フーリエ 級数 求め 方。 フーリエ級数展開の公式と意味

数学を楽しむ: フーリエ級数

フーリエ 級数 求め 方

複素関数で展開 ここでは複素フーリエ級数展開に至るまでの考え方をまとめておく。 説明のため、周期 としているが、一般の周期 でも 同様である。 周期 の結果は最後にまとめた。 また、実用的な複素フーリエ係数の計算は「第2項」から始まる。 フーリエ級数のコンセプトから 冒頭でも説明したように 周期関数 を同じ周期を持った関数の集まりで展開 がコンセプトである。 たとえば 周期を持ったものとして高校生であれば などが真っ先に思いつく。 しかし、大学1年を迎えたすべてのひとは「 もあります!」と複素平面に範囲を広げて答えるべきである。 このことは、指数関数が有名なオイラーの式 によって展開されることを思い出せばわかるだろう。 まず について。 の形が出てきたら以下の複素平面をイメージすると良い。 ぐるっと回って( )もとの位置に戻るだろう。 したがって、 は の周期性をもつ。 同様に も の周期性をもつ。 また、 なども の周期性をもつ。 このことから、 の周期性をもつ指数関数の形は、 と表すことができる。 この指数関数の組を用いて、周期 をもつ を展開することができそうである。 とりあえず展開係数を として展開しておこう。 残る問題は、 を「 簡単に求められるかどうか?」である。 なぜ関数の直交性を大事にするか で展開したとして、展開係数(複素フーリエ係数)が 簡単に求めることができないなら使い物にならない。 展開係数を求めるために重要なことは直交性である。 その理由は平面ベクトルを考えるとわかる。 まず平面をつくる2つの長さ1のベクトルを考える。 このとき、 「ある平面ベクトルが2つのベクトルの方向にどれだけの重みで進んでいるか」 を調べたいとする。 以下の例を見てみよう。 どちらが簡単に重み(展開係数)を求めやすいだろうか。 平面ベクトルをつくる2つの平面ベクトル(基底)が直交しているほうが 求めやすい気がする。 すなわち展開係数を簡単に求められることが直感的にわかるだろう。 その理由は 基底ベクトルの「内積が0」になり、互いに直交しているからである。 今考えている、基底 についても同様に と などが直交していたら展開係数が簡単に求めることができると思うだろう。 以下では複素関数 と の 内積を計算する。 計算方法は「三角関数の直交性」と同じことをする。 ただし、内積は「複素関数の内積」であることに注意する(一方の関数は 複素共役 をとること)。 のとき: のとき: 指数関数になった分、積分の計算が実行しやすいだろう。 得られた結果はまさに「三角関数の直交性」と同様である。 重要な結果なのでまとめておく。 複素フーリエ係数の計算 まず展開は、 であった。 を使ってまとめておく。 この複素フーリエ係数 を求めよう。 複素フーリエ係数の導出 係数の求め方の方針: の直交性を利用する。 STEP 1. STEP 2. で積分する(直交性の利用)。 右辺のたくさんの項は直交性により0になる。 をかけて積分した後、唯一残るのは の項である。 STEP 3. が求められる。 上の式で、 とした。 これで複素フーリエ係数 を求めることができた。 周期2Lの場合 周期 の の展開については、 以下のような周期 の複素関数を用意すれば良い。 以下に結果をまとめる。 直交性: 複素フーリエ係数: 複素フーリエ級数の嬉しいところ 指数関数は積分や微分が簡単にできる。 したがって複素フーリエ係数は で表したときよりも 求めやすいはずである。 さらに、複素関数で展開することにより、 展開される周期関数が複素関数でも扱えるようになった。 より一般化されたことにより応用範囲も広いだろう。 まとめ 複素フーリエ級数展開について考え方を説明してきた。 フーリエ級数のコンセプトさえ理解していればどうということはなかったはずだ。 実用面では、複素フーリエ係数の求め方もマスターしておきたい。 といっても「直交性」を用いればいつでも導くことができる。 実際の計算は指数関数の積分になった分、 よりは簡単にできるだろう。 さて、もし が周期関数でなくても、これに似た展開ができるだろうか…(次項へ続く)。

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フーリエ級数の求め方を即効で例題で確認してみよう!

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そして今まで 軸、 軸と呼んでいたものを と に置き換えてしまったのが下の図である。 フーリエ級数のイメージはこのようなものである。 結局 「 方向の成分は何か? 方向の成分は何か?」 を調べるのがフーリエ級数である。 関数もベクトルと同じように扱うためには、とりあえずは下のように決めてやれば良い。 実際は、 であったため、ベクトルの次元は無限に大きい。 フーリエ係数を求める 2次元ベクトルで の成分を求める場合は、求めたいベクトル に対して、 のベクトルで内積を取れば良い。 そうすれば、図の上のように が求められる。 の場合も同様にできないだろうか? できる。 ただし、 が 直交する場合である。 実はフーリエ級数は 関数空間の話なので踏み込まないが、上のベクトルから拡張するためには以下に注意する。 関数空間で「 内積」を定義する• などが 直交するか調べる 関数の内積の定義 ここでのフーリエ級数での二つの関数 の内積の定義は、 ここでフーリエ級数においては• :フーリエ級数展開 される側の関数• : などの三角関数 である。 例えば、 とすると、 となる。 なんとなく フーリエ級数の形が見えてきたと思う。 三角関数の直交性 内積を定義すると、関数同士が 直交しているかどうかわかる! では、 の内積を計算してみる。 となり、 と は 直交している!したがって、初めに見た絵のように座標軸が直交しているようなイメージになる。 自分自身との内積を考える。 として、 となり直交していない。 これは、 が関数空間である大きさ(ノルム)を持っているということである。 などの一般的な三角関数についての内積は以下の通りである。 見ての通り、 自分以外の関数とは直交することがわかる。 したがって、初めにベクトルの成分を内積で取り出せたように、 のフーリエ係数 を「関数の内積」で取り出せそうである。 ベクトル空間との違いは、• 自分同士の内積は• 内積の定義に注意する である。 これを踏まえて以下ではフーリエ係数を導出する。 フーリエ係数の導出 以上の三角関数の直交性さえ理解していれば、フーリエ係数は簡単に導出できる。 まず、周期 の を下のように展開する。 ここで、 と の 内積をとる。 つまり、両辺に をかけて で積分する。 ここで、 の積分に関係のない は の外に出した。 右辺の積分で にならない部分がわかるだろうか? 三角関数の直交性からもちろん の の部分だけが残る!そして自分同士の内積は であった。 したがって、 となり、 を得る。 が欲しい場合は、 と の内積を取れば良い。 つまり、 より、 となる。 と置いているために、 のときも下の形でまとめることができる。 を求める場合は、 と との内積を取れば良い。 つまり、 に をかけて で積分すれば良い。 結果は がないのは、 だからである。 のときは、 の定数項として残っているだけである。 まとめ フーリエ係数は、三角関数の直交性から導出できることがわかっただろうか。 また、平面ベクトルとの比較からフーリエ係数のイメージを持っておくと便利である。 :基底ベクトルとして扱いやすくするためには、規格化しておくのが良いだろうが、ここでは単に を基底としてみている。

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周期2πのフーリエ級数の公式

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今夜は雨。 手軽な数学記事を1本アップしとこう。 番組内の映像に即した数式を、 多数のグラフと共に補足したわけだ。 今回は普通の実用的な数学記事(& 物理学の波動関連)として、 最もメジャーな「 矩形波」(くけいは)を扱う。 まず、ウィキメディアのOmegatron氏の作品で、4つの波の形を比較しよう。 下の図で、赤、緑、青、ピンク、4つの線だ。 上から、三角関数でお馴染みの正弦波(Sine wave)、今回扱う 矩形波= 方形波(Square wave)、三角波(Triangle wave)、のこぎり波=鋸歯状 波(Sawtooth wave)。 矩形波とのこぎり波の垂直の線は、外見を整える もの。 本当は存在せず、上端と下端の少なくとも一方が白丸となってるのが 普通だ。 ちなみに矩形波とか方形波と呼ばれるものは、日本語で文字通りに読むと 「 長方形の波」ということになるが、英語版ウィキによると、上下の 持続時間が等しいものを矩形波と言うとのこと。 もっと一般に、単なる長方 形の波ならパルス 波(Pulse wave) とか長方形波 (Rectangular wave)とされる。 上図はウィキメディア、Krishnavedala氏の作品。 縦軸は振幅(Ampitude)。 まあ、波形の呼び名はおそらく、世界的にあまり統一されてないと思う。 数学 の世界は意外と大まかな部分があるのだ。 特に物理や経済が絡んでる実 用的内容だと。。 理論的にはややハイ レベルで、普通は大学1、 2年の授業内容だ。 左は、垂直線なしの矩形 波を正弦波1本、2本、3 本で表そうとしてる様子。 ウィキメディア、Lucas VB氏のgifアニメより。 たった3本(n=3)で、 かなり矩形波に近似した形になってる。 この正弦波の組合せを計算するの がフーリエ級数展開だ。 もっとも 基本的な 式は、左の式。 ウィキから借用。 cosの係数その他の a n と、sinの係数 b n は、元の関数 f(x)を用いた次 の定積分で定める。 a n はフーリエ 余弦係数、b n はフーリエ正弦 係数。 変数はここでは t としてあるが、定積分だから、元の x のままでもいい。 一方、最初に挙げた基本の式は、元の関数 f(x) とキレイに一致するとは 限らないので、左辺の側に「f(x)~」と書いてる本もある。 もちろん、気にせ ず「f(x)=」と書く本もある。 普通の人にとっては、等号(=)の方が分かり やすいだろう。。 もっとも基本的な矩形波として、原点対称の 次の関数を考える。 x=0で不連続、x軸の上下に分かれることになる。 垂 直の線は無い。 よって、フーリエ 正弦係数 b n だけ残して、次の「フーリエ正弦級数」を求めればよい。 以下、実際に-1と1の問題を解いてみよう。 簡単に言うと、端点だけなら積分に関 係ないという理由だが、厳密な話をするには、フーリエ級数と積分についての 正確な議論が必要。 この記事では扱わないし、普通こだわらない所だ。。 x軸の上下が同じ幅になってないのなら、まず平行移動して上下 同じ幅に直して、後で逆向きに平行移動してもいい。 置換積分になるので、やや面倒ではある。 とりあえず、今日はこの辺で。。

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