レヴィーン氏は、「先月はさらに3017人の通常レベルを超える死者がいたが、COVID-19との関係は不明だ」とツイート。 「この増加の説明は1つしかない。 パンデミック(世界的流行)の直接または間接的な犠牲者だ」とした。 統計への影響は? 今回の死者急増が公式集計にどう影響するかは不明だ。 クオモ氏は、州当局が自治体と連携し、「できるだけ早く」修正した人数を発表すると述べた。 アメリカの多くの州やBBCを含む報道機関が信頼を置いているには、現時点で「推定される」死者という項目は追加されていない。 ニューヨーク市のバーボット保健局長は、「これらのデータは感染流行の規模と広がりを見極めるのに役立ち、決断の手がかりとなる」と述べた。 他の州はどうしている? CDCは3月初め、新型ウイルス感染が「推定される」場合は、死亡証明書にそう記載するよう国内の各自治体に指示していた。 この時点ではまだ、ニューヨーク市で最初の死者が出ていなかった。 記載の有無は自治体によってまちまちだ。 バーボット氏の米紙ニューヨーク・タイムズへの説明によると、コネチカット、オハイオ、デラウェアの各州の自治体は、新型ウイルス感染が推定される死者を記録してきた。 一方、カリフォルニア州やシアトル市は、検査で陽性が確認された死者だけを感染者として集計している。
次のニューヨークタイムズ 世界の話題 2020. 記念すべき赤ちゃんが誕生したのは、その日の昼食時だった。 政府当局者によると、1億人目は女の子で、ミニヤー県内の村で生まれた。 これまで人口の伸びを刻み続けてきたカイロの同国統計局脇の巨大な人口カウンターがついに「1億」を記した。 1億人突破は確かに「人口大国」の証しとなった(訳注=中東・北アフリカ地域では最大)。 しかし同時に、人口の激増による貧困の拡大や失業者の増加、さらに土地や飲み水といった生活基盤の欠乏がますます深刻化する「不安定大国」になったといえる。 1億人突破を前に、エジプト政府は人口激増による「非常事態」を発表した。 大統領アブドルファッターハ・シーシも、人口激増がテロと同様に国家の安全保障上の脅威になっていると表明していた。 当局者によると、人口増に歯止めをかけなければ2030年までに1億2800万人に達するだろうとのことだ。 シーシは、子どもの数は「2人で十分」と呼びかける親向けのキャンペーンを展開して人口増に歯止めをかけようとした。 しかし、この種の多くの努力が水泡に帰し、同キャンペーンも失敗した。 エジプトの出生率は08年以降に上昇した。 国連によると、同国では女性1人当たり3.5人の子を産み、人口の伸び率は1.8%になった。 これは同国の過密な都市に半年ごとに100万人増える計算になる。 「子どもたちがどんどん増えている」。 カイロのアメリカン大学講師で「Understanding Cairo: The Logic of a City Out of Control(カイロが分かる:混迷都市の論理)」の著者のデビッド・シムスは言った。 「いったい彼らはどうなってしまうのだろう?」と疑問を投げかけた。 なにしろ人口の95%が国土の約4%の地に暮らしている。 人びとが暮らせる緑地帯はアイルランドの半分ほどの面積で、砂漠の間を縫うように流れるナイル川沿岸から河口部の豊かなナイルデルタ地帯にかけて広がっている。 そのエジプトで出生率が最も高いのが地方部だ。 地方では「大家族こそ神の恵み」と言われている。 高い出生率の影響はしかし、カイロ都市圏で最も顕著にあらわれている。 約2千万人が暮らすこの大都市圏がますます膨らんで、周辺の砂漠地帯や農地にまで広がっているのだ。 カイロ市内の建物の屋上から見渡すと、平らなコンクリート屋根が街を埋め、そこに何百万ものパラボラアンテナが点在している。 ギザのピラミッドですら住宅やホテル、ゴルフ場に三方から迫られている。 このため砂漠を背景にしたピラミッドの写真を撮ろうとする観光客は、一方の側からシャッターを切るしかない。 中流階級が多く住むナスルシティー。 22年の経歴をもつタクシー運転手のAhmed Abdel-Hadiは20年2月10日夜、街路にあふれる車の流れに乗っておんぼろのセダンを運転していた。 突然、けたたましいクラクションが鳴り響いた。 救急車が警告ライトを点滅させながらのろのろと通り過ぎていった。 交通渋滞がひどく、イラついたドライバー同士で殴り合いのけんかになることがしょっちゅう起きるようになった、とAbdel-Hadi。 そのピークがラマダン(イスラム教の断食月)で、人々は日没後の食事に我先に急ぐ。 しかし、人口激増の問題はAbdel-Hadiにもある。 彼は10歳から19歳まで4人の子の父だ。 だが、彼は家族の人口抑制を求める政府のキャンペーンに怒りをぶちまけた。 「人的資源は大事だ。 家族は、家長たる男の収入を反映している。 私が何人の子どもを持つかは収入が決めるべきで、誰からも文句を言われる筋合いはない」と彼は言うのだった。 スザンヌ・ムバラクは元大統領ホスニ・ムバラク(訳注=20年2月25日、死去)の妻だが、ムバラク政権時代は先頭に立って出生率低減に取り組んだ。 その成果はある程度上がった。 エジプト政府の統計によると、1990年代から2000年代にかけて同国の出生率は5・2から3・0まで下がった。 しかし11年に起きた民主化運動「アラブの春」の頃から再び上昇した。 理由ははっきりしないが、おそらく経済と政治の混乱、それに欧米からの産児制限に関する支援が減ったためであろう。 現大統領のシーシが率いるエジプト政府は、数千人の家族計画推進員を地方に派遣して安価な避妊具を提供している。 政府の直営店ではコンドーム3個入りパックがわずか6セント(1ドル=109円換算で約7円)、避妊リングは12セント(同約13円)だ。 同国イスラム教の最高権威アズハルも政府の計画を認め、家族計画は神の禁じるものではない、と強調した。 しかし、政府の人口抑制策はほとんど口先ばかりでスローガンに見合った行動が伴っていないと批判する声も出ている。 シーシの妻は家族計画で目立った動きはみせず、政府高官も公共衛生プログラムで人口問題に水を差そうとしている。 「人口爆発は国家の脅威だと私たちは毎日聞かされている」とアイン・シャムス大学の産婦人科医Amr A.Nadim。 「しかし、政府が本気で取り組んでいるとは思えない」と不信感を口にした。 彼は問題点を挙げてみせた。 あふれんばかりの人々の群れは、彼自身の活動にも影響を及ぼしている。 「私は妊娠中の女性を緊急治療するよう呼び出されることがよくある。 でも交通渋滞でなかなか現場にたどり着けない」と言った。 彼は「人口過剰はあらゆるものを食いつぶす」とも語った。 ベトナムでは1986年の6千万人から2018年には9700万人に増えたが、増加率は1%まで減らした。 バングラデシュの人口は1億6千万を超えるが、増加率はベトナムと同じレベルまで抑え込んだ。 だが、エジプトでは18ー19年の人口増加率が1.79%で、こうした国々の倍近い。 国連人口基金のエジプト代表Aleksandar Bodirozaは、同国では毎年70万人以上の若者が労働市場に流れ込んでいると述べ、「これはどんな政府であっても対応が困難だ」と語った。 若者たちの住居問題も難題だ。 シーシは北部の海岸に「夏の首都」を建設し、カイロの外部に新行政首都を建設するなど数々の巨大プロジェクトに取り組んでいる。 しかし、増え続ける人々の圧倒的多数はカイロや他の都市周辺の無認可居住地に移り住み、周辺の村々はベッドタウン化して農地は制御不能の開発にのみ込まれている。 貧困者への住居の提供でも、政府は無能ぶりをさらけ出していると専門家は言う。 しかも貧困率は上昇している。 政府自身が発表した数字でも19年夏は32.5%で、15年の27.8%から大幅に増えている。 前述したアメリカン大学講師のシムスは、高止まりしている出生率は経済的な失敗の反映ではないか、と指摘。 「エジプトはかつての田舎社会のルーツに向かっている。 人は貧しければ、もっと子どもを持つようになるのだ」と付言した。 20年2月11日に人口1億人を突破したが、多くのエジプト人は肩をすくめるだけだった。 過密都市の住民にとって「1億人突破」はニュースでもないのだ。 マーケティング代理人のAhmed Alaa(24)は日々人混みを避けたい思いにかられると打ち明けた。 それで往々、ただ家にこもっていたくなるという。 「混雑がそれほど常態化している。 何をするにも約束が取れない。
次の2.「地下鉄、バスに乗れ」 ニューヨーク市保健当局トップの氏は3月2日、「地下鉄やバスに乗り、近所の人に会うなど市民には普段通りの生活を送ってもらいたい」と発言。 デブラシオ市長もその翌日、「軽い接触では感染しない。 従って地下鉄は問題ではない」と同様のガイドラインを示していた。 公衆衛生の専門家は現在、そうした理解をほぼ180度転換させている。 ニューヨークで1日の新規感染者数が5000人余りとなった4月3日、CDCは公共の場でフェイスカバーを着用するよう人々に呼び掛け始めた。 その後の同月、ウイルスが付着した表面を触ることは主要な感染ルートではないもようだとガイドラインを改めたが、オフィスや教会など人が密集する場所での集団感染を示すケーススタディーはその後相次いでいる。 地下鉄やバス、コンサートホール、エレベーター、オフィス、混雑した飲食店、高層マンション。 米国の他都市では車での移動が多く、密集した建物が少ないなど社会的距離が自然と保たれているが、ニューヨークは人口密度の高さが特徴だ。 CDCは5月8日のリポートで、米国で最も人口密度の高い行政区画の4つはニューヨーク市内にあると指摘。 マンハッタンには1日160万人が通勤する。 デブラシオ市長は電子メールでの回答で、同市の大規模な公共交通網を感染拡大の大きな要因に挙げた。 4.ロックダウンの遅れ 長年にわたるクオモ知事とデブラシオ市長の不和は、いつ、どのような新型コロナ対策をとるかについても続いた。 ニューヨーク市は3月15日に学校を閉鎖し、その2日後に市長は外出禁止令の可能性を提起した。 クオモ知事はそれは州が決めることだと反対。 20日になって不可欠でない全ての経済活動を停止させ、市民に外出禁止を要請した。 このような要因が挙がるが、同様の人口密集地域に比べてニューヨークの被害が大きくなった理由は依然不明だ。 気候や検査体制などが影響しているかもわかっていない。 CDCの感染症担当副ディレクターのジェイ・バトラー氏は「パンデミックはまだ終わっていないと認識することが重要だ」とインタビューで語った。 原題: (抜粋).
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