「裸」というと、みなさんはどういうものをイメージするでしょうか? ヨーロッパのヌーディストビーチでは、みなが上半身裸のトップレスで自由と開放感を楽しむそうです。 もうかなり昔、1970年代初頭の頃の話になりますが、「ストリーキング」というものが流行したことがありました。 イギリスやアメリカなどで、多くの観客が集まるサッカーや野球のスタジアムなどの公共の場に全裸で乱入し、走り抜けるというパフォーマンスをするもので、当時は日本でも行われたようです。 また欧米では、全裸で抗議活動や芸術活動を行うこともあります。 さらには、露出狂と呼ばれる下半身などを人前に晒して興奮する性癖を持った人もいるようで、しばしば逮捕されるというニュースを見ることもあります。 そこで今回は、裸に関する犯罪について「身体露出の罪」を中心に解説します。 該当する法律は軽犯罪法です。 「軽犯罪法」 第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。 二十 公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者 ポイントは次の3点です。 「ような場所」ですから、必ずしも公衆の目に触れる公共の場所に限りません。 公衆=多数の人の目に触れるような場所であれば、たとえば野外ではなく、道路に面した自宅の室内で多くの通行人から見えるような場合でも該当します。 次に、仕方ですが、公衆に嫌悪感を催させるような、とあります。 人が何に嫌悪や不快を感じるかは一概に規定できるものではありませんが、ここでは刑法の「公然わいせつ罪」と比較してみます。 「刑法」 第174条(公然わいせつ) 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。 「公然」とは、不特定多数、または多数の人が認識できる状態のことで、行為者がその行為を認識している状態、つまり故意にやっていることが要件として必要です。 また、「わいせつ」の解釈も個人や文化によって違い、時代によっても変化していくものですが、法的には、「性欲を刺激し、興奮または満足させる行為」、「普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為」とされています。 つまり、人に嫌悪や不快を感じさせる行為は軽犯罪法違反で、それよりもさらに度を越して性的羞恥心を害するような行為は公然わいせつ罪になる可能性があるということです。 最後に、身体の露出についてですが、軽犯罪法では、「尻」、「もも」、「その他の身体の一部」とあります。 「性器」の露出は前述のように度を越して性的羞恥心を害する行為となり、「公然わいせつ罪」となります。 そこまで至らない露出で、人に嫌悪の情を催させる露出ということになります。 条文には、「もも」とありますが、どうでしょうか? 今、短いパンツやスカートでももを堂々と出して歩いている人は多数います。 しかし、それで軽犯罪法が適用された例を知りません。 軽犯罪法は、昭和23年にできた法律で、当時は「もも」を出すのは嫌悪されたのが、時代が変わり、嫌悪の対象ではなくなってきた、ということですね。 数年前に人気アイドルグループのメンバーが公然わいせつ罪で現行犯逮捕された事件がありました。 酒に酔って、公園で全裸になり、大声をあげて大騒ぎををしていたということでした。 そのため、公然わいせつ罪が適用されたと考えられます。 もし彼が、パンツだけでも履いていれば、軽犯罪法違反か、もしくは東京都の迷惑防止条例違反での逮捕になっていたと思います。 これから忘年会シーズンです。 お酒を飲み過ぎて、身体の一部又は全部を出したり、飲食した物を出したりしないようにしましょう。 出していいのは、宴会の会費やカンパ、隠し芸くらいだと肝に銘じておきましょう。
次の下の記事で米津航弁護士が 「公然わいせつは、性器を露出しているか否かが境目となります。 女性は男性と違い外部に性器を露出していないため、性行為中であることが公然わいせつに問われる条件となるのです」 と述べておられますが、この考え方は判例・通説と呼べるようなものなのでしょうか? それとも警察の実務上の判断基準なのでしょうか? また、女性に陰毛が全く無い、或いは全て剃っているような場合は、性交を行っていないただの全裸状態であっても、性器が露出していると評価されますか? 他、性交中であっても女性器が男性器や陰毛で覆われ外部からは見えにくい状態であった場合は、公然わいせつにはならないのでしょうか? 参考 (公然わいせつ) 第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。 「女性は男性と違い外部に性器を露出していないため、性行為中であることが公然わいせつに問われる条件」というのは判例・通説ではありません。 週刊誌の記事の弁護士のコメントは、その弁護士の個人的見解であると思われます。 「女性に陰毛が全く無い、或いは全て剃っているような場合は、性交を行っていないただの全裸状態であっても、性器が露出している」についても、公然わいせつ行為と評価される可能性があります。 「性交中であっても女性器が男性器や陰毛で覆われ外部からは見えにくい状態であった場合」についても、公然わいせつ行為と評価される可能性があります。 もっとも、露出してないので、性交しているということが外見上判断しづらいし、本当は性交していたとしても下着は着けていた・性交していないと言い逃れる可能性もありますので、検挙されにくいとも言えます。 条解刑法p487 1 わいせつ わいせつの語は,本条以外でも用いられており,各条によってその解釈には若干の違いが生じるが本条においては次条の場合とほぼ同様に,性欲を刺激,興奮又は満足させる行為であり,普通人の性的差恥心を害し,善良な性的道義観念に反する行為をいうものと解される。 ・・・・わいせつの概念も社会と時代につれて変わり得るが,殊更に陰部を露出する行為や,性交又は性交類似の行為を公然と行うことが本罪に該当することは,当分変わらないであろう(注釈 4 282,大コンメ2版(9)13)。 これまでにわいせつとされた具体的な例としては,陰部を 露出するストリップショー,張り形を用いて行う性交の実演 見物客にのぞかせながら密室内で行う性交の演技等がある。 他方,接吻や乳房を露出する行為は,それのみではわいせつといえないであろう 2015年05月10日 10時47分 路上などで裸になったり、わいせつな行為をすることは「公然わいせつ罪」にあたる可能性がありますが、不特定の人が閲覧できるライブチャットなどオン... この相談に近い法律相談• 女性は性器等を見せなくとも上半身裸の状態でいるだけで公然わいせつ罪に問われることがあるようなのですが、男性の場合はどうなるのでしょう? 男性の場合は上半身裸になった程度では公然わいせつ罪は成立しないのでしょうか? (公然わいせつ) 第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円... 刑法第174条 公然わいせつ罪 の 「わいせつ」の定義について、 判例は「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ、 且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、 善良な性的道義に反するもの」 としていますが、 この定義のいう 「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ」られる対象は、 その わいせつ行為を行なっている 行為者自身ですか? それと... 現状、公然わいせつ罪は性器の露出の有無により犯罪として成立するか否かが決まると思います。 ただ、女性の場合男性とは異なり、全裸で直立した姿勢でも陰毛等により性器が隠れることがあると思います。 この状態は公然わいせつ罪が成立している状態なのでしょうか? ほか、何か公然わいせつ罪の男女差について言及した学説や判例... 東京都と千葉県には青少年保護条例にわいせつ行為については規制がなく、性交と性交類似行為については規制があるようです。 どこからどこまでがわいせつ行為で、 どこからどこまでが性交類似行為なのか 具体例を示して教えていただけませんでしょうか。 (条文は何度も読みましたがイメージが難しく、特に手淫が何を示すのか理解... 上半身裸で自動車を運転する行為は、男性だと合法で女性だと公然わいせつ罪に抵触することになるのでしょうか?.
次の公然わいせつ罪とは、公然わいせつ罪の構成要件 公然わいせつ罪の定義とは 公然わいせつ罪とは、 公然とわいせつな行為をすることによって成立する犯罪をいいます。 刑法174条は「公然とわいせつな行為をした者は、 6月以下の懲役若しくは 30万円以下の罰金又は 拘留若しくは 科料に処する。 」と定めています。 公然わいせつ罪の構成要件とは 公然わいせつ罪の 構成要件とは、公然わいせつ罪が 成立するための要件のことです。 公然わいせつ罪の構成要件が認められれば、 精神障害などで責任が認められないなどの特別の事情がない限り、公然わいせつ罪が成立します。 公然わいせつ罪の構成要件の判断方法は? 公然わいせつ罪の構成要件の該当性は、• なお、公然わいせつ罪は公然とわいせつな行為をした時点で犯罪が成立するため、実際には 実行行為と 故意のみが問題となります。 公然わいせつ罪の構成要件のポイント 公然わいせつ罪の保護法益は? 保護法益とは、法律で罰則を定めてまで保護を図ろうとしている利益のことを言います。 公然わいせつ罪の保護法益は 性秩序ないし健全な性的風俗と伝統的に考えられています。 公然わいせつ罪の実行行為は? 公然わいせつ罪の実行行為は 公然とわいせつな行為をすることです。 「公然」の意義については、判例では「不特定又は多数の人が認識することのできる状態」とされています。 現実に不特定又は多数の人が認識する必要はなく、その認識の可能性があれば「公然と」に当たるとされています。 「わいせつな行為」とは、判例では、「いたずらに性欲を興奮または刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものをいう」と定義づけられています。 一般社会の良識・社会通念を基準として、性的と判断される行為をすると「わいせつな行為」といえるでしょう。 したがって、たとえば、深夜誰も居ない公園で下半身を露出した場合には公然わいせつ罪が成立する可能性があると言えます。 公然わいせつ罪の故意は? 故意については、公然とわいせつな行為をすることを行為者が認識・認容していることが必要です。 しかし、その行為とその客観的状況の認識があれば、それがわいせつな行為と言えるのか、公然といえるのかについてまで知っている必要はないとされています。 公然わいせつ罪が未遂の場合はどうなる? 公然わいせつ罪は、わいせつな行為を行うことによって直ちに既遂となります。 刑法に公然わいせつ罪の未遂を処罰する規定は置かれていません。 公然わいせつ罪と刑期 公然わいせつ罪と刑期の関係 公然わいせつ罪を犯した者は、刑法174条で「 6月以下の懲役若しくは 30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と定められています。 懲役・拘留とは、懲役刑・拘留刑のことで、公然わいせつ罪で有罪判決を受けた人物を 刑務所に収監し、 刑務作業を行わせる刑罰をいいます。 もっとも、刑事裁判で懲役刑が言い渡されても、行為者側に有利な事情も考慮され 執行猶予になれば、 直ちには刑務所に収監されないです。 執行猶予後は、社会で日常生活を送り、再び犯罪をした場合に限り、 執行猶予が取り消されて刑務所に収監されることになります。 これに対して、罰金・科料とは、罰金刑・科料刑のことで、公然わいせつ罪で有罪判決を受けた人物から一定の 金銭を強制的に取り立てる刑罰をいいます。 公然わいせつ罪の場合は、30万円を超える罰金を科すことができないため、悪質な公然わいせつ事件に対しては、罰金刑ではなく懲役刑が言い渡されることになります。 公然わいせつ罪の刑期に関するQA 公然わいせつ罪の初犯の刑期は何年? 公然わいせつ罪を犯した者は、刑法で「 6月以下の懲役若しくは 30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する」と定められています。 初犯の場合の刑期も、この法律の範囲内で言い渡されることになります。 実際に言い渡される刑期は、公然わいせつ罪の行為の悪質性の程度によって異なってきます。 初犯であれば、 略式裁判による罰金刑で終わることも多いです。 また、 初犯で 悪質性が低いケースであれば、不起訴として 前科がつかないこともあります。 公然わいせつ罪でも執行猶予になる?執行猶予になるためには? 公然わいせつ罪で起訴されて刑事裁判になっても、 執行猶予になる場合があります。 刑事裁判で懲役刑が言い渡されても、執行猶予になれば、 直ちには刑務所に収監されないです。 執行猶予後は、社会で日常生活を送り、再び犯罪をした場合に限り、 執行猶予が取り消されて刑務所に収監されることになります。 執行猶予になるためには、初犯であること、再犯しないと約束すること等が大切です。 また、公然わいせつ事件の目撃者(実質的被害者)に 謝罪と 賠償が尽くされていると執行猶予が付く可能性が高まります。 公然わいせつ罪と時効 公然わいせつ罪と時効の関係 公然わいせつ罪の時効は、 刑事の時効と 民事の時効に分けることができます。 公然わいせつ罪の刑事の時効とは、いわゆる 公訴時効のことです。 公訴時効とは、検察官の公訴する権限を消滅させる時効のことです。 公訴時効が成立すれば、検察官は事件を起訴することができなくなります。 また相談者によっては 告訴期間のことをさして「刑事の時効」と表現される方もいます。 告訴期間とは、親告罪の告訴をできる期間のことです。 刑事訴訟法235条は「親告罪の告訴は、犯人を知った日から6か月を経過したときは、これをすることができない」と定めています。 公然わいせつ罪の民事の時効とは、いわゆる 損害賠償請求権の消滅時効のことです。 民法724条の規定により、「損害および加害者を知った時」から3年間権利を行使しないときには、その権利は消滅するとされています。 公然わいせつ罪の時効に関するQA 公然わいせつ罪の公訴時効の時効期間は何年?いつから進行する? 公然わいせつ罪の公訴時効は 3年です。 公訴時効は 犯罪行為が終わった時から進行します。 公然わいせつ罪が終わった時から3年が経過した後は、検察官は公然わいせつ事件を 起訴することができないということになります。 公然わいせつ罪の告訴期間は何年?いつから進行する? 親告罪の告訴期間は 犯人を知った日から進行し、告訴ができる期間は 6か月と定められています。 しかし、公然わいせつ罪は被害者のいない犯罪類型ですので、告訴することはできません(刑訴法230条)。 公然わいせつ罪の民事の時効期間は何年?いつから進行する? 公然わいせつ罪の民事の賠償請求権の時効期間は 3年です。 損害賠償請求権の消滅時効は 損害および加害者を知った時から進行します。 目撃者がおり、その目撃者を実質的な被害者と考えるときには、損害および加害者(行為者)を知った時から3年以内であれば、公然わいせつ罪の加害者に対して 損害賠償を請求できるということになります。 これに対して、公然わいせつ罪の加害者は、公然わいせつ罪の被害者が損害および加害者を知ったのち3年が経過すれば、 損害賠償の請求を受けないということになります。 公然わいせつ罪の慰謝料の時効期間は何年?いつから進行する? 公然わいせつ罪の慰謝料請求権の時効期間は 3年です。 慰謝料請求権の消滅時効は、被害者(目撃者などの実質的被害者)が 損害および行為者を知った時から進行します。 公然わいせつ罪の現行犯逮捕とは、公然わいせつ罪の当日に公然わいせつ事件の現場で逮捕されることをいいます。 公然わいせつ事件が起こったその時その場所で 目撃者など、現場近くにいた通行人によって逮捕されるのが一般的です。 現行犯逮捕された後は、公然わいせつ罪の行為者はそのまま 警察署に連行されることになります。 これに対して、公然わいせつ罪の後日逮捕とは、公然わいせつ罪の逮捕状にもとづいて逮捕されることをいいます。 公然わいせつ事件が起こった翌日以降に 逮捕状をもった警察官によって逮捕されるのが一般的です。 公然わいせつ罪の逮捕状がいつ発行されるかは、公然わいせつ事件に対する 捜査の進み具合によって異なります。 公然わいせつ罪で現行犯逮捕されるケースは? 公然わいせつ罪で現行犯逮捕されるケースは、公然わいせつ事件の目撃者が、まさに公然わいせつ事件が起こった現場で犯人を逮捕するケースが多いです。 目撃者や通行人だけでなく、現場に駆けつけた 警察官によって現行犯逮捕されることも少なくありません。 また、公然わいせつ罪の行為態様として、 複数回、常習的に行っている場合も、現行犯逮捕されるケースが多いです。 具体例その1 下半身を露出した状態で公園内を散歩していたことで、巡回中の警察官に 現行犯逮捕された。 具体例その2 全裸で河川敷を歩いており,目撃者数によって 現行犯逮捕された。 公然わいせつ罪で後日逮捕(通常逮捕)されるケースは? 公然わいせつ罪で後日逮捕されるケースは、そう多くありません。 しかし、公然わいせつで後日に逮捕されるケースとしては、公然わいせつ罪の行為者が公然わいせつ事件に関する 証拠を隠滅する可能性が高い場合に行われると考えられます。 警察としても、軽微な公然わいせつ事件で、わざわざ裁判所に対して 逮捕状を請求しないのが一般的です。 しかし、公然わいせつ罪の行為者が公然わいせつ事件に関する 証拠を隠滅する可能性が高い場合には、公然わいせつ事件でも後日に逮捕されることがあります。 この点、公然わいせつ罪の容疑を 不合理に否認している場合や、公然わいせつ事件の 共犯者が多数存在する場合は、「証拠を隠滅する可能性が高い」として後日逮捕されるリスクが高まります。 具体例その1 路上で公然わいせつを行った。 しかしその後、 多数の目撃者や 明確な証拠があるにも関わらず、容疑を不合理に否認したため 後日逮捕された。 具体例その2 わいせつな行為を行うストリップショーを開催した。 ショー内容を知りながら場所を貸した劇場の支配人等は 口裏合わせや 証拠を隠滅をしようとしたため共犯者として 後日逮捕された。 公然わいせつ罪の逮捕に関するQA 逮捕されない公然わいせつ罪はある? あります。 すべての公然わいせつ罪の行為者が逮捕されるわけではありません。 公然わいせつ罪を犯してしまっても、公然わいせつ罪の 行為態様が悪質でない場合は、逮捕されないケースも多いです。 もっとも、逮捕されない公然わいせつ罪の場合でも、 在宅(ざいたく)のまま捜査や取り調べが行われることになります。 在宅事件の場合は、警察署の留置場で生活する必要はありません。 自宅で生活することができます。 しかし、警察から 呼び出しがあった場合は、その呼び出しに応じて 自宅から警察署に出向き、公然わいせつ事件の捜査や取り調べに協力することが求められます。 公然わいせつ罪の逮捕条件は? 公然わいせつ罪の 逮捕条件は、 現行犯逮捕の場合と、 後日逮捕(通常逮捕)の場合とで異なります。 現行犯逮捕の要件 公然わいせつ罪の現行犯逮捕は、基本的に、公然わいせつ事件を 現に確認した者によってその 現場で行われる必要があります。 現行犯逮捕できるのは、基本的に その時その場限りです。 公然わいせつ事件の現行犯逮捕は、 目撃者や 通行人、現場に駆けつけた 警察官によって行われることが多いです。 後日逮捕の要件 公然わいせつ罪の後日逮捕は、 裁判官が発行する 逮捕状にもとづいて行われる必要があります。 逮捕状の発行を請求するのは、一般的に 警察官です。 逮捕状の発行は、 逮捕の理由と 逮捕の必要性が認められる場合に限られます。 逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことです。 逮捕の必要性とは、「被疑者が逃亡するおそれ」や「被疑者が罪証を隠滅するおそれ」があることです。 公然わいせつ罪の逮捕の流れは?逮捕までの流れは? 公然わいせつ罪の 逮捕の流れは、大きく 現行犯逮捕の場合と 後日逮捕(通常逮捕)の場合に分けられます。 現行犯逮捕の流れ 公然わいせつ罪の現行犯逮捕の流れは、公然わいせつ事件の 現場で公然わいせつ事件の 直後に逮捕される点に特徴があります。 公然わいせつ事件の 通行人や 目撃者が行為者を直接逮捕するのが、公然わいせつ罪の現行犯逮捕です。 現行犯逮捕された後は、その場に通報を受けた 警察官がやって来て、そのまま 警察署に連行されることになります。 公然わいせつ事件の行為者を後日逮捕するためには、 裁判所が発行する 逮捕状にもとづく必要があります。 実際の後日逮捕の現場では、警察官が公然わいせつ事件の行為者に 逮捕状を示して、逮捕状が執行されることになります。 公然わいせつ罪を犯してから後日逮捕されるまでの期間は、捜査の進み具合によるところが多いです。 単純な公然わいせつ事件の場合 単純な公然わいせつ事件で捜査がスムーズに進む場合は、公然わいせつ事件から 一か月以内に後日逮捕されるケースが多いです。 共犯者のいる公然わいせつ事件の場合 共犯者が複数人いる公然わいせつ事件で捜査に時間を要する場合などでは、後日逮捕までの 期間が長引く傾向にあります。 特に、公然わいせつ事件の 関係者が複数いるなどして 捜査が難航しているケースでは、 すぐに逮捕状を請求することができないので、後日逮捕までの期間が長引くことになります。 複雑な公然わいせつ事件で捜査が難航している場合は、公然わいせつ事件から 半年後や 一年後に後日逮捕されることも考えられます。 公然わいせつ罪で逮捕された後の拘束期間は? 逮捕の期間 公然わいせつ罪の 逮捕の期間は、 72時間です。 公然わいせつ罪で逮捕されてから 48時間以内に送致され、 24時間以内に勾留が請求されなければ、基本的に 釈放されます。 公然わいせつ罪での勾留が認められない限り、 留置場で1~2泊して釈放されるというイメージになります。 拘留(勾留)の期間 公然わいせつ罪での 勾留の期間は、最初は 10日間、さらに 10日間延長される可能性があり、公然わいせつ事件が起訴されれば さらに長引くことになります。 一度勾留が決定されれば、弁護士が介入し 途中で示談が成立するなどの特段の事情がない限り、 最低でも10日間は警察署の留置場で生活しなければなりません。 その後、さらに 10日間ほど勾留が延長される可能性があります。 さらに、公然わいせつ罪で起訴(公判請求)された場合は、その後に 保釈が認められるか 執行猶予判決が言い渡されるまで、ずっと留置場または拘置所で生活しなければなりません。 もし早期の釈放が必要な場合は、弁護士に積極的に動いてもらった方がよいでしょう。 弁護士が 実質的被害者と示談を成立させたり、 保釈を請求することで、比較的早く留置場から釈放されるケースも多いからです。 公然わいせつ罪と懲役 公然わいせつ罪と懲役の関係 公然わいせつ罪には、 罰金刑・科料と 懲役刑・拘留が定められています。 公然わいせつ罪の結果が 軽微な場合は、 略式裁判で 罰金刑になる可能性があります。 これに対して、公然わいせつ罪の行為態様が 悪質なケースでは、 正式裁判で 懲役刑が下される可能性があります。 そもそも懲役刑とは? 懲役刑や拘留刑とは、刑務所で刑務作業を負う刑罰をいいます。 公然わいせつ罪で懲役 実刑となった場合は、 刑務所に収監されて刑務作業を行わなければなりません。 これに対して、公然わいせつ罪で懲役刑になっても、判決で 執行猶予がついた場合は、直ちには 刑務所に収監されないので、刑務作業を行う必要もありません。 公然わいせつ罪の懲役に関するQA 公然わいせつ罪の懲役の相場は? 公然わいせつ罪の懲役刑の 相場は、事件によってさまざまです。 公然わいせつ罪の懲役の法定刑は、刑法によって 懲役6月以下と定められているため、公然わいせつ罪の懲役刑が公然わいせつ事件単体で 懲役6月を超えることないと言えます。 公然わいせつ罪の結果が重たくない場合は、 懲役刑にはならず罰金刑や不起訴で終わることも多いです。 これに対して、公然わいせつ罪の行為態様が悪質な場合は、初犯であっても 懲役実刑になることも可能性としてはあります。 公然わいせつ罪の懲役の年数は?懲役は何年? 公然わいせつ罪の 懲役の年数は、刑法によって 6月以下と定められています。 公然わいせつ罪で懲役 実刑になるとしても、公然わいせつ罪単独であれば、刑務所に収監されるのは 6月以下です。 初犯の公然わいせつ罪でも懲役実刑になる? 初犯であれば、懲役実刑になる可能性はほとんどありません。 もっとも、公然わいせつ事件が複数回におよぶ等悪質性・常習性が認められる場合には懲役刑となる可能性もあります。 懲役実刑を避ける方法は? 公然わいせつ事件は被害者のいない事件です。 しかし、目撃者が実質的な被害者となりうる刑事事件なので、その実質的な被害者と 示談を成立させることができると懲役刑を回避できる可能性が高まります。 初犯の公然わいせつ罪だと執行猶予になる? 初犯の公然わいせつ罪であれば、多くの場合、罰金刑が科されます。 罰金刑については、法律上は執行猶予が付与される可能性はありますが、実際に罰金刑に執行猶予が付されることはほぼありません。 行為態様の悪質性 公然わいせつ事件の行為が悪質な場合は、 罰金ではなく懲役になる可能性が高まります。 例えば、関係者多数にのぼる、わいせつなストリップショーは、行為態様が悪質な公然わいせつ事件だと判断されることがあります。 略式裁判と正式裁判の違い 公然わいせつ罪で 罰金刑が言い渡される場合は、 略式裁判で法廷には出ずに書類上の処理で終わるケースが多いです。 これに対して、公然わいせつ罪で 懲役刑が言い渡される場合は、必ず裁判所の法廷で 正式裁判が行われることになります。 公然わいせつ罪と示談 公然わいせつ罪の示談とは 公然わいせつ罪の示談とは、公然わいせつ罪によって生じた賠償金をめぐるトラブルを、公然わいせつ罪の行為者と実質的被害者の 合意をもって解決することをいいます。 示談書の作成は、示談の成立の必要条件ではありません。 しかし、その後のトラブル(示談が成立した、しないの言い合い)を防ぐためにも、 示談書を作成するが大切です。 目撃者などの実質的被害者が存在しない、あるいは特定できない場合には示談のしようがありませんので、その場合は反省の意を示すために弁護士会に贖罪寄付として寄付金を納めることも可能です。 示談成立の効果は? 公然わいせつ罪の示談が 成立したということは、公然わいせつ罪によって生じた賠償金のトラブルが当事者間の 合意によって解決したということを意味します。 示談が成立すれば、公然わいせつ罪の行為者は、実質的被害者に対して、 示談金を支払い、その他の 示談の条件を履行する 義務を負います。 行為者側の示談のメリットは? 公然わいせつ罪の示談が成立すれば、公然わいせつ罪の行為者は、その後の刑事手続きにおいて、示談が成立しなかった場合と比べて有利に取り扱われます。 具体的には、 刑事裁判にならない可能性や、不起訴で 前科がつかない可能性が高まります。 示談が成立したことで、軽微な公然わいせつ事件であれば不起訴になることもあるので、公然わいせつ罪の 前科がつかないという点でメリットは大きいです。 公然わいせつ罪の示談に関するQA 公然わいせつ罪の示談金の相場は?初犯の場合の相場は? 公然わいせつ罪の示談金の 相場は、ケースによってさまざまです。 初犯の公然わいせつ罪の示談金(=迷惑料)は、公然わいせつ罪によって生じた 実質的被害者の処罰感情、迷惑感情の大小によって金額が左右されることがあります。 公然わいせつ罪は直接被害を被るわけではありませんので、 数万円程度の示談金でまとまるケースもあります。 公然わいせつ罪の実質的被害者の側としても、一定の迷惑料を貰えれば、 誠意が伝わったとして満足するケースが多いからです。 示談拒否などで、公然わいせつ罪の示談ができない場合は? 公然わいせつ罪の目撃者など、示談の相手方が 示談に応じない場合、行為者には刑事手続において刑事罰を軽くすることができないというデメリットがあります。 具体的には、示談が成立すれば 不起訴になったのに示談が不成立だったから 罰金になるリスクがあります。 公然わいせつ罪の示談書の書き方は? 公然わいせつ罪の 示談書の書き方は、通常の示談書の書き方と同様です。 示談書の冒頭で、公然わいせつ事件が起こった日時・場所、公然わいせつ罪の行為者と目撃者などの相手方の氏名などを記載して、 事件の内容を特定することになります。 また、公然わいせつ罪の示談書には、示談金の 金額やその 支払い方法を記載します。 示談書の作成は、加害者(行為者)と被害者の双方がサインをすることで完了します。 示談金の一括払いが難しい場合は、示談金の 分割払いの合意を結ぶことも可能です。 公然わいせつ罪の示談書に、「被害者は行為者のことを許す」旨の 宥恕条項(ゆうじょじょうこう)を設けた場合は、その後の刑事手続きで、行為者に有利に考慮されることもあります。 公然わいせつ罪の示談の流れや示談の方法は? 公然わいせつ罪の 示談の流れは、通常の事件の示談の流れと同様です。 公然わいせつ罪の行為者が実質的被害者の 連絡先を知っている場合は、当事者同士で示談の話し合いを進めることができます。 これに対して、公然わいせつ罪の行為者が目撃者など相手方の 連絡先を知らない場合は、公然わいせつ罪の示談を進めるためには、 弁護士を選任する必要があります。 弁護士を選任すれば、警察官や検察官から被害者の 連絡先を聞くことができるケースが多いからです。 弁護士を選任した後の示談の流れとしては、弁護士が被害者と話し合って、示談が成立することになります。 公然わいせつ罪は示談すれば不起訴になる?示談しても起訴される? 公然わいせつ罪は被害者のいない犯罪類型で、親告罪ではないので、公然わいせつ罪の示談が成立したからといって、 必ず不起訴になるわけではないという点をまず理解する必要があります。 もっとも、公然わいせつ罪の被害がそれほど重たくない場合は、公然わいせつ罪の目撃者など事件関係者と示談が成立すれば、起訴猶予による 不起訴の可能性が高まります。 公然わいせつ罪の示談が不成立だった場合はどうなる? 公然わいせつ罪の 示談が不成立の場合は、公然わいせつ罪の行為者は、その後の刑事手続において、 重たい処罰に課されるリスクを負います。 示談が不成立だった事実は、示談が成立している場合と比べて、公然わいせつ罪の 行為者側に不利な事情として取り扱われるからです。 なお、示談金の相場はこちらからかんたんに確認できるようにしておきました! その他の種類をお選びください• 公然わいせつの相談なら弁護士にお任せ! ここまでで、公然わいせつの一般的なことはカバーできました。 でもできれば、自分の事件に即した具体的なアドバイスも欲しいですよね? …ということで、以下では、弁護士に無料で相談できるサービスをご紹介します。 お手軽にスマホで弁護士相談するなら こちらの弁護士事務所は、刑事事件の無料相談を 24時間365日受け付ける窓口を設置しています。 いつでも専属のスタッフからの案内を受けることができるので、緊急の時も安心です。 LINE相談には、夜間や土日も、弁護士が順次対応しているとのことです。 急を要する刑事事件の相談ができるので、頼りになりますね。
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