エクセルの自動計算・手動計算の違いって?それぞれのメリット・デメリット まずは、自動計算と手動計算の違いを押さえておきましょう。 自動計算とは? エクセルを立ち上げて、セルに数式を入れると自動的に集計結果が出てきますよね。 これが自動計算です。 たとえば、SUM関数を使いセルに入っている値の合計を算出したとしましょう。 ここでSUM関数の指定範囲内の値が変わったとき、その値を考慮して算出された合計値が表示されるのが自動計算です。 初期設定では自動計算が適用されています。 自動計算のメリットは、 値を変更した時に計算結果も自動で変わるので、 計算し直す必要がないこと。 一方デメリットは、 データ量が多いデータを扱う時に、計算に時間がかかってしまうおそれがあることです。 手動計算とは? 範囲指定したセルの値が変更されても自動的に再計算されないのが手動計算です。 値を変更したときに計算結果が自動で変わらないため、再度計算を行う手間が増えるのがデメリットといえるでしょう。 ただし手動計算のメリットは、計算したいタイミングを自分で選べること。 このため、データ量が多く再計算に時間がかかるときには手動計算を用いることが多いです。 また、修正前と修正後の結果を比較する際に、好みのタイミングで再計算したい場合にも使えます。 手動計算の場合、「F9」キーもしくは「数式」タブの「再計算実行」から再計算ができるようになっています。 自動計算されない!設定の確認・変更方法 「あれ、値を変更したはずなのに、計算結果が変わらない…」という時、考えられる可能性がいくつかあります。 1つずつ確認していきましょう。 1.計算方法が「手動」に切り替わっている 手動計算に切り替わっている可能性があります。 下記を参考に設定を確認してみましょう。 【設定の確認・変更方法】• [数式]タブの[計算方法の設定]をクリックします。 「手動」にチェックが付いている場合、手動計算になっていますので、「自動」にチェックをし直します。 なお、自動から手動に切り替える場合も同じ手順で設定を変更することができます。 2.数式や関数が間違っている 数式や関数が間違っていれば、自動で再計算されたときにエラーが出ることがあります。 入力した数式や関数で正しい範囲を指定できているか、など確認してみましょう。 3.計算の対象範囲がずれている これは数式を複製するときによく起こる問題です。 コピー&貼り付けやオートフィルで複製すると最初に入力したセル番号から自動的にずれてしまいます。 単純に列・行の合計値を算出する場合は、自動的にセル番号がずれていく方が便利です。 しかし、数式に特定のセル番地を固定して引用しなければならないときには「絶対参照」にしなければ正しい結果が出ません。 やり方は、固定したいセル番地に「$」マークを付けるだけです。 「F4」キーを押すことでも入力できます。 この絶対参照にしておくと、セル番地が固定され、コピーをしたとしてもセル番地がずれることなく次のセルに反映されます。 計算の対象範囲のズレで自動計算ができない場合には絶対参照を使用してみてください。 4.複数のファイルを開いている エクセルでは一度手動に設定して保存したファイルを開いたままで、既にデータが入力されているシートを開くと計算方法が手動に変わってしまいます。 そんな時は、1と同様に[ファイル]タブから「オプション」を開き「数式」グループをクリックしましょう。 計算方法の設定のブックの計算で「自動」を選択することで自動計算に戻すことができます。 自動計算の応用的な使い方 ここでは自動計算の応用的な使い方を紹介します。 まずはデータテーブルでの利用についてです。 データテーブルとは、数式にさまざまな値を代入し、それに応じた計算結果をセルにまとめたものを指します。 大量のデータを入力しているテーブルで自動計算に設定していると再計算に多くの時間を要することがあります。 そのときには「データテーブル以外自動」という機能を使用します。 設定方法は[数式]タブの「計算方法の設定」から「データテーブル以外自動」をクリックすれば完了です。 データテーブル以外の部分は自動的に計算されますが、データテーブル内では数値を変えたとしても再計算されません。 再計算したい場合には「再計算実行」ボタンをクリックするか「F9」キーで実行できます。 また自動計算はさまざまな関数で便利に機能します。 たとえば、毎年変更される年齢や勤続年数を計算する際に使用する「DATEDIF」関数です。 この式の「期間の終了日」は入力したときの当日の日付などが考えられるので、その都度日付を入力し直せば自動的に計算された数値が表示されます。 勤務表を例に見ていきましょう。 単位の部分には「年」を表す「Y」を入力しています。 勤務時間を算出する「TIME」関数でも自動計算の利用が便利です。 開始時間や終了時間が変更になった場合には、そのまま変更すれば自動的に実質勤務時間も自動計算されます。 そして最後に手数料です。 これは「給与が10,000円以上ならば手数料が100円」ということを表しており、IF関数を用いて導き出しています。 勤務時間によって給与も変更されるので、この一連の計算を自動に設定しておくと、より効率的に計算が可能です。 自動計算も手動計算もそれぞれメリットとデメリットがあり、正しく使い分けることでより効率的にエクセル作業が行なえます。 両者の得意な領域を活かして集計作業を簡便化してみてください。 監修者プロフィール たくさがわつねあき(著者・インストラクター) パソコン教室を運営する傍ら、初心者への直接の指導経験を元に執筆活動を行う。 2008年「これからはじめるパソコン超入門の本」で著書デビュー。 代表作に「これからはじめるエクセル超入門の本」の他、「たくさがわ先生が教える」シリーズ(技術評論社)、「大きな字だからスグ分かる」シリーズ(マイナビ)がある。 内容はiPad、Excel、ショートカット、困ったを解決、デジカメ、安全対策など多岐にわたる。 いずれもメディアで紹介され、好調に売上を伸ばしている。 寄稿に、「孫育てのツボ — デジタル機器を使う」(毎日新聞)、「どうしてる?パスワード&暗証番号」(女性セブン)などもある。
次の目次(リンク)• エクセルの数式で、なぜ計算されないのか 表示形式が文字列になってしまっている なぜかSUM関数などで正確に計算されない。 そんな時は表示形式を確認してみてください。 見た目は数値なのに表示形式が文字列ということがあります。 計算されるようにするには、文字列から標準や数値などに変更する必要がありますが、それだけでは正しく計算されません。 計算されるよう、表示形式を変更する まずは、数値などであるべき範囲を選択し、表示形式を変更します。 数値や通貨、標準など、データとして適切なものを選択します。 今回は標準に変更です。 表示形式は変更できました。 でもそれだけでは足りません。 値を入れなおす必要があるので、いったんコピーします。 貼り付けのオプションで、値を選択します。 値として貼り付けなおしました。 貼り付けた瞬間、下図のようなエラー扱いの表示が出ます。 数値が文字列として入っているので、「数値に変換する」を選択します。 無事計算されました。
次のこのコーナーでは、エクセルのいまさら聞けない基本的な機能や、達人が使っている超速ワザなど、オフィスワークに役立つ情報を紹介します。 関数を使った難しい計算をするイメージのあるエクセルですが、実は電卓でやるような計算もエクセルを使えば早いし便利だということをご存知ですか? 今回はエクセルでできる計算の基礎テクニックをまとめて紹介します。 計算時短テク1. 平均や合計はステータスバーで確認できる 表内の数値から合計や平均を確認するとき、通常は関数を使いますよね。 関数は簡単に計算できて便利ですが、セルに入力するのがやや手間です。 参考にちょっと結果を確認する、といった場合であれば、わざわざ数式を入力する必要がないということをご存知でしょうか? 平均、データの個数、合計は、計算したい範囲をドラッグで選択するだけで自動的にステータスバーに表示されます。 今回は例として、「最大値」も表示するように設定します。 サクッと計算結果だけを知りたい場合には、ステータスバーは実に便利です。 簡易計算に活用してみましょう。 計算時短テク2. 電卓のように四則演算をする エクセルでは、足し算や掛け算などの四則演算も簡単に行うことができます。 電卓やスマホアプリでもできますが、エクセル画面を開いて作業をしているのなら、わざわざほかの画面を開く必要はありません。 さらに、エクセルで計算する場合、計算に使用する数値を計算途中や計算後も画面で確認できるので、入力ミスを避けることができるというメリットもあります。 そのほか使用頻度が高いものには、「^」(べき乗)があります。 まずは、先頭に「=」を入れてから数値と算術演算子を入力します。 途中式を確認することもできます。 計算時短テク3. 数式を作るときは「セル参照」を使う 数式を作る場合、「セル参照」を使っていますか。 セル参照とは、数式などで数値を打ち込んで計算するのではなく、数値が入力されたセルを指定する方法のこと。 セル参照が特に重宝されるのは、同じような数式を続けて使用するときです。 数式をひとつ作れば、ドラッグしてコピーするだけで参照先を変更した同じような数式を入力でき、入力作業を大幅にスピードアップできます。 数式の中でセル参照を使うには、入力中にセルをクリックして指定します。 「A1」といったセルアドレスを直接入力することも可能です。 では、単価と数量が入力された表を例に、実際にセル参照を利用して計算してみましょう。 この方式を「相対参照」と呼びます。 では実際の例をみていきましょう。 先ほど「小物入れ」の合計を出した数式を利用して「財布」と「バッグ」を計算してみます。 ここでは、消費税率を固定して計算する例をみていきましょう。 絶対参照をするには、列番号と行番号の前に「$」(ドルマーク)を付けます。 Enterキーを押すと、数式が入力されます 数式をコピーします。 ここでは、セルC2には「消費税」と文字が入力されているためエラーが表示されてしまいます。 ぜひお試しください。
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