近鉄 ひのとり 車内。 新型特急『ひのとり』は1日14本を運行…名阪特急の車内販売は終了へ 近鉄3月のダイヤ改正

【近鉄】2020年3月のダイヤ変更内容発表!ひのとり奈良線運行ダイヤ・快急8連化・名阪特急の車内販売廃止…など

近鉄 ひのとり 車内

さらに高品質な名阪ノンストップ特急 トレンドとなった高級志向 2010年代前半より、車内アコモの豪華さや食事などの付加価値・乗車体験を売りにした列車が全国で登場します。 その最たる例がクルーズトレインですが、ローカル線を走る行楽観光列車や着席保証の通勤ライナーなど、高級志向は幅広く浸透しました。 こうした動きはリーマンショック不況から脱却し、東日本大震災がきっかけかどうかはともかく、「モノ消費からコト消費へ」というこの時代のトレンドをよく表しています。 (個人的には)わりかし保守的なイメージがある近鉄もこの流れに乗り、観光特急「しまかぜ」や「青の交響曲」の運転を始めます。 一方で都市間特急としては、名阪特急が古くは関西本線、その後は新幹線との競争を演じてきました。 ノンストップ特急として1988年に登場した「アーバンライナー」は、速さでは新幹線に適わないものの、割安感と快適性を武器に健闘しています。 しかしリニューアルされているとはいえ、令和時代に入ると大半の車両が製造から30年が経過している状況でした。 2020年3月、その「アーバンライナー」の後継となる新型車両「ひのとり」が誕生しました。 ダイヤ上は他の名阪ノンストップ特急と変わらず、「アーバンライナー」もまだ残っています。 「ひのとり」の特長はスピードではなく、大幅に進化した快適性にあります。 否、快適性というよりも「居住性」という表現の方が正しいでしょう。 移動を主目的としながらも、乗車することそのものの価値をも提供するという、都市間特急の新たな方向性を打ち出したといえます。 近鉄特急のイメージを変えるハイデッカーな車体 プレミアム車両はハイデッカー構造 近鉄特急というと黄色・青あるいは白の車両というイメージでしたが、「ひのとり」は全く新しい装いで登場しました。 車体は光沢のある優雅な赤。 ビスタカーのようなダブルデッカーではありませんが、前後の先頭車両はハイデッカーなので他の車両よりもやや背丈が高くなっています。 「アーバンライナー」のスマートな顔つきから、大型の正面ガラスが印象的な堂々とした表情となりました。 一般型車両より背が高く、高貴な赤をまとった「ひのとり」の存在感は抜群。 編成はプレミアム車両とレギュラー車両の2種類から成ります。 「アーバンライナー」にもデラックス車両が1両ありましたが、「ひのとり」のプレミアム車両は両端に2両連結されています。 「ひのとり」の車内とサービス レギュラー車両の車内と座席 レギュラー車両の車内 レギュラー車両でもスマートで上質な客室です。 床は落ち着いたグレーで、壁の一部は木目調となっており、味気ない印象は全くありません。 座席もちゃんとしたフットレストと全席コンセント付き。 そしてバックシェルを備え座席の前後間隔も広いので、 レギュラー車両でもグリーン車並みの設備ということができます。 レギュラー車両の座席 プレミアム車両の車内と座席 プレミアム車両の車内 プレミアム車両はE5系やE7系新幹線のグランクラスのような雰囲気です。 内装は赤い絨毯とシックな壁で高級感があります。 電動リクライニングシートはレッグレスト付きでとても快適です。 プレミアム車両はデッキと客室の間に段差があり、ハイデッカー構造なので眺望にも優れています。 私が一番感心したのは揺れの少なさと静寂性です。 他の形式はもちろん、レギュラー車両と乗り比べてみてもその違いは明らかです。 プレミアム車両の座席 プレミアム車両は先頭車両なので、座席によっては前面展望が楽しめますが、車内があまりに静かなので、運転席からの様々な音がよく聞こえてきます。 カフェスポットやロッカーなど共用設備も充実 「ひのとり」では客室だけではなく、共用設備にも新しい試みが盛り込まれています。 近年特急列車では車内販売が削減される傾向にあり、近鉄特急もその例に洩れませんが、それに対する回答としてカフェスポットが設けられました。 カフェスポットとロッカー。 鉄道車両の新たなスタンダードになるのだろうか。 記念に持って帰りたくなるコーヒーカップ。 近鉄特急伝統のおしぼりを取るのもお忘れなく。 カフェスポットはコンビニコーヒーと同じようなもので、200円で挽きたてのホットコーヒーが味わえます。 横にお菓子の販売機もありますが種類は少なめです。 また大型荷物を安全に保管できるロッカーも設置されています。 早くインバウンド需要で役割を存分に果たしてもらいたいものです。 「ラウンジ」というほどのものではないが、共用のベンチスペースがある。 名阪ノンストップ特急の所要時間は2時間少々とそれほど長くありませんが、息抜きができるベンチスペースがあります。 腰掛は本当にただのベンチで長居するほどの場所でもありませんが、大理石風の内装はなかなか良い雰囲気です。 予約方法と料金 ネット予約が便利 特急券の予約は近鉄のウェブサイトから可能です。 ここで は 会員登録をしなくても問題なく予約することはできます。 会員登録をすると10パーセントのポイントが溜まりますが、有効期間が1年で、クレジットカード等との併用はできないので、頻繁に近鉄特急を利用しないのであればそれほどメリットはありません。 予約の際にはクラス・車両・座席を指定することができます。 またチケットレスのサービスなので印刷した紙を持参する必要はなく、登録したメールアドレスに届いた予約内容を乗車時に確認するだけです。 料金や運賃について まず、ネット予約で購入されるのは特急券部分のみなので、別途乗車券が必要です。 大阪難波~近鉄名古屋までの正規の運賃は2410円ですが、チケットショップで売っている株主優待券を使うと安くなります。 私が利用した2020年6月は緊急事態宣言解除後日にちが浅く、需給バランスが酷く偏っていたためか、店によっては1000円未満という価格破壊を起こしていましたが、「平時」の相場は2000円弱だったと思います。 さて、特急券に関しては通常の特急料金1930円に加えて、クラス・区間毎に設定された「ひのとり」特別車両料金が必要になります。 「特別車両料金」と聞くと身構えてしまいますが、大阪~名古屋間を例にすると、レギュラー車両が200円、プレミアム車両が900円です。 「ひのとり」のアコモの水準からすると、「近鉄は商売が下手なのか」と思えるほど良心的な値段です。 なお、近鉄の特急料金は前節で紹介したチケットレスサービスで予約すると、当日の列車で100円、前日以前だと300円の割引となります。 これはキャンペーンとしての施策ですが、結構昔から継続的に行われています。 が、「ひのとり」にはこの割引は適用されません。 なので、実質的な特別車両料金はレギュラー車両で500円、プレミアム車両だと1200円程度だと思っておくと良いでしょう。 総評 車体の色もエンブレムも美しい 戦後も1950年代まで、国鉄の運賃は3等級制が採られていました。 その後、身分・階級意識の希薄化(制度の有無はともかく、 令和の社会でさえ不逮捕特権を持つ「 上級国民」は現に存在するため、あえて「希薄化」と表現しておく)と、優等旅客の民間航空機への移行により1等は廃止されます。 ところで近年は名称は様々ながら、グリーン車を越える設備を持つ車両が増えてきました。 特に「ひのとり」はレギュラー車両でもグリーン車並み、プレミアム車両はそれを遥かに凌ぐわけですから、戦前の栄えある「一・二等特別急行」のような存在です。 同じく2020年3月に登場した「サフィール踊り子」もそうですが、2020年代は形を変えた旧1等車が新幹線以外でも本格的に復活する時代になるのではないか、と期待を持たせてくれる車両だといえます。 1987年兵庫県生まれ、現在東京に在住の男性です。 大学卒業以来、上手く社会に馴染めず、 「自分は自由に生きることしかできないのだ!」 と確信し、趣味である鉄道旅行・ヨーロッパ旅行(特に東欧)に生き甲斐を見出しました。 このサイトが目指しているのは、雑多でマニアックな鉄道知識を披露することでも、最新の車両動向のニュース速報でもありません。 私が一番に伝えたいのは、明治以来日本の近代化と共に歩んできた鉄道は、社会・歴史・経済全体の縮図でもあり、それ故に社会に埋め込まれた一つの文化であるということです。 そして巨大な輸送システムの中でめいめいの使命を持って生まれてきた役者たち、つまり車両たちの十人十色の物語も、鉄道を語るうえで欠かせないものです。 時代の流れで鉄道の役割も変化した現在でも、それが現役のものであれ遺物としてであれ、鉄道の持つ象徴性を我々は至る所で見て感じることができます。 こうした「再発見」を通して、このサイトを訪れてくれた方が一人でも多く、鉄道の包容する面白さや奥深さを知っていただけることを願っています。 プロフィール 1987年兵庫県生まれ、現在東京に在住の男性です。 大学卒業以来、上手く社会に馴染めず、 「自分は自由に生きることしかできないのだ!」 と確信し、趣味である鉄道旅行・ヨーロッパ旅行(特に東欧)に生き甲斐を見出しました。 このサイトが目指しているのは、雑多でマニアックな鉄道知識を披露することでも、最新の車両動向のニュース速報でもありません。 私が一番に伝えたいのは、明治以来日本の近代化と共に歩んできた鉄道は、社会・歴史・経済全体の縮図でもあり、それ故に社会に埋め込まれた一つの文化であるということです。 そして巨大な輸送システムの中でめいめいの使命を持って生まれてきた役者たち、つまり車両たちの十人十色の物語も、鉄道を語るうえで欠かせないものです。 時代の流れで鉄道の役割も変化した現在でも、それが現役のものであれ遺物としてであれ、鉄道の持つ象徴性を我々は至る所で見て感じることができます。 こうした「再発見」を通して、このサイトを訪れてくれた方が一人でも多く、鉄道の包容する面白さや奥深さを知っていただけることを願っています。 アーカイブ• カテゴリー•

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近鉄の新型名阪特急ひのとりの予約方法や時刻表、車内、設備、料金などを解説。ゆったり広々のプレミアムシート体験情報も記載。メタリックレッドの斬新な車両と上質な車内で快適|のぞみは西へ、みずほは九州へ

近鉄 ひのとり 車内

愛称は「 ひのとり」。 開発の経緯 [ ] 開通後、利用客が低迷した近鉄名阪甲特急 は1980年代からの旧国鉄の相次ぐ運賃値上げによって、徐々にシェアを取り戻し、21000系(21020系)アーバンライナーは、名阪甲特急の最大のライバルであるJRとの運賃格差と、など大阪の地区へのアクセスの良さから一定の旅客確保維持に成功した。 しかし21000系の登場以来30年が経過、その間に東海道新幹線は、にによる速達列車である「のぞみ」の運用開始をはじめ、の・のによる乗り心地や車内サービスの向上、さらなる到達速度の短縮化によって近鉄に対するアドバンテージを高めていた。 ただし東海道新幹線、さらにはその先に登場するに対し、近鉄は速度面でこれ以上の大幅な向上は望めない。 そのため「名阪間2時間」という速度面のサービス向上は当初から考慮せず、その代わりにから、自社の乗客2,700名の他、他路線の利用者1,200名に対しても利用者アンケートを実施した。 その結果「座席を倒すときに後部座席の乗客を気にする」という意見が多かったことから、座席の後部を覆うバックシェルを全席に採用、また年々増加する外国人客に対するサービス向上策として、大型荷物スペースや、多言語での案内、さらにはWi-Fiの設置を決めていた。 また近鉄の他路線と比較し、名阪間の利用者は多岐に及び、観光・旅行が3割、イベント・コンサートが2割、出張・ビジネス2割、その他3割と、広範な顧客ニーズがあり、長距離であるため収益性も高い。 さらには名古屋からに行く若年層に名阪特急の利用者が多いことから、名古屋地区で「快適で安い」事をアピールして名阪特急の知名度向上を図っていた。 またの東京オリンピックを控え、訪日外国人客に近鉄沿線の観光地をアピールする狙いもあった。 そのような背景で開発した電車が本系列である。 なお「ひのとり」の愛称は、ゆったりとした空間や気品のある車両のイメージから名付けられている 80000系電車エンブレム コンセプトとサービス [ ] 開発のコンセプトは「くつろぎのアップグレード」。 プレミアムシート [ ] 21000系における「デラックスシート」に相当する「プレミアムシート」は、これまでの名古屋寄りの一両だけでなく、大阪・名古屋側の両端車の2両をプレミアムカーとしてハイデッカー構造とし、さらに前面展望を楽しめるようにするため、それぞれ運転席側の乗客用の乗降デッキを廃止している。 またプレミアムシートは3列と座席配置は21000系のデラックスシートと変わらないものの、シートピッチを21000系の1,050mmから1,300mmに拡大した。 また本革張りであり、これは、のグランクラスと同等である。 また座席リクライニング操作は全てリモコンで行う事ができ、さらにリクライニング、ヘッドレスト、レッグレストをそれぞれ単独で操作することができる。 バックシェルを備える関係から、リクライニングすると座面が前にせり出す構造となっている(この点は旧来の簡易リクライニングシートと類似するが、リクライニング機構は簡易式と異なる。 またLEDの読書灯の他、バックウォーマーも装備している。 ただしプレミアムシートを向かい合わせにした場合、レッグレストが干渉する。 プレミアムシートは2両ともM車でなく、Tc車となっており、走行音を低減するとともに、各シートの横揺れを抑えるサスペンションを装備している。 カーテンは縦スクリーンのフリーストップ式で電動。 スポットエアコンは開閉式で、乗客自ら開閉が可能である。 各席に21020系導入当時は見送られたコンセントが付属している(定格100V・0. 6A)。 レギュラーシート [ ] シートピッチは1,160mm。 これは近鉄の特急普通車のなかで最大で、かつ21000系のデラックスシート 1,050mm をも上回り、JR各社の新幹線や特急のグリーン車のシートピッチと同じ数値である。 シートはバックシェルシート。 リクライニングは手動式で、プレミアムシート同様バックシェルがある関係上リクライニングすると座面が前にせり出す構造となっている。 カーテンは縦スクリーンのフリーストップ式で手動。 前席下に高さ調節の可能なフットレストが装備されている。 各席にはひじ掛け収納式のテーブルの他、前席のバックシェルにも大型のテーブルが付随する(最前席は折り畳み式壁面テーブル)。 プレミアムシートと同じく各席にコンセントが付属している(定格100V・0. 6A)。 車内設備 [ ] UV・赤外線カットガラス 全車にUV・赤外線カットガラスを採用。 またプレミアムシート・レギュラーシートともに座席単位に窓が設置されており、窓枠で視界が遮られないように工夫されている。 前面窓下、前面窓、前面窓上、前側面(左右)、前照灯に製ガラスが使用されている。 無料ロッカー 車内の4箇所(6・8両編成とも同数)に無料の大型ロッカーが設置されている。 1箇所当たりのロッカー数は6で、うち4つは手持ちの交通系ICカードを鍵代わりに使用することができる。 交通系ICカードを持参していない場合は通常の鍵付きロッカーを使用する。 またロッカーではないが、4号車(8両編成の場合は6号車 の車椅子対応車両の名古屋寄りにも大型の荷物スペースが設けられている。 無料Wi-Fiサービス 全車両において無料のWi-Fiを利用できる。 使用の際には主要なSNSアカウント、あるいは任意のE-Mailアドレスの入力が必要だが、特にそれらに何らかのメッセージが送信される事はない。 Wi-Fiサービスはのサービスを利用しているため、トンネル内や山間部では利用できない事がある。 大型液晶ディスプレイ 22インチの大型ディスプレイが左右に2枚並べて各車端上部に設置されている。 各ディスプレイはそれぞれ単独で表示できるほか、2枚あわせて1枚の横長ディスプレイのように表示させることもできる。 主には次停車駅の案内を、日本語(漢字・ひらがな)、英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)を表示しているが、近鉄の支線内で遅延やトラブルが発生している場合はその情報、沿線各地の天気、前面展望なども流れる。 駅到着時は、開閉するドアの方向ならびに、駅内の階段やエレベータ・エスカレータの位置を表示する。 サイレント・チケット 本系列では座席の発売状況が完全にコンピュータ管理となり、席ごとに発売済みの座席・区間は、座席番号横にLEDで表示される(緑:発売済、青:空き席)。 そのため、車内改札は省略されている。 防犯対策 車内の各所に防犯用のカメラが取り付けられているほか、常に車内を乗務員が巡回し、空いているトイレなども実際にドアを開けてチェックしている(名古屋-大阪間で3~4往復程度)。 カフェスポット ワゴンによる車内販売は行われないが、代わりに挽きたてのホットコーヒーが飲める自動販売機が両先頭車両(プレミアムカー)のデッキ部に用意されている。 価格は200円。 コンビニエンスストアにあるコーヒーマシンと同じ手順で、備え付けの紙コップを予め抽出口の下に置いて購入ボタンを押す方式。 なお、使用する紙コップは本系列用に専用にデザインされたものになっている。 コーヒーの自動販売機の横には、スナックと紅茶パウダー、ココアパウダーの自動販売機も設置されている。 コーヒーの自動販売機ではお湯も無料で提供しており、紅茶ないしホットココアを飲みたい場合はこのスナックの自動販売機で先にパウダーのパックを購入し、コーヒーと同じ手順で備え付けのカップにお湯を注いで飲むことになっている。 なお、カフェスポットには硬貨の持ち合わせがない場合に備え、千円札専用(100円硬貨10枚に両替)の両替機も設置されている。 自動販売機 3号車に設置されている。 千円札のみ紙幣も利用可能。 キャッシュレス決済には対応していないが、のに対応した自動販売機を使っているため、アプリを用意しておけば各種ポイントサービスのポイントが貯まる。 多目的トイレ・AED 4号車(8両編成の場合は6号車)に車椅子とオストメイトに対応した多目的トイレが設置されている。 トイレは温水洗浄式。 他にはベビーチェア、おむつ交換台、着替え台が装備されている。 なお多目的トイレの横にはAEDが設置されている。 その他トイレ 多目的トイレを含み、2両につき1箇所トイレが設置されている。 多目的トイレをのぞいて一箇所当たりのトイレ数は3つで、男子小便器、男女兼用、女性専用の構成となっている。 すべてのトイレに手すりがあり、個室トイレは温水洗浄式で、ベビーチェアが備えられている。 ベンチスペース 2号車と5号車(8両編成の場合は加えて7号車)に4~5人が座れるベンチスペースがあり、座席以外での飲食・会話などが楽しめる。 点字案内 最近新造・更改中の他の車両同様、各座席の肩部分に点字で座席番号が表示されている。 愛称の「ひのとり」は先進的でスピード感ある車体フォルム、深い艶感のあるメタリックレッドといった外観デザインに加え、ゆったりとした空間や上質なサービスを提供する気品ある車両のイメージを、翼を大きく広げて飛翔する「ひのとり」に重ね合わせて命名された。 ・の後継で、名阪甲特急を主とした運用の車両となっている なお、後述のとおり、間合い運用で阪奈特急にも使われる。 編成 [ ] 21000系ではオールM構成であったが、その増備車である21020系でMT比を1:1とし、大出力化と車両の軽量化の両方に成功したことから、本系列でも21020系のを踏襲している。 電動車にはパンタグラフがそれぞれ一基設けられている。 編成定員は6両編成は239名(プレミアム車両 42名・レギュラー車両 197名)、8両編成は327名(プレミアム車両 42名・レギュラー車両 285名)。 外観 [ ] 車体はメタリックレッドの3層塗装にクリア塗装を重ねた5層塗装で、プレミアムゴールドの帯とロゴマークを配する。 窓は紫外線・赤外線カットガラスを採用した大型とし、窓回りはアーバンライナーのオリジナル車を思わせるデザインの半透明ブラック塗装、妻面はピアノブラック仕上げとしている。 はと同様に格納式とされている。 車両デザインはGKインダストリアルデザイン、ロゴマークはGKグラフィックスが担当した。 以降の近鉄の特急車両では乗降扉はを採用していたが、本系列の乗降扉は一般的な引き戸となっている。 側面に貼られたロゴ 車内設備 [ ] 「 くつろぎのアップグレード」をコンセプトとし、シートを最大までリクライニングさせた範囲まで覆う「 バックシェル」を全席に採用することで、に起因するストレスを解消している。 また、大型テーブルや荷物フック、カップホルダーの設置や全席コンセント完備とするなど、主に座席周りの快適性を向上させている。 片道新幹線(近鉄京橿・京奈特急+新幹線)、片道近鉄特急(名阪特急)の利用や、約2時間という所要時間、新大阪駅・名古屋駅で寝過ごす心配がないことから、仮眠を目的とした利用も多く、名阪特急へ優先投入される特急車の設計にあたっては、(当時の)新幹線普通車よりも座席間隔を広くとるようにしてきたが、本系列においてはいっそう深度化させている。 行先や停車駅、運行情報などを多言語で提供する液晶ディスプレイを設置しているほか、ガラス製の荷棚や仕切扉を採用し、開放感あるデザインとしている。 全車空気清浄機を備え、無料Wi-Fiサービスが提供される。 客室・デッキ・大型荷物置き場には防犯カメラを設置している。 内装、シートのデザインもGKインダストリアルデザインが担当した。 先頭車両は プレミアム車両で、構造となっている。 また、横揺れを低減する電動式フルアクティブサスペンションが設置されている。 本革を使用した電動リクライニングシートが2+1列で並び、シートピッチは鉄道車両としては国内最大級の1300mmで、や国内線旅客機の同等となっている。 高さ・角度調整機能付きの大型ヘッドレストや、電動レッグレスト・シートヒーター・読書灯を備えるほか、窓カーテンも電動式となっている。 内装はベージュとダークウッドを基調とし、レッドとブラックのチェッカー柄のカーペット敷きとなっている。 天井のLED間接照明はフルカラー調色が可能となっており、名阪特急運用時の終着駅到着前には青色で点灯する。 デッキは大理石調のデザインで、挽きたてのレギュラーコーヒーや紅茶、お菓子などの購入が可能なカフェスポットや、大型荷物を収納できるロッカーが設けられている。 中間車両は レギュラー車両で、高さ調整機能付きのフットレストを備えたリクライニングシートが2+2列で配置される。 シートピッチは新幹線や特急車両のと同等の1160mmで、グレー・ナチュラルウッド・グレーウッドを基調とした内装となっている。 サ80300に車椅子対応席を設けている。 座席は全席禁煙としているが、モ80400に喫煙室を設けている。 モ80400には自動販売機を、モ80200、モ80400、モ80500にはロッカーを、モ80200、モ80500、モ80700には多目的に利用できるベンチスペースを、サ80300、モ80700、サ80800には荷物置きスペースを備える。 ク80100、ク80600、サ80800には男女共用および女性専用の温水洗浄便座付き洋式トイレが、サ80300には着替えが可能なチェンジングボード・ベビーベッド・オストメイト対応設備を備えた多目的トイレが設けられている。 また、上述の4形式には小便器を備えた男性専用トイレおよび洗面台が設けられている。 洗面台は女性社員のアイデアを取り入れ、通路から鏡に映る姿が見えない配置としている。 乗車には、特急料金のほかに、 ひのとり特別車両料金が必要となる。 プレミアム車両はしまかぜ()と、レギュラー車両はデラックスカー(2+1列配置・シートピッチ1050mm)と比較して安価に抑えられている。 ただし、「ひのとり」は「名阪チケレス割」の適用対象外となるため、割引を適用した場合の差額は名阪間利用を除きデラックスシートよりも「ひのとり」レギュラー車両の方が80~190円割高となる。 プレミアム車両デッキのカフェスポット 運用 [ ] 主に - 間の名阪甲特急と、大阪難波駅 - 間の阪奈特急で運用されている。 2020年度中に全11編成を導入して名阪甲特急を全て本形式で運行し、「アーバンライナー」は大阪難波・近鉄名古屋駅毎時30分発の名阪乙特急を中心とした運用となる予定である。 名阪特急に(汎用車以外の)新車が投入されるのは18年ぶりで、営業運転開始前には数多くのイベントが行われた。 2020年2月8日には有料試乗会、2月15日にはでお披露目会、2月16日にはで有料撮影会がそれぞれ開催された。 2月22日から3月1日にかけて予定されていた無料試乗会は、の拡大を受けて延期されることとなった。 2020年6月13日から1日あたり運行開始当初の6往復から平日10往復、土休日11往復に増便された。 また、新型コロナウイルスの影響で5月30日から運休している土休日の名阪甲特急3往復も運転再開し、阪奈特急についても、6月15日以降平日2往復、土休日1往復にする。 参考文献 [ ]• 「ベールを脱いだ"ひのとり"80000系電車」『とれいん』第46巻第1号、株式会社エリエイ プレス・アイゼンバーン、2020年1月、 6-11頁。 脚注 [ ] []• ツイート. より 2020年6月20日閲覧。 では停車駅の少ない速達型は「甲特急」、主要駅に停車するものは「乙特急」と呼ばれる。 近鉄時刻表2020年3月14日ダイヤ改正号。 P38• PDF プレスリリース , 近畿日本鉄道株式会社, 2019年8月30日 , 2020年7月4日閲覧。 PDF プレスリリース , 日本板硝子株式会社, 2020年2月28日 , 2020年6月13日閲覧。 『鉄道ピクトリアル』(第954号)2018年12月臨時増刊号、19 - 20頁、258頁• 『鉄道ファン』2020年6月号、P31、交友社、2020年。 2019年12月27日閲覧。 PDF プレスリリース , 近畿日本鉄道株式会社, 2018年1月11日 , 2019年8月31日閲覧。 - 近畿日本鉄道株式会社、2020年2月19日• PDF プレスリリース , 近畿日本鉄道株式会社, 2020年6月2日 , 2020年6月13日閲覧。 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]•

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「ひのとり」誕生で注目集まる「近鉄特急」その車両の魅力に迫る

近鉄 ひのとり 車内

tags: , , , , , , , , , 近鉄の新特急列車「ひのとり」先頭車プレミアム車両に、大阪難波から近鉄名古屋まで乗車。 車内にコーヒーマシンがあったり、それでちょっとしたトラブルがあったり、車内放送が楽しかったり、気兼ねなくリクライニングに一喜一憂したり。 近鉄特急「ひのとり」 独特の文化にニヤリ 近鉄が2020年3月、新たに名阪特急で運転を開始した列車「ひのとり」。 デビューから約3か月が過ぎた2020年6月の土曜日、大阪難波から近鉄名古屋まで、その旅を体験しました。 大阪難波駅へ入線した近鉄特急「ひのとり」(2020年6月、恵 知仁撮影)。 乗車したのは、大阪難波発16時00分の「ひのとり」16列車。 長らく国鉄・JR沿線で暮らしてきた私は、「16号」じゃないところに心が躍ります。 車両側面の案内にも「ひのとり」16列車の表示(2020年6月、恵 知仁撮影)。 席は近鉄名古屋方の先頭1号車、プレミアム車両です。 定員21名のうち、6割ほどの乗車率だったでしょうか。 そして、その3分の1強ぐらいが鉄道ファンらしき人たち。 「特急『ひのとり』016(ゼロイチロク)列車です」 そんな肉声の車内放送にニヤニヤしながら、特急「ひのとり」80000系電車は動き出します。 近鉄特急「ひのとり」プレミアム車両(2020年6月、恵 知仁撮影)。 車内放送といえば、自動放送でも肉声放送でも、全座席がバックシェルタイプで、気兼ねなくリクライニングできることを伝えていたのが印象的でした。 「鶴橋を出ますと…」 近鉄特急のロマン 母子連れがスマホでこの「ひのとり」の写真を撮っていた大阪上本町を発車したのち、また車内放送にワクワクします。 「次の鶴橋を出ますと、津まで停まりません」 長い区間を停まらないというのは、ロマンがあります。 もっとも、昔は鶴橋から近鉄名古屋まで停まりませんでしたし、新幹線「のぞみ」のほうが……ですが、無粋なことはさておき。 地上へ出て、まもなく鶴橋に到着する近鉄特急「ひのとり」(2020年6月、恵 知仁撮影)。 地下区間から出て、ホーンを鳴らしながら鶴橋へ到着。 「喫煙室を使用できない区間を過ぎました」 近鉄特急「ひのとり」プレミアム車両備え付けの案内(2020年6月、恵 知仁撮影)。 そんな独特の車内放送にまたも心を奪われていると、大阪平野の東にそびえる生駒山地が、雨粒の流れる窓の向こうでだんだんとハッキリ、大きくなっていきました。 床に… 近鉄特急「ひのとり」 その良さの裏とその裏の良さ 近鉄特急「ひのとり」プレミアム車両にある「カフェスポット」(2020年6月、恵 知仁撮影)。 レギュラー車両でもJRのグリーン車並みというハイグレードさ、充実した設備が魅力の新たな近鉄特急「ひのとり」。 プレミアム車両のデッキ付近には、カップコーヒーと菓子類の販売機が用意された「カフェスポット」があります。 「カフェスポット」の自動販売機にはココアや紅茶も用意(2020年6月、恵 知仁撮影)。 フラフラと車内見学に向かった際、そこで見つけました。 床へチョロッとこぼれていたコーヒー。 そして、カップコーヒーは美味しいけど、確かにこの危険はあるよな……と思いつつ別の車両をフラフラしたのち、そこへ戻ってきたのですが、見てしまいました。 通りがかった車掌が、床を拭いていました。 「ひのとり」はハード面のみならず、ソフト面も良いようです。 コーヒーカップには「ひのとり」のマークが(2020年6月、恵 知仁撮影)。 またコーヒーといえば、プレミアム車両の座席にあるカップホルダー。 肘掛け付近にすっぽりカップがはまるようになっていて、安心さと一定の使いやすさを両立しているのに感心しました。 こぼす心配がないプレミアム車両のカップホルダー(2020年6月、恵 知仁撮影)。

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