絵の描き方や色の使い方で、子供の心理や知能が分かるという話は聞いたことがありませんか? 「家族の絵を描いてと言ったのに、1人ぼっちの絵を描いた。 」、「特定の人の顔を塗りつぶした。 」、「全体的に色遣いが暗い。 」など、子供の描いた絵を見て不安や心配を抱くパパママはたくさんいるものです。 グッドイナフ人物画知能検査は、子供の発達障害や知的障害に関わる機関などで長らく活用されている、子供の描いた絵を見て知能を推測するという特殊な知能検査です。 この記事では、グッドイナフ人物画知能検査の概要と、子供の「絵を描く」という行動の発達過程について紹介します。 グッドイナフ人物画知能検査 Draw A Man とは グッドイナフ人物画知能検査とは、1926年にF・Lグッドイナフが開発した、描画法 投影法 の知能検査です。 グッドイナフ人物画知能検査は、子供の描いた絵をマニュアルに基づいて採点することで知能の発達水準を推測するという、知能検査の中でも珍しい部類の検査です。 「本当に絵を見て知能の発達水準が推測できるの?」と思うかもしれません。 しかし、絵を描く作業には、知覚、運動機能、認知能力、抽象能力、言語能力といった子供の発達段階がとても良く反映されるものです。 例えば、人を描くには、身近な人の外見を見て正しく認知し、クレヨンなどを手に持って、腕の力や動きを調節しながら認知したとおり描きだす必要があります。 ある年齢までの子供は、自分が持てる力をすべて発揮して絵を描いてくれるため、発達水準を把握するための情報を得やすいのです。 もちろん、絵を見るだけで子供の知的水準を確定的に判断することはできませんが、意味のある推測は可能だと考えられています。 適応年齢 グッドイナフ人物画知能検査の適応年齢は3歳~10歳頃です。 10歳頃を上限としているのは、10歳頃以降の子供の絵には、芸術的なセンスや絵の技術や表現方法が反映されるようになり、子供の心理状態、知覚、運動機能が読み取りにくくなるためです。 検査実施時間 5分~10分です。 ウェクスラー式知能検査やビネー式知能検査といった個別式知能検査が数時間かかることを考えると、とても短時間で実施できます。 実施手順• 子供に1本の鉛筆 HB・B と白い紙を渡す• 子供に「今から、男の人を一人描いてください。 頭から手足までしっかりと描いてください。 」と教示する• 子供に絵を描かせる• 子供が女性の絵を描いた場合、描き終った後に「絵と異なる性別の人を描いてみましょう。 」と教示して描かせる• 子供が描き間違えたと言い出したら、紙を取り換えてもう一度描かせる グッドイナフ人物画知能検査の採点方法 50の採点項目 各1点で50点満点 を一つずつチェックして採点します。 採点では、人の部分の比率や、全体と部分の明瞭さや細かさに注目します。 採点項目は、人の頭、目、鼻、口、毛髪、胴体、手足、手足の付け方、耳の位置と割合、指の描き方などです。 得点はMA換算表を使用して精神年齢に換算します。 グッドイナフ人物画知能検査の活用場面 児童カウンセリング機関、療育機関、児童相談所などで活用されています。 絵を描くためには、筋肉や運動機能の発達、目と手の協応 連動 、外界を認知する機能が必要になります。 グッドイナフ人物画知能検査は、子供がこうした力をどの程度持っているかを簡単に確認できるため、子供の知的障害 精神遅滞 や発達障害、知覚障害、運動障害などのスクリーニング検査として活用されています。 また、子供の信頼関係 ラポール 形成のために使用されることもあります。 グッドイナフ人物画知能検査の限界 グッドイナフ人物画知能検査は、子供の描いた絵で知能を推測するという特性上、動作性知能指数 PIQ の測定は可能ですが、言語性知能指数 VIQ については信頼性や妥当性の高い測定はできません。 したがって、正確な知能の発達水準を測定するには、グッドイナフ人物画知能検査だけでは不十分で、他の個別型知能検査とテストバッテリーを組む必要があります。 子供の「絵を描く」という行動の発達過程 グッドイナフ人物画知能検査を実施したり、結果を採点したりするには、子どもの絵をかく行動の発達過程を把握しておくことが大切です。 殴り書き期 掻画期、生後1歳6ヶ月~3歳 殴り書き期の子供は、人や物を意識して描くことはまだ難しく、気分の向くまま、手が動くまま自由に落書きのような絵を描きます。 絵を描く範囲も意識しておらず、渡したノートや紙からはみ出して絵を描くこともあります。 2歳6ヶ月頃になると、ノートの端まで来ると線をグニャッと曲げてみたり、まっすぐな線を何本も並べて書いてみたりと、絵の中に規則性や意図が表れるようになります。 円を描こうとチャレンジするのもこの時期です。 生後2歳6ヶ月頃~ 関心を持った目、鼻、口などを描く 図式画期 象徴画期、生後3歳~7歳 図式画期は、誤った写実期(生後3歳~5歳頃)と知的な写実期(生後5歳~7歳頃)に分類されます。 誤った写実期の子供は、描きたい人や物を漠然と意識するようになります。 ただし、写実的な絵を描くための認知や運動機能などが未熟なので、頭が異常に大きく描く、顔や身体の位置関係がでたらめ、顔が原色で塗られるなど、空想的で幻想的な絵を描きます。 知的な写実期の子供は、顔や身体の位置関係を正しく認識できるようになり、簡単ではありますが、写実的な人の絵を描き始めます。 生後3歳頃~ 目、鼻、口に加え、日常生活でよく使う手足を線で描く 生後4歳頃~ 人の全身を描く、描かれる絵の個人差が見られるようになる 生後4歳6ヶ月頃~ 人の絵だと分かるようになってくる 生後5歳頃~ 指や耳、服のボタンなどを描く 生後6歳頃~ 細かいところが描いたり、身体の部位の比率を適切に描いたりするようになる 生後7歳頃~ 服やズボンなど人の外見を正しく描くようになる 写実期 生後8歳~9歳 写実期の子供は、外界を正しく認知する力と絵を描く力が向上します。 自分の描く絵を他人と比べて優劣をつけられるようになり、上手に絵を描こうと努力し、絵を描く能力の個人差が大きくなっていきます。 年齢を経るにつれて、芸術的センスが光る絵を描くようになったり、表現方法を工夫したりするようになっていきます。 生後8歳頃~ 身体全体のバランスが整った人を描けるようになる 関連記事 まとめ グッドイナフ人物画知能検査の概要と、子供の絵を描くという行動の発達過程について紹介しました。 グッドイナフ人物画知能検査は、他の個別式知能検査に比べて格段に手軽なことから、幅広い分野で活用されています。 ただし、子供の絵を見て知能を推測するという独創的な検査であり、この検査だけに頼って子供の知能を断定することはできません。 単独で使用する場合は、知能検査としてよりも、子供との面接や他の検査の実施前に、子供に面接・検査場面に慣れさせたり、子供との信頼関係を築いたりする目的であることが多いでしょう。 普段の生活で子どもが受検することはほとんどありませんが、児童相談所の発達相談を受ける場合などには、検査が実施されることがあります。 ikujilog.
次の発達検査というものが初めてで、検査当日は、検査をこなすことに精一杯。 検査結果報告書を見て、ようやく検査の種類が判明しました。 あの日、受けた検査が、「田中ビネーV知能検査」「S-M 社会生活能力検査」「グッドイナフ人物画知能検査」という3種類だったことが分かりました。 想定ドンピシャ!A4用紙1枚にまとまった「所見」に感心 息子は、軽度ASD(自閉症スペクトラム障害)。 母子分離不安で、母親と一緒でなければ新しい場所には行けない。 行動の切り替えが極度に苦手で、今の行動をやめて次の行動に移れない。 こだわりが強く、気になった所はいじってからでないと次に行けない…。 等々、これまでのエピソードで綴った通りの、様々な特徴があるわけですが、それを見事に「所見」としてまとめられた 検査結果報告書でもありました。 テストの結果だけでなく、テストを実施している最中の子どもの様子について、よく観察されていたんだなぁ・・・という印象です。 発達検査の結果は、A4用紙1枚に、見事にまとめられていました。 それでは、検査結果として数値化された部分を記録していきます。 「田中ビネーV知能検査」の結果 知能指数:IQ103 知能指数(IQ)は、平均でした。 想定通りでした。 生活年齢(実際の年齢)< 精神年齢 精神年齢が、実年齢を「2ケ月」だけ上回っていました。 でも私は、イコール「大丈夫だった」とか「問題ない」とは思っていない。 なぜなら、IQが平均だからと言って、飛びぬけているわけでもなく、いくらでもボーダーラインを割る可能性がある位置にいるし、 「日々の困りごと」が存在することは確かだからです。 〇〇は、集中して取り組んだが、動作がゆっくりで、制限時間内に仕上がらなかった。 過集中な一面もあるから、入り込めば集中して取り組む。 でも、こだわって丁寧に丁寧に作業することで、制限時間に仕上がらない・・・という状況が端的に書かれていました。 これって・・・。 もしも、小学校の授業の時間内に仕上がらないものがあったら? 「まだやりたい!」と癇癪を起こしたって、もうそこには、なだめてくれる保育園の先生も親もいない。 気持ちと行動の切り替えが苦手だから、一人だけずっとできるかって?・・・んなワケない! 〇〇の一部に注目した回答で、正当につながらなかった。 これは、私が難しいと思った「絵の不自然さ」を回答するテストのことですね。 細かい一部に着目して、「木を見て森を見ず」の特徴は、強いほど持っています。 今の時点では、仕方ないかな。 場面の切り替えに時間を要する様子が見受けられ、ある程度見守ったのちに声をかけると、片付けて次の検査に取り込んだ。 「はい、それじゃあ、終わりでいいよ。 次はね~」と言われながら、発達検査の課題から課題へと切り替わる時、確かに、そんな感じでした。 担当者がそれ以上声をかけるのをやめて、暫く黙って見守った後に、「もう大丈夫だね。 次のやつ、やろうか?」と促していました。 こうした新規場面や活動の切り替えの苦手さや、聞き漏らし等により、一斉指導場面での活動の流れに乗れず、戸惑うことが多くならないか心配される。 日常的にタイミングを見計らった個別の声掛けや視覚情報を活用した注意喚起などの配慮が望まれる。 ・・・その通りです。 「S-M 社会生活能力検査」の結果 身辺自立:6歳10ヶ月 移動:4歳5ヶ月 作業:7歳5ヶ月 コミュニケーション:6歳7ケ月 集団参加:6歳6ヶ月 自己統制:5歳 息子の実年齢、5歳7ケ月頃の評価です。 「作業」が7歳5ケ月に対して、「移動」が4歳5ケ月という差に着目すると、実に「3歳差」! 3歳もの差がある、まさに『発達凸凹』です。 「移動」に関しては、実年齢を1歳以上、下回ります。 気持ちを切り替えたり、行動に移したり、次から次へと行くことに対応できない。 まさに癇癪に繋がるのが理解できました。 慣れないは、取り組みが消極的になりやすいことが影響している。 慣れるまで大人が隣りで手本を示す事や、達成感を得ながら安心して取り組めるような支援が望まれる。 という所見も踏まえると、まさに今、息子が通っている療育でトレーニングしている部分に近いか? やはり、小学校入学の時には、慣れるまで何らかの支援は必要なのだろう…と、素直に感じました。 「グッドイナフ人物画知能検査」の結果 IQ:101 「男の子の絵を描いて下さい」という問題の結果です。 生活年齢(実年齢)と精神年齢が、だいたい同じ。 精神年齢が1ヶ月だけ上回った結果でした。 絵を描くことは得意だから、抵抗なく「男の子」を単純に書いたようです。 検査当日に、仕上がった絵をぱっと見しましたが、普通に簡単に書いた「男の子」でした。 ただ、いつも「顔」を書く時と同じ書き方で、眉毛なし、目は黒丸、鼻もなかったかも? きっと、顔のパーツ、髪の毛、洋服の書き具合まで、評価対象なのだと思います。 それでも、実年齢相当。 この検査で、大きな問題や違和感はありませんでした。 決断は、保護者に委ねられました。 息子が通う小学校は、マンモス校。 とはいえ、知的障害や言語障害を伴わない自閉症スペクトラム障害の子に、支援学級は用意されていません。 今回の発達検査の検査結果からも、息子が該当するとしたら、就学先は「情緒学級」であることが明確になりました。 ということは、「情緒学級」に所属するか「普通級」で頑張るか?・・・という判断が迫られることになります。 11月には、一般の流れで、各校の就学前検診が始まります。 そのため、教育委員会指導課としては、今この時点で分かっている息子のような子は、なるべく早く「就学先を決断」すればするほど、嬉しいそうです。 1ケ月後に、1ヶ月後時点の「気持ち」を報告する約束をして、帰路につきました。 1ケ月間、じっくり考えたいと思います。 やはり、「情緒学級」に所属か!? 皆さんは、どう思われますか?.
次の子どもの描画行動の発達過程 心理アセスメントは、クライアントの心理状態や生活状況・精神病理を的確に知るために実施されるが、心理アセスメントの目的を達成するための有効な手段として各種の 「心理テスト(心理検査)」がある。 心理テストには、知能水準を相対的に測定するための「知能検査」と性格傾向や人格特性を理解するための「性格検査(人格検査)」があるが、ここで解説する グッドイナフ人物画知能検査 Goodenough draw-a-man intelligence test は描画法の知能検査という珍しい検査である。 グッドイナフ人物画知能検査は、F. グッドイナフ F. Goodenough の研究成果を踏まえて開発された知能テストで、子どもの描画内容をマニュアル的に採点することによって知能の発達水準を推測するものである。 日本では、1944年に 桐原善雄によってグッドイナフ人物画知能検査が標準化され、1977年には更に 小林重雄の手によって効率的な標準化が施されたが、グッドイナフ知能検査は「描かれた絵画」から子どもの深層心理や知的水準を読み取るという投影法的な特性を持っている。 幼児期や児童期の子ども達は、風景画や静物画よりも「人物画」を好んで描きやすいので、グッドイナフ人物画知能検査を行う場合に「好きな人物の絵を描いて下さい」と教示すると比較的簡単に絵を描かせることが出来る。 幼児の描画行動は、画用紙やノートの上にとりあえず何かを書いてみる、落書きのように殴り書きしてみることから始まるが、一般的な描画行動には 「筋肉の発達・運動機能・眼と手の協応(感覚運動協応)・認知機能」が必要になってくる。 1歳半~2歳半頃の「掻画期(そうがき)」には、特定の対象やテーマを意識した絵画が描かれることはなく、ただ単純でリズミカルな手の動きによってクレヨンやペンでめちゃくちゃな絵が描かれる。 描画する範囲も定まっていないので、画用紙やノートからはみ出して落書きのような図形を描くこともあるが、2歳半を過ぎてくると落書きの中にある種の規則性や遊びのようなものが見えてくる。 画用紙の上でラインをカーブさせてみたり、直線を何本か並べてみたり、円を一生懸命に描こうとしたりし始めるのである。 「特定の対象」を上手く描けずにむちゃくちゃな直線や図形を描いている「掻画期」の段階を過ぎると、「描きたいと思う対象・現実」を漠然と意識し始め、「象徴的な絵画」を描く 「象徴画期(図式画期)」へと入っていく。 3~7歳頃に該当する 「象徴画期」は、3~5歳頃の 「誤った写実期」と5~7歳頃の 「知的な写実期」に大きく二分することが出来る。 「誤った写実期(3~5歳)」というのは、描く絵画に 「幼児の空想的な現実性」や 「幼児の幻想的な人物像」が投影される段階であり、頭部が異常に大きく描かれたり顔色が赤色や緑色で塗られたり、頭・胴体・手・足の位置関係がバラバラで適当だったりする。 「知的な写実期(5~7歳)」というのは、言語的(知的)に理解する現実世界や人間像を「写実的な絵画」として再現しようとする時期であり、頭・胴体・手足の位置関係をしっかりと認識しながら簡単な人物画を描けるようになってくる。 「誤った写実期(3~5歳)」と 「知的な写実期(5~7歳)」の後には、 「写実期(8~9歳)」の発達段階へと成長していき、「特定の対象(人物・動物・風景)」を描くために必要な観察能力(認知機能)と描画技術(微細運動)が発達してくる。 自分自身の絵画がどれくらいのレベルにあるのかの自己評価を出来るようになり、客観的な描画技術や絵画表現を高めようとする努力が見られるようになる。 9歳以降になると、描画能力の発達水準の個人差は少しずつ大きくなっていき、中学生くらいになると芸術的感性や技術的な表現能力の面で極めて高い能力を見せる人も出てくる。 中学生から高校生になると、絵画や描画に対する興味関心の強さも個人によってかなり大きく変化してくるので、絵を日常的に描く人と描かない人の技術レベルの差はより大きく開いてくるだろう。 グッドイナフ F. Goodenough が開発したもので、その後の J. バック J. Buck の HTP(HTPP テストや家族描画法、動的家族描画法などに大きな影響を与えた。 グッドイナフ人物画知能検査の適応年齢は 3歳~10歳頃となっている。 実施時間は約5~10分程度となっているので、長い時間と多大な手間がかかる個別式知能検査(ビネー式知能検査・ウェクスラー式知能検査)と比較すると実施しやすいテストと言える。 グッドイナフが標準化したマニュアル的採点法は非常に簡単なもので、 「人物の部分・頭、胴体、手足など部分の比率・全体や部分の明瞭度、明細度」に注目して採点をする。 採点項目は「頭・眼・胴・口・毛髪・腕と足の付け方・耳の位置と割合・指の細部」など「50項目」あるので、一つずつチェックして点数をつけていく(満点は50点である)。 グッドイナフ人物画知能検査を実施する際にはBやHBの鉛筆を一本子どもに渡して、「今から自分の好きな人物の絵を描いてみましょう。 頭から胴体、手足までしっかりと描いてみて下さい」というような教示を与える。 男の子を描いても女の子を描いても構わないが、一度描き終わったら、次は初めに描いた絵とは違う性別の人物を描いてもらうようにする。 ただし、基本的にグッドイナフ検査では「男性の人物像」を採点対象にするので、初めに男性の人物画を描いた場合にはそこでテストを終了しても良いだろう。 グッドイナフ知能検査では、ビネー式やウェクスラー式の知能検査のように 「信頼性・妥当性の高い言語性知能指数 VIQ 」を測定することはできず、基本的に描画行動を介在した 「動作性知能指数 PIQ 」を測定するものである。 また、グッドイナフ知能検査は、絵を描けるようになった3歳以上の児童であれば楽しみながら受けられるテストなので、検査者(児童臨床家)と幼児(子ども)とのラポール(相互的な信頼関係)構築にも役立てられる。 リラックスした心理状態で子どもに絵を描かせることで、目と手の感覚運動協応や空間認知能力のレベルを確認することができ、身体・衣服・装飾品の一般知識の絵画化を促すことが出来る。 幼児の基本的な知覚・認知・運動機能を確認しながら、運動機能障害の有無や知的障害・発達障害の可能性などを査定することが出来るので、グッドイナフ知能検査は、子どもの発達スクリーニング検査として有用性と簡便性に優れているといえる。 子どもの知能の発達水準をより的確に検査したい場合には、言語性知能 VIQ を測定できるウェクスラー式知能検査やビネー式知能検査とテスト・バッテリーを組むと良い。
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