驚きですが、なかには、「すべての赤ちゃんに起こらない反射」・「起こらなくとも異常ではない反射」もあるのです。 多くの赤ちゃんに見られますが、「これは足裏刺激への嫌悪感から起こるものであり、成長には必要ない反射」という見方もあり、実際に起こらない場合も多いのです。 このようなケースもあるので、原始反射の概要一覧だけを見て「この反射が起こらない…」と不安に思わず、気になることは専門家に聞いてみるようにしましょう。 関連記事:バビンスキー反射。 2歳過ぎて見られる場合は錐体路障害の可能性も… 反射の時期や出方には個人差もある! また、原始反射の出現や消失には、目安となる時期はあるものの、どの赤ちゃんにもぴったり当てはまるわけではわけではありません。 この反射では、毎度のように激しく抱きかかえるような動きとなる赤ちゃんもいれば、小さく手が動く程度の赤ちゃんもいます。 関連記事:「ビクッ」が可愛いモロー反射!寝ていて急に驚く場合も?特徴紹介 同じ赤ちゃんでも、反射の起こり方に強弱・大小等、違いが見られる場合も! 基本的に原始反射は一部のものを除いては「必要で、起こるべき反射」ではありますが、「育児書通りに反射が起こらない」・「周りの子と違うようだ」と考えすぎるのはママにも負担です。 「個人差があって当然」と捉え、心配が大きい場合には健診等で聞いてみるようにしましょう。 原始反射の異常は3つ!出現時期・連動違和感や左右差・消失時期 上のように、原始反射には個人差や出方の差はあるものの、やはり異常が疑われるケースがあるのも事実です。 それは、大きく分けると以下の3つのケースです。 出現時期:出現が遅い・出現しない• 違和感のある連動や左右差:起こるべき動きと異なる動きになる・反応の左右差が激しい• 消失時期:いつまでも消失しない 医師や乳児健診の担当者は、赤ちゃんの成長を見る際に原始反射を見て正常な起こり方をしているか判断をする場合も多いです。 万が一異常がある場合は、個々に指摘を受けるのでそれに従いますが、おおまかには、以下2つのように捉えてみてください。 反射が起こらない、消えない!中枢神経に異常がある可能性 反射が起こるべき時期に起こらなかったり、いつまでも消えない場合には、脳の中枢神経の異常(脳性まひ等)を疑います。 起こらない場合には、先の「飲む」例もそうですが、「寝返りをする」・「バランスを取る」・「歩く」…等、今後のさまざまな成長に支障をきたしてしまう場合も多いのです。 また、鎖骨を骨折している場合にも左右差が起こる場合があり、反射の変化で異変に気づけることもあるのです。 こちらも、可能性の一つとして、「気になり始めたら早めの相談」がベストです。 関連記事:赤ちゃんの緊張性迷路反射は前方と後方の2種類。 感覚を養う原始反射 反射ない場合は発達障害?気になるが見守ることが大切! このように、反射がなかったり時期や起こり方に違和感を感じた際には、「我が子は発達障害なのか?」と気になるかもしれません。 しかし、発達障害は、さまざまな原因や見方があり、反射の異常だけで早期に診断がつくものではありません。 反射の異常はたしかに脳に異常があるケースも多く、それが発達障害の特徴と結びつくこともありますが、指摘を受けるのは、グレーゾーンも含め、早くとも3歳頃からのようです。
次のこの記事の は記事全体の長さに対して長すぎます。 記述を記事本文の適切な位置へと移動したり、文章を見直したりしてください。 文章のつながりを考慮せず、見出しを挿入することはお控えください。 ( 2018年4月) 原始反射(げんしはんしゃ、: primitive reflexes)とは、が特有のに対して示す、によって引き起こされる行動のことである。 この反射は、子供が成長して大人になり、が発達する過程で失われていくものである。 脳性麻痺者や健常者は反射を抑えることができるが、特定の条件下(非常に強いの間)では反射が再び現れることがある。 の場合にはこれらの反射を保持していることがあり、大人であっても再び現われることがある。 原始反射の再出現は、(前頭側頭葉変性症等の稀な病気)や外傷性、を含む特定の神経学的症状に帰せられる。 その際の反射は、影響を受けた領域に限定される(脚にのみ影響のある脳性麻痺者はを保持しているが、正常な言語能力を持つ)。 の人は、影響のある側の脚にのみ反射が見られる。 原始反射は脳が損傷している疑いがある時に、前頭葉の機能を検証する目的で使用される。 もし原始反射が適切に抑制されていなければ、これらはと呼ばれる。 非定型原始反射は、の初期の徴候の可能性としても研究されている。 原始反射は錐体外路機能(多くは誕生時に既に存在する)によって伝えられる。 これらは化の進行と共にが機能を獲得していくにつれて失われるが、様々な理由によって錐体路の機能が失われた大人や子供で再び現われることがある。 しかしながら、「Amiel-Tisonの神経学的評価法」の出現により、小児集団におけるこういった反射の評価の重要性が低下している。 生後4日の新生児のモロ反射。 1 モロ反射は新生児を床から引っ張り上げ、放すことによって始まる。 2 新生児は腕を広げる。 3 新生児は腕を引き付ける。 4 泣く(10秒)。 モロ反射は、驚愕応答、驚愕反射と呼ばれることもある。 名称はによって発見されたことによる。 モロ反射は誕生時から存在し、最初の一ヶ月で最大になり、生後2カ月頃に消え始める。 この反射は通常であれば生後3から4カ月で消えるが 、まれに6カ月まで続くこともある。 乳児の頭の位置が突然変化したり、不意に温度が変化したり、突然騒音が鳴るなどして驚愕すると起こる反射である。 脚と頭は伸び、腕はパッと上がった後パッと戻り、掌は上向きになり、親指は曲がる。 腕がまとまると程なく、手はギュッと締まって拳になり、乳児は大声で泣く。 この反射の欠如は乳児のの損傷と関係している可能性があり、片側欠如はによる損傷(例えばあるいはの損傷)の可能性があるが、あるいはその他のである可能性も存在する。 モロ反射は乳児が持ち歩かれている間、母親にしがみつくのに役立ってきたと考えられており、乳児がバランスを失うと、モロ反射によって乳児は母親に抱きつくことができた。 歩行反射 [ ] 探索反射 探索反射は誕生時に存在し、4カ月頃に消える。 探索反射は行動を助けるものである。 この反射によって新生児は、それが何であれ頬や口をなでるものの方向に頭を向け、頭を移動させることによって目標を探す。 目標を発見するまでじわじわと移動の弧を小さくする。 このやり方である程度応答した後(母乳栄養した場合は誕生後3カ月頃)は、目標に直接移動するようになる。 吸啜反射 [ ] 吸啜反射は全てのに共通で備わっており、誕生時に存在する。 吸啜反射は探索反射とともに母乳栄養のためにある。 吸啜反射によって乳児は、本能的に口の縁に触れたものを何でも吸い、母乳を得る方法を模倣する。 動作は2段階からなる。 Expression - が子供の唇の間に置かれ、口蓋に触れた時に活性化される。 Milking - 舌がから乳首に移動し、母親からの母乳を促す。 緊張性頸反射 [ ] 詳細は「」を参照 足底反射は、足裏の屈曲を含む正常な反射である。 足底反射によって、爪先が脛から離れる方向へ移動し、屈曲する。 異常足底反射(徴候としても知られる)は、屈曲反射回路に対する上位運動ニューロンの制御が妨害された時に起こる。 この結果として、足の背屈(足が脛に向かって曲がり、足の親指が反り返る)が起きる。 これは、の低い化が原因で、1歳未満の赤ちゃんにも起こる。 これらの経路が成熟型に発達すると、屈曲反射回路が下向きの皮質脊髄入力によって阻害され、正常な足底反射が生じる。 としても知られ、大人における神経学的異常(上位運動ニューロンの損傷など)の徴候である。 ギャラン反射 [ ] ギャラン反射は、誕生時に存在し、生後4カ月から6カ月の間に消えていく。 ギャラン反射の名称はロシアの神経学者Johann Susman Galantに因む。 この反射によって、乳児の背中側面の肌がなでられた時、乳児はなでられた側に向かって揺れる。 もしギャラン反射が6カ月を過ぎても残っていると、それは病理学的徴候である。 潜水反射 [ ] 潜水反射は生後4から6カ月の間に消える。 潜水反射によって、乳児は水の中で顔を下にし、足を掻いたり蹴ったりし始める。 しかし、乳児はこの動きを行う間に大量の水を飲む可能性があり、非常に危険性が高い。 水中に沈んだ乳児はによって死亡する可能性があるため、乳児への泳ぎの訓練は、少なくとも3カ月になるまではおこなわないことが望ましい。 バブキン反射 [ ] バブキン反射を示す乳児。 両方の掌に圧力を受けた時、口をあける(8秒)。 バブキン反射とは新生児に起こる、両方の掌への圧力への様々な応答を意味する。 名称はロシアの神経学者に因む。 この反射によって乳児は、首の屈曲や頭の回転、開口等いくつかの応答の組み合わせを示す。 小さなはこの反射により敏感であり、妊娠26週の子供にも存在することが確認されている。 パラシュート反射 [ ] この反射は少し育った乳児に起こる。 子供が直立に支えられ、赤ちゃんの体が(落下した時のように)すばやく前向きに回転した際に、赤ちゃんは落下を阻止するかのように腕を前に延ばす。 この反射は赤ちゃんが歩くようになる前の長い期間見られる。 大人に現れる原始反射 [ ] 導入部で述べたように、原始反射が適切に抑制されていない場合は、(誤った名称かもしれないが)と一般的に呼ばれる。 上記の反射に加えて、や、が含まれる。 ハイリスク新生児における原始反射 [ ] 「ハイリスク新生児」という用語は、特に生後数カ月の間に死亡の可能性がかなりあった新生児を意味する。 ハイリスク新生児はしばしば、異常な原始反射の応答を示したり、逆に欠落したりする。 ハイリスク新生児における原始反射の動作は反射によって異なる(モロ反射は正常だが、歩行反射が欠如あるいは異常など)。 67人のハイリスク新生児における原始反射を調べた最近の横断的研究では、吸啜反射、バビンスキー反射、モロ反射の応答を評価するためにサンプル調査法が用いられた。 研究の結果、吸啜反射が最も高く正常に起こり 63. この研究では、ハイリスク新生児は、原始反射のより周期的な応答や応答の欠如を示し、個々の反射で応答は異なる、と結論付けられた。 しかしながら、ハイリスク新生児や乳児における神経学を予測する判断材料として「Amiel-Tisonの神経学的評価法」のように、より単純で効果的な手法の出現によって、原始反射の評価の重要性は低下している。 脚注 [ ]• 2008年10月23日閲覧。 Rauch, Daniel 2006年10月5日. 2007年10月11日閲覧。 Schott, JM; Rossor, MN 2003. Neurol. Neurosurg. Psychiatr. 74 5 : 558—60. Teitelbaum, O. ; Benton, T. ; Shah, P. ; Prince, A. ; Kelly, J. ; Teitelbaum, P. 2004. Proc. Natl. Acad. Sci. 101 32 : 11909—14. Neurological Assessment during first year of life. New York. Oxford University Press, 1986; 46-94. Developmental medicine and child neurology 47 1 : 19—26. 2013. BMJ open 3 2. Child Development. 8th. USA: Pearson, 2009. 2007年10月11日閲覧。 2007年10月11日閲覧。 The American Academy of Pediatrics 1998. Shelov, Stephen P. ; Hannemann, Robert E.. eds. Caring for Your Baby and Young Child: Birth to Age 5. Illustrations by Wendy Wray and Alex Gray Revised ed. New York, NY: Bantam. Siegler, R. ; Deloache, J. ; Eisenberg, N. 2006. How Children Develop. New York: Worth Publishers. 188. Odent M. The early expression of the rooting reflex. Proceedings of the 5th International Congress of Psychosomatic Obstetrics and Gynaecology, Rome 1977. London: Academic Press, 1977: 1117-19. Khwaja, JIACM 2005; 6 3 : 193-7: "Plantar Reflex"• MedlinePlus. 2010年1月11日閲覧。 2015年3月5日閲覧。 Pedroso, Fleming S. ; Rotta, Newra T. 2004. Journal of Child Neurology 19 8 : 592—596. Parmelee, Arthur H. , Jr. May 5, 1963. Pediatrics 31 5 : 734—740. Sohn, M. ; Ahn, L. ; Lee, S. 2011. Journal of Clinical Medicine Research 3 6 : 285—290. 外部リンク [ ] ウィキメディア・コモンズには、 に関連するカテゴリがあります。 2007年10月11日閲覧。 2008年5月2日閲覧。
次の原始反射とは何か、原始反射はどうして起こるのか 出産前に胎児の様子を見られなかった時代には、赤ちゃんがママのお腹の中にいる期間は何も考えず、何も感じない昏睡状態にあると考えられていました。 しかしエコー技術の進歩などによって胎児の様子を詳しく知ることができるようになった結果、胎児は羊水の中で活発に動き、様々な刺激に対して反応していることが解明されてきました。 胎児が見せる動きのうち 生まれてからも続く反射的な動作は「原始反射」と呼ばれています。 原始反射は何も知らない赤ちゃんが外の世界で生き抜くことができるよう、本能的に備わっている体の動き。 生まれたばかりの赤ちゃんは自分の体を意識的に動かすことができないため、生きるために原始反射を行っていますが、成長につれて体を意識的に動かせるようになると自然になくなっていきます。 『反射』が起こるしくみ 通常、人は脳からの指示を受けて体を動かしますが、反射は脳が指示する前に無意識に体が動く反応です。 例えばひざを叩いたり、熱いものに触れたりすると意識する前に手や足を動かしてしまいますよね。 これは体が外から受けた刺激に対して、脳に届く前に「脊髄」や「延髄」が命令することで刺激が折り返され、頭で考えることなく無意識的に運動が行われていることによる動作なのです。 どんな原始反射がある?原始反射の種類と消失時期 0歳児に見られる原始反射の種類と消失時期を一覧にまとめました。 モロー反射や吸啜反射、把握反射などはわかりやすいですが、中には素人にはなかなか把握・認識しづらい原始反射もあります。 手や足の反射• モロー反射:生後4ヶ月頃に消失• 把握(はあく)反射:生後4ヶ月頃に消失• 原始歩行:生後4~5ヶ月頃に消失• 非対称性緊張性頸反射(ATNR):生後4~6ヶ月頃に消失• バビンスキー反射:2歳頃に消失 口の反射• 追吸反射:生後4~6ヶ月頃に消失• 吸啜(きゅうてつ)反射:生後6ヶ月頃に消失 首の反射• 引き起こし反射:生後1ヶ月頃に消失 おしりの反射• ガラント反射:生後3~9ヶ月頃に消失 出生後に始まる反射• 対称性緊張性頸反射(STNR):生後6ヶ月頃から発達し、9~11ヶ月頃に消失• パラシュート反射:生後8ヶ月頃から発達し、一生消失しない それぞれの原始反射に備わる有用性 原始反射は手、足、口など反射する部位は様々。 それぞれの反射には赤ちゃんの成長に大きく作用する大切な有用性が備わっています。 びくっとして両手を広げる「モロー反射」 新生児の時期は、自分の状況が危険かどうかまだまだ判断できません。 そのため 危険の可能性を感じたときに対応できるよう、無意識的に体を動かすのがモロー反射です。 モロー反射は大きな刺激を受けることによって引き起こされます。 大きな音、明るい刺激、突然強く触れる、赤ちゃんの体が突然傾いてバランスを崩すなどです。 例えば突然大きな音が聞こえると、赤ちゃんはびくっとして何かにしがみつくように両手を広げますが、これは私たちの祖先が木の上で生活していた頃、母親につかまって落ちないようにしがみついていた名残だと考えられています。 モロー反射が消失すると首すわりなど首の動きが発達すると考えられています。 モロー反射の消失時期や正常な反応と異常な反応、赤ちゃんの原始反射のひとつモロー反射と良く似た点頭転換との違いなどモロー反射について解説し、モロー反射対策の赤ちゃんを安心させるおくるみの巻き方も紹介。 点頭てんかんとの違いは? モロー反射は主に寝ているときにビクッとなることが多いですが、点頭てんかんは眠くなったときや目覚めたときなど、意識があるときに起こります。 首をカクンカクンと前に倒すなどの動作を獣数秒から数十秒間隔で何度も繰り返し、長ければ5分から10分続くときもあります。 無表情になることも点頭てんかんの特徴です。 点頭てんかんとは 生後4ヶ月から1歳の間に起きるてんかんの種類で、うなずくような仕草が特徴です。 通常のてんかんのように手足の硬直やけいれんなど、激しい発作がないため、パパやママが気づいてあげられないことが多く注意が必要だと言われています。 自分のモロー反射で起きてしまうときの対策 お布団の上に寝かしているときにモロー反射をすると、自分の体の動きにびっくりして泣き始めてしまう赤ちゃんもいます。 せっかく寝てくれた…とホッとしたときにモロー反射で起きてしまうとがっかりしてしまいますよね。 そんなときにできるモロー反射の対策は 赤ちゃんをおくるみに包んで寝かせてあげることです。 おくるみでしっかりと体を固定しておくと、モロー反射が起きても赤ちゃんは体を動かすことができないので目が覚める心配もありません。 手や足をぎゅっとつかむ「把握反射」 パーマー反射、手掌把握反射、足底把握反射とも呼ばれます。 手のひらや足の裏に指などで触れると、指を丸めてギュッとつかもうと握り返してきます。 この反射は将来的に 「ものを握る」動作につながります。 赤ちゃんは無意識的に行っている動作ですが、赤ちゃんの小さな手がパパやママの指を握り返してくれるのは愛おしさを感じる瞬間でもありますね。 把握反射って知っていますか?生まれたばかりの赤ちゃんでも手のひらに指で刺激を与えると、ぎゅっと握り返してくれるのは実は無意識の反射運動です。 この時期にしか見られない把握反射の特徴をご紹介します。 足を交互に出す「原始歩行」 原始歩行は自動歩行反射とも呼ばれます。 両手で脇の下を持って体を抱き、足を床につけるようにして立たせると、まるで歩いているかのように足を交互に出します。 これは意識的に歩いているわけではなく、足の裏に衝撃を受けて反射的な行動をとっているのです。 もともと 人間としての基本的な歩く動作が脳にインプットされていることによって起きると言われています。 原始歩行をさせるコツは、赤ちゃんの動きのリズムと呼吸を合わせることです。 赤ちゃんのご機嫌がよければ、何歩も足を踏み出してくれるでしょう。 手と目の協調性を育てる「非対称性緊張性頸反射(ATNR)」 仰向けの状態で赤ちゃんの頭を左右の一方向に向けると、同じ側の腕と足をまっすぐ伸ばし、反対側の腕と足は内側に曲がるように動く反射です。 左を向いたときには、左手と左足が伸び、右手右足は曲がります。 この反射は腕と頭が関連して動き、腕は触覚、頭は視覚と関連した動きを行うことによって、赤ちゃんは 距離感覚を確立し、手と目の協調性を育てます。 生まれたときから見せる反射で、赤ちゃんが自分自身で動いて産道を通ることを手助けします。 足指の動き「バビンスキー反射」 バビンスキー徴候などと言われることもあります。 綿棒や指先などで、足の裏をかかとから小指のつめ先に向けてゆっくりこすると、足の親指がゆっくりと足の甲の方向へ曲がり、他の指は扇状に外側に開く反射です。 バビンスキー反射は サルの時代に木上生活をしていた頃のなごりだとも言われ、他の動物などから攻撃を受けたときに木をつかんで逃げるために人間が生まれながらにもっている本能的反射だとも言われています。 バビンスキー反射は赤ちゃんの神経発達に関わる原始反射です。 いつから見られいつまでに消失するのか、チェック方法などと一緒に解説します。 その他のモロー反射など赤ちゃんらしい反射も紹介します。 中枢神経系の異常確認に重要な反射 バビンスキー反射は新生児の足の異常や、中枢神経系の異常の有無を確認する上で重要な反射です。 1ヶ月健診などで確認されることもあり、新生時期にこの反射が出なかったり非対称に出るときは異常の可能性があると考えられています。 おっぱいを飲むための反射「追吸反射」「吸啜反射」 赤ちゃんはおっぱいを飲まないと生きていくことができません。 そのため ママのお腹に中にいる頃からおっぱいをのむための準備を始めています。 それがおっぱいの方向へ顔を向ける「追吸反射」と口の近くにあるものに吸い付く「吸啜反射」です。 おっぱいの方向に顔を向ける「追吸反射」 追吸反射はルーティング反射や捕捉反射とも呼ばれています。 口の周りに乳首や指が触れると、それを追いかけるように顔を向けて口に含もうとする反射です。 出産直後にカンガルーケアをしたことのあるママは、追吸反射を見せてくれた赤ちゃんもいるでしょう。 誰にも教わっていないのに生まれたばかりの赤ちゃんが必死におっぱいの方向へ顔を向ける姿に愛おしさを感じたかもしれません。 赤ちゃんは 生きるための力を備えて外の世界に出てくるのですね。 口に触れたものに吸い付く「吸啜反射」 追吸反射と同様でおっぱいを吸うための反射として、吸啜反射があります。 おっぱいを上手に吸えるように、口に触れたものを乳房だと思って唇と舌で吸い付く反射です。 赤ちゃんの口元をくすぐると、指を吸ってくるので試してみましょう。 吸啜反射とは赤ちゃんが生きていくために必要な原始反射の1つです。 この吸啜反射はいつから始まりいつまでに消失するのか具体的な時期を解説します。 またおしゃぶりのメリットとデメリットも解説します。 頭を持ち上げようとする「引き起こし反射」 引き起こし反射はわずかな期間だけ見られる反射です。 仰向けの状態で両手首を優しく握り、ゆっくりと状態を起こしていくとそれに合わせて、まだ首が座っていないのに自分から肘を曲げて頭を持ち上げようとする反射です。 赤ちゃんが頭を守る本能的な働きだと言われています。 おしりをプリプリくねらせる「ガラント反射」 ガラント反射はギャラン反射、ギャラント反射とも呼ばれます。 背中の脊椎の外側あたりをなぞると、なぞった方に下半身を曲げて体をくねらせます。 スーッと右側の背中をなぞると、プリッとお尻を右側に振ってくれます。 同じように左をなぞるとお尻を左に振ってくれるので、左右交互になぞるとお尻を左右にプリプリと振ってくれて、ついつい微笑んでしまうユーモラスな動作を見せてくれます!ガラント反射を繰り返すことで 筋肉の緊張を高められ、体のバランス感覚を作るために重要な体の組織の発達を促すと言われています。 この反射は赤ちゃんが胎内で運動するときにすでに行っている反射で、赤ちゃんが産道を通るときにおしりが動くことで出産を手助けするために存在しています。 かわいいお尻プリプリ動画も話題です ガラント反射の正しいやり方を知れば、意図的に反射を促して可愛い動画の撮影もできます。 最近はお尻を左右に振る赤ちゃんのかわいい「ガラント反射」の動画も人気です。 赤ちゃんの体に負担をかけてしまうのでやりすぎは禁物ですが、医師など専門家付き添いのもと、ガラント反射を記録に残しておくのもいいでしょう! はいはいの準備段階「対称性緊張性頸反射(STNR)」 赤ちゃんが四つん這いになっているときに、頭が後ろに反ると腕が伸びて足が曲がり、前に向けられると腕が曲がって足が伸びる反射です。 この動きは成長に伴って はいはいの下準備になる大事な反射です。 転倒から身を守る「パラシュート反射」 大脳皮質中脳の発達が進むと見られるようになります。 赤ちゃんをうつ伏せの状態で抱き上げ、頭を下にした向きで降ろすと、手を広げて体を支えようとする反射です。 お座りの状態から後方や横に傾けると、両手を広げて自分の体を支えようとします。 赤ちゃんの頭は大きくて重たいので転びやすいですが 転んだときに手を出して自分を守る行動がインプットされているのですね。 パラシュート反射と赤ちゃんの運動発達には密接な関わりがあります。 パラシュート反射が見られる時期と消失する時期、もしパラシュート反射をしない場合の対処法や確認方法、赤ちゃんの発達の見守り方を解説します。 原始反射は正常に発達している指標 生まれた頃から備わっている原始反射は 赤ちゃんが正常に発達しているか知るための指標になり、原始反射が起きるような刺激を与えてみて赤ちゃんが反応したら、順調に発達している証拠です。 1ヶ月健診と3~4ヶ月健診では原始反射のチェックを行い、中枢神経の発達が順調かどうか確認します。 見られるべき反射が行われない、消失時期になっても消失しない、反射の表現に明らかな左右差が認められるなどから、中枢神経系の発達や成熟度など、脳障害や骨折などの診断の助けになることがあります。 原始反射はいつまで続く? 赤ちゃんの成長につれて、原始反射は必要なくなります。 原始反射の優先順位が一つ下がり、より上位の脳がコントロールを行うようになるので、生後2~3ヶ月になると少しずつ見られなくなります。 原始反射が消失するメカニズム 原始反射は脳幹や脊髄に反射中枢があります。 胎児の頃に出現して生後徐々に消失していきますが、脳の発達によって原始反射が消失すると考えられています。 次第に中脳や大脳新皮質などの反応が優位となり、運動発達が飛躍的に伸びます。 例えば、手の把握反射が消失する時期に意識的に手を動かすことが可能となり、足の把握反射が消失するときに歩行が可能になります。 健診時期のチェック内容、チェック理由 原始反射は出生後から2歳頃までの間、発達に合わせて様々な種類の反射が「出現」、「発達」、「統合」していきます。 原始反射が統合せずに、発達が止まって原始反射を持ち続けると、大人になってからも生活に原始反射の影響を受けてしまいます。 そのため、定期健診で新生児特有の原始反射が備わっているかチェックすることで、中枢神経の発達が順調かどうかを確かめます。 1ヶ月健診 1ヶ月健診では「モロー反射」「把握反射」「原始歩行」「ガラント反射」をチェックします。 4つの原始反射が正常に行われているか確認することで、中枢神経系の発達、成熟度の評価や異常の診断が行われます。 1ヶ月健診の赤ちゃんとママの健診ないようや当日に慌てないために必要な持ち物や費用、外出方法の選び方や当日の服装など健診に必要な事前情報と当日のアドバイスを交えて解説します。 3~4ヶ月健診 「立ち直り反射」をチェックします。 体を傾けると元の位置に戻ろうとする動作があるか、神経や筋肉の協調や発達の具合を調べます。 原始反射を確認しすぎないように気をつけて! 赤ちゃんが正常に発達しているか不安になり、必要以上に原始反応のチェックをしてしまうかもしれません。 しかし原始反射をやりすぎて赤ちゃんに無理な体勢や刺激を与えることはおすすめできません。 赤ちゃんの骨や筋肉は大人に比べてまだまだ未発達。 思わぬ怪我やストレスに繋がってしまうことがあります。 原始反射が通常と違い心配になってしまっても、原始反射には個人差があるので発達に異常がないか心配しすぎないようにしましょう。 不安なことがあるときは、定期健診のときにお医者さんに相談してみましょう。 健診時にしっかりとチェックしてくれるでしょう。
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