発達性協調運動障害の可能性 筋肉や神経、視覚・聴覚などに異常がないにもかかわらず、「ボールを蹴る」「字を書く」などの協調運動に困難を呈する障害。 発達障害の類型の一つとされる。 この障害を持つ人は、例えば「這 は う」「歩く」といった乳幼児期の運動面の発達においてすでに、標準の月齢より遅れが見られる。 学齢期には、いわゆる「不器用な子」「運動が苦手な子」として見られ、学業成績に影響を及ぼしやすい。 また、同世代の子どもとの遊びについていけないといった社会的な困難も生じやすい。 症状の程度によっては生活技能訓練を行い、社会生活への適応を促すこともある。 障害が表れる運動のタイプは、走ったり跳んだりといった全身運動 粗大運動 、はさみを使ったりボタンを留めたりといった手先の運動 微細運動 、スキップをしたり縄跳びをしたり楽器を演奏するなどの組み合わせ運動 構成行為 に分類されている。 原因はまだ不明だが、運動中の脳神経の働きを観察し、特定の部位に異常を認めたとする研究結果も発表されている。 また、成長につれて不器用さが目立たなくなっていくケースが多い。 1つ1つの運動を関連づけたり、統合することが困難である障害ですが「不器用な子ども」と言われてしまって、終わる場合も少なくありません。 私たちが難なく行っているボール投げでも、協調運動に入るのですね。 発達性協調運動障害というのは、 日常生活において 協調運動が、 子ども本人の年齢や、 知能に対して、 年齢よりも下であったり困難であったりする障害のことです。 これは子供の特性によって出てくる傾向が違うようです。 息子の場合であれば下のようなことが気になっていました。 筆圧が適度じゃない• 字のバランスがとれない• 線が上手く引けない• 縄跳びが苦手• ボールが適度な力で投げれない• 字を書くときにマス目に入れられない• 靴ひもを結べない• 鉛筆をうまく握れない• スキップが出来ない• ボールが上手く投げられない なんでか分からんけど上手く出来ひんから嫌い また、この発達性協調運動障害は2つに分類されます。 発達性協調運動障害の分類 粗大運動 胴体や手足の大きな筋肉を使って、姿勢を保ったり、平衡やバランス、移動するときの運動のことを言います。 走ったり、歩く、泳ぐ、自転車にのるなどが代表的な事です。 微細運動 腕と手先を使った 運動のことをいいます。 ぶらさがったり、転がしたり、打ったり、運んだり、受け止めたり、回す、投げるなどのことが代表的なことです。 発達性協調運動障害とは、これらの発達のバランスが悪く、歩きにくかったり、よく躓いてこけてしまったり、走る時にも足がうまく動かなかったり、鉄棒でぶら下がったり、身体を持ち上げたりすることが苦手になってきます。 就学したら授業があり、出来る出来ないが顕著に表れてきます。 子どもの自信がそがれたり、 出来ないことに点数をつけられたり、 自己肯定感が失われやすいです。 どれも出来ひんくて丸もらえへん リハビリとして、 作業療法や理学療法を行っていく 病院も多いです。 医療機関や• 保険センター• 子育て支援センター• 児童相談所• 発達障害支援センター などに相談されてみてもいいかもしれません。 ADHDや学習障害と併発する事が多い? ADHDの子どもでいうと 4割~5割の子どもが、 発達性協調運動障害を、 併発しているとの統計があるようです。 不器用さは 発達障害の子どもの特徴として、 よく言われるところではありますが、それだけではなく 発達性協調運動障害というのも、 あるということです。 多動型のADHDの子なのに、なぜ運動が苦手なのか。 字が汚い、字が苦手というのも、練習の問題だとか急いで書くからだと評価されがちです。 しかし、 そうではない場合もあるということを、 もっと認知してほしいと思います。 スポンサーリンク 家庭で出来る訓練 これは無理にするわけではなく、 遊びながら楽しみながら行っていってくださいね。 子どもも、楽しくないとやりたがらないですし「訓練!」となってしまうと、やる気もなくなってしまいます。 このようなことをしていましたが、本当はもっとたくさんあります。 息子に合うものを選んで遊びの中でやっていました。 子どもが興味があって、楽しんでいけるようなことを訓練ととらえずに、遊びの中で覚えて行ってくれたらいいなーぐらいで考えた方が、親としてもいいと思います。
次の三次元空間における物体の位置・形状・大きさ・位置関係などを認識する能力。 主にどの感覚系によって知覚されているかにより、視空間・聴空間・触空間などが区別される。 パラリンピックの競技になっている「ゴールボール」は、聴空間認知を利用したものです。 視力の程度に関わらずアイシェードで視覚を使えない状態にし、鈴の入ったボールを転がし点を奪い合います。 箱の中に手を入れて、箱の中身を当てるゲームは、触空間認知を利用したものです。 上記のゲームのように、視覚を制限されると聴覚や触覚など他の感覚を利用して空間を捉えることがありますが、私たちは通常、主に視覚で空間を認知しています。 そのため、ここでは空間認知の中でも「視空間認知」に焦点を当ててお話していきます。 入力(視力・眼球運動など)• 情報処理(視空間認知)• ものを見る時、上記のような3つのステップを踏みますが、各々は関連し合っており、 どれか1つでも問題があると生活に支障が出ることがあります。 視空間認知のはたらきと発達障害の関係 視空間認知の4つのはたらき 視空間認知を更に詳しく見てみると、以下のように4つに分類されます。 見たい対象を他の背景と区別する 視覚から得られるたくさんの情報から、 その時に必要な情報を選び取り、見たい対象と背景を区別する機能です。 キャッチボールでは、ボールを集中して見ており、遠くに見える山や通行人は視界に入っていてもあまり気になりません。 この機能に問題があると、ボールに集中できず気が散ってしまうことがあります。 形や色を見分ける 視覚から得られた情報から、形や色を認識する機能です。 たくさんのボールの中から赤い物だけを選ぶ、同じ形の積み木を並べる課題などに役立っています。 この機能に問題があると、形や色が見分けられず、塗り絵や積み木、図形の問題などに支障が出ることがあります。 色や形が不揃いでも「同じもの」と認識する 色や形が多少違っていても、同じものだと認識する機能です。 形が崩れていても、書体が違っても、同じ文字だと認識できるのはこの機能のはたらきです。 絵で見た「りんご」と、店で売っている「りんご」が同じものだと認識する時にも役立っています。 この機能に問題があると、お手本の文字と少し形が違うだけで「同じ文字」だと認識できなかったり、帽子をかぶったりマスクをするだけで「同じ人」だと認識できないことがあります。 位置関係を把握する 視覚で得た情報から、 ものを立体的に把握し、空間の中での位置関係や向きを認識する機能です。 テニスではボールとの距離感を把握したり、ラケットの面をボールに合わせて調整する時などに役立ちます。 この機能に問題があると、図や絵から立体的なイメージができなかったり、物を取る時も距離感が分からず掴み損ねることがあります。 発達障害との関係 視空間認知と関係がある発達障害の困りごと 医療機関等でおこなう検査 視覚情報処理能力(視覚認知能力)を確認する検査には、以下のようなものがあります。 お子さんの成長によって検査を複数組み合わせて施行することもあります。 視覚-運動統合発達検査(VMI-6th) 見本を見ながら(入力)、模写する(目と身体の協調性)ことで、 目と手の協調性を測る検査です。 視知覚スキル検査 視覚情報をどのように認識しているか把握する検査です。 いくつか種類がありますが、お子さんの発達に応じた検査を選んで用います。 例えば、識別(色や形のマッチング)、空間関係(位置関係、傾斜の角度の把握)、閉合(一部を見て全体をイメージする)などがあります。 グッドイナフ人物画検査(DAM) 被験者が書いた人物画を用いて、人の顔や身体をどのように把握しているか発達を見る検査です。 検査できる機関 視覚発達支援センターやトレーニングセンターで受けることができます。 医療機関において臨床心理士や作業療法士などによって、場合によってはメガネ屋でも受けることができるようです。 しかし、これらの専門機関が近くに無かったり、民間の病院などは検査できるスタッフや検査用具が整っていない場合もあるかもしれません。 その際は発達支援センターや通っているデイサービスなど、身近な発達障害に関わる機関に相談してみましょう。 対処法 空間認知能力は、発達とともに身についていくものです。 実際にものを見て、触わったり、動かしたりして、見たものと自分の身体の関係を経験していきます。 定型発達の子どもはこれらの経験により自然にできることが増えていきますが、発達障害では発達に凸凹があったり、同じ遊びや独特の遊び方をするため、これらの経験が不足することが考えられます。 空間認知を鍛える遊び 本人の好む遊びや感覚刺激を用いながら、遊びの中で様々な経験を増やしていきましょう。 空間認知を鍛える遊びとして、以下のようなものがあります。 折り紙:平面の紙を折ることで、立体物を作る• 鬼ごっこ・かくれんぼ:隙間に隠れるなど、身体と空間の関係を把握する• 積み木:物の形状を把握すると共に、身体との協調性を経験する• 迷路などのゲーム、図形など用いるテレビゲーム• 模倣するダンス、球技などのスポーツ 様々な遊びが考えられますが、遊びや生活の中で「この積み木、ここに入るかな? 」「この果物を切ったらどんな形になる? 」など 声掛けすることで、お子さんが空間を意識して予想・検証するように配慮しましょう。 見る力を高める訓練 ビジョントレーニング 前述した「見る力」の3つのステップを高めるための訓練です。 視空間認知の障害に限らず、スポーツ選手などにも取り入れられています。 プロのスポーツ選手では視覚訓練士が実施することもあるようですが、最近ではセルフトレーニングできる本や動画もあるようです。 「入力」の訓練では、眼球運動トレーニングなどを実施します。 「視空間認知」の訓練では、積み木や絵の模倣などを実施します。 「目と身体の協調性」の訓練では、矢印の通りに身体を動かすなど、目と体を連動させた練習を行います。 「書く」練習を支援する工夫 視空間認知の問題は、学習障害の特性の1つである「書く」ことが苦手な要因にもなります。 文字のバランスが悪かったり、字を書くマスの空間を把握しにくい場合は、カラーマスノートを試してはいかがでしょうか。 カラーマスノート 文字のバランスが悪い人や、視空間認知が弱い人のために作られたノートです。 4つのマスに色がついているため、文字を書き始める場所、ペンを動かす方向などを把握する手掛かりになります。 こちらの動画では、「真ん中からピンク、緑にちょん」など声掛けをすることで、お子さんの書字練習における空間認知を支援しています。
次の発達性協調運動障害のT君 小学2年生のT君は、発達性協調運動障害以外には、発達に関して何の問題もないというケースです。 母親が最初に違和感を持ったのは1歳の時でした。 玄関のたった一段の段差を降りるのに、一度座ってお尻を床についてから降りるのを見て、「ふつうの子とちょっと違うな」と感じていたそうです。 その後も階段は苦手で、必ず手すりにつかまって、おそるおそる降りていました。 エスカレーターを乗り降りする際には、タイミングをはかりかねて大騒ぎ。 「他人から見たら何気ない行為であっても、うちの子どもは真剣そのもの。 すごい努力をしているのです。 」(T君の母親) 4歳のとき、ラジオ体操の様子を見ていたら、とても真似できないほどに手足の動きがばらばらで、受診を決意したと言います。 しかし、数年前までは、発達の専門医であっても「発達性協調運動障害(DCD)」という診断名を知らない先生がほとんどでした。 最初の病院では小児科から小児整形に回され、「別に問題ないです。 お母さんの心配しすぎじゃないですか?」と言われてしまったそうです。 初めて受診することを決意してから、すでに1年半の月日が経っていました。 「幼児期からの療育が重要ですから、この長い空白の時間については、いまでも本当に悔しく思っています。 」(T君の母親) 作業療法では、手先の細かい作業をしたり、ボール遊びをしたり、トランポリンで跳ねたり、鉄棒の逆上がりにも挑戦しています。 小児科医の中井昭夫さん(現:武庫川女子大学 教育研究所・教授) 小児科医の中井昭夫さんによると、日本の小児科医の間で発達性協調運動障害の認知が本当に高まるようになったのは、2013年の第110回日本小児精神神経学会のメインテーマを「子どもの不器用さとその心理的影響~発達性協調運動障害を中心に~」にしたことがきっかけだったと言います。 T君のように発達性協調運動障害以外の症状がないケースでは、受診から療育までつながることは少ないそうです。 子どもが不器用、運動音痴という理由だけで医療機関を受診する保護者は、ほとんどいないからです。 不器用さや運動ができないことを大人は軽く見がちですが、本人にとっては大変なプレッシャーになります。 運動の優劣や不器用さはいわゆる教科と違って、子どもが見ても明らかです。 体育で悪い見本として他の子どもの前にさらされ、自尊心を深く傷つけられる子どももいます。 T君の母親が病院に連れてきたのは、自分の子どもには、そのような二次的なコンプレックスをはねのけてほしかったからです。 病院を受診したのは、落ち着きがないなど注意欠如・多動性障害の症状のためでした。 「教室では走り回って、そのうち出ていってしまう。 先生の言うことなど、まったく聞いていません。 字を書くのは苦手ですし、枠内をきれいに色付けする塗り絵のようなものも嫌いです。 M君が「ドミノ倒しを一緒にやろう」と小児科医の中井さんを誘う 授業にも集中できるようになり、成績も見違えるようによくなりました。 教科の勉強だけではなく、図工の時間に描く絵も変わりました。 それまでは、人間の肩からすぐに手が出ている変な絵を描いていましたが、きちんと腕が伸びた人間を描けるようになりました。 M君に好きな教科を聞くと、「理科、図工、体育」という答えが返ってきました。 「体を動かすのは好き?」と聞くと、「好き!」という返事。 ひとつひとつ教えられなくても何となく自然にできるようになっていく定型発達の子どもとは違っていますが、やったことは、徐々に、確実に上達していきます。 ある日、何かが劇的に上手になることだってあります。 きちんとした評価に基づき、その子に合わせた療育や支援の方法を見つけ、一緒に取り組んであげることが大切です」と中井さんは語ります。 発達性協調運動障害のための療育とは 学校の体育の授業と医療機関での療育とは、何が違うのでしょうか。 作業療法士の若林秀昭さんに聞いてみました。 「学校の体育は集団でやるものですから、個人をサポートするのはどうしても難しい。 できない子どもがいても、練習の質を変えるのではなく、量を増やすことで、乗り越えさせようとしがちです。 でも、それでは発達に課題のある子どもの能力は向上していきません。 私たちは、できない行為をできるだけ緻密に分析して、何ができて、何ができないかを明らかにしながら、練習のメニューを段階づけて考えていきます」(若林さん) 作業療法士の若林秀昭さん 「子ども自身がやりたいこと、やれるようになりたいことを最も重視します。 また、療育施設の特殊な器具を使わないとできないメニューではなく、家庭や学校など日々の生活の中で可能なメニューも提示します。 自尊感情を損なって、やる気をなくす、それで苦手なことから遠ざかり、さらに不得手になる。 」(若林さん) 療育は、子どもたちにできないことを強いる場ではなく、スモールステップを踏んで、できることで終わり、達成感を味わって帰ってもらう場。 若林さんは「気持ちの上で、運動の得意な子どもに負けてほしくないと思っています」と、子どもたちにエールを送ります。 情報は2015年9月時点のものです。 あわせて読みたい.
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