回転率がモノをいう、大阪にある「ちょんの間」地帯も例外ではない。 不特定男性客との濃厚接触に加え「感染者が出た」といった根も葉もない噂も加わり、かいわいの人出は激減している。 現地を緊急取材した。 大阪市西成区の一角にある通称「飛田新地」は、大正時代に築かれた日本最大級の遊廓の面影を残す色街。 いわゆる「ちょんの間」は160軒ほどある。 新型コロナウイルスの流行で、G20とは違う意味での自粛ムードは今や世界規模だ。 飛田新地もご多分に漏れず。 プレールームに風呂やシャワーはないため、どの店も玄関や室内に除菌スプレーや消毒薬、除菌ジェルなどを完備し、客も女性も手にシュッとやってからコトを始める。 だが、10~20代の女性が多い通称「青春通り」の某店に在籍する美女は「『飛田からコロナが出た』という真っ赤なウソが、2月の半ばごろ流れた。 その影響なのか、2月は1年で一番ヒマだけど、3月に入ってからもっとヒマになってる」とボヤく。 とはいえそこは目抜き通りの店で働く美人嬢。 「それでもさすがに坊主(出勤した日に一人も客がつかないこと)って日はない」。 ただし「若い人が店の前を歩いていても、全然(店に)上がらなくなった。 収入は7割減ぐらい」というから深刻だ。 完全出来高払いの給与体系のため、これ以上事態が悪化した場合、一部の女性たちは商売替えも考えているという。 店の玄関で客を引く、いわゆる「やり手婆」もヒマそうだ。 ある店の年配女性は「いくら客が少なくても、ウチだけ割り引くことはできない」と嘆く。 15分1万1000円から始まる各店横並びのプレー料金も、この情勢では足かせになっているようだ。 常連客によれば「S級揃いの『青春通り』、30代までの女性が多い『メイン通り』といった人気ストリートは、お客さんがまずまず回ってる印象。 でも、飛田の外側で30代以上が多く、マニア向けの『妖怪通り』や『年金通り』、郊外にある松島新地なんかはかなり厳しい感じ」だという。 その西区にある「松島新地」は、住宅街に約100軒の店が軒を連ね、30分1万6000円と飛田より少し安い料金設定。 ただ、記者が訪ねた3月上旬は、週末なのにかいわいを歩く男性客もまばらだった。 プレー前は飛田と同様、感染対策として客は消毒、女性もシュッとやってサービス開始。 プレー後は使用済みティッシュをチャックのある袋に入れて捨てていた。 昨年12月から松島で働く女子大生は「私は小遣い稼ぎだから何とかやっていけるけど、この仕事で生活してる人は大変かも。 私は免疫が強い体質なので、コロナにもかからないって思い込んでる。 気合だけが頼り。 先輩(の女性)たちはプロだけに、コロナの蔓延でキスをやめたり、サービスを緩めたりする人は少ないみたい」と話す。 前出の常連客も同情しきりだ。 「こういう場所で働く子って常連客で食ってるんですが、みんな口々に『常連が来ない』と言ってました。 営業メールをLINEしても『ちょっと今は』って返されて店に来なくなったと…。 みんな割と気丈だけど『いちげんさんも少ないんでつらい』と言ってました。 こんな時期でも、店によってはレベルの高い子がわんさか出ているし、覚悟を決めれば、これほどオイシイ遊びはないと思うんだけど」 今が踏ん張り時と信じたいものだが…。
次の「今日も6時間待ったけど、お茶を引いていた。 メンタルに来る」 「生きるか死ぬか。 戦争みたい」 お茶を引くとは、仕事がゼロの事をいう。 風俗で働く女性たちが漏らす。 ソープランドで4年ほど働く女性のAさんは、指名が絶えず人気だった。 だが今「このままでは先が見えない」と取材に対して話す。 新型コロナウイルス感染拡大は、ソープランドにも影を落としている。 4月13日から非常自体宣言の延長が決まる5月6日まで、女性の店は完全に閉まり、日払いの収入は約半月の間はゼロに。 貯金を崩して生活している。 その後、営業時間を短縮して店舗は再開したが、収入は半分以下になった。 穴埋めをするため、仕事は6月末まで休みはない。 日に数時間の自由時間以外はソープ以外でも働いているという。 同業の女性たちも追いこまれているのではないかと話す。 ソープランドで働く女性同士は、実は繋がりは希薄で、孤独だという。 個室で対応するため物理的な接点がないことや、風俗業をしていることを周りに秘密にしている人もいるからだ。 それでも、ある女性がつてをたどってAさんに「50万円、なんとかならないか」と相談をしてきた。 追いこまれて命を断とうとした人もいると耳にした。 「新型コロナ後に、吉原で働く女性がビルから飛び降り、自殺をはかったみたいです。 命はあり未遂で終わったのでよかったけれど... 」と話す。 今までにない危機感を感じている。 「新規の客は女性達の間で奪い合いで、生きるか死ぬかの戦争みたいで残酷です」。 Aさんが働いていた店では、1日に2、3人の女性が採用面接に来ているが、おそらく客がいないので採用されても厳しい状況なのではないかと話していた。 別の風俗関係者によると、固定客もおらず、窮地に陥った女性たちが向かうのは、デリヘルや地方への出稼ぎだという。 店舗型のソープランドは休業要請に従って営業を自粛しているが、デリヘルは客のところに女性が訪問するため、実態がつかめず、営業が続いていると見られる。 デリヘルは、業者によっては危険性が高い場合もある。 店舗型では衛生面の管理やトラブルに対処するボーイなどが常駐するが、デリヘルは客の場所に赴くので、場合によってはレイプ、お金のトラブル、病気など危険が伴うこともあるという。 そもそも、ソープランドは、公衆浴場法により「個室付浴場」に分類される。 個室付きの浴場で、客と女性が自由恋愛をするという建前だ。 女性は、個人事業主のように、店側に雑費などとして一定の額を払い、売り上げを現金で受け取ることが多いという。 個人事業主に準ずるため、Aさんは給付金を受け取る対象になりうる。 国の給付金について、政府は、新型コロナウイルスにより収入が減少した企業や個人に対して支給される「持続化給付金」について、性風俗業界で個人事業主として働く人もを5月12日、明らかにしている。 だが、Aさんは国の給付金に申請しないだろうと語る。 「営業実態がつかめるような書類が残らない現金商売なので、前年の書類も手元になく、そう簡単に政府の給付金にも申し込めないし、申し込まないと思います」。 ある風俗関係者も「書類でのやり取りはないことが多く、確定申告をする文化ではない」と話す。 Aさんは「多くの人は給付金を申し込まないのではないかと思います。 銀行口座も持たず、現金で報酬をやりとりします。 それは、性風俗で働く履歴を残したくないという人が多いからだと思います」と話す。 国の支援金を受け取る制度はあっても、申請できない根深い問題背景がある。 こう指摘するのは セックスワーカー当事者と支援者による任意団体SWASHだ。 SWASHによると、大半のセックスワーカーは、そもそも申請しづらい現状があるのは、風俗で働いている事を疑われると差別されるため、公の支援に頼ることを恐れるからではないかという。 一方、支援金を申請し、早速、手元に給付金が届いたと報告する風俗で働く人々もいる。 大阪市西区の松島新地で働くBさんは、営業が再開しても新型コロナの感染が怖く仕事場に行けていない。 1月に約40万円あった収入が4月は約6万円、5月はゼロに。 確定申告をしていたため給付金を申請し手にしたという。 「家族にバレたくないので多くの人は確定申告もできないし、ママからも『給付金など国や行政に関わることは何もしないで』と言われる。 国に書類を提出すると芋づる式にどこで働いているかわかり、さらに、お店が納税していない場合は指摘されてしまうからです。 私は交通事故などに遭い労務ができなくなった場合などに備えられるし全体を考えメリットがあると考え確定申告をしていたのですぐに給付金を申請できました」と語る。 SWASHによると、これまで確定申告など税処理をしていなかったとしても、昨年の確定申告をした上で、収入を証明する自分の帳簿や、店に支払い証明を作成してもらうなどの方法で収入が減ったことを証明できる方法があるという。 ただ、確定申告をし忘れた場合、無申告加算税などが課される場合があるので、きちんと税の取り扱いをするようにして欲しいとしている。 専門家によると、風俗業で働いている人で店と雇用契約がない場合は、確定申告が必要だ。 SWASH代表の要友紀子さんは、忘れてはならない視点として「公的支援を受けるのに、『覚悟』が必要な人が多いのが現状だ」と話す。 それは性風俗に対する社会の意識にあるという。 「書類や問い合わせの過程で仕事を特定されないかと不安に思う人が大半です。 公の支援にたどり着けない社会的環境があるのです」。 現状では、風俗は社会的に排除されていると指摘する。 3月、セックスワーカーが小学校の一斉休校の影響で休職した保護者への支援制度から一時除外されていたこともあった。 前述のAさんは「社会的に性風俗という産業はグレーに扱われてきました。 だからこそ、給付金ももらえない社会的構造になっている。 胸を張って税金を納めたくてもそうできない」とも語る。 「100万円の給付金を受け取ることで、(会社の払う税がどうなっているのかわからないが)お店に迷惑がかかったとしたらいけないので」。 「私たちは身を張って、感染リスクもあるのに一生懸命働いています。 消毒薬をおき、徹底的に手を洗い、換気扇も回し最大限の努力をしています。 ですが、客は激減し、厳しい状態にある」と訴える。 女性だけではない。 ボーイなどをしていた男性も職を追われている。 ソープランドの店舗自体も閉じているからだ。 過去に吉原で店を経営し、新型コロナの影響であるソープランドのボーイだったが失職した男性によると、業界内に回っている話として、吉原にある140数店舗のうち50店舗近くが売りに出ているようだという。 持続化給付金はソープランドやストリップ劇場、出会い系喫茶などの性風俗業を営む事業者については支給対象外だ。 男性は自力で別の職を探しだし、公的支援に頼ることはなさそうだと話していた。 社会は風俗を差別しないというメッセージを出して、支援にたどり着けるような環境づくりができれば」と話している。 ハフポスト日本版・井上未雪.
次の事実、やがて濃厚接触者の追跡がおこなわれると、キャバクラの客だったと思われる男性数人の罹患が判明。 この1人である男性会社員については、妻と小学生の息子にもウイルスの陽性反応が出ている。 いずれも症状が出ていないか、 出たとしても容態は安定しているようだ。 過度に恐れる必要はない。 だが、私はつい小市民的な考え方をしてしまう。 今後のサラリーマン人生は大丈 夫なのか。 com また、男性会社員がどのくらいの「濃厚接触」をキャバクラ嬢とおこなって感染したかが、保健所や病院から妻や勤務先に伝えられるのかも気になる。 普通に取引先に付き合って1セットを飲んでいただけでも、奥さんが嫉妬深い性格であれば夫婦関係に一波乱が起きるだろう。 いわんや、お気に入りのキャスト目当てに通い詰めてドンペリを3本開けていたり、アフターでもっといろんな濃厚接触をおこなっていたりすれば、家庭内での修羅場の発生は不可避である。 「性産業の顧客リストを追跡している」 もっとも、キャバクラはまだマシかもしれない。 大人の世界にはもっと過激な夜の施設が数多く存在しているからだ。 かつて1983年、宮内庁の東宮侍従長(男性65歳)が勤務時間中に新宿の個室付き特殊浴場に遊びに行って心臓麻痺で死亡した事件のように、マヌケな不祥事は末代まで語り継がれてしまう危険性がある。
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