CONTENTS• カルト的な人気となったホラー映画『インバージョン移転』で監督と脚本を担当し長編デビューを果たした、デヴィッド・ヤロヴェスキーが監督を担当し「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズで知られる、ジェームズ・ガンが製作を担当。 主人公のトーリを、「ハンガー・ゲーム」シリーズや「ピッチ・パーフェクト」シリーズで知られる、エリザベス・バンクスが演じています。 2人は幸せな生活を送っていましたが、子供に恵まれない事だけが悩みでした。 ある夜、激しい地鳴りの後に、農場の近くの森が、真っ赤に燃え上がっている光景を夫婦は目にします。 その10年後。 夫婦は、ブランドンという養子を迎え、大切に育てていました。 成長したブランドンは、夫婦に愛情を注がれ、素直で優秀な子供に育っていました。 ただ、夫婦はブランドンに「納屋にだけは近づいてはいけない」というルールを作ります。 ある晩、眠っていたブランドンは、不気味な声に呼ばれるように納屋に向かい、鎖で施錠された扉を開けようとします。 ブランドンの異変に気付いたトーリに声を掛けられ、ブランドンは我に返ります。 ブランドンの12歳の誕生日。 トーリとカイルは、ブランドンの叔父と叔母にあたる、ノアとメリリーと共に、誕生日を祝います。 ノアは、ブランドンに誕生日プレゼントとして、猟銃を送りますが「子供には、まだ早い」と判断したカイルは、猟銃を取り上げます。 怒ったブランドンは、カイルに反抗的な態度を取ります。 初めて見せるブランドンの異常な様子に、トーリとカイルは戸惑います。 C The H Collective トーリとカイルは、ブランドンの部屋に、雑誌の切り抜きのグラビアページがある事から、ブランドンが思春期を迎えて、難しい時期に入ったと感じます。 ですが、グラビアページの他に、人体解剖の写真などもあった事から、トーリとカイルはブランドンを心配し、家族でキャンプに行って、コミュニケーションを取ろうとします。 キャンプで狩りをしながら、カイルはブランドンに「異性に興味を持つ事は自然な事だ」と教えます。 その夜、キャンプ場から姿を消したブランドンは、同級生の女子生徒、ケイトリンの部屋に忍び込んでいました。 ケイトリンがブランドンに気付いた瞬間、ブランドンは姿を消しますが、ケイトリンは不気味さを感じ、ブランドンを拒否するようになります。 ケイトリンの態度の変化にショックを受けたブランドンは、体育の授業中にケイトリンの腕の骨を砕き、停学処分になります。 その日を境に、カイルはブランドンがフォークを噛み砕いたり、ブランドンを警戒していた鶏が、変わり果てた姿で死んでいる状況を目の当たりにしたりします。 カイルはブランドンを不気味に感じるようになりましたが、トーリは信じ続けようとします。 世間を拒絶するように、ベッドに潜り込んでいたブランドンは、「奪え」という不気味な声を聞き、再び納屋の扉を開けようとします。 赤い光に包まれた、納屋の異変に気付いたトーリが駆け付けると、納屋の扉を開けたブランドンが、宙に浮いている光景を目の当たりにします。 トーリがブランドンに声をかけると、ブランドンは納屋の地下に落ち、腕を怪我します。 納屋の地下にあったのは小型の宇宙船で、トーリは「燃えていた森の中で、ブランドンを見つけた事」「赤ん坊だったブランドンを連れて帰り、養子として育てた事」を打ち明けます。 事実を聞かされショックを受けたブランドンは、納屋の外に飛び出します。 ブランドンの目は、赤く不気味に染まっていました。 ブランドンは、再びケイトリンの家に現れ「もうすぐ、世界が自分の存在に気付く」と告げると、ケイトリンが怪我をした時に自分を罵った、ケイトリンの母親の職場へ向かいます。 不気味なマスクを被ったブランドンは、ケイトリンの母親を襲います。 次の日、カウンセリングを受ける事になったブランドンは、叔母のメリリーのカウンセリングを受けます。 ブランドンに暴言を吐かれ、全く反省の態度を感じないメリリーは、「明日、警察に報告する」とブランドンに伝えます。 その夜、ブランドンはメリリーの自宅を訪ね「警察の報告はやめた方が良い」と警告、メリリーは不気味に感じながらも、ブランドンを自宅に帰らせようとします。 ブランドンは帰ったように見せかけ、眠ったメリリーの寝室に侵入しますが、帰宅したノアに見つかります。 ノアは怒りながら「この事を両親に話す」とブランドンを車に乗せます。 ですが、空を飛んだブランドンが、車ごとノアを地面に叩きつけ、ノアの命を奪います。 容疑者不明の事件となった、ノアの死を悲しんだカイルは、ブランドンの部屋から血の付いたシャツを見つけた事から「ノアを殺したのはブランドン」と決めつけますが、トーリはブランドンを信じ続けます。 カイルはブランドンと話し合う為に、トーリを家に残し、再びキャンプへ向かいます。 キャンプ先で鹿の足跡を探すブランドンの背後から、カイルは猟銃を発砲しますが、命中したブランドンに傷はありません。 カイルは怒ったブランドンの犠牲になります。 一方、家に残ったトーリの元に、地元の保安官が訪ねてきます。 ケイトリンの母親とノアが死亡した現場に残された「BB」という暗号が「ブランドン・ブレイヤー」と読める事から、ブランドンに事情徴収を求めますが、トーリは、これを拒否します。 しかし、トーリはブランドンの部屋にあったノートに、同様の暗号が描かれていた事から、一連の死亡事件はブランドンの仕業と確信します。 そこへ、家に戻ってきたブランドンが、家ごと破壊し、トーリの命を狙います。 保安官が駆け付け、ブランドンに応戦しますが歯が立ちません。 トーリは、ブランドンが宇宙船の中で怪我をした事を思い出し、刃物のようになった、宇宙船の破片を持ち出します。 納屋に現れたブランドンは、トーリに「正しい事がしたい、本当だよ」と助けを求めるような仕草を見せます。 トーリは、ブランドンを抱きしめながら、宇宙船の破片を突き刺そうとしますが、気付いたブランドンに腕を止められます。 裏切られたショックから、怒ったブランドンは、トーリを雲の上まで連れて行った後、手を放して落下させます。 トーリとカイルの死亡以降、謎の飛行機墜落やビルの崩壊などが多発し、上空に浮いている謎の人物が話題になります。 謎の人物は「ブライトバーン」と名付けられ、世界崩壊の象徴と騒がれるようにまります。 ブランドンは、銃弾は通用せず、飛行能力を持ち、目から熱光線を放って怪力という 「スーパーマン」と同じ能力を持っています。 もし「スーパーマン」が超人的な能力を人助けではなく 「暴走の為に使い始めたら」と考えただけで怖いですが、 その想像を、実際の映像にしたのが本作です。 徐々にブランドンの危険な部分が明るみになる前半と、ブランドンが暴走を始める後半では、 違った恐怖を味わえるホラー作品になっています。 スーパーヒーロー映画では、育ての親が、ヒーローが正義に目覚めるキッカケを与える事があります。 本作ではその役目を、農作業を営む夫婦、トーリとカイルのブレイヤー夫妻が担っていますが、ブランドンの暴走を止める事ができません。 ブランドンの変化が理解できず、どう接して良いか分からなくなる夫婦の様子から 「家族という形を作る事」の難しさを感じます。 本作では「恐怖を与える立場」となる、 ブランドンにも共感できる部分があります。 ブランドンは、 突然目覚めた超人的な能力をコントロールできません。 また、思春期の暴走する感情も抑えられず、相談できる相手もいない為、間違った方向へ進んでしまいます。 ラストにブランドンが発する 「正しい事がしたい、本当だよ」という言葉から、本当は苦しんでいた事が分かります。 トーリとカイルは、そんなブランドンを信じて、愛情で包もうとしますが、次第に「愛情」という言葉すらも無意味に感じてくるようになり、 絶望的とも呼べるラストに向かいます。 地球に破壊をもたらす存在となった ブランドンが「本当は何者なのか?」が不明な点も含めて、 不気味で恐ろしい作品です。 しかし、本作のテーマは「家族」であり、 親が子供を正しい方向に導く難しさと、親に素直に助けを求められない、子供の複雑な心境を描いた作品です。 ブランドンが超人的な能力を使う時は、 自分の悪事がバレないように、ごまかそうとした時だけです。 思春期や反抗期の時に、皆さんもブランドンのような経験があるのではないでしょうか? ブランドンの場合は、度を越してしまっていますが…。 本作の脚本は、製作を担当したジェームズ・ガンの弟であるブライアン・ガンと、いとこのマーク・ガンが担当しています。 ここからも、 家族を意識した作品である事が分かります。
次の映画「ブライトバーン 恐怖の拡散者」のあらすじ(結末までのネタバレあり)と作品情報や感想などご紹介します。 「スーパーマンが、ヒーローになるとは限らない」 田舎に暮らしている夫婦の家の近くに、ある日隕石が落ちてきました。 落ちた場所には小さな男の赤ん坊が一人、泣いていました。 夫婦はその男の子を、自分の息子として育てていきます。 「僕は誰なの?」という、男の子の問いに「あなたは贈り物よ」と母親は愛情を注ぎます。 — Brightburn Brightburn しかし、彼が過ごす日常がそれを許してくれませんでした。 善の心ではなく、 悪の心を持ったスーパーマンがいたら、というホラー映画です。 スーパーマンはヒーローの代名詞ではありません。 歴代のヒーローも、彼のような道をたどる可能性があったかも、と考えるとぞっとします。 — 2019年 5月月19日午後3時00分PDT プロデューサーが、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーシリーズや、現在「スーサイドスクワット2」の監督も担当している、ジェームズ・ガン監督です。 脚本、製作総指揮には、ジェームズ・ガンの兄弟といとこが名を連ねています。 ある意味、親族が集まって作った作品といえます。 「ブライトバーン」キャスト(キャラクター) Today is the day, guys! is in theaters everywhere. Get your tickets today: — Elizabeth Banks ElizabethBanks• エリザベス・バンクス(トリ・ブライヤー)• デヴィッド・デンマン(カイル・ブライヤー)• ジャクソン・A・ダン(ブランドン・ブライヤー) 主要キャストのエリザベス・バンクスは「ハンガーゲーム」や、「ピッチパーフェクト」に出演しています。 ジェームズ・ガンの「スリザー」にも出演している女優です。 父親役のデヴィッド・デンマンは「ローガン・ラッキー」や「アフター・アース」に登場していた俳優です。 もう一人、今回の主役とも言える少年、ブランドンを演じているのは、ジャクソン・A・ダンです。 実は彼、この度大記録を打ち立てた、アベンジャーズ・エンドゲームにちょい役で出演しています。 彼は現在12歳、劇中でも12歳の役を演じていました。 勘のいい人はもうわかったかもしれませんね。 今後が期待できる若手俳優です。 スポンサーリンク 「ブライトバーン」のあらすじ(結末までのネタバレあり) Not every hero is here to save the world. He actually becomes a monster. ブライトバーンは、子どものスーパーパワーを持った少年の起源を描くものであるが、必ずしもヒーローになるわけではない。 実際に彼はモンスターになった。 Well…have you seen my movie? — Brightburn Brightburn 2006年、トリ・ブレイヤー(母)とカイル・ブレイヤー(父)は、カンザス州ブライトバーンに住んでいました。 宇宙船が彼らの農場の近くに落ちた際、その中にいた赤ん坊の男の子を、夫婦は養子に迎えます。 彼をブランドンと名付け、乗っていた宇宙船は、納屋の地下室に隠しました。 12年が経ち、学校では、オタクで自分の世界にいることの多いブライドンは、同級生から気味悪がられますが、ある日、絵の上手いブライドンを、キャサリンだけは、「素敵」といってくれるのでした。 その夜、ブライドンは、ある声に導かれ、地下室の宇宙船のある方向へと向かいます。 この時、ブライドンは、両親の息子であると信じていて、まさか宇宙からやってきたとは知りません。 ブライドンが、宇宙船がしまってある納屋の扉の前で、何かを話している様子に、心配した母が現れ、ブライドンは正気に戻りました。 次の日に、父から庭の芝刈りをお願いされた時に、芝刈り機を吹き飛ばしてしまうことで、彼は、 超人的な強さ、速さ、不死身であることに徐々に気がついていきます。 思春期になった、ブランドンは両親のいうことを聞かなくなります。 ダイナーでブランドンの誕生日を祝った際に、彼の叔父ノアと、叔母メルリは彼に狩猟用ライフルを与えますが、父はそれをブランドンに持たせることを拒否します。 怒ったブランドンはダイナーで暴れるのでした。 家では、父が、ブランドンの様子がおかしいことに徐々に気がついていきます。 家のニワトリが、ブランドンを恐れていることにも父は気がつきます。 その夜、父は、ニワトリが惨殺されているのを発見しました。 母は狼に襲われたんだと言いますが、父はブランドンの仕業だと疑い始めます。 母はブランドンの部屋で、下着や水着のモデルの写真、手術図、人間の臓器の写真などを見つけます。 家族のキャンプ旅行で、カイルは、ブランドンに性教育の話をし、それは当たり前にある衝動なんだと彼を落ち着かせようとしました。 その同じ夜、ブライドンは、超人的なスピードを使って、想いを寄せているキャサリンの家の彼女の部屋の外に現れます。 ブライドンが窓の外にいることに気がついた、キャサリンは悲鳴をあげます。 ブライドンはその後すぐにキャンプ地へ戻りました。 Not every hero is here to save the world. He actually becomes a monster. その報復で、ブライドンは、彼女の手を握りつぶし怪我をさせてしまいます。 ブライドンはその時、学校のカウンセラーである叔母、メルリと会いたいと訴えました。 学校に呼び出された父と母は、キャサリンの母エリカに、「なんでこんなモンスターを刑務所に入れないのか?」と責め立てられます。 その夜に、母は、納屋で浮遊しているブライドンを発見します。 母が発見すると、地面に落ちたブライドンに対して、母は、彼が地球外から来た真実を伝えます。 泣きながら、その場から走り出すブライドンの目から光線が。 — 2019年 3月月6日午前9時00分PST その時彼は、初めて宇宙船のメッセージを理解するのでした。 「世界を侵略せよ」 ここからネタバレ。 Sponsored by Brightburn, in theaters Memorial Day weekend. — IGN IGN ブランドンはそのまま高速移動で、赤いバラを持って、キャサリンのお見舞いに訪れます。 自分が特別な存在だと知ったことを伝えたかったブライドンでしたが、怯えたキャサリンに、母から、彼と話すことを禁じたと言われ、拒絶されてしまいます。 ブライドンは、赤いマスクとマントを身にまとい、高速移動で、エリカの働いているレストランに現れ、エリカを殺してしまいます。 現場には、ブライドンが残した、彼のイニシャル BB(ブランドン・ブレイヤー)をもじったシンボルだけ。 — 2018年12月月7日午前7時07分PST 翌朝、学校のカウンセラーでもある、メルリおばさんは、ブランドンがキャサリンを怪我させたことを全く反省しないことを、警察に報告しなくてはならないと彼に告げます。 ブランドンは、放課後にメルリを彼女の自宅まで追いかけ、「警察に言わないよう」脅しますが、メルリは断ります。 メルリが寝た後に、始末しようと思い隠れていた、ブライドンでしたが、たまたま帰宅した、叔父のノアに見つかります。 ノアは、ブライドンを家に連れ帰りますが、途中で覚醒したブライドンに、車ごと持ち上げられて、破壊され、ノアは殺されてしまいます。 ノアの血で道路に、ブライドンのシンボルを描きます。 Looks like is at the end of the road…rage. Have you seen Brightburn? Enter to win by creating and sharing your sighting. Learn more at — Brightburn Brightburn その後、上半身裸で家に帰った、ブライドンは、他の学生にシャツを引き裂かれたと両親に伝えました。 ノアの血がついたシャツが父に見つかり、父はそれを母に見せますが、母は、ブライドンがノアを殺したことを信じようとしませんでした。 ノアの死に関係しているのか、ブライドンを問いただす父を、ブライドンは吹き飛ばしてしまいます。 その晩、父は苦渋の決断します。 翌日父は、ブライドンを狩りに連れ出し、ブライドンの頭を、ショットガンで後ろから撃ち抜きますが、ブライドンは全くダメージを受けませんでした。 驚いたブライドンでしたが、その場で、熱視線で父を殺してしまいました。 その頃、保安官が、母を訪ねてきて、エリカとノアの死の場面で見つかったシンボルを母に見せて、何か知らないか尋ねます。 — Brightburn Brightburn 保安官が帰った後、母はブライドン部屋で一冊のノートを見つけます。 そこには、エリカとノアの死んだ様子の絵と、例のシンボルと、殺人者ブライドン自身のイメージ画と「地球を侵略せよ」というメッセージが書かれたものを発見します。 母は、父がブランドンについて正しかったことを知り、父に連絡しようとしますが、ブランドンが電話に出て、父が死んでいることを伝えるのでした。 母は保安官に電話をし助けを求めましたが、ブランドンは保安官とその代理人を残酷に殺してしまいます。 逃げていった母は、納屋で、壁に釘で打ち付けられ、血で描かれたシンボルに囲まれたエリカのバラバラになった体を見つけます。 ブランドンと刺し違えようと母は、一度ブライドンが傷ついた、宇宙船の鋭利な部品を手にしますが、ブライドンにバレてしまい、反対に、高いところまでついれて行かれ墜落死してしまいます。 ブライドンはその死を隠す為に、飛んでいる飛行機を乗っ取り、農場に墜落させました。 最後のシーンでは、今回の一連の事件に関して、TVのニュース報道が、超越した存在による一連の破壊行動について、人類は立ち向かっていかなければならないと訴えています。 スポンサーリンク 映画「ブライトバーン」感想 ダークヒーローではなく、本物の悪のスーパーマンを描いた作品です。 スーパーマンはヒーローの代名詞ではなく、個人を称するものです。 ヒーローとは対極の存在を描いたのが、今作の映画です。 スーパーヴィランと、呼ぶのがしっくりくるかもしれません。 有名なヴィランと言えば、10月4日に公開された「ジョーカー」が有名です。 すでに「ブライトバーン」が公開されている、アメリカでの感想を見ていると、上記の「ジョーカー」と比較して、内面の描写が薄いといった意見も散見されました。 映画「ブライトバーン」まとめ Evil comes in many forms…this one just happens to look like us. — Brightburn Brightburn 映画「ブライトバーン」あらすじ(ネタバレあり)と作品紹介や感想をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか? 今回の作品は、ホラーのジャンルに入るので、ガンの丁寧な描写は結構入っています。 一説には、ジェームズ・ガンより、「ブライトバーン」続編の可能性が示唆されています。 今回の作品が、その序章となるのであれば、見ておいて損はないと思います。 ジェームズ・ガンが関わっているので、次作から驚く展開になるかも、と期待します。 公開が待ち遠しい作品ですね。 ぜひ劇場で、新しい「アンチヒーロー」確かめて見てくださいね。
次の『ブライトバーン』 あらすじ トーリと カイルの夫婦は親になりたいと願いながらも、なかなか子を授かることができず、悩んでいた。 ある夜、2人の住む家の近くに突然、隕石が飛来する。 墜落現場に足を運ぶと、何とそこには赤ん坊がいました。 2人は、それが子どもを産むことができなかった自分たちへのギフトだと解釈し、愛情を注いで育てました。 それから10年以上の年月が経過し、 ブランドンは12歳になっていました。 彼は両親を大切にし、学校でも成績は常にトップクラスと優秀な子供に成長したのですが、ある日家の納屋から不思議な声を聞きます。 その日を境に、 ブランドンは不思議な力を発揮するようになり、人間ではありえないほどのパワーを抑えきれなくなっていきます。 それでも何とか自分を保とうとしていたが、好意を持っていた女の子に裏切られたことをきっかけに彼はその力を憎悪のはけ口として用いるようになってしまう。 そして、力と怒り、憎しみを抑えられなくなっていく彼は、ある日ついに越えてはならない一線を越えてしまうのだった・・・。 スタッフ・キャスト 子役の子の演技は絶妙だったね! 母の トーリを演じたのは、 『キャッチミーイフユーキャン』や 『ハンガーゲーム』シリーズで知られる エリザベス・バンクスです。 父の カイルを 『パワーレンジャー』や 『ローガンラッキー』にも出演した デビッド・デンマンが演じています。 そして主人公である ブランドンを子役の ジャクソン・A・ダンが演じました。 彼は実は 『アベンジャーズ エンドゲーム』に12歳の少年の姿になった スコット・ラングとして(冒頭のスコットが量子世界にダイブする実験をして何度も年齢が変わるシーン)出演していました。 本作での狂気とあどけなさが同居する不思議な空気感は本当に素晴らしかったと思いますし、今後ますます注目度は高まることでしょう。 より詳しい情報を知りたいという方は、映画公式サイトへどうぞ! ぜひぜひ劇場でご覧ください! 『ブライトバーン』感想・解説(ネタバレあり) 完全に逆スーパーマンだ! C The H Collective 事前の情報で 「悪のスーパーマンだ!」という話は聞いていたので、身構えてはいましたが、ここまで徹底的に『スーパーマン』の逆をいくとは思っていなかったので、笑ってしまいました。 スーパーマンと ブライトバーン(ブランドン)の共通点は以下のようになっています。 宇宙からやって来て、人間の両親に育てられる• カンザス州に飛来する• 農場を経営する夫婦の下で育てられる• 自分の惑星の物質に弱点がある• 納屋の床下に秘密が保管されている• 父親の死が能力の覚醒の大きなきっかけとなる• 目からビーム&空中浮遊 などなど・・・上げていくとキリがないですね! スーパーマンは善と悪の2択を迫られた時に、全ての分かれ道において善の道を選び、ヒーローとして確立されていきました。 対照的に ブライトバーン(ブランドン)は全ての分かれ道で悪を選び、ヴィランとして確立されていきました。 ただ本作は、 ブランドンを絶対悪として描こうとはしていないように見受けられました。 というのも彼は自分を育ててくれた両親の存在を心のよりどころにしていました。 自分に力があると分かると、確かに両親を軽視するような言動を取り始め、 トーリと カイルを困惑させました。 しかし、彼の行動は自分の居場所としての「家族」を守るためにあったのだと思います。 最初に殺めたのは、自分が手をへし曲げてしまったクラスメイトの母親で、彼女は トーリと カイルたちを激しく罵り、法的な措置も示唆していました。 そういう背景を考えると、彼はやはり子供のあどけなさを持っており、自分が唯一安心できる場所だった「家族」を脅かす存在を排除したという風にも解釈できます。 そして叔父さんまで排除してしまうこととなるのですが、これも自分の狂気を両親に伝えられてしまうことを防ごうと必死だったが故の行動でした。 しかし、 トーリと カイルにはそんな ブランドンの存在はあまりにも大き過ぎました。 結果的に手に負えなくなった カイルが彼を射殺しようとするのですが、銃弾などでは怪我をするはずもなく、父親に裏切られた悲しみを抱えながら、彼を殺害します。 そんなこと言っても、彼は父親の死をノートに書いていたし、母親の行動を読み切っていたよね・・・。 そうなんですよ。 彼の一連の行動は確かに「家族」を守るためのと考えると辻褄は会うのですが、終盤の描写を見ていると、彼は自分たちの両親に裏切られることを予見していたようにも思えます。 ブライトバーンに未来予知や思考を読み取る力までもがあったのかどうかは、分かりません。 しかし、拠り所にしていた「家族」という存在を自らの手で葬って、ヴィランとして確立されるというプロセスは、スーパーマンのクラーク・ケントの真逆とも言えます。 『マンオブスティール』のクラーク・ケントは竜巻に巻き込まれて命を落とした父を救えなかったことが、ヒーローとして活躍するようになる1つの原点となっていました。 『ブライトバーン』については ブランドンの弱点が一応は明かされていたり、彼の家族に対する思いや愛への渇望といった背景もありますし、今作は単発の映画でしたが、続編があっても面白いのではないかと思います。 幸いにもラストシーンで他にも能力者がいるという内容が仄めかされていたので、楽しみに待ちたいと思います。 反抗期10000% VS 親の愛 C The H Collective 本作はホラー映画でもあるんですが、少し「怖さ」の毛色が異なります。 というのもこの 『ブライトバーン』という作品は、不思議な力に目覚めていく少年の物語を当事者目線というよりも、親目線で描いています。 そのため作品のアプローチとしてはむしろ 細田監督の 『未来のミライ』なんかに近いのではないかと感じました。 当ブログ管理人も3歳くらいの頃に強烈な反抗期がありまして、母親や祖父母に多大な迷惑をかけていたと言われました。 今となっては過去のことですが、当時母親は 「何を考えているのか全く分からなかった。 」と不安と恐怖感にも似た感情を覚えたことを話してくれました。 今作『ブライトバーン』は、親の視点から描くというアプローチをとったことで、得体のしれない子供の「反抗期」に対する不安や恐怖をブライトバーンという形で見事に具現化することに成功しています。 例えば、子どもが中学生・高校生にもなって来ると、両親よりも力が強くなっていくことも少なくありません。 そうなった時に、両親はいざという時に実力行使で子供を止めるということができなくなってしまうのです。 『ブライトバーン』において カイルが ブランドンを力を行使してでも止めようとする場面が何度かありましたが、大柄な彼の力をもってしてもどうしようもありませんでした。 自分の子供が成長して、自分よりも強くなっていった時に、それは頼もしくもあり、嬉しくもあるんですが、同時に反抗期という属性が混ざることで、恐怖や不安を煽る要素にもなり得るのです。 また、反抗期の時期になると、徐々に自宅外ですごく時間も増えていき、家族以外のコミュニティで過ごすことが多くなります。 そうなると、どうしても家族には分からないこと、見えないことが出てくるわけで、その隠された時間の一端を過程で垣間見た時に、不安を感じることは少なくないはずです。 そういった親世代が、自分の子供たちが反抗期を迎えた時に感じる不安感や恐怖感を10000% に増幅し、キャラクターとして具現化したのが、ブライトバーンなんだと思います。 そういう意味でも多くの人が感想として抱いている ブランドンが何を考えているのか分からなかったという指摘は、この映画の意図としてはむしろ正解に近い反応だと思います。 そのため、今作はホラー映画というわけではやっぱりなくて、どちらかと言うとやっぱり家族映画として見る方がしっくりとくるような気はします。 人体損壊描写はかなりハードめ! 前情報をほとんど入れずに見に行ったこともあり、映画館で見ていて、衝撃を受けたのですが、かなり人体損壊描写が派手で、苦手は人にはかなりきついと思います。 当ブログ管理人は別にグロテスクな描写は苦手ではなくて、手術シーンのようなその「痛み」を自分のものとして感じられてしまうような描写が非常に苦手でした。 その点で、 『ブライトバーン』のグロ描写は比較的ぶっ飛んでいて、それほど苦に感じることはなかったんですが、1つかなりきつかったのが、 ブランドンがクラスメイトの女の子の母親を殺害するシーンですね。 彼女は自分の働く飲食店の片づけをしていて、すると突然電灯がチカチカとし始めます。 不思議に思った彼女は、点滅する電灯を見上げます。 その刹那パリン!と電灯が砕け、彼女の目に突き刺さります。 文字通り顎が完全に外れてたよね・・・。 顎がバキバキに外れて、必死にそれを押さえようとしながら絶命していく様はかなり視覚的にハードなものだったと思います。 当ブログ管理人としては、顎が外れて血が噴き出している描写については特に問題なく見れましたけどね(笑) なぜ、そこまでグロテスクにする意味があるのかについてですが、 ブランドンの殺害行為って、ある種の「自慰行為」だと思うんですよ。 反抗期・思春期に差し掛かり、たいていの子供は性的な意識が高まり始めるわけですが、彼の中の欲望はむしろ人体や動物の体の中身に向いていました。 そういう子どもの中に渦巻く、親には理解しがたいようなドロドロとした内面を、視覚的に表現したのが、一連の人体損壊描写だったのではないかと解釈しました。
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