さすが!流石と書くのは何故ですか? 著者 安田泰淳(雑学研究家) さすが!流石と書くのは何故ですか? 期待していた人が期待通りの成果を出した時、 「さすが安田さん」 などといいますよね。 きっかけは 「枕石漱流」(ちんせきそうりゅう)です。 漢字を見ていただければ、なんとなく意味がわかるかもしれません。 漱は(すすぐ)という意味です。 「石を枕にして川の流れで口をすすぐ」ということから、「山水に隠れて自由な生活をする」という意味があります。 3世紀、中国の政治家で孫楚(そんそ)という男がいました。 彼は「 枕石漱流」を間違って 「 漱石枕流」(そうせきちんりゅう 石をすすぎ流れに枕す)と言ってしまったそうです。 友人に間違いを指摘されてしまうのですが孫楚は頑固な性格です。 「流れに枕するのは耳を洗うためで、 石に漱ぐのは歯を磨くためなのだ」と 、間違いを認めず、強くいい返したのです。 周りにいた人々はそれに感心して、 さすが孫楚!といいました。 この故事が日本にやってきた時に、「漱石枕流」の二文字を取り さすが=流石と書くようになったそうです。 そして、間違って言ってしまった「漱石枕流」という言葉は、「負けず嫌い」・「頑固もの」 という意味の諺になってしまいました(笑) このエピソードを気に入ったのが夏目金之助です。 自らのペンネームを夏目漱石にしたといわれています。 へ~~ (雑学研究家 安田泰淳).
次のスポンサーリンク 「流石」という2つの漢字でできた言葉があります。 この言葉は何と読むんでしょうか。 ながれいし? りゅうせき? この言葉の、もうひとつの読み方は知らないと、考えても出てきません。 というのも、この漢字2文字でできた言葉は、当て字なんです。 なので、「流」と「石」の訓読みや音読みから考えても、でてこないんです。 たとえば、「紅葉」と書いて「もみじ」と読みますよね。 これも、当て字です。 「流石」もそんな言葉なんです。 ということで今回は、「流石」の読み方と意味。 そして、言葉の由来と、この言葉は、ほめ言葉なのか失礼な言葉なのかをみていきましょう。 さらに、この記事のどこかに、人名に関する「へ~、そうだったんだ!」という雑学も書いています。 どうぞ、最後までおつきあいを。 流石の3つ目の意味• あることの価値を認めてはいる。 しかし、その認めていることを否定する、感情も持っている。 この3つ目の意味を使った例文。 「彼は、数学の天才だ。 しかし、 流石(さすが)にこの問題は解けないだろう。 」 この例文の「流石(さすが)」は、数学に関して、彼が天才であることは認めている。 そかし、この問題は、解くことはできないはずだと、彼が天才であることを否定する感情も持っているということです。 「流石(さすが)」と言う言葉は、私は普段なにげなく使っている言葉です。 なにげなく使っていますから、この3つの使い方も自然に使っていました。 でも、改めて言葉の意味を聞かれると、すんなりとは出てきませんでした。 あなたは、どうでしたか。 古代中国の西晋という国に、孫楚(そんそ)という政治家がいました。 孫楚(そんそ)は、俗世間のくらしに、いやけがさして、世間から隠(かく)れて生きていきたいと考えるようになりました。 そこで、友人の王済(おうさい)に自分の考えをうちあけました。 そのとき、孫楚(そんそ)の言い間違いから「流石(さすが)」という言葉が生まれました。 その、言い間違いとは・・・。 孫楚(そんそ)は王済(おうさい)に「石に漱(すす)ぎ、流れに枕す(石で口をすすぎ、川の流れを枕にするような、俗世間から離れた生活をする)」と自分の考えをうちあけました。 それを聞いた、王済(おうさい)は笑って孫楚(そんそ)に言いました。 それを言うなら「石に枕し、流れに漱(すす)ぐ(石を枕にし、川の流れで口をすすぐような、俗世間から離れた生活をすること)」と言うべきじゃないのか。 孫楚(そんそ)は、「しまった!」と思ったんですが、プライドもあり間違いを認めたくなく、こんなふうに言い返しました。 「間違ってなんかいないさ。 石に漱ぎとは、石で歯を磨くこと。 流れに枕すとは、俗世間のいやなことを、川の流れで耳を洗い清めることじゃないか。 それを聞いて、王済(おうさい)は「へ~。 理屈にもならない屁理屈だけど、うまいこと言い返したな。 」と感心してしまったんです。 そのことから、なるほどと感心する「さすが」と言う言葉に、「漱石枕流」から「流石」という当て字を書くようになったんです。 どうですか、「へ~、そうだったんだ!」と思っていただきましたか^^ ほめ言葉なのか失礼な言葉なのか 「流石」と言う言葉は、ほめ言葉なのか、それとも失礼な言葉なのか。 それは、この言葉を使う場面によって変わってきます。 たとえば、自分より目上の人に使うとき。 そして、自分より目下の人に使うとき。 それぞれについて、みていきましょう。 自分より目上の人に使うとき たとえば、自分の上司に向かってこう言ったとしましょう。 「この難しい仕事を、すんなり終わらせるなんて、流石は部長ですね。 」 ここで、あなたに問題です。 自分の上司に向かって言ったこの「流石」は、ほめ言葉なんでしょうか。 それとも失礼な言葉なんでしょうか。 考える時間は、30秒です。 では、お考えください。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ はい!30秒たちました。 では、お答えをどうぞ。 あなた:「部長のことをほめてるんだから、ほめ言葉!」 私 :「それで、いいですか。 一回だけなら、言い直しできますよ。 」 あなた:「だいじょうぶ!ほめ言葉です!」 私 :「残念!失礼な言葉になってしまいます。 」 あなた:「え~、なんで!納得できない。 」 それでは、なぜこの場合、失礼にあたるのでしょうか。 それは、相手が目上の人だからです。 この問題の場合、部長は仕事ができる。 その部長の仕事に対する実力を、みきわめていることになるからなんです。 つまり、部長が仕事ができることを、難しい仕事ができたことで、認めている。 部長からしたら、部下から試されたような「流石」と言う言葉になってしまうんです。 つまり、「部長は仕事ができると思ってましたが、やっぱり仕事ができるんですね。 」 と言って、 あなたが部長の仕事を評価したようになってしまうんです。 なので、目上の人に「流石」と言う言葉を使うのは、ひかえたほうがいいでしょう。 言葉の意味がわかっている上司なら、気分を害するかもしれませんよ。 「流石」と言う言葉を使うなら、自分と同等の立場に人か、目下の人に使いましょうね。 まとめ 流石(さすが)と言う言葉が、中国の故事からきている漢字だとは、ちょっとびっくりしませんでしたか。 自分の間違いを認めたくない、古代中国の孫楚(そんそ)の屁理屈から生まれた、当て字だったんです。 そして、「流石」と言う言葉を、目上の人に使うと、失礼な言葉になってしまうので、ご注意を。 おもわず、「さすがですね!」って使っちゃいそうですから。 それでは、ここまで読んでいただいたあなたに、最後にちょっとした雑学を。 明治時代の文豪で、書いた本を読んだことはなくても、この人の名前は聞いたことがあるでしょう、 その人の名は「夏目 漱石」です。 本名は「夏目 金之助」です。 執筆するときの、ペンネームが「夏目 漱石」なんです。 ペンネームである「漱石」。 この記事のどこかででてきていませんか。 そうです! 王済(おうさい)の屁理屈である「石で口をみがき、、川の流れで耳を洗い清める。 」からきている、「漱石枕流」。 この故事から、ペンネームを「夏目 漱石」としたんです。 言葉って、おもしろいですね。 故事からきている言葉って流石(さすが)は奥が深いです。 あれ?これって上から目線になってますね。 いやいや、注意しますね。
次の流石の読み方 それでは、さっそく本題に入っていきたいと思います。 今回紹介するのは『流石』の読み方です。 そのまま読んだら「りゅうせき」とでも読んでしまいそうなこちらの漢字、じつは私たちも会話の中でよく使っている言葉なんです。 この二つの漢字の読みからはちょっと思いつかないこの読み方、いったいなんだと思いますか? 正解は・・・ さすが です! じつはこちらの漢字、 流石と書いて「さすが」と読むことができるんです。 これは知らなければ読むことはできない文字ですね。 ・・・実際、流木(りゅうぼく)と言う字があるので、流れてくる石は流石(りゅうせき)でもいい気はしますけど(笑) 流石の意味 では、 流石の意味についてもお話ししていきたいと思います。 皆さんは、どういった時にこの流石(さすが)を使っているでしょうか? この言葉は、本来相手に感心した時などに使う言葉です。 「この問題が解けるなんて流石だな~」 「流石、先輩はすごいです!! 」 等が例として挙げられます。 このように、 相手に対する称賛の気持ちがあるときに使うのが一般的ですが、一方で 「流石の山田も、世界大会では勝てないか・・・」 のように、 相手を褒めつつも一定の条件下で逆に低く言う際にも用いることがあります。 この文章ですと、「流石の山田」で山田さんの実力を認めつつも、後半の部分で世界では厳しいといっていることが分かります。 こんな読みにくい漢字にしなくても・・・なんてついつい思っちゃいますよね。 実は、 この言葉にはちゃんとした由来があるんです。 その由来とは、中国のことわざの一つ 【沈石漱流(ちんせきそうりゅう)】です。 漱は口をすすぐという意味だそうです。 このことわざは「山水に隠れて自由な生活を送る」、簡単に言うと自然の中で悠々自適な生活を送る、という意味になります。 このことわざを、その昔中国の孫楚という政治家が誤って 「漱石沈流」と言ってしまったそうです。 間違いを周りから指摘された彼は、意地になり「私は間違っていない!! 」と強く言い返しました。 ちなみに彼の言い訳は 「『漱石沈流』は正しいだろ。 流れを枕にするのは耳を洗うため、石をすすぐのは歯を磨くためだ!」 だったそうです。 したそうです。 この流石は、ほめていない気もしますが(笑) このプチ事件が背景にあって、いざ日本にこの故事が入ってきたとき孫楚の間違ったことわざから文字を取って 流石=さすが としたのが始まりだそうです。 ちなみに、このエピソードをひどく気に入ったのが、かの有名な文豪:夏目漱石です。 もう分りますよね? さて、 実はこの流石、苗字としても用いられているんです。 流石さんの読み方はそのまま『さすがさん』の時もありますし、『りゅうせきさん』、『ながれいしさん』なんて時もあるみたいです。 一般的には『さすがさん』が最も多く、山梨県のあたりにこの名字の方が多く住んでおられるそうです。 見慣れていないと、読み方が難しいかもしれませんね。 今回は さすがの読み方は、ということで流石の読み方や意味、由来などをお話しさせてもらいました。 最後にポイントをまとめておきますと、• 流石=さすがと読む• 名字でも流石=さすがと読む場合がほとんど• 意味は、基本的に相手への称賛• 由来は中国のことわざ といった所です。 今回、 この漢字をサラッと読めたあなたは・・・流石です!! と漢字の使い方を最後に示したところで今回の記事は終了です。 ありがとうございました!
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