私は全国的にも有名な国立の大学へ、八幡と結衣は都内の同じ大学に合格、入学し、日々充実した毎日を過ごしていた。 新生活の始まりという時期で、以前のように頻繁には会えないけれど、 毎日欠かさずくれる電話口や、会った時の顔を見ていると、凄く満ち足りた感じが伝わってくる。 今日も結衣と大学の近くにあるカフェでお茶を飲みながら、日常の些細な事ばかり話題にしている。 でも、そんな些細なやり取りも、今の私には嬉しくて楽しいものばかりだった。 結衣のこの顔にはいい思い出がない。 結衣「だから~ヒッキーのこと!上手くいってるの?」 …ほら、やっぱり。 もう、事ある毎にそんな質問ばっかり。 別に嫌ではないけれど… 雪乃「別に。 普通だと思うわ。 八幡も教師になるって夢に向かって頑張っているし、私も応援しているし」 結衣「そうじゃなくて。 …心配になったりしない?ほら、ヒッキー大学行ってから変わったし」 雪乃「信用しているもの。 それに、彼に浮気する度胸なんてあると思う?」 結衣「それは…ないと思うけど。 なに?なにかあるの? 結衣「あ、ち、違うよ!?そんな不安そうな顔しないで!ゆきのんが想像してるようなもんじゃないから!」 雪乃「っ、別に不安になんて…」 結衣「じ、実はね、私も最近知ったんだけどね?」 雪乃「…」 結衣の慌てたような言い回しに、ドクリと胸が波打つ。 結衣「あのね、うちの大学の女子の間でね、その……ヒッキーの写真が出回ってて…」 雪乃「…………は?」 結衣「な、なんか女子の間で凄い人気らしい…ってか人気で…」 雪乃「どういう事かちゃんと説明して結衣」 結衣の話を聞いて思わず身を乗り出して詰め寄ってしまう。 …私も一度見せてもらったから間違いないし…」 雪乃「………」 ふつ、ふつ、と… これ、私は怒っていいのかしら? 唖然としながら聞いている私の背後を、数人の女性が昼食を終えて過ぎていった。 あなたは何も後ろめたい事なんか無いのでしょうね。 キラキラと、本当、初めて出会った頃には考えられないほどの笑顔で私に手を振って。 八幡「なんか久々だな、こうやって朝から……雪乃?」 雪乃「…………」 一方で、私はムスッと不機嫌顔。 まるで初めて出会った頃のように。 イライラする。 もやもやする。 だから、私はなにも言わずに… なにも説明せずに、話さずに… 有無も言わせず、強引にあなたに口づけをした。 驚いた顔。 …ざまぁみなさい。 戸惑った瞳…いい気味よ。 それでも私を抱きしめてくれる腕。 …それだけじゃ許してあげないんだから。 私を見つめてくれる、愛しげに細められた暖かな眼差し。 ……大好きよ。 雪乃「あの頃とは、もう違うのよ」 こうやって堂々と嫉妬できるのは、私があなたの特別でいられるから。 ありがとうございました。
次の魔人学園二次創作一覧 ここには「魔人学園」系統の二次創作を掲示しています。 読みたいものをクリックしてお進みください。 できれば読後に感想もください。 魔人コラム• 管理人による適当な「魔人」に関しての説明。 初めて魔人に触れる方向け。 (言い訳) 該当する話を読んでからこちらを読んでもらう方が良いかと・・・。 身長体重などのデータもあります。 オリキャラに関する設定画を追加しました。 PS2 管理人が行っている「最強化」の仕方を解説します。 「陰の章」第一話の管理人オリジナル主人公(男)+他版です。 「陽の章」第二話が元の話です。 龍姫がついに拳を奮います。 「陰の章」第二話が元の話です。 これで陰の章はメインキャラが出揃います。 第五話 前編は主に「陰の章」第三話の前半から中盤と、龍姫のオリジナルエピソードを含みます。 後編は主に「陽の章」第三話の中盤から後半と、「陰の章」第三話の後半が主です。 閑話はその後日談で、香瑠奈を中心に話が進みます。 第六話 前編は「陰の章」第四話が中心です。 一部オリジナルを含みます。 後編は「陽の章」第四話が中心です。 オリジナル要素が多いですので注意。 閑話は龍姫中心、会話のみのまったりとした流れです。 クロスオーバー注意。 第七話 前編は「陰の章」第五話前半と、「陽の章」のオリジナルをほんの少し含みます。 後編は「陽の章」第五話全般と、「陰の章」後編部分です。 ちょっとボリュームが多いです・・・。 閑話は涼浬が龍泉寺に戻ってきてすぐの、ちょっとした話です。 比較的日常的かも。 第八話 前編は「陽の章」第六話と「陰の章」第六話の堺へ着くまでの話です。 後編は「陽の章」「陰の章」第六話の堺へ到着した後の話です。 えらい長くなっちまいました・・・。 閑話は玲亜、摩亜砂中心のオリジナルエピソード。 「真闇」や「結界」についての補足的内容です。 第九話 最新 前編は「陰の章」第七話+オリジナルのお話です。 えらい長くなってしまいました。 閑話乃一はその後日談、玲亜と雹が中心です。 後編は「陽の章」第七話+オリジナルの話。 また長い・・・しかもなんか無意味にエロい・・・かも。 閑話乃弐はさらにその後日談、龍閃組女性陣総出演です。 東京魔人学園剣風帖 短編 その1 緋色中毒(管理人・「ヤマトタケル様」)への(勝手な)捧げ物です。 18歳未満閲覧注意 その2 黒菩薩再び・・・、色々と壊れています・・・。 念のため 18歳未満閲覧注意 その3 天月(管理人・「天紅」様)4周年を知ったので、大急ぎでこしらえた(でっちあげた)一本。 今回は黒菩薩はないですが・・・、まあ見れば分かります。 その4 そういえば比良坂メインの話を一度も書いていなかったので・・・。 後々何か追加するかも。
次の私は全国的にも有名な国立の大学へ、八幡と結衣は都内の同じ大学に合格、入学し、日々充実した毎日を過ごしていた。 新生活の始まりという時期で、以前のように頻繁には会えないけれど、 毎日欠かさずくれる電話口や、会った時の顔を見ていると、凄く満ち足りた感じが伝わってくる。 今日も結衣と大学の近くにあるカフェでお茶を飲みながら、日常の些細な事ばかり話題にしている。 でも、そんな些細なやり取りも、今の私には嬉しくて楽しいものばかりだった。 結衣のこの顔にはいい思い出がない。 結衣「だから~ヒッキーのこと!上手くいってるの?」 …ほら、やっぱり。 もう、事ある毎にそんな質問ばっかり。 別に嫌ではないけれど… 雪乃「別に。 普通だと思うわ。 八幡も教師になるって夢に向かって頑張っているし、私も応援しているし」 結衣「そうじゃなくて。 …心配になったりしない?ほら、ヒッキー大学行ってから変わったし」 雪乃「信用しているもの。 それに、彼に浮気する度胸なんてあると思う?」 結衣「それは…ないと思うけど。 なに?なにかあるの? 結衣「あ、ち、違うよ!?そんな不安そうな顔しないで!ゆきのんが想像してるようなもんじゃないから!」 雪乃「っ、別に不安になんて…」 結衣「じ、実はね、私も最近知ったんだけどね?」 雪乃「…」 結衣の慌てたような言い回しに、ドクリと胸が波打つ。 結衣「あのね、うちの大学の女子の間でね、その……ヒッキーの写真が出回ってて…」 雪乃「…………は?」 結衣「な、なんか女子の間で凄い人気らしい…ってか人気で…」 雪乃「どういう事かちゃんと説明して結衣」 結衣の話を聞いて思わず身を乗り出して詰め寄ってしまう。 …私も一度見せてもらったから間違いないし…」 雪乃「………」 ふつ、ふつ、と… これ、私は怒っていいのかしら? 唖然としながら聞いている私の背後を、数人の女性が昼食を終えて過ぎていった。 あなたは何も後ろめたい事なんか無いのでしょうね。 キラキラと、本当、初めて出会った頃には考えられないほどの笑顔で私に手を振って。 八幡「なんか久々だな、こうやって朝から……雪乃?」 雪乃「…………」 一方で、私はムスッと不機嫌顔。 まるで初めて出会った頃のように。 イライラする。 もやもやする。 だから、私はなにも言わずに… なにも説明せずに、話さずに… 有無も言わせず、強引にあなたに口づけをした。 驚いた顔。 …ざまぁみなさい。 戸惑った瞳…いい気味よ。 それでも私を抱きしめてくれる腕。 …それだけじゃ許してあげないんだから。 私を見つめてくれる、愛しげに細められた暖かな眼差し。 ……大好きよ。 雪乃「あの頃とは、もう違うのよ」 こうやって堂々と嫉妬できるのは、私があなたの特別でいられるから。 ありがとうございました。
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