警察は「指定」に踏み切るのか(写真はイメージです) 恐喝罪で服役していた指定暴力団・6代目山口組ナンバー2、高山清司若頭(72)が18日、刑期を終えて府中刑務所(東京都府中市)から出所した。 この間、山口組は3団体に分裂。 高山若頭の強権支配がその原因と指摘されているだけに抗争の激化が懸念されているが、事態は今後、どのような経過を辿るのだろうか。 暴力団事情に詳しい消息筋が、次のように話す。 「抗争の展開がどうなるかは、警察がどの段階で、各団体を『特定抗争指定暴力団』に指定する動きを具体化させるかだ。 その上で注目すべきポイントが2つある」 関連記事: 消息筋によれば、第1のポイントは神戸山口組の動きだ。 ともに弘道会(名古屋市)を出身母体とする司忍組長が君臨し、高山若頭が仕切る6代目体制への不服を唱えて分裂した神戸山口組が、高山若頭の出所を警戒していたことは想像に難くない。 また今月10日、弘道会の傘下組幹部が、神戸山口組山健組系組員2人を射殺する事件が発生。 神戸山口組による「報復」が警戒されている。 「しかし今後、6代目山口組の幹部や組員に対する襲撃事件が発生し、それが明らかに神戸山口組による報復だとわかれば、警察は速やかに両団体の『特定抗争指定暴力団』指定に動くだろう」(前出・消息筋) 抗争の当事者として「特定抗争指定暴力団」に指定されると、その団体の組員は相手の事務所に近づくことが禁止されるのはもちろん、自分の団体の事務所に出入りしたり、同じ組織の組員が5人以上集まったりしただけで逮捕される。 期間は3カ月だが、必要と見なされれば指定が繰り返され、組織の維持が困難になる。 また、仮に6代目山口組と神戸山口組に対する指定が長期化すれば、もうひとつの分裂組織である任侠山口組がその間隙を縫い、勢力を拡大する可能性もある。
次のから、2019年に掲載した山口組にまつわるお話を再録。 元極妻が考える「山口組」二次団体幹部ラーメン店殺害事件 すでに手打ち(和解)しているそうですが、3月20日に横浜市内のラーメン店でヤクザ同士のケンカがあり、2人が刺されて1人は死亡、1人は重傷を負いました。 亡くなったのは六代目山口組二次団体・三代目小西一家の小濱直史統括委員長。 ネットでは「ラーメン店の厨房の包丁でメッタ刺しされた」との話も出ていますが、真偽はわかりません。 また、実行犯はこの原稿を書いている3月28日の時点では、まだわかっていませんが、稲川会二次団体・十二代目小金井一家の組員といわれています。 この方も、また長い逃亡生活が続くのでしょうか。 報道などによりますと、名前が似ていてわかりにくいですが、「小金井一家のシマで小西一家がシノギをしている」ということで、以前から両者の間で話し合いが持たれていたそうです。 元極妻が考える「山口組分裂問題」 4年前のお盆の頃、「山口組が割れるらしい」というウワサが聞こえてくるようになりました。 でも、「元」も含めて私たち極妻は、「まさかぁ」と本気にしませんでした。 それまでも、山口組のほかヤクザ組織では幹部を批判する怪文書がまかれることなどは珍しくなくて、「不満分子のガス抜き」程度に考えられていました。 危機感は、まったくなかったのです。 でも、8月20日を過ぎたあたりで、知り合いの元幹部から「ガチで割れそう」と連絡があり、そこから本当に分裂騒動となっていったのです。 当初は組織の内外の極妻はもちろん、関係者はみんな「分裂はない」とみていました。 だって、ここまで暴排が進んでいると、組を出たところでメリットはまずありません。 元極妻が考える「山口組」ナンバー2の社会復帰 一時は準構成員を含めて「4万人軍団」と呼ばれた山口組が、「六代目山口組」と「神戸山口組」に分裂してから、8月27日で4年がたちました。 さらにその後に「神戸山口組」を離脱した関係者が「任侠山口組」を立ち上げ、現在の「三つの山口組」となっています。 警察庁の発表では、この三つの山口組に関連した事件は8月13日現在で125件発生しているそうです。 この1年は12件と少なかったのですが、2017年9月に起こった任侠山口組関係者の射殺事件の犯人はまだ逃走中ですし、暴行事件や車両特攻などもまだニュースになりますね。 もう一つ、今年の10月に六代目山口組のナンバー2である高山清司若頭の出所が予定されていることも、警察とマスコミの緊張感を高めています。 若頭は、銃撃のあった弘道会の会長も務めていますから、その事務所への銃撃が「宣戦布告」と取られるのは仕方ないでしょうね。 六代目側は若頭の出所を「分裂終結のリミット」と決めているそうです。 でも、こんな銃撃事件があるようでは、穏やかな終結は遠い感じです。 元極妻が考える「神戸山口組」銃撃事件 府中刑務所() この原稿を書いている10月10日現在、台風19号の襲来が心配されています。 どうか大きな被害が起こりませんように……などとしんみり書いておりましたら、台風襲来よりも先に大事件が起こってしまいました。 報道などによりますと、10月10日の午後2時40分ごろ神戸市内で発砲事件があり、2人が負傷して救急搬送されましたが、搬送先で亡くなりました。 現場にいたヒットマンがすぐに逮捕され、持っていた2丁の拳銃が押収されています。 現場は神戸山口組の中核組織である山健組の組事務所前で、兵庫県警察本部から西に500メートルほどの住宅街です。 この日は事務所で定例会が開かれており、その最中の出来事でした。 元極妻が考える「山口組」若頭・出所と「工藤會」総裁 10月18日には、山口組のナンバー2である高い山清司若頭の出所が報道されました。 早速ネット住民からファッションチェックされてましたが、特に大きな混乱もなく、傘下組織の事務所に入ったことが報じられていました。 しかし、ニュースで「(事務所には)次々と(祝いの)重箱が運び込まれ……」とありましたが、なんでこういうことを書くんでしょうね。 重箱を用意したお料理屋さんが暴排条例の「暴力団への利益供与」でアゲられたら、マスコミは責任を取れるんでしょうか。 テレビを見ていてちょっと思いました。 若頭の社会復帰で、三つに分かれている山口組がどうなるか……は、ヤクザ業界だけではなく、世間が注目しているようです。 番外編:元極妻が考える「山口組」とハロウィン 山口組は、なんと田岡三代目の時代からハロウィンのお菓子を配っていたと聞いています。 近所の外国人の子どもたちが「Trick or treat」と言いながらヘンな格好でやってくるので、当初は意味がわからずお小遣いをあげていましたが、その後に由来を聞いて、お菓子を配るようになったのだとか。 由来といっても、もともとはケルト人の儀式が、アメリカで仮装行列みたいになっただけらしいですけどね。 田岡三代目は1981年に亡くなっていますから、70年代から子どもたちにお菓子を配っていたんですね。 ハイカラでいい感じですが、この暴力団排除のご時世に、そんな牧歌的なお話は通用するわけがありません。
次の品川駅のベンチに腰を下ろす髙山若頭 10月18日、ついに六代目山口組・髙山清司若頭が府中刑務所より社会へと復帰を果たした。 午前6時50分過ぎ、出所した髙山若頭を乗せた黒のアルファードは品川駅へと到着。 待ち構えていた報道陣のシャッター音がいっせいに鳴り響き、テレビカメラが回った。 品川駅で髙山若頭を出迎えたのは、六代目山口組若頭補佐の藤井英治・五代目国粋会会長と同じく若頭補佐の高木康男・六代目清水一家総長。 髙山若頭が乗っていた車からは、三代目弘道会・竹内照明会長が降り立ち、3人の最高幹部に囲まれるような形で、髙山若頭が悠然と歩みを進め、駅構内へと入っていった。 その雰囲気には、殺伐とした空気はいっさい感じられなかった。 駅のホームでベンチに腰掛ける髙山若頭からの姿からも、六代目山口組が分裂して緊迫状態にあるような雰囲気はなかったのだ。 あるのは、圧倒的な存在感。 ただ髙山若頭がそこにいるだけで、周りの空気を一変させてしまう存在感であり、それは筆者が現役時代に公用の場で肌で感じたものとまったく同じであった。 その後、髙山若頭は、新幹線で名古屋駅へと向かい、そこから名古屋市内にある三代目弘道会系佐々木一家事務所へと入り、六代目山口組・司忍組長との対面を果たしている。 司組長の第一声は「元気だったか?」だという。 佐々木一家とは、初代弘道会傘下から五代目山口組の直参へと昇格を果たした菱心会が前身あり、さらにそれ以前の佐々木組は、髙山若頭が渡世入りを果たした由緒ある組織となる。 「そうした歴史と縁のある場所で、司組長と髙山若頭が対面を果たしたのだ。 感慨深いものが感じられる。 この両頭が揃ったことは、六代目山口組分裂騒動にとって、大きなターニングポイントとなるのは間違いないだろう」(事情通) この関係者が話すように、髙山若頭の出所が分裂騒動の分岐点になる可能性は非常に高いといえる。 今回、髙山若頭の出所の取材のため、筆者も品川駅に赴いている。 先日、神戸市で起きた射殺事件の容疑者がマスコミを騙っていたと言われたことから、髙山若頭の出所の際は報道関係者らに対して、警察による身元検査のようなことが行われるのではないかとも噂になっていた。 そして、確かにそうしたことはあった。 だが実際、髙山若頭が品川駅に姿を表すと、周囲の緊張感は一気に払拭され、冒頭でも触れたようにそこにあるのは、すべての空気を掻き消すような、髙山若頭の圧倒的な存在感であったのだ。 六代目山口組の分裂騒動はどのような変貌を迎えるのか。 髙山若頭の言動とともに山口組の動向に注目が集まることになる。 以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。 著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)など。 最新刊は、元山口組顧問弁護士・山之内幸夫氏との共著『山口組の「光と影」』(サイゾー)。
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