プライベート機利用 ゴーン被告は昨年12月29日に関西空港からプライベートジェット(PJ)でトルコのイスタンブールに飛び、そこから別のPJに乗り換え、30日にレバノンのベイルートに入った可能性が指摘されている。 関係者によると、ゴーン被告名の出国記録はなく、出国審査を義務付けた出入国管理・難民認定法に違反した疑いが強い。 逃亡の協力者は犯人隠避に問われる可能性もある。 国土交通省などによると、日本からトルコへ向かったPJは、12月29日午後11時10分に関空を出発、約12時間後にイスタンブールに到着したことが確認されている。 この便はトルコの航空会社の運航とみられ、乗員を含め20人近くが乗れる大型機だったという。 トルコのヒュリエット紙によると、ゴーン被告が搭乗したPJはいずれもトルコのビジネスマンが所有。 関空からイスタンブールまでの機内には米国人2人も搭乗していたという。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は12月31日、ゴーン被告が数週間前から協力者とともにレバノンへの逃亡を準備していたと報道した。 逃亡計画には、妻・キャロルさんが「主導的な役割を果たしていた」とする関係者の証言も伝え、先週末には計画実行チームが日本に集結したという。 中東メディアのインデペンデント・アラビーヤ(電子版)は、「軍事関連会社」が実行し、「2000万ドル(約22億円)以上の費用がかかった」とも報じた。 ゴーン被告の東京都内の住宅には人の出入りを24時間監視するカメラが設置されていた。 レバノンのテレビ局MTVは、ゴーン被告が楽器ケースに隠れて住宅を抜け出したと報じ、レバノンの軍事情報筋も日本出国時のゴーン被告は箱に隠れていたと証言した。 トルコにもゴーン被告の協力者がいたとみられており、アナトリア通信によると、トルコ警察は2日、ゴーン被告がトルコ経由でレバノンに逃れたことを巡り、7人を逮捕した。 このうち4人がパイロットで、3人は地上での業務に携わっているという。 一方、出入国在留管理庁の関係者によると、ゴーン被告がフランスのパスポートを所持していたことも判明した。 東京地裁は保釈を認めた際、ゴーン被告のパスポートを弁護人が保管することを条件としたが、ゴーン被告はフランスから2冊のパスポートの発行を受けていたという。 ゴーン被告は昨年5月以降、同地裁の許可を得て、このうち1冊を弁護人が管理する鍵が付いたケースに入れて携帯。 レバノン入国時に示したのは、このパスポートだった可能性がある。
次の会社法違反(特別背任)などで起訴された日産の前会長カルロス・ゴーン被告(65)が、国籍があるレバノンに日本から逃亡した事件で、トルコに本社を置く民間のジェット機チャーター会社「MNGジェット」が3日、同社のチャーターサービスが同被告の逃亡に「違法に使用された」と発表した。 ゴーン被告は、昨年12月29日夜に関西空港からプライベートジェット機で日本を出発。 同30日早朝にトルコのイスタンブールを経由し、ベイルートに入ったとみられている。 MNGジェットは公式サイトで、昨年12月に2つの異なるプライベートジェットを、2人の異なる顧客にリースしていたと明らかにした。 <1>UAEのドバイから大阪に向かい、大阪からトルコの首都イスタンブールに向かうプライベートジェット機 <2>イスタンブールからベイルートへ向かうプライベートジェット機 MNGジェットによると、この2機は同社に所属してはいない機体だったが、運用はしていたという。 契約の際の公式文書に、ゴーン氏の名前は一切なく、2機の動きに関連性があるようにも見えなかったという。 その後、報道を通じて、この2機がゴーン被告の逃亡に使われた可能性があると知り、同社は元日に社内で内部調査を実施。 その結果、従業員の1人が記録を偽造したことを認めたという。 従業員は同社の許可なしに、自身の裁量で独断で動いたことも認めている。 同社は、事件の関係者を起訴するための訴状を提出した。 MNGジェットは「当局には積極的に協力しており、会社のサービスを違法使用した人々が正式に訴追されることを望んでいます」とコメントを発表した。
次のアラブニュース(ジェッダ) 航空業界の専門家は日曜日、逃亡中のビジネスマン、カルロス・ゴーン氏がイスタンブールを経由して日本からレバノンへと逃れたことは、トルコのプライベートジェット業界に「深刻な打撃」を与えると語った。 ゴーン日産自動車前会長は、同社の資金の不正利用ならびに自身の報酬を実際よりも少なく記載していた容疑での公判を控えていたが、12月30日、保釈中に姿をくらました。 秘密裏に大阪からイスタンブールのアタチュルク空港へ飛び、そこからベイルートに向かったのだ。 トルコ人の航空業界専門家は「この人物を大阪からこっそりと出国させたのは日本国内の問題だ」とアラブニュースに語った後、「しかしトルコで彼をしっかりと確認できなかったのは我々のミスであり、国際的な航空の安全に傷が付いた」と続けた。 トルコの当局は午前5時15分にイスタンブールに到着した大阪発のフライト、ならびにその45分後にベイルートに向けて飛び立ったもう一つのフライトを捜査している。 同じ専門家が語ったところによると、「パイロットは搭乗者全員について当局に申告するはずで、搭乗者は空港の国際通過区画においてチェックインを受けるはずだ。 例外はない。 」 この専門家はまた、今回の安全上の違反のおかげでプライベートジェット業界は苦境に立たされることになり、「短期的には大きな影響が出るだろう。 多くのビジネス用ジェットが欧米の空港への到着時に厳しい検査を受けることになるだろう」と話した。 「ビジネス用ジェットはその高い評判と信頼性をなくしたわけで、一定の間、飛行許可がおりない可能性もある。 」 トルコのプライベートジェット業界ではおよそ100機が運用されている。 この専門家は「今回の事件は同業界を著しく弱体化させるだろう」と語った。 ウォールストリートジャーナルは、ゴーン氏に協力したのは元アメリカ軍特殊部隊隊員で現在は民間警備請負業者として活動するマイケル・テイラー氏だと報道し、テイラー氏を「秘密の逃走のプロ」と評している。 同紙の報道によると、トルコ当局の捜査では、ゴーン氏が逃亡する前日の土曜日にテイラー氏ともう一人の人物が2つの大きな黒色のケースとともにプライベートジェットでドバイから大阪に降り立ったことがわかっている。
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