「頂く」って何気なくよく使うけど、正しい意味で使えてるのかな…?「いただく」とどう違うんだろう。 「頂く」も「いただく」もビジネスシーンで使い分けることは重要ですが、「どちらを使えばいいんだろう?」と迷ってしまう場合もありますよね。 「頂く」には2通りの意味があり、 1つは「もらう」「食べる」「飲む」といった動詞の敬語表現で、もう1つは「していただく」と他人から動作をしてもらうことです。 ひらがなの「いただく」の場合はどちらの意味でも使いますが、漢字の「頂く」は動詞の敬語表現だけで使われています。 本記事では、「頂く」と「いただく」の違いや、それぞれの使い方と例文、類語について解説します。 この記事を読んでいただければ、ビジネスシーンで「頂く」と「いただく」を適切に使いこなすことができますよ。 ぜひ、最後までご覧ください。 <例文>• お客様からお叱りを 頂戴しました。 お名前を 頂戴してもよろしいですか?• お食事は 頂戴したので、もう。 「頂く」よりもさらに上品な表現や丁寧な表現をしたい場合は「頂戴する」の方を使うようにしましょう。 3-3.「頂く」と「下さる」の違い 「下さる」は「くれる」を丁寧に表現した言葉です。 「物をもらう」という意味で使えるので、その点では「下さる」は「頂く」と共通しています。 また「下さる」には「相手に何かをしてもらう」という意味があるので、その点でも「頂く」と同じです。 ただ「頂く」は「自分が相手に頼んだ結果として、なにかをしてもらう」という意味があります。 対して、 「下さる」は自分が頼んだかどうかに関係なく、単に「相手になにかをしてもらう」という場合に使うのです。 例えば以下のように使われます。 <例文>• 贈り物を 差し上げます。 以前 差し上げたお菓子はいかがでしたか?• 一度食べた物を 戻してしまいました。 気分が悪くなって 戻してしまったようです。 「頂く」の意味によって、反対語が「差し上げる」か「吐く(戻す)」と変わるので、その時の意味によって反対語を必要があります。 まとめ 「頂く」は「もらう」「食べる」「飲む」の丁寧語と謙譲語としての使い方と、「相手に何かをしてもらう」という使い方があります。 「頂く」には、複数の意味や使い方があるため、何を意味しているのかを意識することが大切です。 「頂く」を使うときは、ビジネスシーンで誤解が生じないように、他の似ている言葉と使い分けていきましょう。
次のでは、漢字の「頂く」と「戴く」には、どのような意味の違いがあるのでしょうか。 「戴く」という言葉には、「頭にのせる」「上の者として敬い仕える」という意味があります。 このことから、「戴く」を使う時は、非常に高価なものをいただいた時や、名誉な賞などをいただいた時に使われています。 何かを「いただく」という意味の言葉に「頂戴する」という言葉がありますが、この言葉にはいただくという意味の「頂」と「戴」の両方の漢字が使われています。 「食事をいただく」の場合は、「頂く」を使いますが、「国民栄誉賞をいただきました」の場合は「戴く」を使います。 この2つを重ねて使うことで、目上の方などから何かをもらった時などに、「頂戴いたします」などのような言い方をします。 しかし、「戴く」という漢字は、常用漢字ではないため、あまり使われる事がありません。 ひらがな表記の「いただく」は、補助動詞として使う場合です。 たとえば、お越しいただきまして、ありがとうございます」といった使い方をする場合です。 「頂く」を使う場合は、「食べる」「飲む」「もらう」という言葉を謙譲語にした時に使います。 「食事を頂く」「お祝いを頂く」と言った場合に使います。 「ください」と「下さい」も使い分けがあります。 ひらがなで「ください」と表記する時は、英語で言うと「please」にあたります。 何かをお願いするような時は、ひらがなの「ください」を使います。 漢字で「下さい」を使うときは、英語で言うと「give」にあたります。 つまり、何かを「もらう」時は、漢字の「下さい」を使います。 ビジネスでは、「いただく」のひらがなを使う場面、「頂く」の漢字を使う場面、「ください」のひらがなを使う場面、「下さい」の漢字を使う場面が良くあります。 ご紹介のルールに基づき、「ひらがな」と「漢字」を使い分けるのですが、メールなどの文章では、本来であればひらがなの「ください」の時に「下さい」と漢字を使う人も多くいます。 これは、前の項目でご紹介しました公文書の漢字使用の決まりに基づき、決まっているルールのため、知らずに使っている人が多いということです。 しかし、この漢字使用の決まりは、公文書に限る決まりのため、ビジネス文章であれば問題はないのですが、このルールがビジネスマナーになっていることもあるので、正しく使い分ける方が良いでしょう。 「いただく」と「頂く」のように、漢字表記とひらがな表記で意味の違う言葉があります。 これは、公文書を書く場合に漢字の使い方が決められているため、これに則り使い分けがされているからです。 ビジネス文書を作成する場合は、公文書のルールに必ず従わなければならないという決まりはありませんが、公文書にルールがあるため、ビジネスマナーとして同じように使い分けられていることがあります。 使い分けを知らずに、本来はひらがなで表記することが正しい言葉も、漢字が使われていることがあります。 ビジネスで使う場合は、相手にとても失礼になってしまうということはありませんが、マナーとして覚えておくと正しい使い分けができるでしょう。
次の昨日のコラムの問題「お土産を頂く」か,「お土産をいただく」か? の正解は,「お土産を頂く」です。 問題「参考にして頂く」か,「参考にしていただく」か? の正解は,「参考にしていただく」です。 漢字は,前回のコラムに書いたように,固有の意味を持っています。 「頂く」という文字は,「もらう」(他に「食べる」「飲む」など)という意味の動詞の謙譲語ですから,「もらう」などの意味がある言葉なのです。 「お土産を頂く」の「頂く」は,「お土産」という名詞に「を」という助詞を付けた後の「もらう」という意味の動詞であることは明らかです。 特定の意味を持たせる動詞は,漢字で書かなければ意味は生かせません。 これは前回のコラムで明らかにしているところです。 ですから,「お土産を頂く」は,漢字で書かなければならず,「お土産をいただく」ではだめなのです。 一方,「参考にしていただく」の場合の動詞は,「参考にする」の連用形「参考にして」(又は「する」の連用形「して」)です。 動詞はこれに尽きているのです。 それに付け加えられた「いただく」は,その前に位置する動詞を補助する補助動詞にほかなりません。 補助動詞には,動詞本来の意味は無くなっているか,あっても薄いものになっています。 「参考にしていただく」の「いただく」に「頂く」という漢字の意味はほとんど感じられないはずです。 ですから,この場合は,平仮名で書かなければならないのです。 他にも多々あります。 「言う」か「いう」か? 「言う」は,口を開いてものを言う動詞として使う場合にのみ,使われ,実質的には「言う」という意味を失っている場合や動詞としての機能を失っている場合は「いう」が使われます。 「彼は『俺は秀才だ』と言っている」「文句を言う」「正直に言う」「言い争う」などは,動詞ですので,漢字で書き,「弁護士という職業」「そういうこと」「台風が来るというが」「顔といい,声といい」「君という奴は」「といっても」「そういえば」などは,口を開いて言葉を出す「言う」の意味はないか,薄いので,平仮名で書くことになります。 「置く」か「おく」か? 漢字の「置く」は,「机の上に花瓶を置く。 役員を置く。 相談所を置く。 」など,動詞として使うときに,使われます。 しかし,補助動詞その他,漢字本来の意味がないときは,平仮名で「おく」と書きます。 「通知しておく。 そのままにしておく。 明確にしておく。 」などです。 「下さい」か「ください」か? 漢字の「下さい」は,「「下さる」という動詞の活用形。 意味は「頂く」と同じです。 この場合も,「お便りを下さい」「お菓子を下さい」という場合は,漢字で書き,「話してください」(「話す」が動詞,「ください」は補助動詞),「教えてください」(「教える」が動詞,「ください」は補助動詞)は,平仮名で書きます。 なお,「公用文における漢字使用について」の別紙1(2)キには,平仮名で書く言葉と一つに,「・・・てください(問題点を話してください。 )が掲げられています。 「付く」か「つく」か? 動詞の「付く」は,「くっつく」こと,「付着する」ことですので,その意味の言葉として使う場合は,漢字を用います(例:色が付く。 秘書が付く。 護衛が付く。 知恵が付く。 先生の後に付く。 決心が付く。 名前が付く。 )が,「付く」の意味がないか,薄いものであるときは,「つく」と平仮名で書くことになります。 「浮つく。 近づく。 高くつく。 まごつく。 決心がつく。 思いつく。 」などです。 「見る」か「みる」か? 「見る」は,視覚又は視覚以外の感覚で物事を捉える意味の文字ですので,「顔を見る。 味を見る。 人生を甘く見る。 意見の一致を見る。 」など動詞として使う場合は漢字で書き,動詞の連用形に「て」や「で」が付いた補助動詞として使う場合は,平仮名で書きます。 「実行してみる。 試してみる。 そう言われてみると本当にそうだ。 彼はまだ生きているとみられている。 」などです。 「致す」と「いたします」 「致す」は「届ける。 至らせる。 及ぼす。 仕向ける。 」などの意味の動詞です。 例えば「思いを致す」などという動詞と使うにはよいのですが,「お詫びいたします。 」「お願いいたします。 」(「詫びる」が動詞。 「いたします」は補助動詞)というような補助動詞として使う場合は平仮名で書くことになります。 なお,「致し方はない」という場合の「致し方」は名詞ですが,名詞も漢字で書きます。 このことは後日説明します。
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