2020年2月27日、中国メディアの観察者網は、で発生している蝗害(こうがい=イナゴ・バッタ類による被害)対策で、中国から大量のアヒルを送ることになったと伝えた。 記事は、パキスタン側の必要に基づき、中国政府はバッタ駆除専門家チームを結成してパキスタンにすでに派遣していると紹介。 これに続いて「10万羽のアヒルの軍隊が国を代表して出兵することになった」と伝えた。 記事によると、この「アヒルの軍隊」は浙江省紹興市のアヒルたちで、「まるでバッタ根絶界における奇才」なのだという。 なぜバッタ被害にアヒルが有効なのだろうか?記事は、バッタの根絶には薬物による方法と生物を用いた方法があるが、環境保護の観点からすると生物を用いたほうがずっと良いと指摘。 「薬物はコストが高いうえに農薬が残留する。 生物は環境を汚染しないだけでなく、食物連鎖を修復できて一挙両得だ」との専門家の意見を紹介した。 生物を用いた方法には、カエルや他の鳥類もあるが、その中でアヒルが用いられる理由について記事は、「カエルや他の鳥類は指定のエリアでしか任務を行わず、バッタが移動しても追いかけない。 すると新たな被災地に改めて投入しなければならず、コストがかかり、生物の種類によっては適さない場所もある」と説明した。 この点、「アヒルやニワトリの作戦能力は優れている」と記事は指摘。 中でもアヒルは「群居を好み、管理がニワトリより容易で、生命力、エサを探す能力、耐寒能力に優れ、屋外で生きるのに適している」という。 さらに「ニワトリ1匹で1日70匹のバッタを食べられるが、アヒルは200匹以上と約3倍の作戦能力を有している。 しかも絨毯方式で食べつくし、サナギも食べてくれる」と専門家は説明している。 このほか、「作戦終了後に退役したアヒルは、現地の食卓に上ってごちそうとなり、経済収入をもたらすことができるとの益もある」と記事は指摘。 2000年に新疆ウイグル自治区で発生した蝗害では、浙江省のアヒル10万羽が「派兵」され、バッタを根絶した実績もあると記事は伝えた。
次のアフリカ東部やインド、パキスタンで大量のバッタが農作物などを食い荒らす被害が広がっている。 国連食糧農業機関(FAO)によると、群れの規模はケニアでは過去70年で最大を記録した。 そんな中で「10万羽のアヒル軍がバッタを退治するために中国からパキスタンに派遣される」という中国発ニュースが2月下旬から世界を席巻している。 中国ではバッタが作物を食い荒らす「蝗害(こうがい)」が水害、干ばつと共に3大災害とされ、恐れられてきた。 新型コロナウイルスの感染拡大に続いて、国境を接するパキスタンからのバッタ襲来を恐れていた中国人はバッタを食べてくれるアヒル軍に期待したのだが……。 アヒル軍のパキスタン派遣の話は立ち消えになり、そもそも最初からデマではなかったかと疑われている。 政府の厳しい管理下にあるはずの中国メディア界で何が起きているのか。 「4000億匹のバッタの大群がインド・パキスタン国境から中国に迫っている。 潜在的な危機に備えて、10万羽のアヒル軍が国境に集結している」 中国国営中央テレビが展開する国際放送局「中国グローバルテレビネットワーク(CGTN)」が2月19日、行軍するアヒルの群れの映像と共に英語でこう報じた。 公式ウェブサイト上の記事はわずか22語の短文だ。 ニュースソースも明記されていない。 だが、道路を必死に歩くアヒルの群れを「ニュース映像」として見せられると、書かれた内容も本当のような気がしてくる。 CGTNとは、中国政府が2016年12月に対外発信の強化を目的に中国中央テレビから国際放送を独立させた国策放送局だ。 アヒル軍のニュースは当初、中国の国策放送局の発信力で世界に広められた。 偶然は恐ろしい。 1週間後の2月26日、別のアヒル軍の記事が浙江省紹興の夕刊紙・紹興晩報に掲載された。 パキスタンの大学とバッタ対策を共同研究する地元研究者が「10万羽のアヒルをパキスタンに送りたい」と語ったという。 パキスタンでは過去30年で最悪のバッタ被害が猛威を振るっている。 「国境集結」が報じられたアヒル軍も10万羽だった。 ちょうど中国からパキスタンにバッタ対策の専門家チームも派遣されていた。 偶然の一致が重なっていた。 中国政府の保護下にある主要紙に比べて、独立採算の夕刊紙は激しい競争にさらされている。 浙江省寧波の夕刊紙、寧波晩報は紹興晩報が報道した翌日の27日にこの研究者に取….
次のバッタの大量発生で中国が過去に深刻な問題に直面 バッタの大量発生で中国は幾度となく、食料への深刻なダメージを受けてきました。 中国で嵐や大雨が続くと、トノサマバッタが 相変異(そうへんい)し、孤独相から群生相へと変化します。 相変異とは、トノサマバッタの 体の構造変化です。 通常のトノサマバッタ(サバクトビバッタも)は互いに群れずに個々に行動しますが、バッタの大量発生による密集産卵などが原因の一つとなって群れて行動する移動型構造に変化します。 中国では大規模な大雨が続いてバッタが大量発生しやすい環境になりやすく、その後トノサマバッタなどが孤独相から群生相へ相変異して 何百億匹から何千億匹規模の群れになって食料を食べつくします。 西暦400年代からバッタの大量発生が中国で記録として残されており、西暦1140年以降には大量発生したバッタの蝗害を焼き畑で対応するなどの記録も中国では残っています。 バッタの大量発生を中国がアヒルで解決 中国は昔からバッタの駆除に ニワトリを活用する文化がありましたが、近年バッタの大量発生で中国がニワトリを活用した駆除を応用して アヒルの群れを使って農作物の被害を食い止めることに成功しました。 ニワトリは1日でバッタを百匹近く食べますが、アヒルは1日で数百匹食べるのでバッタ大量発生の効果としては約3倍ほどの効率の良さがあります。 2000年にはバッタの大量発生で中国の新疆ウイグル自治区が悲惨な食糧危機に直面しておりましたが、 アヒルを3万羽派遣して解決しました。 今や中国のバッタ大量発生のアヒルを用いた蝗害対策は有効であるため、2000億匹ものサバクトビバッタ大量発生をアヒル10万羽派遣で対応しようとの案も出ているほどです。 "Duck troops" gather at the border to face locust swarms — CGTN CGTNOfficial 実際に、バッタの大量発生で問題になっている中東付近への中国側からのアヒル派遣は、気候的な意味で難しい場面もあるかと考えられますがアヒルがバッタ大量発生の有効法であることは過去の事例より判明しております。 以上がバッタの大量発生で中国がアヒル10万羽を派遣する理由についてのご紹介でした。
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