その、紗夜、もう一回言ってほしいんだけど」 紗夜「はい? 何をですか?」 リサ「相談内容が、その……キ、キス? って聞こえたんだけど、聞き間違いだよね?」 紗夜「キスと言いましたが」 リサ「…………」 リサ(落ち着け、落ち着け今井リサ……。 これはきっとアレだよね、魚のキスを釣りに行くとか料理するとかそういうアレだよね……) 紗夜「ちなみに魚を釣るとか料理するとかそういうことではありませんので。 古い言葉で接吻と呼ばれるものです」 リサ(先回りされた……!) 紗夜「それで、どうすればいいのでしょうか?」 リサ「え、えーっと、色々言いたいことはあるんだけどさ……」 紗夜「はい」 リサ「その、なんでアタシにそれを相談するの?」 紗夜「今井さんならそういう経験が豊富だろうと思いまして」 リサ「ちょっとそのイメージがもう解せないんだけど……」 紗夜「え?」 リサ「え?」 紗夜「…………」 リサ「…………」 紗夜「……冗談ですよね?」 リサ「待って、それアタシのセリフ」 リサ「なんでアタシにそんなイメージを持ってるの……?」 紗夜「今井さん、湊さんと挨拶代わりにキスをしてますよね?」 リサ「し、してないよ!?」 紗夜「え……?」 リサ「いやいや、なんでそんな不思議そうな顔してるの!? 幼馴染とする訳ないじゃん!」 紗夜「今井さんと湊さんは恋人同士だともっぱらの噂ですが……」 リサ「その噂の発信源どこ!?」 紗夜「日菜が言っていました。 『リサちーと話すと友希那ちゃんのことばっか喋るし、絶対付き合ってるよねー! 2人っきりの時とかちゅーしてそうっ!』と」 紗夜「私の可愛い日菜がそう言うのであれば間違いないだろうと思っていたのですが」 リサ「ヒナ……なんてことを……!」 紗夜「それにライブ中もやたらとお二人の距離が近いですし、宇田川さんと白金さんもなんとなく察しています」 リサ「ロゼリアの中にそんな誤解が生まれてたの!?」 紗夜「ですからスタジオ練習の時も、湊さんと今井さんが2人っきりの時間を過ごせるようにと、しっかり空気を読んで3人でしばらく時間を潰していましたし」 リサ「最近やたらみんな遅いなって思ってたらそれが原因!?」 紗夜「はい。 実話にフィクションを付け足した作り話と言ってましたから」 リサ「それつぐみが原案なの!?」 紗夜「はい。 この前嬉しそうに私に話してくれました」 リサ「う、嬉しそうにって……」 紗夜「つぐみさんが嬉しそうで私も嬉しかったです」 リサ「えぇ……」 リサ(なんかつぐみに対する見方が変わりそう……) リサ(ていうか幼馴染って……まさかモカが蘭に……いや、考えるのは止めとこ……) 紗夜「では、今井さんは湊さんとは一切そういう関係ではないんですね?」 リサ「そ、そうだよ。 友希那とそんな爛れた関係なんて持ってないよ」 リサ(手を繋いで一緒に帰るとかお弁当作ってあげるくらいの普通の関係だよ……) 紗夜「そうでしたか。 憶測でモノを言ってしまってすみません」 リサ「あ、意外とあっさり引いてくれるんだね……」 紗夜「張本人の今井さんがそう言うのであれば信じざるを得ませんからね」 紗夜「私は親友の言うことを疑うほど狭量な人間ではありませんよ」 リサ「……色々言いたいことはあるけど、紗夜ってなんていうか、最近すごく丸くなったよね」 紗夜「そうでしょうか?」 リサ「うん。 まっすぐ自分の気持ちを口にするようになったと思うよ」 紗夜「まぁ……そうですね。 人間、素直が一番だと思うようになりました」 紗夜「幼い強がりなんてかなぐり捨てて、素直になる」 紗夜「この前のいざこざもありますし、そうしないと大切なものを失ってしまうような気がしたんですよ」 紗夜「たらればの話ですが、強がって意地を張ってばかりいては、きっと今も日菜とすれ違ったままだったと思います」 紗夜「……私はもう知りました。 相手を認め、自分を認めること。 それだけで、世界はずっと素晴らしいものになるんだと」 紗夜「だから、今では大切な居場所になっているロゼリアにも、こんな私を認めてくれた人たちにも、素直な気持ちでいるのが一番大事なんだ、と。 そう思うようになったんです」 紗夜「でないと、全部を失くしてから『あの時ああしていたら、こうしていれば』と、後悔ばかりを重ねそうですからね」 紗夜「それに……私の大切な人たちが、数十年後に最期を迎えた時。 それで経験豊富な今井さんにアドバイスを頂ければ、と思っていましたが私の早とちりでした。 誤解をしていてすみませんでした」 リサ「う、ううん。 誤解が解けたならいい……のかなぁ……?」 リサ「ていうか、それならアタシが相談相手じゃなくてもよくない?」 紗夜「いえ、経験がないというのは少し思い違いでしたが、それでも今井さんが頼りになるというのに間違いはありません」 紗夜「きっと今井さんであれば素晴らしいアイデアを出してくれると信じています」 リサ「いや……その期待には応えられないと思うなー……」 紗夜「大丈夫です。 私はあなたを信頼していますから」 リサ「その無垢な信頼がプレッシャーだって……」 リサ(そこまで頼りにしてくれるなら報いたい……けど、内容が『つぐみとキスがしたい』じゃね……) リサ「えーっとさ、紗夜は何か考えがあるの? その、つぐみと……キ、キスする考えが」 紗夜「あるにはありますけど……」 リサ「じゃあそれ、まずは聞かせてよ」 紗夜「分かりました」 紗夜「まず、火曜日に閉店間際の羽沢珈琲店へ向かいます」 リサ「うん」 紗夜「毎週火曜日はつぐみさんが閉店までいる日で、その時間帯は他の従業員もいません」 紗夜「ただ、第二、第四火曜日は大学生のアルバイトの方、もしくはお義母さまがいらっしゃるのでこの日は避けます」 リサ「うん……?」 紗夜「夜の帳が降りる商店街。 お客さんのいない喫茶店につぐみさんが1人」 紗夜「普段とは違うシンとした空気に『ちょっと寂しいなぁ』と思うつぐみさん」 紗夜「そこへ私が入店します」 紗夜「きっとつぐみさんはパッと輝いた笑顔で出迎えてくれるでしょう」 紗夜「少し他愛のない話をしてから、さりげなく『今日は1人なんですか?』と尋ねます」 紗夜「まぁ1人だと事前調査のおかげで知っているんですけどね」 紗夜「ともあれ、つぐみさんは少し照れたように笑いながら、『はい。 だからちょっと寂しくて……』と言うでしょう」 紗夜「もう辛抱が出来ないのでその場でキスします」 リサ「…………」 紗夜「…………」 リサ「……え、終わり?」 紗夜「これ以上なにか言うことがありますか?」 リサ「あー、いや……うーんと……」 紗夜「ああ、その後のことですか? そればっかりはつぐみさん次第としか言いようがないので……まぁお泊りくらいまで持っていければと」 リサ「そーいうことじゃないんだけどなぁ……」 紗夜「あっ、なるほど」 リサ「ん? 分かってくれた?」 紗夜「すみません、今井さん。 今井さんは今井さんです。 技術は足りなくても、あなたはロゼリアにとって大切な、かけがえのないベーシストです」 リサ「うん、それはこの前聞いたね? 紗夜はどうしたのかな? 頭のネジ、どこかに落としてきちゃった?」 紗夜「あなたはいつも周りのことを心配してくれますね。 そんなあなただからこそ、私は……」 リサ「待って、タイムタイム。 ごめん、なんかホントごめん。 アタシが悪かったからさ、その、なんか、異様な熱が込められた目はやめよ?」 リサ「まっすぐ見つめてくれるのは嬉しいけどさ、色々と身の危険感じるからさ」 リサ「その目で迫ってくるのはホントやめて欲しいかな、アタシは」 紗夜「あ、すみません……。 ですが、もう今井さんから太鼓判を押していただきましたから、先ほどの作戦を早速今夜決行しようと思います」 リサ「ちょ、ちょっと待って、今日は日曜日だよ!? 火曜じゃないとつぐみは1人じゃないんじゃないっけ!?」 紗夜「今井さんから頂いた天啓がありますから。 むしろ見せつける勢いでやってきます」 リサ「だ、ダメだよそれは!!」 紗夜「何故ですか?」 リサ「そ、それはほら、やっぱり……その、ファ、ファーストキス、だよね?」 紗夜「つぐみさんは分かりませんけど、私はそうですね」 リサ「そ、それなら、こう、ね? 雰囲気とかさ、やっぱ大事にしたい……じゃん?」 リサ(友達相手に何言ってんだろアタシ……すごく恥ずかしい……) 紗夜「……言われてみれば」 リサ「ね? だからほら、やっぱり2人っきりの時がいいと思うな、アタシは」 紗夜「確かにその通りでした。 やはり今井さんは頼りになりますね。 いつも私に大切なことを気付かせてくれます」 リサ「あ、アハハ……紗夜の役に立てたなら何より……だよ。 ……はぁ」 リサ(どうにか思いとどまってくれた……でもこれ、絶対時間の問題だよね……) 紗夜「つきましては、今井さん」 リサ「……うん?」 紗夜「今井さんが望むファーストキスのシチュエーションを教えてください。 参考にしたいので」 リサ「え!? い、いや、ちょっとそれは……」 紗夜「大丈夫です。 つぐ、絶対あれ、紗夜さんのこと待ち構えてるし……」 ひまり「やっぱそうだよね……いっつも何か期待する目で紗夜さんのこと見てるよね……」 巴「ああ……つぐも結構、アレだしな……」 ひまり「どうしてこう……私たちの周りってアレな人ばっかりなんだろーね……」 巴「アタシが知りたいよ……ホント……」 ひまり「彩さんと花音さんも大概アレだし……」 巴「……この前、お客さんから見えないレジカウンターの死角で手ぇ繋いでたな……」 ひまり「繋いでたね……」 巴「仲……良いんだな……」 ひまり「……ね。 今日は2人で水族館だっけ……」 巴「ああ……2人とも楽しそうに話してたな……」 ひまり「…………」 巴「…………」 ひまり「はぁ~……私もどこかにいい人いないかなぁ……」 巴「この場でそれ言うのはやめとけって……半分アタシに言ってるようなもんだぞ……」 ひまり「だよねぇ……」 巴「まぁ……あれだ、帰り、ラーメンでも食って帰るか……」 ひまり「そうだね……こうなったらやけ食いだよ……」 巴「…………」 ひまり「今、『太るぞひまり』って思ったでしょ?」 巴「聞くなって、言わぬが華だぞ……」 ひまり「ふーんだ、いいもーん……私は太ったって見せる相手もいないしー……」 ひまり「どーせ今年もみーんな一緒に海行ってくれないもーん……」 巴「んな悲しいこと言うなよ……そしたらアタシが一緒に行ってやるから……」 ひまり「…………」 巴「…………」 ひまり「あーあ……ホント巴が男の子だったらなぁ……」 巴「だからそういうことこの場で言うなって……」 おわり.
次の注意 この二人における呼称の他にと呼ばれることがあるが、pixiv上では のとの競合を避けるため、こちらの姉妹については当タグを使用するのがいい。 概要 に登場する双子の姉妹、とのカップリング。 紗夜が姉、日菜が妹。 それぞれ別の高校に通い、別のバンドに所属しているが、担当楽器はどちらもギター。 性格・性質に関しても生真面目で感情表現が苦手で努力家の紗夜、天真爛漫で表情豊かで天才型の日菜と対照的だが、好きな食べ物は全く同じ(プロフィールでは記載順が異なる)。 二人の関係 普段は冷静沈着で感情がなかなか表に出ない紗夜だが、日菜が絡むと激昂したり涙ぐんだ悲痛な表情を浮かべる場面があり、怖いもの知らずで無遠慮な言動・行動が多い日菜も、紗夜が相手になると途端に遠慮がちとなり、ともすれば臆病にさえ見えることがある。 ……というようにお互いにとって特別な存在なのは間違いないのだが、紗夜の方は日菜に対してかなり愛憎入り混じった複雑な想いを抱いている。 努力家かつ負けず嫌いな紗夜は、自分が積み上げてきたものを才能だけで軽々飛び越えていく日菜に対して強いコンプレックスを抱いており、のバンドストーリーにおいてはそれを爆発させてしまう場面も描かれている。 一方の日菜はそうして紗夜が一方的に突き放した態度をとるようになってからも、以前と変わらず純粋に、非常に強く慕い続けている。 しかし姉の変化を気にしていないわけではなく、紗夜のことになると普段と違う様子になると評されている。 周囲にはそういった二人の微妙な関係を見て心配する人も多く、二人が関わるイベントで追加されたメンバーがそのエピソードで言及することも多い。 一時は修復不可能にも見える関係となりかけたものの、Roseliaのバンドストーリー1章終了時点でほんの少しではあるが好転の兆しが見えていた。 そしてエリア会話では 『日菜が弁当を忘れた際に別の学校からわざわざ届けに来る紗夜』や 『日菜に映画を見に行こうと誘われて了承する紗夜』、 『外出中に日菜から参考書を借りる旨のメールを受け取り苦笑を浮かべる紗夜』など、わだかまりとは……?と思わされる会話が普通に見られる。 いずれも紗夜の表情は柔らかく、また後述のイベント開催より以前の時期(ほぼ初期?詳細不明)から実装されていたらしいが、時間軸的にいつ頃を想定されているものなのかは不明。 しかしこのカップリングは何よりイベントストーリーにおける描写がとんでもない破壊力を持つのが特徴。 以下、二人に関係したイベントを開催順に記載。 重度のネタバレを含みます。 『あゆみ続けた道、彩られる未来』(2017年5月31日〜) 日菜が所属するのイベントであり、その中でも彩を主役としたもの。 ……のはずなのだが、本イベントの第3話は完全に日菜と紗夜の会話のみで構成されている。 日菜は紗夜がきっかけでギターを始めてパスパレに加入し、そのおかげで他人を意識するようになり、他人が大好きになった。 自分は変わった、それは元をたどれば紗夜のおかげであると語る。 対する紗夜は日菜へのコンプレックスを面と向かって打ち明け、それでも日菜がギターを始めたことで抱いた危機感のおかげでもっとギターに打ち込めた、Roseliaに加わることが出来た、と感謝の言葉を口にする。 その表情はとても柔らかいものだった。 また自分のギターの音が「前とくらべてすっごくキラキラ、楽しそうに聴こえる」と言われたことにも、その変化はRoseliaでの経験があったからだと語る紗夜。 二人が全く同じような影響を与え合っていたことが分かるシーンである。 そしてお互いの『きっかけ』を知った二人は、 『勝手に飽きて/諦めてギターをやめたりしない』という約束を交わす。 当該エピソードはRoseliaのバンドストーリーを振り返るものでもあるが、妹を傷つけてしまったことに対する深い自己嫌悪を泣きながら話す様子は心に突き刺さるものがある。 『星に願う短冊』(2017年6月30日〜) 紗夜と日菜の二人がメインのイベント。 商店街の七夕祭りに紗夜を誘いたいと思うも、バンドやギターで忙しい紗夜には断られそうだと悩んでいた日菜。 見かねたリサが紗夜にその話を振ってみるも、紗夜はそういう催しには興味がない、それよりギターの腕を磨くことのほうが……と断るつもりでいる様子を見せる。 そう書くと取り付く島もないように見えるが、 その時の紗夜の語調や表情は日菜との関係について深く思い悩んでいるのが容易に見てとれるものである。 日菜に直接誘いを受けた際も人混みが苦手なことを理由に断りつつ、「私よりも今井さんや丸山さん達と一緒に行った方がきっと楽しい」との言葉をかけるなど、なるべく突き放した態度にならないよう努めていたようで、部屋に戻ってから(悪いことをしたかしら……)とため息をつく様子からも紗夜の複雑な心情が垣間見える。 そうして迎えた七夕祭り当日、日菜は一人で祭りに出かけ、紗夜は買い物を頼まれて商店街へ出向く。 この時点で察しが付くだろうが、いくつかの偶然に助けられた二人は久しぶりに姉妹らしい時間を過ごすことになる。 日菜の 『すっごくすっごーく大事なお願い』を書いた短冊を咥えた鳥を追いかけて辿り着いたのは、二人が小さい頃によく遊んだ思い出の公園だった。 そこでたわいもないやりとりをしながら、日菜とうまく話せないのは自分の問題なのだと思い悩む紗夜。 そして短冊を飾りに戻った商店街ではライトアップが始まり屋台も出ており、それらに目を輝かせる日菜に折れる形で結局一緒に七夕祭りを回ることになったのだった。 この時はしゃぐ日菜を見つめる紗夜の表情は、この前後で妹との関係について真剣に悩んでいる姉のものとは考えにくいほど穏やかなものである。 その後、日菜は短冊に書いた 『おねーちゃんと仲良く過ごせますように』という願いは今日叶ってしまったからと言って自分の短冊は飾らなかった。 日菜に勧められて書いた紗夜の短冊には 『日菜とまっすぐ話せますように』と書かれており、こちらは日菜の見えない場所に飾ったとのこと。 そして週明けの学校にはリサに七夕祭り当日の話を嬉しそうに話す日菜の姿があり、Roseliaの自主練中にはリサへ感謝の言葉を伝え、日菜のことに関してこれからも力になってほしいと頼む紗夜の姿があった。 めでたしめでたし。 『パスパレ探検隊~無人島を征くアイドル~』(2017年9月21日~) これもまた名前の通りパスパレのイベント。 内容は楽しかった無人島ロケを思い出しつつも紗夜がいればもっと楽しかったと語る日菜、そこから二人で旅行に行かないかという提案を紗夜が(割とあっさり)受け入れ、二人でどこに行きたいかなどを話し合うというもの。 イベントストーリー本編の色んな意味で怖いもの知らずな普段の日菜と、紗夜を旅行に誘う時は明らかに緊張している様子の日菜が対照的に描かれている。 それは『星に願う短冊』の公園でのやりとりを思い出させるものにもなっており、日菜の誘いを素直に受け入れる紗夜の様子はあれから 確実に紗夜が変わってきていることの証左でもある。 また、無人島に持ち込みを許可される私物は1つだけというルールで日菜が持ち込んだのが 『おねーちゃんの写真』(本人曰くこれさえあればどこでもスヤスヤ)という微妙に反応に困るシロモノであったことも記述しておく。 ちなみに公式四コマでは日菜が無人島に順応しすぎて帰ってこないのではないかと心配しながらポテトをすごい勢いで食べ続ける紗夜(と日菜絡みの話だからか一緒に来ているリサ)が描かれている。 かわいい。 『秋時雨に傘を』(2017年10月11日~) 紗夜が所属するRoseliaのイベントだが、実質紗夜と日菜のイベントである。 『あゆみ続けた道、彩られる未来』で交わされた約束、『星に願う短冊』では秘密にしていた願い事、二人を心配し見守り時には背中を押してくれる仲間たち等々、これまで積み重ねてきたエピソードの集大成となっている。 以前よりお互いに関わる事柄でしか見せない一面が印象的に描かれてきた二人だが、特に日菜はこのイベントで初めて使用される表情・モーションがある。 詳細は是非自分の目と耳で確かめてほしい。 エピソードの内容やイベント本編での友希那と紗夜、日菜のやり取りを見るに、恐らくそれが『Determination Symphony』になるのだろうと思われる。 『ちぐはぐ!?おかしなお菓子教室』(2017年10月31日~) のつぐみと紗夜、似てないようで似ている二人がメインのイベント。 他のイベントメンバー(日菜、イヴ、燐子)はOPまたはEDに登場するのみ。 要はイベント通してほぼつぐみと紗夜の会話のみなのだが、その会話中に突然の爆弾発言が混じるので抜粋する。 つぐみ「犬のクッキーへのこだわりに、愛情を感じますね。 ひょっとして紗夜さんって、犬好きなんですか?」 紗夜「は、はい……私は犬が好きなんです…… …………………あと、日菜も」 つぐみ「そうなんですか。 なら、日菜先輩にプレゼントしたらきっと喜んでくれますね!」 紗夜の発言は『自分は犬が好き、日菜も犬が好き』or『自分は犬が好き、日菜のことも好き』という二通りの解釈ができる文面になっており、恐らくつぐみは前者の意味で受け取ったと思われる。 実際前者の方が自然に思えるが、何故か紗夜は台詞後半で日菜の名前を口にする際、 やたらと三点リーダを並べて言い淀む上に表情がそれまでの穏やかなものから一転、 真っ赤な照れ顔に。 それだけであればまだ解釈の余地はあったのだが……。 Roseliaバンドストーリー6話において、紗夜が「日菜は犬、別に好きじゃないでしょ」と言い、日菜もそれを否定しないというシーンがある。 この『日菜は犬が好きなわけではない』『紗夜はそれを知っている』という前提を踏まえると、後者の意味でなければ辻褄が合わなくなってしまう。 紗夜が何を思ってわざわざそんなことを口にしたのかという理由も描かれることはないが、『秋時雨に傘を』で日菜が涙ながらに口にした「……いいよ。 あたしのこと、嫌いでも」という言葉への答えとも受け取れるかもしれない。 メモリアルエピソードも相変わらず愛に溢れた内容。 その他の絡み クリスマス期間限定のエリア会話 クリスマス期間限定のエリア会話は、紗夜と日菜が他の人と話していてもお互いに関する話をする場面が多い。 ・日菜と麻弥の会話 紗夜にクリスマスプレゼントは用意したのかと麻弥に聞かれた日菜が、紗夜がたまにクッキー作りをしているので、今年は型抜きセットにしたと話す。 ・紗夜と日菜の会話 弦巻家パーティ会場に来た紗夜と日菜。 会場のご馳走の中にあった、小さい頃に一緒に食べた杖の形をしたキャンディを見て二人で懐かしむ。 最後は日菜が紗夜の制止を聞かずにトナカイに駆け寄っていってしまい、それを見た紗夜が苦笑いする。 ・日菜とリサの会話 パーティ会場にあったクッキーを食べていた日菜が、リサにこのクッキーがすごく美味しいと話す。 リサがそれは自分が作ったクッキーで、今回は紗夜と一緒に作ったと話すと、日菜はリサの話を聞き終わらないうちに 「おねーちゃんもクッキー作ってるの!?どれがおねーちゃんの!?」と大きな声を出す。 リサは紗夜が日菜には直接渡すと言っていたからここにはないと思う、さっき紗夜と話していたのにまだもらってないのか、と聞くと日菜は「えー、もらってないよ!さっそくクッキーちょうだい、って言ってこようっと!」と言って行ってしまうという話。 ・紗夜とつぐみの会話 パーティ会場で紗夜はつぐみに自分で焼いたクッキーを渡す。 つぐみに「もう一つ袋持ってますけど、それって…?」と聞かれた紗夜は、実は日菜に渡そうと思って持ってきたがまだ渡せていなくて、パーティが終わる前に渡せるかどうか分からないと話す。 それを聞いたつぐみに「きっと大丈夫」と励ましてもらう。 友達であるつぐみにはクッキーを渡せるのに、妹の日菜に対してはなかなか渡せないという紗夜の不器用さがよく表れた話である。 内容は、練習があるからと紗夜に外出の誘いを断られた日菜が、一人で彩がバイトしているお店へ行き、ポテトを注文して食べる。 すると、離れた場所にいる紗夜も猛烈にポテトが食べたくなって練習に集中できなくなったり、日菜がくしゃみをすると同時に紗夜もくしゃみをしたりと微笑ましい話となっている。 関連タグ 関連記事 親記事.
次の「松原さん。 何があったのかしら?」 「ふぇぇ……」 「なるほど……。 松原さんの下着が何者かに盗まれてしまった、ということね」 (どうしてわかるんだ、この人) 「ふぇ、ふぇぇぇ……」 「容疑者に浮上したのは、この3人ということね」 「……」 「……」 「……」 (いや、生徒会長いるんだけど) 「それぞれに話を聞いていきましょう」 「丸山さん、あなたが盗んだんですか?」 「私はぬしゅんでないよ」 (……噛んだ) 「なるほど。 続いて、白金さん。 生徒会長であるあなたが盗んだんですか?」 「い、いえ。 あこちゃんのモノは何度か盗みましたけど、ま、松原さんの下着は盗んでません」 (……はあ!?別の事案を自白したぞ!?) 「なるほど。 最後に白鷺さん。 あなたが盗んだんですか?」 「私は被ってないし、履いてもいません!」 (おいおいおいおい……) 「ふむ……。 全員が否定している……。 とても難解な事件ですね」 (いや、ひとり完全に自白してるだろ!いや、二人か……) 「わからないわ……。 誰が犯人なのか。 なんとなく、噛んでしまった丸山さんが怪しいわね……」 「えぇ!?」 (この人、マジで言ってんのか?) 「私は盗んでない。 ぬすんでにゃいのに~(泣)」 「泣いて許されることではないわ」 「で、でもぉ~(涙)」 「彩ちゃん、涙をこれで拭いて……」ハンカチトリダシー 「ふぇ!?」 「こ、これは?」 「ハンカチじゃなくて下着で涙をぬぐってるじゃねーか!?」 「しまった!?」 「ついに尻尾を出したわね!」 (いや、さっきから尻尾ブンブン振ってるレベルだったけど) 「違うの。 違うの、紗夜ちゃん。 花音がいけないのよ。 こんなに過激な下着をはいてきて……」 「ふぇぇぇ……」 「わかりました。 話の続きは生徒会室で伺います。 市ヶ谷さん」 「はい。 行きますよ白鷺先輩、あと燐子先輩も」 「えっ!?」 「これにて一件落着です。 が、松原さん」 「ふぇ?」 「そ、その、あまり過激な下着は風紀を乱します。 もう少し控えめな感じにしてください」 「ふぇぇ……」 「あと、丸山さん。 推理の邪魔になるので、噛まないように滑舌を良くしてください」 「は、はい……」 「これで花咲川の風紀は守られたわね」 終 「この辺りから匂うわね」 「……しくしく……」 (事件の匂いとやらをたどってきたら、りみが泣いていた) 「りみ、どうしたんだ!?」 「牛込さん。 もう安心してください。 何があったか話してください」 「うぅ……。 楽しみにしていたチョココロネが、いつの間にか無くなってしまったんです……」 「まさか盗まれてしまったというの!?」 「そうかもしれません……」 「なんということ。 私が犯人を捕まえてみせます。 まずは、状況を聞かせてください」 (いよいよ、まともな事件簿の雰囲気だ……) (と言いたいところだけど、りみの口の周り、チョコクリームだらけじゃねーか!?) (ぜってー、りみが無意識に食っちまっただけだろ……) (いやいや、りみが泣いてるんだし、そんなことは……) 「それで、一緒にいたのは?」 「モグモグ……沙綾ちゃんと……モグ……モグみちゃんと……」 (チョココロネ食ってる!りみ、食ってるよ!なくなったはずのチョココロネをモグモグしてるよ!) (なんで、あの二人は普通にやり取りしてんだ?私がおかしいのか!?) 「なるほど。 聞き取った状況などを考えると、この3人が匂いますね」 「……」 「……」 「ふぇぇ……」 「犯行が可能な時間帯にアリバイがないことも確認してあります」 (妙なところだけ優秀なんだよな、紗夜先輩) 「何より、この3人は匂います……」 (『匂う』ってなんだよ。 犬かよ) 「別に、昨日、日菜と一緒に見た警察犬のドキュメンタリー番組の影響なんて受けていません」 「あの番組、めっちゃ泣けた~~~モグモグ……」 (めっちゃ影響されてるし、りみは相変わらずモグモグしてるし……) 「まず、山吹さん」 「……」 「くんくん……これは、パンの匂い!?」 「まあ、ウチはパン屋やってるので……」 「なるほど。 しかし、匂いをカモフラージュできる言い訳にもなりますよね」 「というか、りみりんから盗まなくても、いくらでもチョココロネを食べられるんですけど」 「確かに。 動機は薄いわね」 「さ、沙綾ちゃんは、そんなことしません!」 「りみりん、ありがと。 あと、チョココロネおいしい?」 「めっちゃおいしい」 「どうやら山吹さんはシロのようね……」 (なんだこれ!?私がおかしいのか?この状況に疑問を抱く私がおかしいのか?) 「では、次は北沢さん」 「……」 「くんくん……。 これはコロッケの匂い!?」 「はぐみのお昼、ウチのコロッケだったから……」 「くんくん……おいしそうな匂いですね」 「父ちゃんのコロッケは絶品なんだよ」 「いつも買わせていただいています。 ところで、お店でフライドポテトは扱わないのですか?」 「ポテト?でも、ウチは精肉店だから……」 「しかし、あれほど美味しくコロッケを揚げられるんです。 ポテトもカラッと揚がるはずです」 「そっか!それじゃ、父ちゃんに相談してみる!」 「ありがとうございます。 ということで、北沢さんもシロですね」 (え!?今のやり取りでシロなの!?) (てか、ここのやり取り必要だったか!?) (もはや、りみのこと関係なくなっちゃったよ) 「ぷはぁ~おいしかった~」 (なんか、りみは食べ終わって満足してるし) 「どこ行ったんだろ、私のチョココロネ……」 (む、無意識だったのか!?) 「最後は、松原さんです」 「ふぇ……」 「くんくん……くんくん……」 「ふぇぇぇぇぇぇ……」 「クンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!」 (嗅ぎすぎじゃね?) 「はあ……いい匂いでした。 正直なところ、松原さんに関しては、いい匂いがしそうだったので呼んだだけです」 「ふぇぇぇ!?」 「いい匂いだったので、松原さんも下着の色とは違ってシロです」 (もはや、紗夜先輩が風紀を乱してんじゃん) 「しかし、またもや難事件ですね……。 迷宮入りしそうです……」 「す、すみません……」 「ふぇ!?りみちゃん、口周りが汚れてるよ」 「ほ、ホントですか!?めっちゃ恥ずかしい……」 「拭いてあげる。 ちょっとだけ、チョココロネにハッピーなパウダーを加えてあるからね」 「ふぇ……?」 「ウチのチョココロネは無意識に食べちゃうくらいに中毒性があるからねー」 「ふぇぇぇぇぇ……」 (さりげなく怖いこと言ってる気がするけど、聞かなかったことにしよう) 「何はともあれ一件落着ですね」 「みんな迷惑かけちゃってゴメンね」 「困った生徒を救うのも風紀委員の仕事です。
次の