矯正歯科治療の現状 1、歯科医院で一般的に行われている矯正治療 なぜ歯を四本も抜くのですか? 歯を抜く矯正治療の場合、一般的には前から四番目の歯(第一小臼歯)を四本抜きます。 たとえ、上の歯並びが悪かったり、右側だけ八重歯のようになっていたとしても、普通は上下四本の第一小臼歯を抜歯します。 それは、左右のどちらか一本だけを抜いた場合には、抜いた方の歯列のカーブだけが反対側に比べて小さくなってしまい、 左右が非対称で、不自然な歯列になってしまうからです。 そこで、片側の歯を抜くときは反対側の歯も抜かなければならないのです。 また、片顎(たとえば上顎だけ)二本の小臼歯を抜いて、もう一方の顎の歯を抜かずに矯正治療をした場合には、上下顎の左右の関係は対称にバランスよく並びますが、歯を抜かないほうの片顎は大きい歯列で、歯を抜いたほうの片側は小さい歯列となって上下の噛み合わせがきちんと合わなくなってしまいます。 歯列矯正においては、 左右のバランス、上下のバランスの両方が大切なので、どこか一本歯を抜いて治療する場合には、自ずと四本の歯を抜いて治療する方法になってしまうのです。 なぜ歯を抜く矯正治療を行っている医院が多いのか 多くの歯科医院では、なぜ小臼歯などの歯を抜く矯正治療を行っているのでしょうか。 その基本的な理由は、「 歯科大学では歯を抜く矯正を教えているから」ということになるでしょう。 学校というものは、全国的に同じカリキュラムを定め、それに沿って授業を推し進めます。 当然、国家試験においても、問題内容は統一されます。 一般的に、歯科に関しては、大学病院では、口腔外科などの一部を除いて昔ながらのオーソドックスな治療が行われていて、一部の開業医のほうが新しい最先端の治療を取り入れている場合が多いのです。 ですから、たとえ一部の大学で非抜歯矯正が行われているとしても、急に全国的にカリキュラムが一新するということはまずありえないことです。 インビザラインもほとんどの大学病院では受け入れられていない それで何十年と教育され続けてきた、小臼歯の抜歯による矯正治療がいまだに主流を占めているのです。 今話題のマウスピースによる矯正治療の 「インビザライン」もほとんどの大学病院では受け入れられていないのが現状です。 小臼歯を抜歯する矯正治療の流れ それでは、この小臼歯を抜歯する矯正治療の流れを説明しましょう。 抜歯矯正の治療の考え方は、歯の大きさと顎の大きさのバランスが悪いので、バランスをとるために何本かの歯を抜いて治療していきましょう、という考え方なのです。 一般的には、上下の小臼歯を四本抜いてから治療を開始します。 抜いた歯の後方の歯は、なるべく前方に倒れないように、今の位置で維持しようと考えられています。 そして抜いた歯の一本手前の歯(犬歯)を一本だけ、徐々に後方へ動かしていき、その次に前歯四本を同時に後方へ動かしていきます。 抜歯矯正の治療期間は、平均で2~3年かかります 歯を動かすときに気をつけることは、後ろの歯が前方に倒れると噛み合わせが悪くなってしまうので、抜いた歯の後方の歯が前方に倒れてこないように、弱い力で動かしていくということです。 歯の動きも、傾斜的に動かすのではなく歯自体を平行に動かす歯体移動で動かすので 矯正期間も抜かない矯正よりも長くなってしまい、抜歯矯正の治療期間は、平均で2~3年かかります。 2、「抜かない」としている歯科医院の実情 抜かないで矯正する歯科医院はその技術をどこで修得しているのか 大学では抜歯矯正を教えているのに、「 抜かない」で矯正する歯科医院は、いったいその技術をどこで修得しているのでしょうか。 一般的に言うと、開業している歯科医の技術は、大学で習った内容がベースになっているのではなく、自分の勤務した歯科医院の院長の技術や有料のセミナー等を受講して勉強した知識がベースになっており、そこから 各歯科医院の治療技術に差が出てくるのです。 治療するクリニックにおいてかなりの技術差が とくに歯を動かす矯正治療においては、性質上、さまざまな独自のアイディアが取り入れられやすく、 治療するクリニックにおいてかなりの技術差が出てきます。 大学を卒業してから、ずっと学校で習った治療を続けられている歯科医の治療法は、はっきり言ってかなり遅れている場合がほとんどです。 開業してもなお勉強している歯科医は、常に新しい知識や技術を修得し、よりよい治療法を求めています。 そうしているうちに、同じ大学を卒業して、同じ経験年数を積んでいるにもかかわらず、 治療技術に雲泥の差がつくということはよくあることなのです。 今まで抜歯していた歯科医院でも抜かない矯正治療を取り入れるように 矯正治療の際に、小臼歯などの歯を抜いてうれしい人は患者さんにも歯科医にもいません。 しかし、「治療のためには抜歯もしかたない」とあきらめて、患者さんも歯科医も歯を抜いてきていました。 歯を抜いて矯正した場合に、顎関節症になりやすい、後戻りが生じやすいなどいくつかの問題点が指摘され始めて、 歯科医の中でも、歯を抜かないで矯正すればこういった問題点が解消するのではないかと考えられ、徐々に歯を抜かない矯正治療が広まってきました。 患者さんとしても、決して歯を抜きたかったわけではないので、現在の歯を抜かない矯正治療の普及がとても喜ばれているのです。 最近では、歯を抜かないで矯正する歯科医院が増えてきて、今まで抜歯して矯正していた歯科医院でも、なるべく抜かない矯正治療を取り入れるようになってきました。 3、その弊害と問題点 抜歯から非抜歯矯正への急激な変化には、弊害や問題点が 最近の歯を抜かない矯正歯科の普及によって、歯を抜かずに矯正する医院も急激に増え続けています。 しかし、この急激な変化には、弊害や問題点がないわけではありません。 「歯を抜かない矯正」=「よい治療」、「歯を抜く矯正」=「悪い治療」という図式で単純に考えると、大きな問題が発生してきます。 私が歯を抜かない矯正治療を勧める最大の理由 私が歯を抜かない矯正治療を勧める最大の理由は、歯を抜かずに治療するほうが、正しい奥歯の噛み合わせをつくりやすいからなのです。 それは、歯を後方や側方に動かすことによって、より正常な顎の位置が確保でき、体調もよくなり、後戻りも少ないからなのです。 それなのに、歯を抜かずに治療しても、奥歯もたいして動かさないで、悪い噛み合わせのまま治療していったのでは、前歯は必ず出っ歯になったり、体調がより悪くなってきます。 したがって、奥歯を後方や側方に動かして、きちんとした噛み合わせがつくられなければ、正しく治療したとは言えません。 ですから、抜歯して治療するかどうかは患者さんの希望によって決めるものではなく、 どのような噛み合わせをつくるのかという歯科医の考え方によって決定すべきなのです。 メリットデメリットを十分に理解したうえで、最適の治療法を 患者さんが抜きたくないと言ったから歯を抜かないで治療したのであって、治療結果に不満ならば歯を抜きますか? というような対応をする歯科医も出てきています。 治療した結果に問題や不満があるならば、例え歯を抜かないで矯正しても、決して患者さんに喜ばれることはないでしょう。 そういう意味で、 診断する歯科医師が抜かない矯正、抜く矯正のメリットデメリットを十分に理解したうえで、最適の治療法をご提案するべきなのです。 歯を抜いてもきちんとした治療結果が出ている人もありますし、抜かない矯正で治療しても満足いく結果になっていない方もいることでしょう。 大切なのは患者さんが何を悩まれていて、 どんな治療結果を望まれているかという点と 歯科医師の診断能力です。 骨格的な口元の前突感が気になっている方に、抜かない矯正をご提案しても満足してもらえないですし、噛み合わせの改善を望まれている方に抜歯矯正をご提案すれば、逆の結果になってしまうこともあり得ます。 そういう行き違いがないように、無料相談で十分納得いくまで話し合いをされることが大切かと思います。
次の歯列矯正を調べるとメリットに関しては沢山の情報が出てくると思いますが、デメリットはそれに比べると情報が少ないのではないでしょうか。 僕は、何か物を買ったり、何かするときはメリット以上にデメリットが気になります。 ある程度のデメリットを知った方が却って安心します。 利点だけが語られていると、どこかうさんくささを感じてしまいます。 特に歯列矯正といった金額的にも時間にも負担が大きいものに関しては、デメリットは絶対知っておきたいことです。 そこで、今回は歯列矯正を受けるに当たって考えられるデメリットを5つあげていきます。 勿論、これは 歯列矯正を否定するためではなく、マイナス面をしっかり理解することで後悔なく、また安心して治療を受けるためです。 これはワイヤーを使った矯正であってもマウスピース インビザラインなど 矯正であっても同じです。 痛みの度合いでいうとマウスピーク矯正はワイヤー矯正よりは少ないと思います。 また、矯正によって歯が動く痛みだけでなく、矯正のための抜歯後の痛みや矯正器具が歯に当たることによる痛みなどもあります。 口の中を守るためのワックスと呼ばれる保護材である程度対策はできますが、 痛みに対してはそれなりに我慢する必要があります。 矯正治療に伴う痛みについて詳しく別記事で書いているので、良かったらそちらどうぞ。 またマウスピース矯正 インビザラインなど であっても装着時に多少の違和感があります。 また、1か月程度の頻度で調整が必要となるので、忙しい社会人にとっては予定を合わせるが面倒。 マウスピースの場合は通院の回数は少なく済みますが、食事や歯磨きの度にマウスピースを外さないといけないので、外食している時などは特にマウスピークの付け外しが面倒に感じると思います。 ただ、これはマウスピークではそこまで問題にはならないでしょう。 2つ目は治療後の見た目の変化について、治療法によって矯正後に出っ歯になったり(歯を抜かずに歯を並べるとスペースが足らず全体的に歯が前に出てきてしまうことがある) 歯に隙間ができ食べ物がつまりやすくなる、また人によっては頬がこけたような顔になってしまうということです。 見た目の変化は一見メリットしかないように見えますが、こういったマイナス面もあります。 じゃあ歯列矯正はやらない方がいい? ここまで色々デメリットを語ってきましたが、それらは正しい位置に歯を動かすためには必要なことであり、またデメリットのほとんどは歯列矯正期間中に限定されるものが多いので、ある程度の期間我慢すれば、あとは悩むことはなくなると思います。 また、見た目に関しても多くの場合は歯が綺麗に並ぶことで、引き締まった表情になったり、噛み合わせの改善によって頭痛や肩こりが改善されることもあります。 さらに、誰しも歯列矯正の有無に関わらず、加齢により顔が多少なりとも変化しているので、歯列矯正による変化だと思っているのが、実は単なる老化によるものということもあると思います。 おそらく、今このページ見られている方はメリットに関しては、すでによくご存じだと思うので、これぐらいにしておきます。 というわけで、僕は上記のデメリットを理解した上で矯正スタートし、今のところ全く後悔もなく治療を続けているので、デメリットの内容を理解した上であれば、歯列矯正をすることは是非おすすめします。 では、今回はここまでとなります。
次のこんにちは、Yaeba です。 アラサーで絶賛歯列矯正ライフを送っています。 最近下の歯が動いているようで微妙に痛いです。 我慢できる痛みなんでへっちゃらですけどね! 歯列矯正をする上でいろいろと苦労や悩みが出てくると思うのですが、その中に 「抜歯は絶対しないとダメなの?」とよく聞かれます。 その人の歯並びの状況によって変わってくるのですが、抜歯しないと歯を動かすスペースが無い人は抜歯が必要です。 歯を抜いたスペースを使って歯の整理整頓を行うためです。 まずは、 カウセリングで先生から「抜歯が必要かどうか」の判断をしてもらうのが一番良いです。 そして、問題なのは 「君は抜歯必要ないよ〜」って言われたときです。 抜歯した方がいい?しない方がいい? 「特に必要ない」と言われた人は抜歯をするかどうかを自分である程度言えます。 ちなみに私は「抜歯は必要ないよ」と言われた一人です。 小顔になれると噂だったので抜歯しました 私は抜歯しました。 上下左右4番の歯を抜いたので計4本抜きました。 抜歯は矯正用のワイヤーをつける前に行うので、抜歯後にワイヤーをつけています。 抜歯のメリット• 明らかに小顔になった• 口を開けるのが楽になった(前は大きく口を開けられなかったのに…. 何故だろう?) 抜歯のデメリット• 矯正期間が非抜歯より倍かかる• (非抜歯だったら1年半で終わる予定だったけど抜歯したので3年になりました)• 痛みを伴うことがある• 抜歯費用が別途掛かる(1本約5,000円程)• 健康な歯を抜くので元には戻せない なぜ抜歯したの?• 横顔で口元がボコッと出ているように見えて嫌だったから• 前歯を引っ込めたいから• 抜歯したら小顔になると思ったから 私が歯列矯正を始めた一番のキッカケが「抜歯アリの歯列矯正をしたら小顔になれると聞いたから」という審美性の目的からが強かったからです。 抜歯をすることは歯列矯正を始める前から決めていました。 食生活が変わった影響もありますが、結果かなり顔の輪郭がスッキリしました。 抜歯したことで口内のスペースに余裕ができて、笑顔もしやすくなったので私は抜歯をして本当によかったと思いました。 ただしこの理由からかなり個人的なものなので、歯のことを考えると少しよく考えて頂きたいなと思います。 健康な歯を抜くわけなので、「必要ない」と言われた人は無理に抜歯しなくても良いのかなと思います。 私は抜歯後の小顔目的にやったのが大きいので、結果に満足していますのが、ここは個人差があるのかなと思います。 あと、私は治療が進んだら親知らずも抜歯予定なので計8本抜くことになりますね。 ちょっとドキドキです。 歯を抜いてスペースを埋めている状況 抜歯は痛い? 抜歯するの初めてだったんでとても緊張したのですが、 麻酔が効いているから全然痛くなかったです。 1本につき所要時間約5分。 ほんと先生すごいっす…。 正直抜歯の施術中より、施術後の方が口の中が気持ち悪かったのでその印象が強いです。 麻酔切れた後は「ジーン…」という鈍痛がありましたが、血が固まるのを待ったりする時間の方が気持ち悪くて嫌でしたね! 抜歯をする場合は夜に行うのがオススメ 抜歯をした後は抜いた部分にガーゼを詰め込んで止血をします。 止血するまでじっと待って、口に食べ物を入れるのも我慢しなければいけません。 抜歯を夜にしてしまえば、その後は晩御飯を抜いてさっさと寝てしまう!それで翌朝には止血が完了して痛みも無くなっているので、不快な状況を最小限に抑えることができます。 私は抜歯は基本仕事帰りの夜にお願いしていました。 抜歯するかどうかは悩むと思いますが、メリット、デメリットを両方把握して決めてくださいね! では!.
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