電話対応基本フレーズ 電話対応は社会人の基本です。 新入社員の研修でも必ずと言っていいほど電話対応の研修がありますし、かかってきた外線電話に真っ先に出ることが仕事を始めて最初に与えられる役割、というケースもよくあります。 電話対応では、正しい敬語を使っているかどうか、相手が言いたいことを理解して適切な対応ができるか、ハキハキと元気よく対応できるかなど社会人としての基本的な部分が試されるためです。 電話が遠かったり何を言っているか分からなかったりというケースもあり、こういったイレギュラーな事態でも落ち着いて対応することも求められます。 また、お客様や取引先から電話がかかってきた時、電話を取った社員の対応で第一印象が決まると言っても過言ではなく、会社のイメージを左右する大切な業務のひとつでもあります。 電話対応をしっかり行うためには、まずマニュアル的な対応を覚えることです。 「マニュアル」と聞くと融通が利かない、決まりきった対応になるという悪いイメージもあるかもしれません。 しかし、声のやり取りしかできない電話対応では、まず相手に不快感を与えたり誤解を招くような言い方をしないために、しっかりと「決まった言い方」を覚えることが重要になります。 そこで、今回は電話対応をする上で覚えておくべき基本対応文例をご紹介します。 電話対応で使う基本的な言い方 まずは、電話対応でよく使う言葉遣いを、良い例と悪い例を挙げてご紹介しましょう。 普段の話し言葉で対応していたのでは、相手に不快な気持ちを与えたり、「この会社、大丈夫かな?」という不安感を与えてしまう場合があります。 瞬時に適切な言い方が出るように、口になじむまでよく練習しておきましょう。 」 返事はいつでもハキハキと、「はい。 」と応えましょう。 親しみを込めようとしてだらけた言い方になるのは、会社の電話対応としては相手が誰であっても失礼です。 」「承知いたしました。 」 「分かりました」でも構いませんが、「かしこまりました。 」や「承知いたしました。 」がより丁寧な言い方です。 ぜひ積極的に使ってみましょう。 」「そうですね。 」「おっしゃる通りです。 」 「さようでございます」や「おっしゃる通り」も、普段生活しているとなかなか口にしない言い方ではないでしょうか。 「そうです。 」と返すと、言い方によってはぶっきらぼうで無礼な感じがすることがありますので注意しましょう。 「わたし」でも問題はありませんが、「わたくし」とした方がより丁寧になり、相手によりフォーマルで誠実な印象を与えることができます。 ぜひ覚えて使ってみましょう。 電話対応の中で、確認を行う場合や、ちょっと待ってもらう時など、軽い謝罪の気持ちを伝える必要がある場面があります。 「申し訳ありません」でも構いませんが、一回の電話の中で「申し訳ありません」を何度も使ってしまうと「謝ってばかり」という感じになってしまい、ちょっと重い印象になってしまいます。 「すみませんが」というくらいの軽めの気持ちで「恐れ入ります」を使うことで、より重めの言葉である「申し訳ありません」との対比ができて、メリハリも出ます。 電話を取ったときの話し方 それでは、電話を取った時の実際の対応を見てみましょう。 メモを用意する 電話を取る時は、まず手元にメモがあることを確認します。 対応の中で大切なことをメモして行きますが、相手の「会社名」「氏名」「こちらの会社の誰に用があるか」は最初に間違いなく確認しておきます。 万が一対応の途中で電話が切れるようなことがあっても、どこの誰から連絡があったか、誰に用があったのかの記録を残しておけば、担当者から先方に連絡を取れる可能性があります。 ゆっくりと受話器を取る かかってきた外線電話を誰よりも早く取ろうと思っていても、慌てて取ると「ガチャリ」と相手に聞こえてしまいますので、音を立てないように気を付けながら、スムーズかつ素早く取ることが大切です。 また、電話を取って受話器を耳に当ててすぐに話し始めるのではなく、深めに一回息を吸い込んでから第一声を発しましょう。 そうすることで、落ち着いた気持ちで対応を始めることができます。 」 まず、自分の会社名を名乗ります。 「はい、お電話ありがとうございます。 」 職場によっては、「お電話ありがとうございます。 」と最初に付けるようにしている会社もあります。 特に、お客様から直接電話がかかってくることがあるような職場では必要とされることが多い文言でしょう。 「はい、お待たせいたしました。 」 電話は3コール以内で取るのが基本です。 電話を掛けてもなかなか電話に出ないと、「この会社、電話に全然出ないけど電話対応する人もいないの?大丈夫かな?」と、電話をかけた人を不安にさせてしまいます。 そのため、相手を3コール以上待たせてしまった場合は、「お待たせいたしました」を付けるようにします。 さらに長く待たせてしまった場合、「はい、大変お待たせしました」とするなど、臨機応変に対応しましょう。 」 職場によっては会社名と自分の名前を名乗るところもあります。 」 相手の名前を聞いたら、復唱して確認します。 名前の間違いは失礼になりますので、聞き取れなかったらしっかり聞き返しましょう。 会社名も、聞き取りづらかったら復唱して確認するといいでしょう。 「お世話になっております。 」 電話対応の冒頭の締めの言葉として便利な言葉です。 あなたが初めて対応する相手であっても、「お世話になっております。 」と迷いなく言いましょう。 あなたがお世話になっていなくても、会社が電話先の方にお世話になっているのです。 聞き返すとき 電話対応をしていて、相手の話す言葉が聞き取りづらかったらどうしますか? 答えはひとつです。 必ず、聞き返しましょう。 電話対応は雑談ではありませんので、全ての会話内容に意味があります。 「今なんて言ったか聞こえなかったな。 まあいいか」はNGです。 特に相手の名前を間違ったまま電話対応することは失礼ですので、最初に確実に確認するようにしましょう。 ・「恐れ入ります。 少々電波状態が悪いようです。 」 ・「恐れ入ります。 少しお電話が遠いようです。 」 ・「もう一度お願いいたします。 」 ・「お名前をもう一度お伺いしてもよろしいでしょうか?」 【電話を取った時の対応の流れ】 ここまでの流れをまとめてみます。 電話を取って本題に入るまでの流れをしっかり押さえられれば、その後も落ち着いて対応することができます。 」 ポイント:「はい」から明るく元気な声で!3コール以上待たせてしまったら「はい、お待たせいたしました」から始めましょう。 この流れをしっかり押さえておきましょう。 取り次ぐとき 自分にかかってきた電話でなければ、すべて誰かに取り次ぐことになります。 取り次ぐ先の担当者がいるかどうかを確認し、いなければ折り返しの電話をするか、伝言を預かるなどの対応が必要です。 「少々お待ちくださいませ。 」 相手を待たせる時の基本的な言い方です。 何も言わずに急に保留にするのは失礼ですのでしてはいけません。 ただいまおつなぎ致します。 少々お待ちくださいませ。 」 取り次ぎ先を間違えないように、復唱して確認して電話をつなぎましょう。 「申し訳ございません。 終わり次第、こちらから折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」 取り次ぎ先が他の電話中の場合です。 「申し訳ございません。 間もなく戻るものと思いますので、戻り次第こちらから折り返しお電話差し上げてもよろしいでしょうか?」 取り次ぎ先がトイレ休憩などで一時的に席を立っていて、すぐに戻ると思われる場合です。 「申し訳ございません。 戻り予定が分かれば戻る時間を、分からない場合は「戻る時間は未定です」と伝えましょう。 「申し訳ございません。 」 取り次ぎ先が営業先からそのまま帰宅する予定の場合や、出張、休暇などで一日不在にする予定の場合です。 」 相手が急いで連絡を取りたがっている場合は、戻り次第折り返しするのではなく、外出先から直接電話するよう連絡することもあります。 「かしこまりました。 恐れ入りますが、念のためにお電話番号を伺ってよろしいでしょうか。 」 折り返しの連絡を行うため、相手の電話番号を聞きます。 聞いた電話番号が間違えていたら折り返しの電話を行うことができなくなりますので、必ず間違いのないようにメモを取ります。 電話番号を聞きながらメモを取る、書いたメモを見ながら復唱する、という手順で、しっかりと確認しましょう。 「申し訳ございません。 」 レアなケースですが、相手が電話をつないで欲しいという人物が社内に存在しない、ということがあります。 名前を間違えているか、電話をかける先を間違えてしまったのでしょう。 そんな時は「在籍しておりません」という言い方が便利です。 伝言を受ける 内容によっては、伝言を預かることもあります。 ポイントは、相手が言ったことをできるだけそのままメモしておくことです。 また、後から伝言を伝える相手が折り返しの電話をできるよう、連絡先を聞いておくのがベストです。 ・「よろしければわたくしがご用件を承ります。 」 ・「念のためご伝言の内容を確認させていただきます。 」 ・「復唱させていただきます。 」 伝言を預かる時に最も大事なことは、復唱して相手の伝えた内容に間違いないか確認することです。 ・「確かに申し伝えます。 」 誰が伝言を預かったか明確にさせるために、自分の名前を名乗っておきます。 電話を終えるとき 電話を終える時は、かかってきた電話であれば相手が電話を切るのを待ちます。 こちらから先に電話を切ってしまうと、相手にまだ伝えたいことがある場合に相手がもう一度掛け直さないといけなくなるため、確実に相手から電話を切ったことを確認してからこちらも受話器を置くようにしましょう。 ・「お電話ありがとうございました。 」 ・「それでは、失礼いたします。 」 電話の相手が怒っているとき 電話を取ったら、いきなり相手が怒っているということもあります。 その時は、まず落ち着いて話を聞きましょう。 そして、適切な担当者に電話をつなぎます。 相手が怒っている場合は難しいかもしれませんが、相手の会社や名前を聞き出すことができれば聞いておきましょう。 大切なのは、相手の怒りを電話対応でさらに激化させてしまわないように、まずは相手の話に同調することです。 言いたいことを一通り言うことで、相手の気持ちは少し静まるでしょう。 連絡先を聞いて、担当者から折り返しの連絡を行うという方法もあります。 一度電話を折り返しにして少し時間を置くことで相手の怒りが少し収まり、落ち着いて話しをすることができる場合が多くあります。 ・「大変ご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。 」 ・「承ります。 」 ・「おっしゃる通りでございます。 」 ・「ご指摘いただきありがとうございます。 」 ・「担当者より改めてご連絡いたします。 」 間違い電話がかかってきた場合 まれに、間違い電話がかかってくる場合があります。 その場合も、丁寧に対応しましょう。 恐れ入りますが、どちらにおかけでしょうか?」 ・「恐れ入りますが、何番におかけでしょうか?」 ・「お掛けになった03-0000-0000は、当社の電話番号ではございません。 」 ・「番号をご確認の上おかけ直し下さい。 」 まとめ 電話対応は、適切な敬語やその時々に応じた言い方ができるかどうかが試される業務です。 電話に慣れていない人は緊張することもあると思いますが、落ち着いて対応したいですね。 ご紹介したような「電話対応でよく使う言葉」を覚えて口からスムーズに出てくるようにしておくことで、電話の内容に集中することができより良い電話対応ができるようになります。 会社により決められた言い方がある場合もありますので、しっかり確認しておくようにしましょう。
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次のまずは、基本的な電話応対の用語をおさらいしておきましょう。 ・電話に出たとき・・・ 「いつもお世話になっております」 ・電話を切るとき・・・ 「失礼いたします」 ・同僚宛ての電話で折り返し電話を頼まれたとき・・・ 「念のため御社の電話番号をうかがってもよろしいでしょうか」 ・相手の名前や会社名を聞き逃したとき・・・ 「申し訳ございません。 相手の連絡先や社名を電話メモとして残しておく必要が生じるかもしれないので、かならずメモとペンは手元に用意しておきましょう。 最後にビジネスシーンでの電話応対において使っていいのか悩む人が多い2つの言葉をご紹介します。 電話の声が聞き取りづらくなったときや、聞こえているかどうかの確認などのために使われています。 電話を取ったときの第一声で「『もしもし。 (2)切るときの「ごめんください」はOK? 「ごめんください」は人の家を訪問したときや、別れ際のあいさつの言葉です。 電話を切るときに「ごめんください」と言うのは必ずしも間違いではないのですが、少々古風な印象を与えます。 ビジネスシーンにおいては、電話を切るときには 「失礼いたします」と言い方がポピュラーです。 【取材協力】 北條 久美子 東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、2007年 エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。 2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。 現在はライフスタイリストとしてワーク(仕事)寄りだった人生を、生きること=ライフにシフト。 睡眠マネジメントやマインドフルネスなどをワークに取り入れ、自分らしく、かつ生き方(ライフスタイル)を美しくすることを自らも目指し、それを広める場作りに力を入れる。 著書に『ビジネスマナーの解剖図鑑』(エクスナレッジ)、『働き方のセブンマナー』(講談社)ほか。
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