こんにちは、こんばんは。 優子です! 2020年4月~5月に再放送された大ヒットドラマ『JIN-仁-』はご覧になられましたか? 凄く人気のあるドラマだった為、2011年に放送された当時の 最高視聴率が31. 7%を記録しましたが、 再放送でも平均約11%を記録しました。 再放送であることや、まとめて放送されたため、一日3時間弱の放送枠で2桁の記録というのは珍しいかと思います。 ドラマもかなり面白いのですが、漫画も同様にかなり面白い! 私はドラマに大ハマりして原作を知りましたが、ドラマとの違いがありました。 どちらも素晴らしい作品で、個人的にはどちらも大好きです。 今回はその原作の漫画に焦点をあて、ドラマとの違いを紹介したいと思います! 目次• 漫画JIN-仁-の主要な登場人物 南方 仁 みなかた じん 画像出典: この作品の主人公・仁先生は東都大学附属病院の脳外科医で医局長をしています。 年齢は34歳。 (ドラマでは38歳ですね) ネタバレあり OKならここをクリック タイムパラドックス(タイムトラベルをして過ごすことで元いた未来との矛盾や変化が起きますが、その変化を指します)の影響により、 幕末に残る仁と 現代に戻る仁の 2つの世界線が出来ます。 幕末に残った方の仁は咲と結婚し「橘仁」と姓が変わり仁友堂を設立。 現代に戻った仁は「仁友堂病院」となった所属元に復帰するも、江戸時代での経験を元に総合診療の分野に転身し、10年後には同病院総合救急医療部部長・准教授になりました。 橘 咲 たちばな さき 画像出典: この作品のヒロイン。 旗本橘家の一人娘で兄・恭太郎の命を救った仁に興味を持つ。 麻疹 はしかにかかり自身も命を救われたため、それをきっかけに医療に興味を持ち、仁の手伝いをするうちに看護婦になりました。 橘 恭太郎 たちばな きょうたろう 画像出典: 橘家の 嫡男 ちゃくなんであり、咲の兄。 堅い性格だが、保守的というわけではなく新しい事にも興味があり、 勝海舟 かつかいしゅうから洋学(蘭学ともいう)を学ぶなど向上心が高い。 橘 栄 たちばな えい 咲と恭太郎の母。 嫡男・恭太郎の命を救った仁は記憶がなく、どこから来たか解らないと言うため、仁を屋敷に住まわせる。 野風 のかぜ 画像出典: 吉原にある遊郭のひとつ、鈴屋の 花魁 おいらん。 鈴屋の主人・彦三郎の命を救った仁を尊敬し慕うも、仁の心は咲に向いている事を知り身を引く。 坂本 竜馬 さかもと りょうま 画像出典: 実在した人物であり史実通り幕末の倒幕運動に参加したり、海外貿易を行うが仁と親友になり貿易に仁を巻き込む。 ここからはドラマと漫画の ネタバレなので、 意外なストーリーにドキドキしたい方は、是非 先にドラマ視聴と漫画を読了されてからこちらの記事を読んでください! あらすじと作者の思い あらすじ 江戸時代末期の幕末にタイムスリップした南方仁は、尊王攘夷派に襲撃を受けた旗本の橘恭太郎を助けた事から幕末の世の中で医療に従事することになります。 現代の医療技術を江戸時代で出来る限りをつくし、幕末の志士と出会ったりしながら江戸の医療技術に貢献するストーリーです。 現代人からみればまるでサバイバルのような治療をしなければならない為、医療の限界を現代より感じさせる内容になっています。 しかし、 幕末の有名な人物が出てきたり、当時の日本には海外から来た外国人や外国人の医師もいるため、さまざまなストーリー展開があります。 作者が漫画を書いたきっかけ 原作者は村上もとかさん(男性)、1951年生まれで東京育ちの漫画家さんです。 村上先生は遊郭について調べた事がきっかけで、苅谷春郎さんの著書『江戸の性病~梅毒流行事情』を読まれました。 すると当時の 日本人の平均寿命が30代半ばであり、遊郭の女性たちは仕事柄、性病や結核などの病にかかる確率が高く平均寿命より早く亡くなっていた事を知ります。 先生は彼女たちの多くが貧しさや身寄りがない為に遊郭に売られて入った人が多く、当時の医療レベルでは効果的な治療が無かったため命を落としていたことから、 せめて作品のなかでは救われて欲しいと考えこの作品を作るに至りました。 ドラマではコレラにかかるストーリーでしたが、 漫画では 麻疹 はしかにかかります。 ドラマでは麻疹のエピソードは省かれているため、感染症のたぐいはコレラの流行で代用されています。 漫画には麻疹もコレラ(文中では虎狼痢:ころりと記述されています)も描かれているので2つの感染症と戦うことになっています。 恋人の存在と医師としての姿勢 ドラマの仁には現代に友永 未来 みきという恋人がおり、幕末では未来にそっくりな花魁の野風が登場します。 未来は脳腫瘍のため手術を受けますが手術は成功せず植物状態になってしまいました。 脳外科専門医の仁自身が執刀したため、大切な恋人の手術に失敗したトラウマから簡単な手術しか行わないようになります。 ひるがえって幕末では、手術自体が一般的ではない時代。 簡単な処置でさえ薬もなく不十分なため人は簡単に亡くなります。 麻酔もないため、幕末で出来る麻酔方法を思い出し実践。 器具も不十分ながら花魁野風の手術に挑み成功させます。 現代では他の医師に任せる事もできましたが、幕末では簡単に人が亡くなる現実に直面し、自分がなんとかしなければならないと、トラウマを乗り越え手術に挑むようになります。 漫画の原作でも現代に仁の恋人は存在しましたが、タイムスリップ前にプロポーズを断られ婚約指輪が返されしまいショックを受けていました。 ですから、ドラマとは違って物語にはほぼ関係がありません。 ドラマでは仁の恋人が幕末の登場人物・野風と繋がっているといった設定がありますが、マンガには特に無く、似ているといったこともありません。 野風は野風です。 仁は幕末に戻り橘咲と結婚しました。 またタイムパラドックスによりもうひとつの仁が存在し、現代へ戻り、幕末の経験から脳外科専門から総合医療へ転向します。 バタフライ効果と仁の心境 現代の医療を幕末に持ち込むため、バタフライ効果となって未来に影響が出るということが描かれています。 ドラマの仁には現代に未来という恋人がおり、写真を持っていたため時々写真の画像が変化します。 仁は幕末にない医療技術を使う事で、未来の恋人にいい影響がある場合もあれば悪い影響もあると考え、いつも苦悩していました。 漫画の仁は歴史は変わる部分があるだろうが、それがどこのどこまで影響するのかは不明だと考えて影響を気にする事は諦めていたのか、医療行為で未来が変わる事を内心では恐れおののいていたかもしれません。 ただ、正しいと思える事には淡々と行動するという部分が描かれているので、冷静で利己的な部分があまりない人物という印象でした。 それは手術へのトラウマがあるドラマとは違い、恋人に影響するという気にするべき設定がないという事もあったからだと思います。 幕末での仁の痕跡 ドラマでは幕末から消える為、現代では痕跡がまるでないかのようになっています(歴史の修正力ともつながっている部分だと解釈できますね)。 医療の歴史資料に医療結社:仁友堂が載っていますが仁の名前はありません。 佐分利 さぶり医師など、一緒に医療の向上に汗を流した仲間が歴史上に名を刻んでいました。 しかし、ドラマで咲は 緑膿菌 りょくのうきんの感染症から治ると、いたはずの医師(南方仁)がいなくなった違和感に気が付きます。 気づくのですがそれが誰だかわからない。 周りに聞いても、咲と仲間で仁友堂を設立したと言われてしまいます。 咲自身も仁と共に歩んだ日々を忘れていってしまいます。 ある日平成の10円硬貨が家から出てきたことで思い出すもののすぐ忘れてしまいそう(歴史の修正力)なため、その医師への思いを手紙にしたため子孫に託します。 現代の仁は橘医院の橘未来からその手紙を渡され、咲が抱いていた仁への思いを知ることになりました。 漫画では仁が幕末にいた痕跡が現代に残っていました。 仁は咲と結婚し息子がいなくなった旗本の橘家へ養子に入ります。 現代の仁友堂病院の沿革には、橘仁と咲が夫婦で病院を設立したことが載っています。 また、先程の佐分利医師など一緒に医療の向上に汗を流した仲間と一緒に歴史に仁の名前も記述されています。 橘恭太郎の生死 ドラマでは死ぬことはなく、坂本竜馬の活躍にも協力し船中八策が「船中九策」になっており、医療保険制度を作るために尽力します。 漫画では仁をねたむ 三隅 みすみ医師がおり、恭太郎は彼から暴発するように細工がされている拳銃をわたされ、それが原因で負傷します。 負傷した利き手が使えなかった結果、切られて亡くなってしまいます。 仁がタイムスリップ直後、助けた恭太郎が死ぬことは「歴史の修正力」(歴史は変えられないという運命のようなもの)を表したシーンでした。 仁が勤務していた病院 ドラマでは西洋医学ではなく東洋医学が主流になっていて、日本では患者の治療費負担がないという世界に変化しています。 (史実はあまり変化しておらず医療結社・仁友堂の記録はある。 ) 漫画では現代に戻ると、東都大学病院は仁友堂病院に変化しています。 そのため幕末で仁が行った医療の功績は現代に引き継がれる形になっていました。 甘味どころの看板娘・あかねと喜市のその後 ドラマでは脚気にも効く栄養がとれて美味しい「 安道名津 あんどーなつ」を売るあかねとそれを手伝う喜市が映されただけなので、二人のその後は解りません。 漫画では現代で看護婦が差し入れに「老舗の銘菓、あかね屋の安道名津」を差し入れるため、あかねが店を持った事がうかがえます。 喜市は医師を志しドイツ留学をした後、帰国し仁と咲夫妻の養子になることが描かれています。 玄米で出来たドーナツにあんこがのったお菓子。 当時、江戸ではやっていた脚気に効果があるものをと仁が考案しましたが、仁はそれで儲けようとはせず、流行りのお菓子を食べれば脚気も直るからとあかねの店に作らせることにしました。 花魁野風が花魁をやめた後 ドラマでは野風は日本で子供を産み、その子供・ 安寿 あんじゅは咲が養女に引き取り育てることに。 橘家は明治維新後に診療所を開業するのですが、その子孫が野風にそっくりな橘未来であり、安寿の子孫であることをうかがわせる内容でした。 漫画では野風は、乳がんが再発してしまいますが、仁のおかげで治り夫のルロンと共にフランスに渡りフランスで子供を産みました。 仁の戻った現代で、パリ大学医学部の女医マリー・ルロンと出会いますが、野風の4代あとの子孫だということがわかります。 JIN-仁-はどちらも見て読んで2度楽しんで! この後ごご2時からは『JIN-仁- レジェンド』。 今回は、 パート1 第4話「運命と悲劇の再会」 第5話「神に背く薬の誕生」 第6話「生きてこそ…」 第7話「生きる遺言…」 第8話「歴史の針が変わる」 をお送りします。 原作者の村上もとか先生が物語の中だけでも救われる世界を作りたいと執筆されたので、随所に当時の人々はもちろん、遊郭の女性にもピンポイントでスポットライトをあて、基礎医療の向上について描いています。 原作はドラマとは違い、恋人と花魁がご先祖・子孫という形でつながっていない事で仁自身が咲と結ばれる世界と現代に戻るふたつの世界が描かれていましたし、恭太郎が亡くなったことで「歴史の修正力」が証明されたり、同時にそのことで仁が橘家へ養子に入る理由にもなっていました。 他には助けた喜市が仁と咲ふたりの養子になり医師になったり、「安道名津」が現代でも銘菓であることから看板娘が店を持つまでになった事。 そして勤務していた病院の名前も東都大学病院から仁友堂病院になっていて、仁が必死に尽力した医療は現代に引き継がれていました。
次の原作では恋人はいなかったみたい。 ただ残念ながらドラマ版のほうは、 切なくて悲しい結末となります。 緑膿菌に侵された咲を助けるため、 現代に戻った仁先生。 「咲さん・・・。 すいま・・・せん・・・。 」 咲さんを助けに戻れないことで 絞り出すように悲しい声を出す仁先生。 そしてそのまま 非常階段で意識を失うのでした。 病衣のポケットからは咲を救うために持ち出した 薬・ホスミシンが転がり出ました。 こうして仁先生と咲は、二度と逢うことの叶わぬ 永遠の別れとなったのです。 咲がどうなったのか• 自分が生きてきた日々がどうなったのか それを調べるために行動を始めました。 まず仁は、図書館で医療の歴史書を開きます。 そこには 「仁友堂」 の名前が掲載されていました。 確かに仁先生は幕末に存在していたのです。 佐分利先生たちの写真と名前も医学の歴史書に 掲載されていました。 しかし、仁と咲の名前はどこにも記されていません。 次に、江戸時代の土地勘を頼りに 橘家があった場所を探し当てた仁。 そこには、 「橘醫院(たちばな いいん)」という 古くて小さな病院がありました。 橘醫院の前で佇んでいると、 「うちになにかご用ですか?」 と女性から声を掛けられました。 振り返ると 未来そっくりの女性が立っており、 橘家を自分の家と言っているのです。 しかし女性は、 仁の顔を見ても表情ひとつ変えません。 「こちらのご先祖に、橘 咲さんってかたが いらしたと思うんですけど。 」 すかさず問いかける仁。 「いましたけど・・・。 」 話を聞きたいと願う仁を、 女性は家の中に快く招き入れてくれました。 仁の恋人だった未来は同僚の医師でしたが、 この女性は、医学部へ通ったものの医学史を専攻。 現在は予備校講師だと語りました。 そして、彼女から教えてもらった橘 咲の生涯は 次のようなものでした。 兄の恭太郎が林の中でひろった薬をイチかバチか投与したところ、咲は緑膿菌による意識混濁から回復した。 (仁先生が錦糸堀で現代にタイムスリップした後、そこには小びんが残っていて、恭太郎が拾った。 明治維新後に実家を改造して 橘醫院を開業• 小児科・産科がメインで産婆さん扱いだったため、当時、女医は珍しいはずなのに注目を浴びなかった。 (そのため、仁友堂の医師として名前が記されていなかった。 長生きした。 (仁は おばあさんになった咲さんの写真を見せられる。 仁友堂の医師たちとは交流を続けていた。 生涯独身を貫いた。 仁は咲の遺品の写真の中に、 咲が膝に女の子を抱いている写真を発見します。 その子は、 野風さん(役:中谷美紀)が命がけで生んだ子、 安寿(あんじゅ)でした。 末期ガンで余命2年ほどだった野風さんはもとより、 夫のルロンさんも亡くなったようです。 両親を亡くした安寿を 咲が養女として引き取り育てたのです。 つまり、いま仁の目の前にいる 未来そっくりの女性は、 咲が育てた野風さんの娘・安寿の子孫なのです。 仁の恋人だった「友永 未来」は 「橘 未来」に変わっていたのです。 橘 咲とその周辺の人物のことを まるで旧友の話を耳にするかのように反応し、 目を潤ませる仁を目の当たりにして、 何かを悟ったような橘 未来。 仁の帰りしなに 「揚げ出し豆腐はお好きですか?」 と尋ねてきました。 仁が嬉しそうに「はい!」と答えると、未来はにっこりと微笑んで、 「ずっとあなたを待っていた気がします。 」 と言って、古い手紙を仁に差し出します。 この手紙が、自分が医学史に進んだ原点だと。 公園のベンチで手紙を開いた仁。 橘 咲が名前を思い出せない先生に向けて書いた手紙でした。 咲が緑膿菌から回復し意識が戻ると、 仁先生の存在した痕跡が 至ることろから消え去っていました。 咲だけは、仁先生の記憶がおぼろげに残っていました。 でも、名前は思い出せません。 仁友堂の医者たちは皆、 そんな医者はいないと否定し、 仁友堂は自分たちが立ち上げた治療所だと語ります。 (何かがおかしい。 ) そう思いつつ、やがて咲も 夢でも見ていたのではないかと 思うようになりました。 揚げ出し豆腐が好きで、涙もろい先生のことを。 そして、 「仁 (じん)」 を持つ人であったことを。 その記憶が全部消えないうちに、 名前を思い出せない、その先生宛に 手紙を書いたのです。 咲の手紙の最後はこう結んでいました。 「橘咲は、先生をお慕い申しておりました。 」 咲の書いた文字を、涙で溢れた目で見つめながら、 「わたしもですよ。 咲さん。 わたしもお慕い申しておりました。 」 手紙にそう答える仁先生。 歴史の修正力によって、 いつかこの記憶も消えるかも知れないけれど、 咲さんと見た、世界で一番美しい夕陽は 忘れないだろうと思う仁でした。
次の5 1 ねこがすき 一言でいうと面白い漫画です。 江戸時代、当時の人達の暮らしぶりや、どれだけ病気や感染病に苦しまされていたのか…当時生きていた日本人の生き様が伝わってきます。 そんな中、常に弱い方、病める方に寄り添い、現代の医学の知識を使い、当時の人々を病気や感染病から救い出す主人公、南方仁の生き方に感動しました。 現代の私たちは病気になればすぐ病院に行き、薬を買い、手術をする事が当たり前になっていますが、この当たり前の現代医術がどれだけ恵まれた状況であるのかを感じました。 また病気に向き合い、生きていく登場人物達に励まされました。 出てくる医療器具や手術の様子も、たとえ架空のものでもひとつひとつに説得力があり、内容の綿密さに驚かされます。 江戸時代の遊女たちが、極限の肉体労働のすえ病に侵され若くして多くが亡くなった、彼女らの無念をせめてドラマの中で晴らしたいと思ったことがこの漫画を描くきっかけだという旨のあとがきを読んで、作者の目線のあたたかさにますます感動しました。 世代を問わず読める名作ではないでしょうか。 やはり有名な作品はそれだけの理由があるということですね。 しいていうなら・・東修介と小菊ちゃんはその後どうなったんですかね!?クライマックスで全員ぶんの「その後」を描くのは無理だったのだと思いますが、とても気になります。 個人的には、時代背景が比較的近代なのも良かったです。 物語を通して、いかにここ100年ほどの医学の進歩が目覚しいかを改めて実感し、それだけ多くの人が熱心に研究したのだと思うと、何とも感慨深い気持ちになりました。 実際の歴史に絡めてストーリーが展開していくのも面白いです。 症状を表現する都合上、医療漫画の中でも汚い描写が多めではありますが、そう言うのが大丈夫な人にはオススメです。
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