodes platypus アブラガニのメスの腹部 アブラガニ(右)と本物のカニ・タカアシガニ(左)の腹部の比較には、手にとれるはく製を使って展示しました タラバガニの仲間の最後の脚が小さくなって甲の中に折りたたまれているところを示したはく製.

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【コケ掃除にも】美しい見た目のおすすめヤドカリ5選

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どちらかというと採集の感想が主になるので図鑑ではなく日記に書きますが、 飼育方法について自分なりの持論ができたら図鑑にも書くかもしれません。 写真はスマホ画質からデジカメ撮影のものに順次差し替えています。 今のところホンヤドカリ科はホンヤドカリ属しか見つけてないのでとりあえずこう分けます。 磯で見つかるヤドカリの9割位はコイツじゃないかと思うくらいたくさんいます。 砂浜ではさすがに見かけませんが、干潟でも見かけることがありますし、 消波ブロックの隙間なんかでも見たことがあります。 貝殻があってコイツがいない磯に他の動物なんていないのでは? ……と思うくらい、磯で最初に見つかる動物。 しかし深場に進んでいくと、イソヨコバサミなどは割とどこまで行っても見つかる一方で、 ホンヤドカリは途中からパタリと見つからなくなる気がします。 見た目の特徴はマダラな触角と灰色~緑色の体色ですが、色は意外とバリエーションがあります。 専門家じゃないので観察しながら「コイツラ本当は違う種なのでは…?」と思うことすらも。 飼育は海水生物の中でもおそらく最も簡単なうちのひとつで、 逆にコイツを飼育できない環境では何も飼えないのではとすら思います。 見た目は地味でも動きは結構活発で、水槽内でチョロチョロしてる姿は見ていて飽きません。 小さな個体が多いですが、ツメタガイなどの大きめな貝殻に入ってるような個体もいます。 汽水気味で砂がいくらかある場所なら干潟ではなくても良いようで、 自分が飼ってるのも磯に砂が溜まってる場所で見つけた個体です。 変なところでは堤防の波打ち際でも見つけたことも(恐らく海底から上がってきた個体)。 ユビナガのユビというのは歩脚(普通の脚)の指節(爪の節)のことのようで、 そこが長いのでシルエットが特徴的な印象があります。 他のヤドカリは爪先で歩いてるような感じ、ユビナガは膝で歩いてるような感じ…? 体色は黄色~白色のベースに黒い縞模様、そして地味に目が面白くて、 写真で確認してみると細めて寄り目にしてるような感じに見えるのがコミカル。 動きはかなり活発で、いつも水槽内を忙しなく駆けずり回ってます。 自分より大きなヤドカリに喧嘩を売ってはビビって逃げたりなんて光景もしょっちゅう。 また、高いところが好きなようで、よくコードや水槽の角を伝って変なところまで上がってきます。 なんとかと煙は高いところが好きということか…。 よく見ると縞模様のパターンが違って、ユビナガは脚を一周するような横縞、 こちらは割とハッキリとした縦方向の縞模様です。 そしてあまりそう紹介されてるのを見ないのですが(個体差があるということかも)、 こちらは背中が結構鮮やかなピンクで、そこが一番分かりやすいポイントかなと思います。 また、黄色みの強いユビナガと比して緑っぽい色の個体が多い上(写真はなんか黄色いな…)、 生息域もだいぶ違っているので、一箇所で両方見つかって迷うということはないと思います) (こちらは磯、しかも高波がかかりはじめるような沖の方まで行かないと見つけられません)。 一度見つかりはじめると、ホンヤドカリと入れ替わるようにして大量に見つかりはじめる印象。 動きはユビナガと対照的に割と大人しめな印象で、動き回っていることはあるものの、 水槽内の辺鄙なところに一匹で佇んでることも多い気が。 水槽内では苔掃除役として非常に役に立つそうなのですが、 ウチのヤドカリ水槽はあまり苔が生えないので威力は不明…。 ダークグリーンな身体に毛がわさわさと生えてるのが見た目の特徴。 暗くてピントが合わない。 そして赤い触角がかっこいい! かっこいい!!(大事なことなので) ホンヤドカリと比べると少し深場にいますが、クロシマほど沖にいかなくても見つけられます。 ちょっと深めの磯で、一個だけ貝殻が転がってたら大体このヤドカリかなという印象。 動きは割と活発ながらチョロチョロという感じではなく、パワー系の雰囲気。 少し乱暴な感じも印象もあり、他のヤドカリを脅かしてるのをたまに見かけます。 ガチで襲ってるわけではなさそうですが…。 その一方で、割と浅場に住むヤドカリの割に比較的デリケートなのか、 それより深場のヤドカリと一緒に飼ってても先に死んでしまう印象。 飼ってるうちでは3ヶ月もった子がいたかどうか…。 実は比較的近年まで、ホシゾラさんはこのケアシと同じ種類だと思われてたらしい。 ホシゾラは黒っぽい身体に白い斑点(これが星空ということらしい)、 ケアシは明るい緑に黒い斑点、という違いがあります。 ただ、ハサミが白斑点で脚が黒斑点という個体を何回か見てるので交雑してることもあるのかも? 模様以外は大体ホシゾラと同じ…と自分は理解をしてるのですが、 なにしろ自分の探した範囲では生息数が圧倒的にホシゾラ>>>>>ケアシでして、 飼った数もいまのところ一匹なので比較できないというのが正直なところ。 その一匹については、ホシゾラと比較すると結構長生きしてます。 ちなみに似た見た目のヤドカリとして、さらに他にも 「ヨモギホンヤドカリ」「ヒメケアシホンヤドカリ」がいるようです。 コンプリートしたい。 生息域の目安はクロシマと同じか更に深場の岩礁帯、だそうで、 実際自分はクロシマを発見したのと同じエリアで見つけました。 結構大きくなる種類でして、磯では握りこぶし大の個体もいてビビりました笑 こんな見た目じゃ磯では目立つのでは…と図鑑を見たときは思ってたのですが、 紅いサンゴモの中に紛れるとなかなかそれと分からなくて、よく出来てるな~と感心します。 実はヤドカリの種類を勉強してから、この子を採集するのが一つの目標でした。 大きくなる割に性格は大人しめな印象で、昼夜問わず岩の下に隠れてることが多いです。 その一方で、敵に見つかると宿に隠れず走って逃げるという一面もあったり…笑 高水温に弱いらしく、夏場はやはり飼育が難しい印象がありますが、 逆に冬場はずっと元気が良いような気がします。 ホンヤドカリといえば右手が大きく、大体はそれがとても分かりやすいのですが、 この子はそれが(身体が小さいのもあって)非常にわかりにくく、 最初発見したときはヨコバサミの仲間かと思ってしまいました。 見つけたのは大体ホシゾラホンヤドカリが見つかりはじめるくらいの深さのところで、 大きめの石をひっくり返すとワラワラと…。 隠れてる数の割に表側では全く見かけませんでした。 石の裏を見るテクを身に着けないと一生見つからなかったのかも…笑 春~夏にはよく見かけて秋に見つからなくなり、冬にまた見つかりはじめました。 ちょうど(気温から遅れて)水温が高くなる時期にいなくなったのかな…? 高水温苦手な説。 動きを見ているとさほど大人しいというわけでもなく、割と動き回ります。 しかし物陰に隠れるのが好きというのは飼育下でも変わらないようで、 逆さまになって石やフィルターの裏などにくっついてるのをよく見かけます。 (他のヤドカリが前後に開くけど、という意味らしいが未だによく分からない) ホンヤドカリと比べると、体格に比して可愛らしいハサミをしてる気がします。 ハサミで蓋ができないためか、ホンヤドカリたちよりも大きな貝殻を好んでる気が。 ホンヤドカリほどではないですが、比較的浅い場所で見つけられます。 数も多く、ホンヤドカリの他にイソヨコバサミを見つけだすのがヤドカリスト(謎)の第一歩? 細い枝のような(青)緑色の脚とイボつきのハサミ、そしてよく見ると綺麗な青い触角が特徴。 標準的なホンヤドカリよりも一回り大きい個体が多いのですが、図体の割にかなり臆病で、 一旦引っ込むとなかなか出てこず、採集中は同定に窮することも多々。 磯で空の貝殻だと思って持って帰ろうとすると中身にコイツが…という事故も割とよくあります。 しかし水槽ではなかなか横柄で、小さいヤドカリから餌を強奪したり、 同格のヤドカリの家を奪い取ろうとしているのをよく見かけます。 黒っぽい体にオレンジ色のライン、トゲトゲのハサミ… とただでさえ厳つい見た目のヤドカリなのですが、野外で見つかるのは大型のものが多く、 浅場でも見つかるヤドカリとしてはかなり迫力があります。 飼育下ではなかなかの乱暴者で、ヒザラガイを力ずくでひっぺがして食べてしまうくらいです。 飼いはじめた頃は割と活発でしたが、成長スピードが速く、大きくなってしまってからは割と鈍重。 過去には超肉食のタイワンガザミと一緒に飼育していたのですが、 何倍も身体の大きいタイワンガザミが襲いに来ても渡り合ってるので戦闘力はお墨付き。 印象では浅い方から ホンヤド>イソヨコ>ホシゾラ(ケアシ)>ケブカヒメヨコバサミ>クロシマ という感じ。 このお姫様までは割と(関東某県なら)どの磯でも適当に見つかると思いますが、 クロシマなどは遠浅の岩礁海岸で大潮の干潮、くらいの条件が揃わないと見つからない? 白~オレンジっぽい身体に生えたふわふわな毛が可愛らしく(毛深姫ってくらいですからね!笑)、 そしてよく見ると眼柄(先っぽに眼がある細長い部分)の模様が面白いです。 飼ってみるとかなりどんくさく、同じくらいのサイズのヤドカリにいじめられてるのを見かけます。 かと思えば、その大人しさからは想像付かないアクロバティックな場所に進出してることも。 野外だと岩場の垂直になってるところでよく見つかるので自然ではあるのですが…。 一方で、磯のヤドカリのくせに砂に潜ってぬぼーっとしてることも多いです。 磯出身で近くに砂場が見当たらないところから拾ってきたんですが、一体どこで覚えた…? 似たヤドカリにヤスリヒメヨコバサミというのがいるのですが見逃してるかも。 ちなみに見分け方は未だに分からない。 写真の個体はとても小さいのですが、大きくなると眼柄も青くなるようです。 しかし一向に成長する気配がない…笑 その出で立ちはケブカヒメヨコバサミ青白色Ver. …というと雑な紹介ですが、 なかなかシルエットが似ていてなるほど同じヒメヨコバサミだなあと思うことしきり。 最初に見つけたときはいわゆる色変種というやつかなーと思ってしまったくらいです。 しかし分類上こちらはブチヒメコバサミ属という別の仲間とのことで…笑 飼育した感触もケブカヒメヨコバサミに似て…というかそれ以上にどんくさく、 岩の下の砂に潜ってじっとしていることがほとんどで、よく行方がわからなくなります笑 そういえば歩いてるところを見たことがない可能性…? 発見したのは、大体アオヒゲヒラホンヤドカリが見つかるのと同じような中潮帯の石の裏。 見つけたのは春、夏秋飛んで冬という具合で、やはり高水温が苦手なのかも。 サンゴヤドカリというだけあって南の海に生息するものが多いようですが、関東でも見られます。 貝殻選びもどこかオシャレな印象があり、白くて綺麗な貝殻が並んでるなと思って拾ってみると 全部が本種だったという経験があります笑 発見したのはクロシマよりももう少しだけ沖の方かな?という感じのエリアでした。 ここで紹介している中では小さめなヤドカリなのですが、割とヤンチャなところがあるようで、 目の前の最適サイズの空き貝殻を差し置いて他のヤドカリの家をカツアゲしにいっていたり、 他のヤドカリがまず登らないような傾斜を登頂していたりというのを見かけます。 ただし、ユビナガほど動き回るタイプではない印象です。 同属が複数見つかったらカテゴリ分けするかも。 そして名前にもなっているツノ、羽毛状の触角をピコピコしてるのが最高にチャーミングです! 似たヤドカリにトゲトゲツノヤドカリという種類があるのですが、 そちらはハサミの一つ前の節が短く、目元に「泣きぼくろ」があるというのが 同定の重要ポイントのようです。 つまり本種は腕が長く、泣きぼくろがない、ということですね。 (以前飼っていた本種らしい個体は、ついに死ぬまでどっちか断定できませんでした) 磯ではなく干潟にいるヤドカリで、干潮でも干上がらないくらいの水位で見られます。 冬には見かけなかったので、高水温に強く低水温に弱いのかも…? どうやら泥の中に埋まりながらツノを使って餌を集めて生活しているようでして、 水槽内でも底砂に半分どころか全身埋まりながらツノだけをピコピコさせてじっとしています。 身体も小さく、上記の様子からも分かるように大人しくてのんびりした性格で、 しょっちゅう他のヤドカリに餌を奪われています笑 しかし度重なる環境変化や他の個体によるイジメも苦にしない強かさもあるようです。 色は写真の個体は茶色っぽいですが、赤色っぽいのもいるようで一概には言えないらしい。 脱皮後は青紫色っぽくなりましたしやはり体色は同定の当てにならない…。 生気のない黒く濁った眼と、触角や眼の周りの美しいオレンジ色が特徴的。 オイランの名の由来は分からないですが、この目の周りの色がお化粧っぽいと思えばなるほど感。 眼が黒く濁ってるのも遊女っぽい ハサミの大きさは雌雄で違うらしく、雌ではほぼ左右同大、雄では左がハッキリと大きいとのこと。 生息域は普通、磯遊びするよりも少し深めのところとのことですが、 自分はクロシマと似たような深さで数回見つけたことがあるのと、 ホシゾラもまだまばらにしかいない浅いところでも見たことがあります。 割と南の方のヤドカリのようで、伊豆半島以南と書いてある図鑑もありましたが、 見つけたのはそれよりも北でした。 無効分散なのかも? 性格は大人しく引っ込み思案で、一度引っ込むとなかなか出てこなくて確認に困る子筆頭。 そんな性格もあってか、貝殻も他の活動的なヤドカリが選ばないようなニッチなやつを選びがち。 ここで紹介するヤドカリで大きさが比肩するのはヤマトとコブヨコくらいで、 磯遊びで見つけられたらテンションが上がること間違い無し。 左のハサミが大きくなる種類で、同定の際には眼柄等に表れてる紫色もポイントのようです。 少々深場にいるヤドカリなせいか、磯(や干潟)の生き物図鑑を読んでいても載ってないことも。 自分はクロシマやヤマトと同じエリアで何回か発見しました。 結構好戦的な性格なようでして、水槽に入れた直後から他のヤドカリに喧嘩を売り、 小さなヤドカリはガチで襲いはじめてしまうほど(なので大きくなったら隔離しています)。 大きめなヤドカリとしては動きも活発なようで、同じくらいの大きさのヤドカリが登らないような壁を いそいそとクライミングをしてるのを見かけます。 …というのは大きな個体の話で、小さな個体となると印象は逆転。 とても引っ込み思案で、 野外では引っ込んでなかなか出てこない、同定に困るヤドカリの仲間の一つです。 同じサイズのものを比較してみると、オイランヤドカリと印象がよく似ています。 そのオニと称されるほどの厳つい風格の上に、サイズ自体がかなり大きくなるヤドカリで、 最大だとイシダタミヤドカリよりも大きい気が…(鷲掴みするようなサイズの貝殻に入ってます)。 しかしこの目立つサイズにも関わらず磯遊びで見つけるのは結構難易度が高いと思われまして、 なぜなら超臆病な上に夜行性という…! 生息域はクロシマと同じくらいの深さかなと思います。 昼間だと岩の隙間に手を突っ込んで貝殻を引っ張り出し…を繰り返してようやく見つかるのですが、 仮にホンドオニヤドカリっぽいと分かっても、なかなか貝殻から出てこないので確認できない!笑 水槽の中では意外と動き回ってくれますが、それでも割と温厚なのは変わらないようで、 小さいヤドカリたちとの共生は今のところ上手くいっています。 南に行くなら徳之島がオススメですね。 ウミヘビやウツボの子供が泳いでいたり、朽ちた巨大なシャコガイが転がっていたりな手付かずの海、観光だというとびっくりされるほどの観光客のいなさ加減、荒ぶる牛、いいとこですよー。 まぁ、私が小学校の頃の話ですけどね・・・。 [9]返信 アクアユリウス さん 2017年5月29日 ラミレジィだいしゅき! さん 種類にはよると思いますが、ここに挙げてるような浅場に住む頑丈な種類であれば、 うちでも水量約20L+水中フィルターの環境で飼えてるので行けると思います。 ここに挙げてるうちテナガツノヤドカリとイソヨコバサミは、 最初の頃10L入らないプラケースでしばらく生きてたくらいで…。 たまに捕まえてきて水槽に入れてるんですけど、なかなか可愛いですよねぇ。 [2]返信 ハッピーセット さん 2017年5月28日 私もヤドカリを採取しましたが ここまで調べていませんでした 大変興味深い内容です 夏休みの自由研究になりそうですねww [1]返信 コロネーゼ さん 2017年5月27日 ユビナガホンヤドカリのこっち見んな感可愛いです! ヤドカリのフォルムって面白いですね~.

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