アグネス・チョウさんプロフィール 出典:インスタグラム 生年月日:1996年12月3日 22歳 英語名:Agnes Chow Ting 中国名:周庭 出生地:香港 職業:デモシスト(中国名:香港衆志)常務委員、大学生 大学:バプテスト大学(香港浸会大学) 宗教:カソリック 言語:英語、中国語、日本語 国籍:2018年までイギリス、香港の二重国籍 2018年にイギリス国籍を放棄 出典:Hong Kong Free Press アグネス・チョウさんの政治活動歴 アグネス・チョウさんが中学生の時、香港の義務教育に中国の中央政府に対する愛国心を育成する愛国教育を加えようとしたため、学生たちが「洗脳教育だ」と一斉に反発して学生運動が起きました。 アグネスさんはその中心となった、学民思潮(英語名:スカラリズム)のメンバーとなります。 2014年、17歳の時に 「雨傘運動」で学民思潮の広報担当として一躍名前を知られる存在となりました。 「雨傘運動」とは、日本の国会にあたる全人代が、行政長官選挙で民主派の立候補を制限する方針を決定したことがきっかけで、学生を中心とする市民の反発を招き大規模なデモとなったものです。 アグネスさんは学生ストライキに参加し、香港政府庁舎前で抗議デモを行っています。 デモ参加者が催涙弾を避けるために、雨傘やマスク、ゴーグルなどを活用したことから、「雨傘革命」と呼ばれるようになりました。 雨傘運動当時、14歳のアグネス・チョウさん。 出典:Hong Kong Free Press 2016年、アグネスさんはネイサン・ロー 中国名:羅冠聡 さん、ジョシュア・ウォン 中国名:黄之鋒 さんらと一緒に、香港の自決権を掲げるデモシスト 香港衆志 という政党を創設して初代副事務局長を務めました。 2018年1月、アグネスさんは立法会議員補欠選挙に立候補の届け出をしました。 アグネスさんは、当初自分が立候補することは考えていなかったそうですが、2017年にデモシストの仲間3人が収監されて、立候補を決意したそうです。 アグネスさんはこの出馬のために規定に従ってイギリス国籍を放棄したそうです。 中国への返還前に香港に出生した人は、英国領ということでイギリスと香港の両方の国籍を持つことができたそうです。 アグネスさんは香港返還を0歳で迎えていますので、ぎりぎりイギリス国籍が与えられた世代だったようですね。 しかし、二重国籍のままでは議員に立候補はできない規定だったのでしょう。 また、学業との両立は難しかったようで、大学4年生だったアグネスさんは留年を余儀なくされています。 これほどの犠牲を払って立候補したにもかかわらず、 デモシストの党綱領が香港基本法に反するとの理由で、立候補届は不受理となったそうです。 アグネスさんが立候補したら当選する可能性が高いので、なんとか出馬させまいとする力が働いたのでしょうね。 2018年12月、ジョシュア・ウォンさんとともにワシントンの人権保護団体、ラントス・ファンデーションから「人権賞」を授与され、パスポートを没収されたジョシュア・ウォンさんに代わり授賞式に出席しています。 さん chowtingagnes がシェアした投稿 — 2018年12月月17日午前2時56分PST アグネス・チョウさんの逮捕歴 活動家アグネスさんは、これまでに2度逮捕されています。 2017年、中国の習近平総書記の香港訪問を間近に控えた2017年6月28日夜、アグネスさんはゴールデン・バウヒニア広場で「ブラック・バウヒニア」(バウヒニア・ブラケアナ像を黒い布で覆う抗議行動)に参加したところ、 公衆妨害罪で逮捕されてしまいました。 が、31時間拘留された後で釈放されています。 2度目の逮捕はつい最近で、日本でも大きく報道されました。 2019年6月から起こった逃亡犯条例に反対する抗議活動で、 デモ隊の警官包囲に関与したとされ、8月にジョシュア・ウォンさんとともに逮捕されました。 しかし、1日たたないうちに釈放されて、日本のマスコミのインタビューに応じていましたよね。 ここが香港で逮捕されるのと中国で逮捕されるのの違いだと言う人もいます。 アグネスさんは、「何度逮捕されようが起訴されようが屈しない」とコメントをされていました。 アグネスさんにしてみれば、逮捕は想定内、名誉の負傷と割り切っているのではないでしょうか。 アグネス・チョウさんの政策とは アグネスさんの政策には2つの大きな柱があって、それは教育と土地利用計画だそうです。 教育面では、学生の間にストレスが高まり自殺も増えているので、各校にカウンセラーを置くことや、教師を契約ベースではなく常勤にすることなどを挙げています。 教師が常勤でないのは意外ですよね。 今の香港では、民主主義国家では当たり前のことを実現するのが難しいのでしょうね。 スポンサーリンク 土地利用計画では、香港政府のランタオ島埋め立て計画は、巨大ディベラッパーが得するだけのプロジェクトだと批判しています。 このプロジェクトは、ランタオ島(大嶼山)に1700ヘクタールの人工島を建設する計画で、市民の意見をきいたり討論したりすることが全くないままに決まったプロジェクトだそうです。 しかも行政長官の一存で、埋め立て面積、埋め立て場所とも当初の発表とはすっかり変わってしまったのだそうです。 アグネス・チョウさんの現在は アグネス・チョウさんは8月に逮捕され、すぐに釈放されましたが、香港では裁判に時間がかかり判決までに2年から2年半はかかるそうです。 逃亡犯条例はいったん廃案になりましたが、アグネスさんらは5つの要求が叶うまで闘いを続けるそうです。 香港警察は6月9日から、累計で1800発以上の催涙弾を撃ちました。 Picture from the Internet — 周庭 Agnes Chow Ting chowtingagnes アグネスさんは日本語でツイッターもしていて、日本人に香港デモへの支持を訴えています。 日本のメディアにも頻繁に登場しています。 片目を隠しているのは、ぶりっこしてるわけではありません 念のため。 警官との衝突で右目を失明したデモ参加者の女性への共感を示すため、このポーズをしているのだそうです。 — 周庭 Agnes Chow Ting chowtingagnes アグネス・チョウさんが日本が上手な理由は アグネスさんは、日本のアイドルやアニメが大好きで、日本語は独学で覚えたそうです。 一押しは嵐の二宮くんで、乃木坂46などのJ-POPを聴くこともあるそうですよ^^ 硬派なのにオタクな面もあるのが魅力的ですよね。 前回日本に来た時は、通訳がいなければ何もわからなかったそうですが、今は日本語で堂々とスピーチしています。 これが独学とはすごいですね! アグネスさんが今年の6月に明治大学で行った、日本語での講演を見てみましょう。
次の2014年10月10日に金鐘に集まった抗議者(2014年香港反政府デモ-Wikipediaより) 雨傘運動から5年が経過 香港で2014年、民主的な選挙制度を求めた大規模デモが雨傘運動である。 28日、そこから5年目を迎えて記念の集会が開かれた。 香港では中国本土への容疑者引き渡しを可能にする逃亡犯条例改正案をきっかけとした抗議活動が続いており、10月1日は中国の建国記念日、国慶節であることから複数のデモが計画されている。 飯田)中国建国70周年となる10月1日には、主要繁華街の銅鑼灣にあるビクトリアパークから、政府庁舎近くのチャーターガーデンにかけて大規模なデモ行進が行われる予定とのことです。 親中派のデモも複数計画されていて、衝突や混乱が予想されます。 警察がどういう対応に出るのか。 かなり暴力的だという話もあります。 15日夕、香港・金鐘の政府庁舎前で、放水車の放水を受けるデモ隊=2019年9月15日 写真提供:産経新聞社 香港基本法で自由なデモは保証されている~「違法デモ」ではない 須田)このデモに関して1つ申し上げるとすると、香港の憲法である香港基本法では、自由なデモというのは保障されているのです。 しかし香港警察がデモの許可を出さない。 それを受けてなぜ、日本メディアは「不許可デモ」や「違法デモ」という表現を使うのか。 憲法で認められている当然の権利を警察が認めないので、不許可のデモが行われているだけで、その背景がまったく報道されていません。 まずこのことを言っておきたいですね。 飯田)そして、雨傘運動から5年を迎えるということがありますけれども、香港の民主が風前の灯火だとも言われます。 海外からもいろいろな動きがあります。 集会に参加し、音楽に合わせてスマートフォンを揺らす生徒ら=2019年9月2日、香港(共同) 写真提供:共同通信社 香港のデモを支援しているのはアメリカだけ~日本の政治家は発言しない 須田)香港のデモを支援しているのは唯一、アメリカだけです。 香港人権・民主主義法案がアメリカの議会、委員会を通ったということもあり、香港市民のアメリカに対する期待が高まっているのだと思います。 そのときにマルコ・ルビオ上院議員が、「香港の支援について、アメリカも自由世界も行動が遅すぎる。 だから、これを急いで通さないといけない」のだと発言しています。 香港の自由と民主主義、人権が風前の灯火であることは間違いない。 それをバックアップするための法案ですから、早期に成立されることが望まれる。 ただ、これしかできないというのは辛いですね。 香港の市民をどうバックアップするかということは、各国が問われている。 ここへ来てアメリカ、ヨーロッパのメディアで、この問題に対する取り上げ方がかなり大きくなっています。 それに比べて、日本のメディアは小さすぎる。 中国政府に対する配慮、忖度が働いているのでしょうか。 日本の政治家も香港のデモについて言及しません。 飯田)30日の産経新聞が一面トップで、雨傘運動のときのリーダーだった周庭(アグネス・チョウ)さんのインタビューを載せていました。 アグネスさんやジョシュア・ウォンさんというもう1人のリーダーは、基本的な政治スタンスがリベラルだから、日本サイドもリベラルな人たちが持ち上げて、その言説と共に「安倍政権はけしからん」というところに持って行ってしまう。 だから日本国内で共感や支持が広がらないのではないか、という指摘もあります。 須田)アグネスさんは、日本語でツイッターをやっています。 そこから一次情報をとるということがベストだと思います。 冒頭に出て来たように、警官の暴力はとにかくひどいです。 警官が逆に変装して、デモ隊のなかに入るようなこともしている。 何が香港で起こっているのか、その事実関係を理解することが必要だと思います。 2014年9月26日、学生ストライキを起こす周庭(左)。 隣は黄之鋒(周庭-Wikipediaより) 民主主義国家において当然の要求をしているだけ 飯田)ジョシュア・ウォン氏がこの間、ラジオ・フリー・アジアのインタビューに答えていました。 5つの要求をしているけれど、それは独立を目指しているものではなく、その枠組みのなかで、きちんと民意が反映される政治を求めているのだと言っています。 独立運動と勘違いされるところがありますが、そうではないのですよね。 須田)一国二制度という、当初の約束をきちんと守れということです。 行政長官や行政府のトップについては、きちんとした普通選挙、民意を反映したトップを選べという、民主主義国家においては当然の要求です。 それが認められないのはどう考えてもおかしいというのが、ジョシュア・ウォン氏らの主張です。 憲法によって認められている権利なのに、なぜそれを約束した中国が骨抜きにしようとしているのか、力で押さえつけようとしているのかということがポイントだと思います。 10月1日の国慶節以降、中国が軍事力を行使するという可能性も指摘されています。 FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00.
次の1国2制度はもはや1国1制度に 政治団体「香港衆志(デモシスト)」のメンバーとして活動するアグネスさんは、今回の中国の動きの問題についてこう説明する。 「もともと香港と中国の関係において『1国2制度』があります。 香港の法律は、本来、香港政府が提案して、香港の立法会(議会)で議論されるというプロセスがある。 1990年の全人代で成立し、1997年の英国から返還後において、香港の高度な自治を認めた「香港の憲法」のようなもの) 1国2制度を認められている香港では、原則、中国の法律は適用されない。 しかし、香港基本法の18条の中にある例外規定を利用して、中国が香港の立法会を通さず、香港基本法に国家安全法を組み込むという。 「今回の国家安全法の問題だけではなく、これから、中国政府が香港について気に入らないことがあれば、また同じ手段で中国から直接、香港の法律を作ることが出来ます。 また、国家安全法は明らかに、香港が持つ民間社会や国際社会との繋がりの阻止を狙った法律だと思っています。 そして、香港人の基本的な人権、自由への侵害です」 5月22日朝に発表された国家安全法に関する中身に、外国の政治性のある組織が香港で活動することを禁止する、香港の政治性のある組織や団体と外国の組織が連携をとることを禁止する、といった内容がある。 「(公表された草案には)また、国家安全法の執行機関を設立することができることも説明しています。 これもとても危ないです。 もう香港政府というものがいらないということ。 中国が気に入らないことがあれば、直接香港で機関を設立して、直接処理する。 香港が普通に中国の一部になってしまう。 私は香港が『1国2制度から1国1. 5制度になってしまった』と過去に発言してきましたが、今はそのレベルではない。 完全に『1国1制度』ですね。 香港人、香港社会にとって、経済的にも政治的にも破壊力がとても高い法案です」.
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