春まだ遠い季節。 大陸公路の中心地、エクバターナは雪こそ降らないものの、乾燥した寒風が吹きすさぶ時期に入った。 新年を迎えようかという、この時期に国王アルスラーンは床についていた。 毎年、この季節になると一過性に流行する、熱と咳を主症状とする、流行り病である。 要は風邪。 国王が病床に臥せったと知れ渡ると騒ぎになるからと、このことは、ごく一部の近臣にのみ知らされた。 表面上は、年始を前に休暇ということになっている。 [newpage] アルスラーンはカーテンが引かれ、昼間というのに薄暗くした自室で、ふと目を覚ました。 朝からうとうとと、寝たり起きたりしている。 たくさん寝て、もう眠れないだろうと思っても、横になっていると眠気が襲ってくるのだ。 昨日の昼間までは、変わりなかった。 あまり食欲がないのを感じたが、そういうこともあるかと、果物だけ口にして、新年の行事の一環として予定されている神事について、ファランギースを交えて相談をしていた。 神事の準備や手順の打合せが終わり、さて戻ろうかという頃、ファランギースはアルスラーンが寒そうに二の腕をさするのに気がついた。 よくよく見ると、普段よりも顔色は血の気が引いており、指先は白っぽい。 「陛下?お寒いのですか?」 ファランギースが問うと、アルスラーンは首を傾げた。 「そうなのかな。 今日は寒い日だから、皆そうではないのか?」 どうも自分の体調が悪いことに気がついていない様子に、ファランギースは早々に休んでもらうが得策と判断した。 「エラム、陛下はお体が優れぬ。 はよう自室にお戻りいただくがよかろう」 アルスラーンの背後にいたエラムに告げる。 いや、大丈夫だ、というアルスラーンに近づき、そっと白い手をアルスラーンの額に置いた。 「アルスラーン陛下、失礼つかまつります。 …やはり、少し熱もでてきております。 寒いのであれば、まだこれから熱も上がりましょう。 今日はどうぞお休みください。 」 アルスラーンに向けられる眼差しは、優しく、慈愛に満ちている。 「…うん。 ありがとう、ファランギース。 そなたの言うとおりにしよう。 」 ファランギースの手にアルスラーンは驚いた様子だったが、すぐに気持ち良さそうに目を閉じ、素直に頷いたのだった。 [newpage] 「陛下、体調が優れないなら、そう言っていただけたら、今日はゆっくり過ごしていただきましたのに。 」 エラムが責めるように言うが、自分自身を一番責めているのが分かる。 「エラム、そう心配ないよ。 私もファランギースに言われるまで、気がつかなかったんだから。 そなたのせいじゃないよ」 くすくす笑うアルスラーンは機嫌が良さそうだ。 ファランギースやエラムが心配してくれるのが、申し訳ないような、だが、くすぐったい。 自室に戻り、ゆったりとした服に着替えを済ましたアルスラーンは、エラムに追いたてられるように寝台に入った。 実は、だんだん寒気は強まり、倦怠感が押し寄せてきていたが、それは見せないようにしていた。 ベッドに入り、エラムにも下がってよいことを伝えると、眉を潜めて、何かあればお呼びください、と告げて下がった。 [newpage] 寒気はおさまったが、今度は身体が熱い。 口が乾く。 エラムを呼ぼうかと思ったが、声を出すのも億劫で、アルスラーンは重たい身体で寝返りをうった。 外はすっかり日が落ち、室内にはいつの間にか灯りが灯されていた。 ぼんやりと見ていたアルスラーンは、遠慮がちな声とドアの開く音を聞いた。 副宰相兼宮廷画家ナルサスがエラムに伴われて入ってきた。 「ナルサス…」 呼び掛ける声は思ったより掠れて、起き上がろうとするのを、優しい眼差しと手の動きでとどめられる。 「アルスラーン陛下、どうぞ楽になさってください。 お休みのところ申し訳ありません。 」 「いや、私のほうこそすまない。 」 ナルサスは困ったように微笑む。 「陛下はいつも仕事をしすぎていますから、少しぐらいお休みください。 疲れていらっゃるんでしょう。 」 そう言ってアルスラーンが休む寝台の側に寄る。 医学の心得もあるナルサスは、アルスラーンの脈を取り、首筋からそっと触診していく。 冷たく感じるナルサスの手が気持ちよくて、アルスラーンは目を細めた。 さらに症状を聞き取り、ナルサスは一つ頷いた。 心配そうに見守るエラムを振り返り、いくつか指示する。 「エラム、後で薬を調合して届けるから、陛下に差し上げてくれ。 あとは、部屋を暖かくして、飲みやすいものを寝台の近くに準備しておくんだな。 」 「陛下、仕事は私と宰相殿とで片付けますゆえ、しばらくお休みください。 なに、問題ありません。 」 軽く請け負うナルサスにアルスラーンは熱で潤んだ目を向けて頷く。 ナルサスはアルスラーンの近くに寄り、掛布から出ていた左手を持ち上げ、その甲に軽く唇を落とした。 「陛下が早くお元気になられるよう、祈っております。 お休みなさいませ」 突然のナルサスの行為にアルスラーンは目をひらいたが、何も言わず、赤い顔をして頷き、目を閉じた。 [newpage] ナルサスが届けた薬を飲み、アルスラーンは一刻ほど眠っていた。 ふと、目を覚ますと時間は深夜になるころと思われた。 寝台から見える窓越しに、ほぼ満月に近い月が高く上っている。 喉の渇きを強く覚えて、アルスラーンは身体を起こした。 傍らに置かれた水差しはエラムの配慮だろう。 しんと静まりかえった部屋で、アルスラーンは不意に心細さを感じた。 「誰か、いるか?」 ドアの外に掠れた声で呼び掛けると、キィと遠慮がちにドアが開き、ジャスワントが顔を除かせた。 「陛下、どうなさいました?どこか苦しいのですか。 あぁ、どうしましょう。 エラム殿をお呼びしましょうか。 それとも医師を」 アルスラーンの不安げな様子にジャスワントがわたわたとする。 それを見ていると、アルスラーンの心に暖かいものが灯った。 「いや、今は大丈夫。 ジャスワントも寒くないか?」 一転して柔らかく微笑むアルスラーンに見とれながら、ジャスワントはぶんぶんと首を振る。 「いえ、私はなんともありません。 外に比べて王宮内は暖かいですから。 」 「そうか。 …ジャスワント、何か言いたいことがあるのか?」 言おうか言わまいか、躊躇う様子に気がついたアルスラーンが問うと、 「はい。 実は陛下が臥せっていることを知った皆様が、来られては陛下の様子を聞いて帰られています。 」 きょとんとアルスラーンは首を傾げた。 「皆?」 「はい。 」 ダリューン、アルフリード、ギーヴ、ファランギース、クバート、キシュワード。 指折り数えてジャスワントは名前をあげる。 「どうしたのかな。 何か急用だったら起こしてくれて構わないのだけど。 」 「はぁ。 皆様、お見舞いとおっしゃって。 陛下がお休みなら、起こすことはないから、と。 」 アルスラーンはばちりとまばたいたあと、くすぐったいように笑った。 「お見舞いか。 」 王太子として王宮にいたころ、こんな風に風邪を引くことがあった。 その時は、アンドラゴラス前王もタハミーネ前王妃も、アルスラーンの様子を見に来ることはなかった。 侍女たちは世話をしてくれるが、大半の時間は一人で寝ていた。 乳母たちと生活していた時は、夜もずっとそばに居てくれたのに…、と思い出して、泣いてしまった。 だが、今の自分には血縁に繋がるものはいないが、自分を心配し、慕ってくれる人がいる。 その事実にアルスラーンの胸は暖まった。 ジャスワントに、がきたら、自分が寝ていても構わないから通すように頼み、アルスラーンはまた寝台に潜り込んだ。 [newpage] 夢を見ていた それが夢だと分かった。 アルスラーンは一人、自分の身体よりも大きな王座に座っている。 周囲は真っ暗で、しんと静まり返っている。 誰か、と大きな声で呼んでみても返事はない。 探しに行こうと立ち上がったところで、アルスラーンは足元に何かあるのに気がついた。 血臭がたちのぼり、足元にぬるりとした感触。 無数の死体が足元に転がっている。 よく見ると、今まで座っていた王座は、死体が重なりあった上に置かれている。 ひゅっ、と息を飲んで後退りしたアルスラーンの目に、見覚えのある顔がうつる。 「ダリューン!ナルサス!エラム!」 「あぁ、ファランギース、ギーヴ、アルフリード、ジャスワント…みんな…」 大切な臣下、仲間たちが折り重なるように倒れている。 「ああっ、いやだ!みんな…!」 アルスラーンは自分の声で目が覚めた。 嫌な汗を全身にかいている。 涙が頬をつたう。 夢の中で誰かが囁いた。 血塗られた王座、犠牲なくして王座はあり得ぬ [newpage] 「陛下、いかがなされた。 悪夢でもご覧になられましたか」 寝台にそっと人影が近づく。 宮廷顧問官ファランギースである。 「精霊 ジン たちが騒いでいたので、気になって参りました。 ご無礼をお許しあれ」 片膝をつき、気づわしげに見上げるファランギースに、アルスラーンはようやく返答した。 「あぁ、ファランギース。 うん、嫌な夢だった。 …ファランギースが、皆が足元に倒れていたんだ。 私一人だけ残って…」 途切れ途切れに話すアルスラーンの手をそっと握り、ファランギースは優しく声をかける。 「陛下。 私たち誰一人として、己を犠牲にしているなど思っておりません。 陛下を大切な方だと思い、自分の意志でお仕えしているのです。 ご心配召されるな」 「うん、ありがとう。 ファランギース。 いつもあなたに勇気を貰ってばかりだ。 私には兄弟はいないが、姉上がいたら、あなたのような人だろうかと思う。 」 少し恥ずかしげに打ち明けるアルスラーンに、ファランギースは珍しく破顔した。 「陛下が弟君のようとは、おそれ多いことですが、嬉しいものですな」 そう言って、二人で顔を見合わせてクスクス笑う。 アルスラーンの目にもう涙はない。 「陛下、もう悪い夢など見ないよう、私がお守り致します。 」 アルスラーンの手を離して、ファランギースは胸元から水晶笛を取り出した。 「お身体が優れない時には、悪しきものがつけいりやすくなるもの。 精霊たち ジン に」寝所の周囲を守らせましょう。 どうぞ御安心して、お休みください。 」 [newpage] ファランギースに寝かしつけられたアルスラーンは、今度は朝まで目が覚めずに休んだ。 普段より遅い時間に身体を起こし、アルスラーンは目をぱちぱちとまばたく。 長く寝ていて、目が重い。 まだ熱はあるのだろう。 身体は重たいが、昨夜より随分気分は良くなった。 さて、今日は普段通りに起きようかと思っていると、エラムが朝食の盆を手に入室した。 「アルスラーン陛下。 ご気分はいかがですか。 召し上がれそうでしたら、少しでも」 米をスープで煮たものや果物数種類準備されている。 まだあまり食欲はなかったが、アルスラーンは頑張って少しずつ口にいれた。 食事が終わると、アルスラーンはまた、寝台に追いやられた。 「エラム…」 情けない顔をするアルスラーンをみて、エラムはぐっと感じたが、重々しく首をふる。 「まだ駄目でございます。 ナルサス様もまた後で様子を見に来られます。 ナルサス様からも、自分行くまで、陛下を寝台から出さないよう、きつく申しつかっていますから」 ナルサスの元侍童 レータク は胸をはる。 体調が戻っていないことが分かるので、アルスラーンは諦めて寝台に戻った。 こんな朝から眠れるものかなとも思うが、横になると眠気が襲う。 アルスラーンは再び夢の住民になった。 [newpage] 浅い眠りを繰り返すアルスラーンの寝台の側に、入れ替わり立ち替わり、将軍たちが訪れた。 黒衣の騎士ダリューンは、市場で購った、真っ赤に熟れた林檎 アザル を手に御前に現れた。 過保護な騎士は、自らの手で切り分け、アルスラーンと分け合い、ほのぼのとした時間を過ごした。 アルフリードは、兄メルレインと訪れた。 相変わらずの兄妹のやりとりに、アルスラーンは声をあげて笑った。 キシュワードは、新妻が持たせた焼き菓子を手土産に訪れた。 順調な妊娠の報告を受けて、アルスラーンは嬉しそうに見舞いの菓子を受け取った。 クバートは、良質の葡萄酒 ナビード を手に訪れ、エラムの叱責を受けて慌てて退散した。 アルスラーンのことを思い、後の16翼将と呼ばれる面々は、次々と訪れ、アルスラーンを喜ばせたのだった。 [newpage] 夜半過ぎ、エラムが緑茶の碗と黒衣の騎士が持ち込んだ林檎 アザル を手に、アルスラーンにそろそろ休むように進言した。 「まったく、皆様次から次へと。 陛下がお休みになれなかったじゃないですか。 」 立腹して呟くエラムにアルスラーンは笑って答える。 「いや、私がそうして欲しいと言ったんだ。 今日は良い1日だったよ。 ありがとう、エラム」 穏やかに微笑むアルスラーンは大分調子が戻ってきているようだ。 ただ、と心の内でアルスラーンは呟いた。 ギーヴは来てくれなかったな、と。 アルスラーンが眠っている間に来ていたようだが、目を覚ます前に退室していったと、エラムから聞いたアルスラーンは歯痒い。 なぜ目が覚めるまでいてくれなかったのか、と。 ギーヴに会いたいと一言いえば、ジャスワントかエラムが伝えてくれるだろうと思いながら、アルスラーンはそれが出来なかった。 また明日は会えるだろうかと思いながら、今日のところは休もうと、ここ2日で慣れ親しんだ寝台に潜り込んだ。 [newpage] 眠りに落ちる寸前、アルスラーンは聞き覚えのある琵琶 ヴード の音を聞いた。 身体を起こしたアルスラーンが期待を込めて見守る中、きぃと小さな音をたてて、露台に繋がる扉が明き、冷たい空気とギーヴがすべこんだ。 「ギーヴ、」 弾んだ声で呼びかけるアルスラーンに、大仰な仕草で一礼して宮廷楽士は、彼の主君の元に音もなく近づいた。 以前よりも警備が厳しいのは、軍師殿のさしがねかな。 だが、俺にかかればまだまだ。 人の悪い笑みを隠して、ギーヴはアルスラーンの寝台に近づいた。 「こんばんは、アルスラーン陛下。 ご気分はいかがですかな。 不肖、ギーヴがお慰めしたく、参上しました」 相変わらずな口上を述べるギーヴに、アルスラーンはおおらかな笑う。 「うん、皆がお見舞いに来てくれて、すっかり良いみたいだ。 そろそろ、ギーヴの声が聞きたくなったところだ」 無邪気に笑うアルスラーンに、ギーヴの胸が暖まる。 まったく、いつもこの王様にかなわない。 「陛下、お休みまで我が琵琶 ヴード でお慰めしたく、参上しました。 」 「うん、どうか聴かせてくれ。 そなたの琵琶 ヴード もそなたの声も、とても好きだ。 」 本当に嬉しそうに笑うアルスラーンに、ギーヴも、くったくない微笑みを返し、寝台の側に腰をおろした。 さて、何にしましょうかね。 そう呟きながら、弦の調律を始めるギーヴに、アルスラーンが音をねだる。 「いつか、そなたが旅立つ前に弾いてくれた曲を聴きたい。 」 数ヵ月前、ギーヴが朝までアルスラーンの寝台で過ごした夜。 その時に演奏した曲をねだられ、ギーヴは一瞬虚をつかれたが、黙ってひきはじめた。 ゆったりと、嫋々とした響きに合わせて、普段より低い声でギーヴは唄う。 故郷と愛する人を想う異国の唄。 [newpage] 最後の音を弾き終え、その響きが空気を揺らすのを感じながら、アルスラーンは閉じていた瞳を開けた。 涙の膜を張る目に捕らわれたギーヴは、誘われるようにアルスラーンの頬に右手を伸ばす。 膝に置かれた琵琶 ヴード は、左手で体の後ろに置く。 自然に目を閉じたアルスラーンの唇に、ギーヴはゆっくりと己のそれを重ねた。 一度触れて、離れたアルスラーンを逃がさぬように、ギーヴはアルスラーンを寝台に押し倒し、さらに口づけを深めた。 驚いて引こうとするアルスラーンの顔を両手で固定し、酸素を求めて僅かに開いた唇をこじ開ける。 遠慮なく蹂躙して、ようやく解放すると、熱が上がったかのように、顔を紅くするアルスラーンと目が合った。 [newpage] アルスラーンに体重をかけないようしながら、ギーヴは遠慮なくアルスラーンの目を覗きこむ。 その目に拒絶がないことをみてとり、さらにアルスラーンの顔中に唇を落とし、首筋に舌を這わせる。 「っ、ギーヴ、ちょっと待て、ん、あぁ」 翻弄され、甘い声をあげるアルスラーンに、ギーヴは熱が集まるのを感じた。 これ以上、自制心が働くなる前に止めなければ、と思いながら、離れがたく、衝動を誤魔化すように、アルスラーンに接吻を振らせた。 「…陛下、陛下。 …」 快感に涙の滲むアルスラーンの目元を唇ですすり、ようやくギーヴは身体を起こした。 身体の下で、アルスラーンは酸欠のように荒い息で呼吸を繰り返すのを、いとおしく感じる。 「申し訳ありません、陛下。 驚かせてしまいましたか。 」 「いや、うん。 驚いたけど、大丈夫。 そうだ、ギーヴ、あのときのように、一緒に寝ないか?」 押し倒されながら、ギーヴを疑わないアルスラーンに、ギーヴの方が頭を抱えた。 どうも危機感が足りないというか、信用されているといおうか。 そう悩むギーヴをよそに、アルスラーンはいそいそと身体をずらして、ギーヴの場所を作る。 元より、一人には大きすぎる寝台である。 二人で寝ても、十分な広さがある。 「はぁ、ではお言葉に甘えまして。 」 いささか情けない気分でギーヴはアルスラーンの寝台に一緒に転がり込んだ。 こんなところをほかの将に見られでもしたら、どんなからかわれかたをするやら。 あるいは、アルスラーンを信奉する黒衣の騎士やら、シンドゥラの黒ヒョウやらにどんな目にあわされるやら。 アルスラーンが嬉しそうにギーヴに寄り添うものだから、ギーヴは己の運命を諦めることにした。 何はともあれ、アルスラーンが喜ぶなら良いか、と思ってしまう自分が、一番困り者だと。 しなやかで、熱のせいか、普段よりも体温の高いアルスラーンの身体を感じて、ギーヴは、いつかのように、自分が朝まで眠れぬことを覚悟した。 [newpage] 翌朝、すっきりとした気分でアルスラーンは目を覚ました。 ギーヴの側はよく眠れると呑気なことを考えて、隣を見るが、ギーヴの姿はすでになかった。 ただ、彼のいた、確かな熱が寝台に残っており、アルスラーンは静かに微笑んだ。 春まだ遠い季節。 大陸公路の中心地、エクバターナは雪こそ降らないものの、乾燥した寒風が吹きすさぶ時期に入った。 新年を迎えようかという、この時期に国王アルスラーンは床についていた。 毎年、この季節になると一過性に流行する、熱と咳を主症状とする、流行り病である。 要は風邪。 国王が病床に臥せったと知れ渡ると騒ぎになるからと、このことは、ごく一部の近臣にのみ知らされた。 表面上は、年始を前に休暇ということになっている。 [newpage] アルスラーンはカーテンが引かれ、昼間というのに薄暗くした自室で、ふと目を覚ました。 朝からうとうとと、寝たり起きたりしている。 たくさん寝て、もう眠れないだろうと思っても、横になっていると眠気が襲ってくるのだ。 昨日の昼間までは、変わりなかった。 あまり食欲がないのを感じたが、そういうこともあるかと、果物だけ口にして、新年の行事の一環として予定されている神事について、ファランギースを交えて相談をしていた。 神事の準備や手順の打合せが終わり、さて戻ろうかという頃、ファランギースはアルスラーンが寒そうに二の腕をさするのに気がついた。 よくよく見ると、普段よりも顔色は血の気が引いており、指先は白っぽい。 「陛下?お寒いのですか?」 ファランギースが問うと、アルスラーンは首を傾げた。 「そうなのかな。 今日は寒い日だから、皆そうではないのか?」 どうも自分の体調が悪いことに気がついていない様子に、ファランギースは早々に休んでもらうが得策と判断した。 「エラム、陛下はお体が優れぬ。 はよう自室にお戻りいただくがよかろう」 アルスラーンの背後にいたエラムに告げる。 いや、大丈夫だ、というアルスラーンに近づき、そっと白い手をアルスラーンの額に置いた。 「アルスラーン陛下、失礼つかまつります。 …やはり、少し熱もでてきております。 寒いのであれば、まだこれから熱も上がりましょう。 今日はどうぞお休みください。 」 アルスラーンに向けられる眼差しは、優しく、慈愛に満ちている。 「…うん。 ありがとう、ファランギース。 そなたの言うとおりにしよう。 」 ファランギースの手にアルスラーンは驚いた様子だったが、すぐに気持ち良さそうに目を閉じ、素直に頷いたのだった。 [newpage] 「陛下、体調が優れないなら、そう言っていただけたら、今日はゆっくり過ごしていただきましたのに。 」 エラムが責めるように言うが、自分自身を一番責めているのが分かる。 「エラム、そう心配ないよ。 私もファランギースに言われるまで、気がつかなかったんだから。 そなたのせいじゃないよ」 くすくす笑うアルスラーンは機嫌が良さそうだ。 ファランギースやエラムが心配してくれるのが、申し訳ないような、だが、くすぐったい。 自室に戻り、ゆったりとした服に着替えを済ましたアルスラーンは、エラムに追いたてられるように寝台に入った。 実は、だんだん寒気は強まり、倦怠感が押し寄せてきていたが、それは見せないようにしていた。 ベッドに入り、エラムにも下がってよいことを伝えると、眉を潜めて、何かあればお呼びください、と告げて下がった。 [newpage] 寒気はおさまったが、今度は身体が熱い。 口が乾く。 エラムを呼ぼうかと思ったが、声を出すのも億劫で、アルスラーンは重たい身体で寝返りをうった。 外はすっかり日が落ち、室内にはいつの間にか灯りが灯されていた。 ぼんやりと見ていたアルスラーンは、遠慮がちな声とドアの開く音を聞いた。 副宰相兼宮廷画家ナルサスがエラムに伴われて入ってきた。 「ナルサス…」 呼び掛ける声は思ったより掠れて、起き上がろうとするのを、優しい眼差しと手の動きでとどめられる。 「アルスラーン陛下、どうぞ楽になさってください。 お休みのところ申し訳ありません。 」 「いや、私のほうこそすまない。 」 ナルサスは困ったように微笑む。 「陛下はいつも仕事をしすぎていますから、少しぐらいお休みください。 疲れていらっゃるんでしょう。 」 そう言ってアルスラーンが休む寝台の側に寄る。 医学の心得もあるナルサスは、アルスラーンの脈を取り、首筋からそっと触診していく。 冷たく感じるナルサスの手が気持ちよくて、アルスラーンは目を細めた。 さらに症状を聞き取り、ナルサスは一つ頷いた。 心配そうに見守るエラムを振り返り、いくつか指示する。 「エラム、後で薬を調合して届けるから、陛下に差し上げてくれ。 あとは、部屋を暖かくして、飲みやすいものを寝台の近くに準備しておくんだな。 」 「陛下、仕事は私と宰相殿とで片付けますゆえ、しばらくお休みください。 なに、問題ありません。 」 軽く請け負うナルサスにアルスラーンは熱で潤んだ目を向けて頷く。 ナルサスはアルスラーンの近くに寄り、掛布から出ていた左手を持ち上げ、その甲に軽く唇を落とした。 「陛下が早くお元気になられるよう、祈っております。 お休みなさいませ」 突然のナルサスの行為にアルスラーンは目をひらいたが、何も言わず、赤い顔をして頷き、目を閉じた。 [newpage] ナルサスが届けた薬を飲み、アルスラーンは一刻ほど眠っていた。 ふと、目を覚ますと時間は深夜になるころと思われた。 寝台から見える窓越しに、ほぼ満月に近い月が高く上っている。 喉の渇きを強く覚えて、アルスラーンは身体を起こした。 傍らに置かれた水差しはエラムの配慮だろう。 しんと静まりかえった部屋で、アルスラーンは不意に心細さを感じた。 「誰か、いるか?」 ドアの外に掠れた声で呼び掛けると、キィと遠慮がちにドアが開き、ジャスワントが顔を除かせた。 「陛下、どうなさいました?どこか苦しいのですか。 あぁ、どうしましょう。 エラム殿をお呼びしましょうか。 それとも医師を」 アルスラーンの不安げな様子にジャスワントがわたわたとする。 それを見ていると、アルスラーンの心に暖かいものが灯った。 「いや、今は大丈夫。 ジャスワントも寒くないか?」 一転して柔らかく微笑むアルスラーンに見とれながら、ジャスワントはぶんぶんと首を振る。 「いえ、私はなんともありません。 外に比べて王宮内は暖かいですから。 」 「そうか。 …ジャスワント、何か言いたいことがあるのか?」 言おうか言わまいか、躊躇う様子に気がついたアルスラーンが問うと、 「はい。 実は陛下が臥せっていることを知った皆様が、来られては陛下の様子を聞いて帰られています。 」 きょとんとアルスラーンは首を傾げた。 「皆?」 「はい。 」 ダリューン、アルフリード、ギーヴ、ファランギース、クバート、キシュワード。 指折り数えてジャスワントは名前をあげる。 「どうしたのかな。 何か急用だったら起こしてくれて構わないのだけど。 」 「はぁ。 皆様、お見舞いとおっしゃって。 陛下がお休みなら、起こすことはないから、と。 」 アルスラーンはばちりとまばたいたあと、くすぐったいように笑った。 「お見舞いか。 」 王太子として王宮にいたころ、こんな風に風邪を引くことがあった。 その時は、アンドラゴラス前王もタハミーネ前王妃も、アルスラーンの様子を見に来ることはなかった。 侍女たちは世話をしてくれるが、大半の時間は一人で寝ていた。 乳母たちと生活していた時は、夜もずっとそばに居てくれたのに…、と思い出して、泣いてしまった。 だが、今の自分には血縁に繋がるものはいないが、自分を心配し、慕ってくれる人がいる。 その事実にアルスラーンの胸は暖まった。 ジャスワントに、がきたら、自分が寝ていても構わないから通すように頼み、アルスラーンはまた寝台に潜り込んだ。 [newpage] 夢を見ていた それが夢だと分かった。 アルスラーンは一人、自分の身体よりも大きな王座に座っている。 周囲は真っ暗で、しんと静まり返っている。 誰か、と大きな声で呼んでみても返事はない。 探しに行こうと立ち上がったところで、アルスラーンは足元に何かあるのに気がついた。 血臭がたちのぼり、足元にぬるりとした感触。 無数の死体が足元に転がっている。 よく見ると、今まで座っていた王座は、死体が重なりあった上に置かれている。 ひゅっ、と息を飲んで後退りしたアルスラーンの目に、見覚えのある顔がうつる。 「ダリューン!ナルサス!エラム!」 「あぁ、ファランギース、ギーヴ、アルフリード、ジャスワント…みんな…」 大切な臣下、仲間たちが折り重なるように倒れている。 「ああっ、いやだ!みんな…!」 アルスラーンは自分の声で目が覚めた。 嫌な汗を全身にかいている。 涙が頬をつたう。 夢の中で誰かが囁いた。 血塗られた王座、犠牲なくして王座はあり得ぬ [newpage] 「陛下、いかがなされた。 悪夢でもご覧になられましたか」 寝台にそっと人影が近づく。 宮廷顧問官ファランギースである。 「精霊 ジン たちが騒いでいたので、気になって参りました。 ご無礼をお許しあれ」 片膝をつき、気づわしげに見上げるファランギースに、アルスラーンはようやく返答した。 「あぁ、ファランギース。 うん、嫌な夢だった。 …ファランギースが、皆が足元に倒れていたんだ。 私一人だけ残って…」 途切れ途切れに話すアルスラーンの手をそっと握り、ファランギースは優しく声をかける。 「陛下。 私たち誰一人として、己を犠牲にしているなど思っておりません。 陛下を大切な方だと思い、自分の意志でお仕えしているのです。 ご心配召されるな」 「うん、ありがとう。 ファランギース。 いつもあなたに勇気を貰ってばかりだ。 私には兄弟はいないが、姉上がいたら、あなたのような人だろうかと思う。 」 少し恥ずかしげに打ち明けるアルスラーンに、ファランギースは珍しく破顔した。 「陛下が弟君のようとは、おそれ多いことですが、嬉しいものですな」 そう言って、二人で顔を見合わせてクスクス笑う。 アルスラーンの目にもう涙はない。 「陛下、もう悪い夢など見ないよう、私がお守り致します。 」 アルスラーンの手を離して、ファランギースは胸元から水晶笛を取り出した。 「お身体が優れない時には、悪しきものがつけいりやすくなるもの。 精霊たち ジン に」寝所の周囲を守らせましょう。 どうぞ御安心して、お休みください。 」 [newpage] ファランギースに寝かしつけられたアルスラーンは、今度は朝まで目が覚めずに休んだ。 普段より遅い時間に身体を起こし、アルスラーンは目をぱちぱちとまばたく。 長く寝ていて、目が重い。 まだ熱はあるのだろう。 身体は重たいが、昨夜より随分気分は良くなった。 さて、今日は普段通りに起きようかと思っていると、エラムが朝食の盆を手に入室した。 「アルスラーン陛下。 ご気分はいかがですか。 召し上がれそうでしたら、少しでも」 米をスープで煮たものや果物数種類準備されている。 まだあまり食欲はなかったが、アルスラーンは頑張って少しずつ口にいれた。 食事が終わると、アルスラーンはまた、寝台に追いやられた。 「エラム…」 情けない顔をするアルスラーンをみて、エラムはぐっと感じたが、重々しく首をふる。 「まだ駄目でございます。 ナルサス様もまた後で様子を見に来られます。 ナルサス様からも、自分行くまで、陛下を寝台から出さないよう、きつく申しつかっていますから」 ナルサスの元侍童 レータク は胸をはる。 体調が戻っていないことが分かるので、アルスラーンは諦めて寝台に戻った。 こんな朝から眠れるものかなとも思うが、横になると眠気が襲う。 アルスラーンは再び夢の住民になった。 [newpage] 浅い眠りを繰り返すアルスラーンの寝台の側に、入れ替わり立ち替わり、将軍たちが訪れた。 黒衣の騎士ダリューンは、市場で購った、真っ赤に熟れた林檎 アザル を手に御前に現れた。 過保護な騎士は、自らの手で切り分け、アルスラーンと分け合い、ほのぼのとした時間を過ごした。 アルフリードは、兄メルレインと訪れた。 相変わらずの兄妹のやりとりに、アルスラーンは声をあげて笑った。 キシュワードは、新妻が持たせた焼き菓子を手土産に訪れた。 順調な妊娠の報告を受けて、アルスラーンは嬉しそうに見舞いの菓子を受け取った。 クバートは、良質の葡萄酒 ナビード を手に訪れ、エラムの叱責を受けて慌てて退散した。 アルスラーンのことを思い、後の16翼将と呼ばれる面々は、次々と訪れ、アルスラーンを喜ばせたのだった。 [newpage] 夜半過ぎ、エラムが緑茶の碗と黒衣の騎士が持ち込んだ林檎 アザル を手に、アルスラーンにそろそろ休むように進言した。 「まったく、皆様次から次へと。 陛下がお休みになれなかったじゃないですか。 」 立腹して呟くエラムにアルスラーンは笑って答える。 「いや、私がそうして欲しいと言ったんだ。 今日は良い1日だったよ。 ありがとう、エラム」 穏やかに微笑むアルスラーンは大分調子が戻ってきているようだ。 ただ、と心の内でアルスラーンは呟いた。 ギーヴは来てくれなかったな、と。 アルスラーンが眠っている間に来ていたようだが、目を覚ます前に退室していったと、エラムから聞いたアルスラーンは歯痒い。 なぜ目が覚めるまでいてくれなかったのか、と。 ギーヴに会いたいと一言いえば、ジャスワントかエラムが伝えてくれるだろうと思いながら、アルスラーンはそれが出来なかった。 また明日は会えるだろうかと思いながら、今日のところは休もうと、ここ2日で慣れ親しんだ寝台に潜り込んだ。 [newpage] 眠りに落ちる寸前、アルスラーンは聞き覚えのある琵琶 ヴード の音を聞いた。 身体を起こしたアルスラーンが期待を込めて見守る中、きぃと小さな音をたてて、露台に繋がる扉が明き、冷たい空気とギーヴがすべこんだ。 「ギーヴ、」 弾んだ声で呼びかけるアルスラーンに、大仰な仕草で一礼して宮廷楽士は、彼の主君の元に音もなく近づいた。 以前よりも警備が厳しいのは、軍師殿のさしがねかな。 だが、俺にかかればまだまだ。 人の悪い笑みを隠して、ギーヴはアルスラーンの寝台に近づいた。 「こんばんは、アルスラーン陛下。 ご気分はいかがですかな。 不肖、ギーヴがお慰めしたく、参上しました」 相変わらずな口上を述べるギーヴに、アルスラーンはおおらかな笑う。 「うん、皆がお見舞いに来てくれて、すっかり良いみたいだ。 そろそろ、ギーヴの声が聞きたくなったところだ」 無邪気に笑うアルスラーンに、ギーヴの胸が暖まる。 まったく、いつもこの王様にかなわない。 「陛下、お休みまで我が琵琶 ヴード でお慰めしたく、参上しました。 」 「うん、どうか聴かせてくれ。 そなたの琵琶 ヴード もそなたの声も、とても好きだ。 」 本当に嬉しそうに笑うアルスラーンに、ギーヴも、くったくない微笑みを返し、寝台の側に腰をおろした。 さて、何にしましょうかね。 そう呟きながら、弦の調律を始めるギーヴに、アルスラーンが音をねだる。 「いつか、そなたが旅立つ前に弾いてくれた曲を聴きたい。 」 数ヵ月前、ギーヴが朝までアルスラーンの寝台で過ごした夜。 その時に演奏した曲をねだられ、ギーヴは一瞬虚をつかれたが、黙ってひきはじめた。 ゆったりと、嫋々とした響きに合わせて、普段より低い声でギーヴは唄う。 故郷と愛する人を想う異国の唄。 [newpage] 最後の音を弾き終え、その響きが空気を揺らすのを感じながら、アルスラーンは閉じていた瞳を開けた。 涙の膜を張る目に捕らわれたギーヴは、誘われるようにアルスラーンの頬に右手を伸ばす。 膝に置かれた琵琶 ヴード は、左手で体の後ろに置く。 自然に目を閉じたアルスラーンの唇に、ギーヴはゆっくりと己のそれを重ねた。 一度触れて、離れたアルスラーンを逃がさぬように、ギーヴはアルスラーンを寝台に押し倒し、さらに口づけを深めた。 驚いて引こうとするアルスラーンの顔を両手で固定し、酸素を求めて僅かに開いた唇をこじ開ける。 遠慮なく蹂躙して、ようやく解放すると、熱が上がったかのように、顔を紅くするアルスラーンと目が合った。 [newpage] アルスラーンに体重をかけないようしながら、ギーヴは遠慮なくアルスラーンの目を覗きこむ。 その目に拒絶がないことをみてとり、さらにアルスラーンの顔中に唇を落とし、首筋に舌を這わせる。 「っ、ギーヴ、ちょっと待て、ん、あぁ」 翻弄され、甘い声をあげるアルスラーンに、ギーヴは熱が集まるのを感じた。 これ以上、自制心が働くなる前に止めなければ、と思いながら、離れがたく、衝動を誤魔化すように、アルスラーンに接吻を振らせた。 「…陛下、陛下。 …」 快感に涙の滲むアルスラーンの目元を唇ですすり、ようやくギーヴは身体を起こした。 身体の下で、アルスラーンは酸欠のように荒い息で呼吸を繰り返すのを、いとおしく感じる。 「申し訳ありません、陛下。 驚かせてしまいましたか。 」 「いや、うん。 驚いたけど、大丈夫。 そうだ、ギーヴ、あのときのように、一緒に寝ないか?」 押し倒されながら、ギーヴを疑わないアルスラーンに、ギーヴの方が頭を抱えた。 どうも危機感が足りないというか、信用されているといおうか。 そう悩むギーヴをよそに、アルスラーンはいそいそと身体をずらして、ギーヴの場所を作る。 元より、一人には大きすぎる寝台である。 二人で寝ても、十分な広さがある。 「はぁ、ではお言葉に甘えまして。 」 いささか情けない気分でギーヴはアルスラーンの寝台に一緒に転がり込んだ。 こんなところをほかの将に見られでもしたら、どんなからかわれかたをするやら。 あるいは、アルスラーンを信奉する黒衣の騎士やら、シンドゥラの黒ヒョウやらにどんな目にあわされるやら。 アルスラーンが嬉しそうにギーヴに寄り添うものだから、ギーヴは己の運命を諦めることにした。 何はともあれ、アルスラーンが喜ぶなら良いか、と思ってしまう自分が、一番困り者だと。 しなやかで、熱のせいか、普段よりも体温の高いアルスラーンの身体を感じて、ギーヴは、いつかのように、自分が朝まで眠れぬことを覚悟した。 [newpage] 翌朝、すっきりとした気分でアルスラーンは目を覚ました。 ギーヴの側はよく眠れると呑気なことを考えて、隣を見るが、ギーヴの姿はすでになかった。 ただ、彼のいた、確かな熱が寝台に残っており、アルスラーンは静かに微笑んだ。
次の『アルスラーン戦記』は、人気作家・田中芳樹によるファンタジー小説。 第1巻が刊行された1986年から現在(2017年8月現在)に至るまで続いている長編小説です。 2013年には『鋼の錬金術師』などで知られる漫画家・荒川弘によってコミック化、2015年、2016年には2期に渡ってテレビアニメ化もされました。 1巻から7巻は、14歳のアルスラーンの初陣から王都の陥落、そして奪還までを描いた第一部。 8巻からは国王となった彼の治世と、それを脅かす魔軍との戦いを描いた第二部となっています。 心優しいアルスラーンと、優秀な臣下たちが縦横無尽に活躍する心躍るファンタジー戦記です。 スマホアプリでは漫画作品を無料で読むこともできるのでそちらもどうぞ。 交通の要で様々な物資に恵まれ、幾度となく他国からの侵略を跳ねのけてきた大国「パルス」。 主人公・アルスラーンは、そんな国の王太子として生まれました。 偉大な父である国王アンドラゴラス三世、そして母の王妃タハミーネとは良好な関係を築けなかったものの、大将軍であるヴァフリーズをはじめ、最強の武将と名高くパルス国の武将の称号「万騎長」の肩書を持つダリューンなど、心の優しいアルスラーンを慕う臣下もおり、彼は無事に成長していきます。 14歳になった彼は、パルスへと侵攻を開始した「ルシタニア国」を迎え撃つための戦で初陣を飾ることになりました。 それまで無敗の大国として勝利を欲しいままにしていたパルス軍は、今回も勝利を確信していたのですが、アルスラーンを襲ったのは信頼していたはずの臣下の裏切りで……!? 主人公のアルスラーンは、武勇のみを認める父・アンドラゴラス三世から認められず、母のタハミーネから興味を示されず、孤独な子供時代を過ごしていました。 心優しく温厚な性格のアルスラーンは、勇ましく敵を倒すようなタイプではありませんでしたが、そのぶん自分でも無意識のうちに兵を叱咤したり、敵味方関係なく相手と最良の接し方をしたりすることができる才能を持っています。 そんなアルスラーンも14歳になり初陣に臨むことになるのですが、そこで待ち受けていたのは、臣下のカーラーンの裏切りと、それによるパルス軍の敗北でした。 さらに追い打ちをかけるように、パルス国の王都「エクバターナ」も、侵攻してきたルシタニア国によって陥落してしまいます。 敗北したアルスラーンは、昔から親交を持ってきた武将のダリューンと共に戦場から逃げのび、ダリューンの親友であるナルサスを頼り、彼を軍師として仲間に迎えることになりました。 ここから彼は、王都奪還に向けて動き出すことになります。 パルス最強と言われる武将のダリューン、軍師として類稀な才能を持つが毒舌なナルサスなど、優秀な臣下に囲まれたアルスラーン。 彼らに比べると、アルスラーンはどこか平凡で優しい少年に見えます。 しかし、そんな平凡な彼に優秀な臣下が忠誠を誓っていることは事実であり、それこそがアルスラーンの才能とも言えるでしょう。 魅力的なキャラクターたちが縦横無尽に活躍する姿は、読者をワクワクさせます。 また、パルス国を危機に陥れた黒幕的存在の男・鉄仮面ヒルメスも、何やらその存在自体に謎がありそうです。 ヒルメスの謎に余韻を残しつつ、まだまだ弱々しい少年王子と仲間たちの壮大な戦いが幕を開けたところで、物語は次巻へ。 すぐにでも先を読みたくなってしまう第1巻です。 心優しいアルスラーンの成長を描く第2巻 前巻で、ルシタニア軍から追われる身となったアルスラーンたちは、追っ手を巻きながらパルス国内を流れることになります。 もちろんただ逃げ回っているだけではなく、最終的にはルシタニアから祖国を奪還することが目的で、彼らはそのためにも戦力を集めなければなりません。 アルスラーンの仲間になり、この先の物語の中でも主要人物となるのが、エラムとギーヴです。 エラムは、奴隷の両親を持つナルサスの侍童。 アルスラーンより1つ年下ですが、天才軍師ナルサスを師匠と仰ぎ、優れた知性を持っています。 毒舌な辺りも師匠譲りですが、アルスラーンとは身分の違いもありうまく交流することができません。 ギーヴは、流浪の楽士を自称する飄々とした性格の美青年です。 彼は人から当たり前のように守られ、助けられると思っている王族や貴族を嫌っているため、アルスラーンにも同じような感情を抱いていました。 2巻の見どころの1つは、彼らのような新しい仲間が、アルスラーンと交流をするうち、次第に心を開き、本当の仲間になっていく過程です。 アルスラーンの身分にこだわらない心優しい性格も前巻より際立っており、彼の人柄をより楽しむことができるでしょう。 また一行が向かったカシャーン城塞で彼は、奴隷制度に疑問を持つことになります。 この辺りはシリーズの中でも重要な分岐点で、後に「解放王」と呼ばれるようになるアルスラーンが、国の在り方や理想、そしてその実現の難しさを体感する大事なエピソードとも言えるでしょう。 一方で、ヒルメスとアルスラーンに何やら出生の秘密があるらしいことも示唆されるので、注目してみてください。 本巻の最後では、アルスラーンはパルス国東の要と言われる「ペシャワール城塞」へと腰を落ち着け、数万の兵を傘下に入れることになります。 彼の成長、渦巻く謎、そして王都奪還へ向けて着々と進められる準備を、ぜひ手に取って楽しんでみてください。 前巻まではパルス国内での話でしたが、本巻ではアルスラーンたちが東国シンドゥラ国へ遠征する話がメインになります。 一行がシンドゥラへ遠征するきっかけは、シンドゥラ国がパルス国へ侵攻してきたからでした。 前巻でアルスラーンたちは、ペシャワール城塞に腰を落ち着けましたが、このペシャワール城塞は、パルス国の東の要でもあります。 パルス側にしてみると、ここを落とされるわけにはいかず、逆にシンドゥラ国にとってはここを落とせばパルスへの侵略の大きな一歩。 シンドゥラはパルスがルシタニアに攻め込まれ、不利な状況であることを当然知ったうえで攻めてきたのでした。 シンドゥラ軍を率いるのは、シンドゥラ国第二王子のラジェンドラ。 利己的で軽薄な性格で、アルスラーンの仲間のほとんどは彼を信用していませんが、彼はこれからの物語でも重要な人物となります。 また、新しいキャラクターとして、ラジェンドラの他にジャスワントというシンドゥラ人も登場します。 凄腕の武将で超のつく真面目な性格、最初はラジェンドラの臣下でしたが、後にアルスラーンの護衛役を務め、そのまま彼の下で働くことになるのです。 彼もまた、今後の物語活躍する主要人物です。 攻め込んできたシンドゥラ軍を、ナルサスの知略を中心に撃退したアルスラーンたちは、ラジェンドラと攻守同盟を結ぶことにします。 こうすることで、一行がルシタニアと戦っている間に東部が攻められることを防ごうとしたのです。 シンドゥラはどこかインドのような雰囲気のある国で、戦闘にも象を使うなどの特徴があります。 大量の象に乗った兵との戦は、文章からも迫力が伝わってきて、これまでとはまた違う面白さを感じるでしょう。 紆余曲折を経て、シンドゥラの王位継承問題を目の当たりにしたアルスラーンの成長も見どころの一つです。 また、シンドゥラとの同盟締結により、アルスラーンたちは王都奪還への準備を整えることができました。 こうしてアルスラーンはぺシャワール城塞で、ルシタニアの討伐、そして自らが王となった暁には奴隷制度を廃止することを宣言したのです。 ようやく整ったルシタニアへの反撃。 物語の大きな変化を期待させてくれる巻なので、ぜひチェックしてみてください。 エステル登場!!パルス軍は新旧で対立? 『アルスラーン戦記』4巻 前巻は舞台をシンドゥラ国へ移していましたが、本巻はパルス国内の話です。 アルスラーンたちがいよいよルシタニア軍への反撃のため本格的に動き出します。 ペシャワール城塞でルシタニア討伐と奴隷制度廃止を宣言したアルスラーンは、王都エクバターナを奪還するため、各地の諸侯へ檄文を送りました。 これにより諸侯はそれぞれの兵を率い、ペシャワールに集結してきます。 こうしてパルスの戦力の多くはペシャワール城塞に集まることになるのですが、これが後にアルスラーンに思わぬ事態を与えることになってしまうのです。 その1つが、臣下同士の新旧争い。 ギーヴやジャスワントなど身分が低かったり、異国人だったりする人間が、アルスラーンに重要視されているのを見た古い臣下たちが不満を持ってしまったのですが、これに対し、ナルサスはギーヴを軍から離すことで対処します。 実はギーヴがアルスラーン軍から離脱したのは、王都やルシタニア軍の情報を集めるという密命を帯びていたからなのですが、ギーヴを追放したように見せることで旧派閥の不満も抑えたのです。 ナルサスらしい計略に、思わずニヤリとしてしまう読者も多いのではないでしょうか。 そして、本巻でもまた新しいキャラクターが登場します。 それがルシタニア軍の騎士・エステルです。 戦いの中で捕虜になったエステルは、実は男装した女の子でした。 アルスラーンより1つ年上の彼女は、騎士の家に生まれるも男兄弟がおらず、自ら騎士見習いとなり従軍していたのです。 信心深いゆえに世間知らずなエステルですが、これから先、アルスラーンと交流するうちに少しずつ変わっていくので、そんな彼女の姿にもぜひ注目してみてください。 一方、王都エクバターナで捕虜になっているパルス国王アンドラゴラスや、さらにパルス国の北にある「トゥラーン王国」でも動きがあります。 ルシタニアへの反撃を前に、不穏な予感に満ちたところで物語は次巻へと続いていくので、すぐに先を知りたい方は手元に次巻も合わせて用意しておくと良いかもしれません。 アルスラーンが追放!?アンドラゴラスの復活『アルスラーン戦記』5巻 本巻では、パルス王国の北にあるトゥラーン王国がパルスへ侵攻してきます。 トゥラーンもまたパルスの混乱に乗じての侵攻ですが、トゥラーン軍がペシャワール城を襲撃したことにより、王都エクバターナに向けて進軍していたアルスラーンたちは、ペシャワールへ戻らざるを得なくなってしまいました。 一方、エクバターナでは、国王アンドラゴラスが、ルシタニアの王弟・ギスカールを人質に取り、王妃タハミーネと共に王都からの脱出に成功します。 そうしてアンドラゴラスもまた、ペシャワール城へと向かうことになりました。 こうしてペシャワール城には重要な人物が続々と集まってくることになります。 アルスラーンたちはトゥラーン軍を退けることに成功、さらにアンドラゴラスとも合流することになるのですが、アンドラゴラスの復帰はアルスラーンの軍の指揮権が失われることを意味していました。 そのうえ、アンドラゴラスはアルスラーンに5万の兵を集めてくるようにと命令を下し、軍を追い出しにかかります。 ペシャワールにはすでに、檄文に応えた諸侯の兵が集まっており、さらに5万の兵を集めることなど不可能に等しいのです。 しかも集めるまで帰ってこなくていいと言うのは、事実上の追放でした。 これまでアルスラーンが仲間と共に築き上げてきたもの全てを奪ったアンドラゴラスには、読者も怒りを覚えてしまうかもしれません。 しかしここはアルスラーンと、その仲間たちの絆を感じることのできるエピソードでもあります。 ダリューンやナルサスを始め、何人かの主要キャラクターたちは、国王への反乱者になるのもいとわずアルスラーンに付いていきます。 それぞれのキャラクターの言い分からその性格が見て取れる、魅力の詰まったシーンです。 一方、ヒルメスは「デマヴァント山」という山に行き、伝説の宝剣ルクナバードを手に入れようとしています。 これは、かつてパルス王家の祖である英雄王カイ・ホスローが、蛇王ザッハークを封印したという神剣のことで、パルス王の正統な証であるとも言われています。 デマヴァント山、宝剣ルクナバード、そして蛇王ザッハークは、この先の第二部でとても重要なキーワードとなっていきますので、ぜひ注目しておいてください。 一部完結直前!舞台は港町ギランへ。 第6巻 前巻でアンドラゴラスに事実上の追放をされてしまったアルスラーンたちがやってきたのは、南の港町ギランです。 ギランは、提督ペラギウスの下で裕福な商人の集まる豊かな町でしたが、多くの海上商人が海賊の襲撃に悩まされている町でもありました。 本巻で登場する新キャラクターであるシャガードは、そんな海賊と裏で繋がっています。 実は、このシャガードはナルサスの遠い親戚に当たり、かつてはナルサスと共に奴隷制度廃止の理想を語り合ったこともある人物でした。 しかし、そんなかつての理想はすっかりなくなっており、訪ねてきたナルサスを鼻で笑うほど人が変わってしまっていたのです。 最初はシャガールに協力を要請するつもりだったアルスラーンたちでしたが、諦めることにします。 アンドラゴラスの5万の兵を集めるまで帰ってこなくていいという命令を逆手にとり、ゆっくりと準備を整えることにしたアルスラーンたちは、ギランの商人たちと海賊を討伐することを約束し、着実に兵力と資金を手にしていきます。 前巻ではアンドラゴラスのやり方に怒りを覚えた方もいらっしゃるかもしれませんが、それを逆手に取ったり、アルスラーンの人柄やナルサスの知略で次々に力を手に入れたりしていくストーリーには、胸がスッとするような心地良さがあります。 さらに、アルスラーンに忠誠を誓った新キャラクター、元海上商人の陽気な海の男・グラーゼも、物語に明るさを添えてくれて、楽しく読むことができるでしょう。 一方、アンドラゴラスが指揮権を握ったパルス軍とルシタニア軍は、王都エクバターナでとうとう激突します。 第一部完結に向けてスピードを増してきたストーリーから目を離すことができません。 一部完結!パルス王国は誰の手に? 第7巻 王都エクバターナで、ついにアンドラゴラス軍、ルシタニア軍、そしてアルスラーン軍が激突する本巻。 激突といっても、彼らは正面からぶつかっていくのではなく、しばらくは密かに後方で動き回り、ルシタニアへ地道なダメージを与えていくことになります。 一方、アンドラゴラスはヒルメスと対決することになります。 この対決により、とうとうヒルメスの出生の秘密が明らかにされるのでした。 1巻から匂わされていたヒルメスとアルスラーンの出生の秘密の暴露が、本巻の何よりの見どころと言っても良いでしょう。 アルスラーンの方は、アンドラゴラス軍の拠点にいた王妃タハミーネから、その真実を語られることになります。 ヒルメスはアンドラゴラスの弟、そしてアルスラーンはタハミーネとアンドラゴラスの子供ではなく、乳母夫婦の子供でした。 パルスでは女子は王位継承権がないため男子が欲しかったアンドラゴラスが、乳母夫婦の息子とタハミーネの産んだ娘を入れ替えたのです。 この真実は、後の第二部で登場するキャラクターや、エピソードに深く絡んでくるので、ぜひとも覚えておいてください。 しかし、この話が真実だとすると、アルスラーンは正統な王家の血筋ではないことになります。 そこでアルスラーンは、新の王の証であるという宝剣ルクナバードを探すため、デマヴァント山へ行くことにしました。 そこで、以前にヒルメスは手に入れられなかったルクナバードを手に入れることに成功します。 そうして、ヒルメス、アンドラゴラス、宝剣を手に入れたアルスラーンがとうとう対決することになるのです。 この3人の決着をもって、第一部は完結になります。 3人の戦いがどういう形で決着するのか、そこはぜひ、本書を手に取って確認してみてください。 二部開幕!アルスラーン国王の登場『アルスラーン戦記』8巻 ルシタニアとの戦争が終結して3年。 アルスラーンは、「解放王」という名と共にパルス国の国王に即位していました。 即位前からの悲願だった奴隷制度を廃止し、解放した奴隷たちには土地を与え教育を施すなど、その統治は順調のように思えました。 しかし近隣国の脅威や、パルス国内での反乱分子がなくなったわけではありません。 奴隷制度廃止に反対する者たちは、国外にも国内にもまだ根強く存在していたのです。 そんな中、シンドゥラ国のラジェンドラと親睦を深める獅子狩りをしていたところ、「チュルク国」がシンドゥラの国境を侵してきました。 アルスラーンたちはチュルク国を打ち払いますが、チュルクにはあのヒルメスの影がちらついており…… 本巻より、第二部が始まります。 舞台は、大戦が終結してから3年後、アルスラーンがパルス国王に即位し、統治しているところから始まります。 公言通り、アルスラーンは奴隷制度を廃止、解放した奴隷には土地を与えたり教育を施したりして、地道ではありますが着実に理想を実現しようとしていました。 そんなことから彼は「解放王」と呼ばれています。 しかし、一方で彼のことを「簒奪者(さんだつしゃ)」「僭王(せんおう)」などと侮蔑したように呼ぶ者もいました。 これは、アルスラーンが、自分が王家の血筋でないことを即位する際に公表していたためです。 こういったアルスラーンの考え方は、血統にこだわらない彼のキャラクターを表すと同時に、後に彼が伴侶を迎えたり子供を求めたりしない考え方にも繋がっていくことになります。 しかし、彼のそんな考え方を支持する人たちばかりではありません。 現在も奴隷制度がある周辺国や、制度廃止に反対する国内の人間もおり、そういった者たちの動きが活発になってきていることを、ナルサスやアルスラーンは警戒していました。 そんな時、アルスラーンがシンドゥラを訪れていた際、チュルク国が侵攻してきます。 実はこのチュルクにいるのが、あのヒルメスでした。 復讐に燃えるヒルメスは、第二部でも敵キャラクターとして暗躍し続けます。 また、第一部では人間対人間が基本でしたが、第二部では人間対「魔物」が多くなっていきます。 魔軍と呼ばれる魔導士や魔物集団が大量に登場し、一部とは少し印象が変わるかもしれませんが、ファンタジー色が濃くなったアルスラーン戦記を楽しんでみてください。 魔物登場!魔導士たちの暗躍。 第9巻 チュルク国のシンドゥラ侵攻に一役買っていたヒルメス。 彼は、統治者不在のまま不安定なトゥラーン国の傭兵を利用し、仮面軍団を組織します。 そしてその軍団を率いシンドゥラを荒しまわり、同盟国として援軍を率いてきたアルスラーンたちと再び相対することになりました。 ここの対決の決着は案外あっさりとつき、敗れたヒルメスは命からがら逃げ出し、今度は「ミスル国」へと向かいます。 ヒルメス、仮面軍団、そしてチュルク軍との対決の他、本巻ではついに「有翼猿鬼(アフラ・ヴィラーダ)」という魔物が出現します。 彼らは暗躍する魔導士たちによって作られたものなのですが、見た目も能力も人間とは遥かに違う有翼猿鬼たちは、パルス国の王宮を狙って襲撃してきたのです。 ヒルメスらを相手にあっさり勝ったように、人間相手にはほとんど無敵の強さを誇っているパルス軍ですが、今度の相手は魔物。 人間とは違う高い能力を持った相手に、パルス軍がどのように戦っていくのでしょうか?今後も目が離せません。 レイラ登場!パルス王家の本当の娘は? 『アルスラーン戦記』10巻 前巻で「有翼猿鬼(アフラ・ヴィラーダ)」の襲撃を受けたアルスラーンたち。 天才軍師のナルサスは、そのことからとうとう蛇王ザッハークが復活するのではないかと考えます。 蛇王ザッハークとは、パルス王家の祖である英雄王カイ・ホスローでさえも殺すことができず、その代わりデマヴァント山の地下に封印したという異形の姿をした恐怖の王のことです。 そんなザッハークが復活すれば、パルス国がどのようになってしまうかは想像するに難くありません。 かといって、周辺国の動きが活発になっている中、ザッハークにばかり気を取られていては、背後から剣を刺されてしまいます。 そこでナルサスは、デマヴァント山へ人を送りこみ偵察させることにしました。 そうしている間にも、魔物は続々登場してきます。 前巻登場の有翼猿鬼に加え、今度現れたのは「鳥面人妖(ガブル・ネリーシャ)」という魔物です。 いよいよ妖怪戦争のような雰囲気になってきましたが、一方でミスル国入りしたヒルメスがミスルを乗っ取ろうとするなど、人間たちのエピソードも盛り込まれています。 また、新キャラクターのレイラという少女も登場します。 アルスラーンと同じ年齢の彼女は女神官見習いの孤児なのですが、なぜか王族や貴族しか持つことが許されない銀の腕輪を所有していました。 アルスラーンがパルス王家の血を引いていないことはすでに明示されていますが、彼と入れ替わったはずの本当の王家の娘はまだ登場していません。 レイラがその娘なのか……それは本巻では明かされませんが、次巻以降、ぜひレイラにも注目してみてください。 エステル再登場!王家の娘候補も『アルスラーン戦記』11巻 第一部で登場した男装した少女騎士エステルが再登場します。 本巻は、エステルやヒルメスの話も多く、アルスラーンたちの話は少し少なめですが、後に秘密が明かされそうな重要なキャラクターも登場するので、見逃せない一冊です。 3年前の大戦が終結した後、ルシタニアへ帰郷していたエステルは、そこで女騎士(セノーラ)の叙勲を受け、国のために働いていました。 そしてかつての王弟ギスカールに帰国してもらうため、マルヤム国へと向かいます。 実は、ギスカールは大戦後にマルヤム入りをし、マルヤム国王となって国を動かしていたのでした。 結局、エステルたちはギスカールをルシタニアに連れて帰ることに失敗してしまい、かといってルシタニアに帰ることもできず、そのまま流浪の身になってしまいます。 一方、ミスル国に流れ、国の乗っ取りを企むヒルメスに、孔雀姫フィトナという仲間ができました。 彼女は「ナバタイ国」からミスル国に献上された娘なのですが、パルス人です。 そして彼女がなんと、レイラと同じ銀の腕輪を持っていました。 これで、パルス王家の娘らしい少女が2人登場したことになります。 一体誰がアンドラゴラスとタハミーネの娘なのでしょうか? そして、アルスラーンたちパルス軍は、さらなる魔物の脅威にさらされます。 前巻に引き続き、魔軍にはさらに「食屍鬼(グール)」、「四眼犬(オフルール)」という魔物が登場します。 魔物についてもその正体の一端が明かされるので、その点についてもよく読んでおくと、後のストーリーをさらに楽しむことができるでしょう。 魔物の襲来に恐れた領民たちはペシャワール城へ避難。 王都への知らせも走らされる中、魔軍はとうとうペシャワール城へ襲い掛かってきますが、魔軍対ペシャワール城の戦いは、次巻へのお預け。 一気に読みたい方は、ぜひ次巻も合わせて用意してみてください。 魔軍vsペシャワール城!第12巻 魔軍に襲われてしまったペシャワール城。 人間相手にはもはや無敵に近いパルス軍ですが、異形の姿を持った魔物相手には苦戦を強いられてしまいます。 地上からはもとより空からも襲撃してくる魔物が相手では、いくら武に優れた将軍といっても、苦戦をしてしまうのは仕方のないことと言えますね。 そんなピンチをパルス軍がどう乗り越えていくのか、それがひとつめの見どころです。 一方、ミスル国乗っ取りを企むヒルメスですが、前巻で登場したフィトナの活躍もあり、予想よりも早くその目的を達成します。 ミスル国の幼い王子は病弱で、さらに母親が平民であることもあり、王子でありながらもそれほど強い立場ではなく、後宮で静かに暮らしていました。 それを利用したヒルメスは、現国王ホサインを失脚させた後、幼い王子を国王にし、自分は影の支配者となることでミスルの実権を握ったのでした。 また、本巻ではタハミーネとアンドラゴラスの娘、つまりパルス王家の娘候補だと思われていたレイラに動きがあります。 タハミーネがレイラのことを自分の娘だと断言するのですが、肝心のレイラ本人は、なんと蛇王ザッハークの血を飲まされて魔軍に取り込まれてしまったのです。 この出来事が、今後の物語にどう影響していくのか、注目していきたいところです。 戦いが続き、さらに魔物相手に苦戦するパルス軍など、全体的に不安な雰囲気が続きますが、そんな中でもいよいよアルスラーンによる恋愛を仄めかすエピソードもあります。 ギスカールの帰国に失敗したエステルがパルスへやってくるのですが、途中で怪我をしてしまった際、彼に会いたいと願うのです。 一部からアルスラーンとエステルの関係に注目していた方は多いかもしれません。 しかし、この2人にハッピーエンドが訪れるのかどうか……ぜひ次巻をチェックしてみてください。 エステル死す!様々な思惑が渦巻く第13巻 二部が始まってから本巻で5冊目。 この辺りから、主要キャラクターの死亡が目立つようになっていきます。 著者の田中芳樹は、「皆殺しの田中」とファンから呼ばれるほど、主要・脇役に関係なくキャラクターを死なせることでも知られているのですが、もちろん無暗やたらと死なせているわけではありません。 物語がクライマックスに移る上で訪れる必然的な死なのです。 ただ、これまで長い時間をかけて続いてきたシリーズの主要キャラクターが死んでしまうことや、その死に方については、読者を複雑な気持ちにさせるかもしれません。 王都奪還から活躍してきたダリューンやナルサスを始め、アルスラーンの臣下の中でも特に重要な臣下のことを「十六翼将」と呼ぶのですが、この16人の将軍が揃ったのは、実は本巻だけ。 十六翼将の中にも死亡者が増えていくことになります。 前巻で、アルスラーンとエステルの関係がどうなっていくのか期待できるようなシーンがありました。 しかしそのエステルが死んでしまいます。 アルスラーンとの再会は叶いましたが、負った怪我が重く、そのまま死んでしまったのです。 彼女の死については、希望から絶望に撃ち落とされたかのような衝撃を受けてしまう方もいるでしょう。 一方、チュルク国王のカルハナは、パルスを混乱させるため、王位継承者のいないアルスラーンを暗殺しようと企み、暗殺者としてジャライルを派遣します。 しかし、ジャライルは魔軍に捕らえられ、暗殺は失敗。 カルハナの目論見も外れますが、このジャライルが後の蛇王ザッハーク復活に関わってくるので、少しだけ注目しておくといいかもしれません。 様々な思惑が絡む中、アルスラーンたちはナルサスの進言で、新たな策に出ます。 それは、東の要であるペシャワール城を放棄するというものでした。 これによってペシャワールを狙うチュルク軍、シンドゥラ軍、魔軍をぶつけ合わせるという考えなのですが、果たして事がうまく運ぶのでしょうか……。 いよいよ物語もクライマックスに近い雰囲気が漂い始めた本巻を、ぜひ手に取ってみてください。 殉職者続々……物語はクライマックスへ『アルスラーン戦記』14巻 前巻で、ナルサスが提案した奇手、ペシャワール城の放棄。 その目的は、パルス国の東の要であるペシャワール城を空城にすることで、シンドゥラ軍とチュルク軍、そして魔軍を戦わせることでした。 ナルサスの思惑通り、ペシャワール城では三つ巴の戦いが起きたうえ大地震まで発生、ラジェンドラ率いるシンドゥラ軍は、象を400頭、兵を1万人近くも失い、チュルク軍に至ってはほぼ全滅状態になってしまいます。 本巻以降、たびたび発生するようになった地震は、蛇王ザッハークが復活したことによるものでした。 デマヴァント山に封印されていた蛇王ザッハークは不完全ながらも、封印から復活していたのです。 そして、不完全な状態を完全なものにするため、魔軍はある遺体を利用することにします。 さらに、チュルク国の征服を企む魔軍は、チュルク国の首都「ヘラート」を襲撃。 この時、チュルク国王カルハナが死んでしまいました。 一方、アルスラーンたちパルスでも、前巻に引き続き死亡者が続出してしまいます。 重要な臣下である十六翼将軍のうち、何と3人もの臣下が本巻で死んでしまうのです。 1人は王都エクバターナを襲った地震でアルスラーンを庇い、2人は魔軍との戦いで死んでしまいました。 誰が死んでしまったのか、それはぜひ本巻で確かめてみてください。 ナルサス死す!パルス国の行方は……? 『アルスラーン戦記』15巻 蛇王ザッハークが完全復活できたのは、前パルス国王アンドラゴラスの遺体を依代として使ったからでした。 どうやら蛇王ザッハークが復活するために利用できるのは、パルス王家の血を引く体のみらしく、すでに死亡していたアンドラゴラスの遺体を利用したのでした。 蛇王ザッハークの復活のせいでパルス国内は混乱の一途を辿り、ペシャワール城に続いて東の要所である町「ソレイマニエ」からも撤退せざるを得なくなってしまいます。 さらに地震や噴火の多発、天候不順などにより国民たちの生活も脅かされてしまい、国民たちの不安は不満となって、アルスラーンへ向けられるのです。 彼もできる限りのことはしているのですが、天変地異に対しては対処できないことが多く、どんどん追い詰められてしまいます。 魔軍との戦いでも防戦一方であることが増え、読者からしてみても苦しい展開が続くかもしれません。 そんなアルスラーンに追い打ちをかけるように、本巻ではとうとう、「アルスラーン戦記」シリーズにおいて最も重要なキャラクターと言っても過言ではない、あのナルサスが死んでしまいます。 ナルサスの死は、前巻でマルヤム国入りしたヒルメスが、マルヤム軍を率いてパルスへ侵攻してきたことが発端となりました。 ナルサスとヒルメスの因縁の対決が起こり、その戦いによってナルサスは死んでしまうのです。 さらに、彼の妻であり、十六翼将の1人アルフリードも同時に死んでしまいます。 一部の初期からずっとアルスラーンと共にあった彼らの死は、あまりに衝撃的です。 知らせを受けたアルスラーンやエラム、ダリューンたちも大きなショックを受けますが、それはきっと読者も同じでしょう。 数十年続いているアルスラーン戦記も、だんだんと終わりを予感させる展開へとなっていきますが、次巻の発売日はまだ未定。 先が気になるところではありますが、待っている間は、ぜひここまでの巻を読み直してみてください。 遂に完結!! 30年越しの歴史ファンタジーここに終焉『アルスラーン戦記』16巻 第1巻が刊行されてから約30年。 ようやく完結を迎えた「アルスラーン戦記」16巻です。 前巻でナルサスとアルフリードの死という衝撃的な展開を迎えましたが、蛇王ザッハークとの対決は刻一刻と近付いています。 アルスラーンも対決に備え、味方や捕虜などを移動することにしました。 しかし、その過程でまたも16翼将の中から死人が出てしまいます。 今回死んでしまうのは、何とジャスワント。 最終決戦前に亡くなってしまう死に方に、読者はまたも衝撃を覚えるでしょう。 一方、蛇王ザッハークは、自身がアンドラゴラス三世の姿をしていることを利用し、アルスラーンに対抗する軍団を作り上げていきます。 8万もの兵力を擁する軍団とは、まさに最終決戦にふさわしい規模ですね。 また、死人はジャスワントだけに留まりません。 最終巻ということで予想している方も多いかもしれませんが、他にもこれまで長く活躍してきたキャラクターが死んでしまいます。 むしろ生き残る者を予想するような展開になっていきますが、そこで気になるのはアルスラーンの生死。 ここまで読んできた読者であれば、様々なところにフラグが立っていることに気が付いている方も多いはず。 そのフラグがどう料理されているかは、ぜひ実際に読んで確認してみてください。 30年間読み続けた読者にとって、ラストはきっと涙なくして読むことはできないでしょう。 漫画『アルスラーン戦記』はスマホアプリで無料でよめるので、そちらもおすすめ!.
次の【アニメ】アルスラーン戦記続編3期制作の可能性は? アニメ『アルスラーン戦記』2期は最終回を迎えましたが、3期制作の可能性はあるのでしょうか? 現在、公式Twitterアカウントや公式アニメサイトで3期の告知はされていません。 そこで、DVDの売上や原作の話数ストックなどから3期の制作がされるのか予想してみました。 結論から言うと、 3 期制作の可能性は低いです。 それでは、その理由について詳しく見ていきましょう。 原作の話数ストックとアニメ3期はどこからかを考察 アニメ『アルスラーン戦記』は、2016年8月までに、 漫画版 の7巻までを放送しました。 原作は角川文庫から出ている小説になるのですが、 アニメは漫画版(荒川弘版)を元にして作られています。 なので漫画版=アニメの原作として話を進めます。 アニメの内容は漫画版に則って制作されており、 アニメ3期があるならば漫画の続きである8巻から映像化されるでしょう。 現在漫画『アルスラーン戦記』は11巻まで出ています。 映像化していない話は4巻分しかないため、 話数ストックは少ないといえます。 しかし、アニメ2期のように全8話構成ならば話数ストックは足りるでしょう。 【アニメ】アルスラーン戦記2期のDVD(BD)販売状況から考察 アニメ『アルスラーン戦記』2期のDVD(BD)売上を調べてみました。 全4巻で販売されています。 アニメ続編制作へのボーダーは5000枚と言われていますが、『アルスラーン戦記』はボーダーの半分しか売り上げていません。 DVDの売上枚数がボーダーに満たないことから、 3 期制作の可能性は低いと言えます。 アニメ2期アルスラーン戦記の座談会から考察 全8話で惜しまれつつも終了したアニメ2期「アルスラーン戦記」。 その主演声優による座談会の内容から一部抜粋したものを紹介します。 主演声優にとっても「アルスラーン戦記」は思い出深い作品であり、3期の実現はファン同様に待ち望んでいることがわかります。 現状では3期は情報は出ていませんが、漫画版のストックが溜まれば、また帝都奪還の旅路が見られるかもしれませんね。 【アニメ】アルスラーン戦記の内容と放送日予想まとめ 漫画版の話数ストックは少なく、2期のDVD&BDの売上は良いとは言えません。 小説版、漫画版ともに人気のある作品ですが、今の段階では アニメ『アルスラーン戦記』3期制作の可能性は低いと言えます。 ただ、アニメの元になっている漫画版の話数ストックが溜まれば、3期制作の可能性も出てくるかもしれません。 それまで漫画版を読んで応援したいところですね。 できれば小説や漫画で続きを無料で読みたいよね。 なにかいい方法がないかな? 【アニメ】アルスラーン戦記の小説・漫画を無料で読む方法 2016年8月までに、アニメ『アルスラーン戦記』は 漫画版 の7 巻までアニメ化しました。 アニメ2期の続きを見たい方は、漫画版の8巻を見ると良いでしょう。 また、 小説 『アルスラーン戦記』でも6巻から読めばアニメの続きを見ることができます。 さて結論から言うと、『アルスラーン戦記』を無料で読む方法はあります。 VODサービスを上手く活用すればよいのです。 『 アルスラーン戦記』を読むことができるVODサービスを比較したのがこちらです。 配信 サービス バックナンバー の価格 説明 583円(小説版) 453円(漫画版) ・無料トライアルで即時961pt獲得 ・小説版1冊分が今すぐに無料で読める、あるいは漫画版2冊分が今すぐ無料で読める 453円(漫画版) ・無料トライアルで即時600pt獲得 ・漫画版1冊分が今すぐ読める 420円(漫画版) ・無料トライアル1ヶ月の合計で1300p獲得 ・今すぐではないが無料で3冊分を読める。 一番のおすすめはです。 無料登録後にすぐ小説、あるいは漫画 『 アルスラーン戦記』を読むことができます。 アルスラーン戦記を読むならmusic. jpがオススメな理由 music. jpは動画配信、音楽配信、電子書籍配信の3つのサービスを取り扱っている国内最大級のデジタルコンテンツ配信サービスです。 music. jpの特徴をまとめてみました。 無料トライアル登録で、月額1922円が 30日間無料になります。 無料登録してすぐに、漫画も買える通常ポイントが962円分のプレゼントされます。 さらに1500円分の動画ポイントと合わせて 2462円分のポイントがプレゼント。 無料期間終了後は 毎月4922円分のポイントがプレゼントされます。 (漫画まとめ買い時)• 映画などの動画や漫画などの電子書籍に加えて、音楽配信が充実!全部で937満点以上が楽しめる! 今だけのキャンペーンとして、 この記事のリンク先から新規登録すると漫画が購入できる通常ポイントが961p、それに加えて動画が視聴できる動画ポイントが1500pもらえます。 music. jpで 漫画『アルスラーン戦記』は453円なので、 無料お試しでプレゼントされた分のポイントで2冊分を購入することが可能です。 さらに、『』には 小説『アルスラーン戦記』も揃っています。 小説版は583円なので、 無料でもらえる961円分ポイントで1冊読めます。 music. jpの公式サイトで月額1958円(税抜)を課金すると漫画などの電子書籍の他、アニメや映画などの動画、そして音楽配信サービスなど幅広い楽しみ方ができるオススメの動画配信サービスです。 jpに普通に登録すると通常ポイントが640p+動画ポイントが1000pしかもらえないですが、この記事内のリンクからだとポイントが1. 5倍お得になります。 今なら無料期間から継続課金すると、翌月から動画ポイントが2倍の3000pに、通常ポイントも1922pに大幅増量されます。 このキャンペーンが適用されるかどうかは登録のタイミングで決まってしまうので、今がチャンスです! 【漫画・小説】アルスラーン戦記全巻をお得に読む方法を調べた結果 アニメを見て、物語をまとめて読み返したいと思う方もいるのではないでしょうか。 そこで、『アルスラーン戦記』を全巻お得に読む方法を調べてみました。 結論から言うと、先述した通りVODサービスを上手く活用すればほぼ無料で漫画版を6巻分読むことができます。 そのあとは、電子書籍サービスを利用してお得に11巻まで読めます。 オススメは 購入金額と冊数に制限のない50%オフクーポンがもらえるDMM電子書籍です。 DMM電子書籍は、大手ECサイト企業『DMM. com』が運営する電子書籍サービスです。 無料で読める電子書籍が 250,000冊以上と類似サイトの中でもダントツの多さです。 また、 初回登録で50%OFFクーポンが貰えます! もちろん登録は無料です。 この50%OFFクーポンを使えば、まとめ買いでどの 電子書籍サービスよりも安く『アルスラーン戦記』を全巻まとめて読むことができます。 全巻半額で読むことができるなんてとてもお得ですよね。 もちろん小説版もあります。 お得に14巻まで読めるのでお勧めです。 『アルスラーン戦記』をまとめ読みしたい方には強くおすすめしたい電子書籍サービスです。 隣国シンドゥラでは病に伏せる王を契機に、兄弟で王位争奪の諍いが巻き起こっていた。 王都奪還に向けて馬を走らせているアルスラーン一行であったが、道中、この争いに巻き込まれることになる。 そこで国境付近の憂いを良しとしないアルスラーンは、弟王子・ラジェンドラと攻守同盟を結び、王位継承戦に力を貸すことにした。 打倒すべきは、兄王子・ガーデーヴィ。 そして国都ウライユールにある軍勢! しかしガーデーヴィが信頼を持つ無敵の戦象部隊と兵力15万の大軍がアルスラーンの道を阻む! いかにこの戦力差を覆せばよいのか。 王太子・アルスラーンが下した決断とは? 王位継承戦、最終幕、神前決闘開幕! まとめ 今回は、アニメ『アルスラーン戦記』の3期放送の可能性を調べました。 残念ながら、3期制作の可能性は低そうです。 しかし、アニメの続きは小説6巻、漫画版8巻を読めば楽しむことができます。 電子書籍を使えば気軽にすぐに楽しめるので、ぜひ利用してみてください。 電子書籍は、などの動画配信サービスを上手く活用するとサービスによっては無料で読めます。
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