(参考)太陽系の星の大きさ比較 宇宙で一番大きな星を見る前に、地球を含む太陽系の星の大きさを小さい順にご紹介しましょう。 ちなみに木星の衛星ガニメデは直径5,262と水星よりも大きいです。 地球(12,742km)< 天王星(50,724km)< (116,464km)< (139,822km) 太陽系で一番大きな惑星は木星で、地球の約10倍の大きさです。 それでは、ここからは宇宙で現在発見されている最も大きな10個の星をご紹介していきます。 太陽から約6,000光年離れたところに位置しており、730日の周期で視等級が3. 43等から5. 1等の間で変光する代表的な変光星の1つです。 この星は、元々エラキスという名前の星でしたが、この星があまりにも赤いために、ウィリアム・ハーシェルによって『ガーネット・スター』と名づけられました。 双眼鏡で観測できるほど明るい変光星で、新星や超新星以外では見て楽しむことができる数少ない変光星の1つです。 第9位 おおいぬ座VY星(太陽の1,420倍) おおいぬ座VY星(学名:VY Canis Majoris)は、約3,900光年離れたおおいぬ座にある赤色超巨星です。 最近まで直径が1,800から2,100倍で宇宙最大の恒星と考えられていましたが、研究が進み約1,420倍に改められました。 その大きさに比べて質量は太陽の30 - 40倍しかなく非常に軽いガス状の星です。 ちなみに、地球や太陽とおおいぬ座VY星を比べた場合、下のようになります。 おおいぬ座VY星がどれだけ大きいかがよくわかりますね。 この星はガスが急速に流出しており、西暦3200年頃には極超新星もしくは超新星爆発を起こしてブラックホールになるものと予想されています。 視等級は6. 5 - 9. 6と大きな星ランキングの中では最も明るく輝いている星です。 第8位 いて座KW星(太陽の1,460倍) いて座KW星(学名:KW Sagittarii)は、いて座に存在する赤色超巨星です。 直径は太陽の約1460倍で、もし太陽系の中心に置いた場合、火星がすっぽり入ってしまうほどの大きさです。 光度は太陽の176,000-360,000倍とされていますが、約7,800光年も離れたところにあり肉眼で見ることは出来ません。 第7位 ケフェウス座V354星(太陽の1,520倍) ケフェウス座V354星は、銀河系内(天の川)に存在する赤色極超巨星で、約9000光年離れたところに位置しています。 直径は太陽の約1520倍あると推測されており、もしこの恒星を太陽系の中心に置いたとすると、その大きさは7天文単位(木星と土星の公転軌道の間)にまで及ぶとされています。 第6位 いて座VX星(太陽の1,520倍) いて座VX星(学名:VX Sagittarii)は、太陽から約5000光年離れたいて座の中にある赤色超巨星です。 直径は太陽の約1520倍とされていますが、正確には1,350倍 - 1,940倍の間で変化しており、観測するタイミングによっては宇宙で最も大きな星という事もあります。 第5位 ウェスタールンド1-26(太陽の1,530倍) ウェスタールンド1-26 Westerlund 1-26 は、ウェスタールンド1超星団のはずれにある赤色超巨星もしくは極超巨星です。 地球から16,500光年の距離にあり、遠赤外線から電波まで使った広範囲な調査が行われていますが、いまだ詳しくはわかっておらず、直径は太陽の1,530倍から2,544倍と推測されています。 表面温度は3000K程という超巨星としてはかなり冷たい星であり、そのエネルギーを主に赤外線として放出しています。 第4位 ケフェウス座RW星(太陽の1,535倍) ケフェウス座RW星(RW Cephei)は、ケフェウス座の方角に11,500光年離れたところにある極超巨星です。 直径は太陽の1,535倍 - 1,650倍と推定されています。 ケフェウス座には他にもケフェウス座VV星やケフェウス座V354星といった巨大な星が存在しています。 0等から7. 3等と変化します。 第3位 WOH G64(太陽の1,540倍) WOH G64は、163,000光年離れた大マゼラン雲に存在する赤色極超巨星です。 直径は太陽の約1540~1730倍あると推測されています。 ハローの影響で大きさがはっきりしておらず、最近まで太陽半径の2000倍と考えられていました。 第2位 はくちょう座V1489星(太陽の1,650倍) はくちょう座V1489星 V1489 Cygni は、約5250光年離れた位置にある赤色超巨星で、1965年にゲリー・ノイゲバウアーによって発見されました。 はくちょう座V1489星の直径は太陽の1650倍で、約23億kmと巨大なものであり、仮に太陽系の中心に置いた場合、恒星表面は木星軌道と土星軌道の間に位置することとなるほどの大きさです。 第1位 たて座UY星(太陽の1,708倍) たて座UY星(UY Scuti)は太陽から約9,500光年の距離に位置する赤色超巨星です。 その大きさは直径が太陽の約1,700倍とされており、太陽系の中心に置けば木星の軌道に達する程です。 ただし、その正確な大きさはまだわかっておりません。 また、光度は太陽の340,000倍もあり、銀河で最も明るい赤色超巨星の1つです。 まとめ 宇宙はとてつもなく広大で、まだまだ全てを観測することはできていません。 今後さらなる観測技術の発達により、宇宙で一番大きな星ランキングの順位は、ほぼ間違いなく入れ替わるでしょう。
次の【PR】 宇宙一大きい〇〇 まずは宇宙一大きい〇〇シリーズを紹介していきます。 十分に大きいはずの地球や太陽が小さく見えてしまうほどの巨大さに驚くこと間違いなしです。 宇宙一大きい星 まずは星の比較画像を見てみましょう。 (画像元:) 現在、宇宙で最も大きい星は「 たて座UY星」だとされています。 この星は地球から9500光年離れたところにあり、その大きさはなんと太陽の約 1700倍! 比較画像でも太陽などの他の恒星を圧倒するその巨大さを感じとることができます。 最近までは「おおいぬ座VY星」が最も大きい恒星だとされていましたが、より精密な観測の結果6位にまで陥落し、首位をたて座UY星に譲ることとなりました。 (画像元:) 太陽と直接比較するとこうなります。 もはやUY星の全貌が見えないほど巨大ですね。 もしもたて座UY星が太陽の位置にあったら、このように木星までは完全に飲み込み、土星の軌道間近にまで迫るほどの大きさを誇ります。 宇宙一大きいブラックホール では続いて、宇宙で一番大きいブラックホールについて見てみましょう。 ブラックホールについてはこのサイトでも何度か取り上げているので、他の記事もご覧になってみてください。 このブラックホールは太陽のなんと 400億倍もの質量を持っており、 半径はなんと2400億km!! 地球と太陽の距離の1600倍も大きく、太陽と海王星の距離よりも32倍大きい、太陽系をいとも簡単に丸呑みしてしまうまさにモンスターブラックホールなのです。 もちろんこのどでかい黒い部分に飲み込まれてしまったら最後、 二度と外には出て来れません。 本当に恐ろしい世界ですね。 関連動画: 宇宙一大きい銀河 大きさシリーズのラストを飾るのは「銀河」。 銀河は直径が数万光年というのが当たり前の世界で、先ほどのブラックホールが点に見えるほど巨大な天体です。 そんな特大な銀河の中でも最も大きな銀河とは、一体どれくらい大きいのでしょうか? (画像元:) 現在宇宙最大の銀河は「 IC 1101」と呼ばれる銀河で、 直径が600万光年あります。 私たちの銀河系(直径約10万光年)やアンドロメダ銀河(直径約25万光年)は十分に大きい銀河ですが、それすら点に見えてしまうほど巨大です! さらにこの銀河は銀河系の300倍以上である 100兆個もの恒星で構成されており、質量も銀河系の約100倍もあるそう。 まさにあらゆる面で規格外のスケールを誇る銀河でした。 宇宙一熱い〇〇 お次は宇宙一熱い〇〇シリーズを紹介していきます。 これを見ればいかに地球が奇跡的な適温下にあるかが実感できるはずです。 宇宙一熱い惑星 まずは宇宙一熱い惑星から。 惑星は自ら高温を発することがないため、恒星と比べるとその温度はかなり下がります。 現に太陽系で最も熱い金星でも、その表面温度は約430度です。 それでも人間にとっては想像を絶するほど熱いですが… しかし宇宙にはほぼ恒星と言っていいほどの熱さを誇る惑星が存在します。 (画像元:) その惑星は「 KELT-9b」と呼ばれ、地球から約650光年離れた「KELT-9」という恒星の周りをわずか約1. 5日という短周期で公転しています。 これは下手な恒星並みに熱い、まさに規格外に熱い惑星と言えます! 宇宙一熱い恒星 続いては最も熱い恒星を紹介します。 そんな熱い恒星の中でも最も熱い恒星はどれくらい熱いのでしょうか? (画像元:) 現在最も熱い恒星とされるのはこちらの「 RX J0439. 8-6809」という名の白色矮星。 これは激アツな太陽の約42倍にもなる超高温で、太陽の位置にあれば地球など瞬時に灼熱の惑星に変わってしまいそうです。 宇宙一熱い星 今回「恒星」と「星」を分けたのは、最も熱い星が恒星ではないからです。 超新星爆発の際に条件が揃うと形成される天体で、中性子だけで形成される超高密度天体です。 全てがあまりに規格外すぎてもはや想像すらできません汗 温度の上限 宇宙にはこれまで紹介した以外にも超新星爆発、ブラックホールが発する宇宙ジェットなど、高温の世界が無数に存在していますが、キリがないので最後は温度の上限について紹介していきます。 温度には絶対零度と呼ばれる下限があって、-273. そして実は温度には上限もあると考えられています。 (画像元:) 宇宙全体のエネルギーの総和は変わらないため、その全てが一点に集まっていたビッグバン直後の温度が温度の上限となります。 これは プランク温度と呼ばれており、 1. 桁が大きすぎてもはや何が何だかよくわかりません笑 ご覧のように、温度というのは下限に対して上限が極めて大きいです。 そのため地球のように水が液体で存在できる環境はまさに奇跡的なバランスの元でしか成り立たず、限られた場所にしかないのです。 宇宙一寒い場所 ここまで高温の世界ばかり紹介してきましたが、宇宙というのは基本的に寒いです。 近くに恒星などの熱源がない限りあっという間に極低温の世界になってしまいます。 太陽などの熱源から遠ければもっと寒くなるのは容易に想像できますね。 それではそんな寒い宇宙の中でも最も寒い場所はどこなのでしょうか? (画像元:) 現在宇宙で最も寒い場所は、地球から約5000光年離れた「 ブーメラン星雲」だとされています。 ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたこの天体の画像はなんとも美しいですね。 この天体の中心部からは外側に向かって毎秒164kmという爆速でガスが膨張していて、それにより温度がここまで下がってしまったとされています。 宇宙一明るい〇〇 お次は宇宙一明るい〇〇シリーズを紹介していきます。 身近で明るいものといえば何と言っても太陽ですね。 地球から1億5000万kmも離れているにもかかわらず、満月の50万倍の明るさで私たちの地球を照らし続けてくれているまさに全生命の母とも呼べる星です。 しかし、宇宙では太陽など比較対象にすらならないほど眩しく輝く天体が無数にあるのです。 宇宙一明るい星 まずは宇宙で最も明るい恒星を紹介します。 太陽も恒星の一つですが、一体宇宙一は太陽の何倍の明るさを誇るのでしょうか? (画像元:) 諸説ありますが、現在最も明るい恒星だとされているのは地球から45000光年離れた場所にある「 LBV 1806-20」という名の星です。 この星の明るさは最大でなんと太陽の 約4000万倍! 太陽の位置にあれば、地球が瞬時に蒸発してしまいそうな恐ろしいスケールです。 この星の大きさは太陽の約150倍、質量は約120倍あるとされています。 あまりに高いエネルギーを放出し続けているため、寿命はわずか数百万年程度と恒星にしては極めて短命です。 ただ、このLBV 1806-20はせいぜい太陽光度の200万倍程度しかないという説もあります。 それでも十分すぎるほど明るいですが… 宇宙一明るい超新星爆発 続いては最も明るい超新星爆発を紹介していきます。 超新星爆発といえば天文現象の中でも最大級のエネルギーを放出する現象で、太陽の8倍以上の質量を持つ恒星が一生を終える時に発生すると言われています。 ここから銀などの鉄よりも重い元素が生まれたり、中性子星やブラックホールが発生したりします。 現在の宇宙の形成に極めて大きな役割を担ってきた現象です。 ただでさえ桁違いのエネルギーを誇る超新星爆発ですが、宇宙最大の超新星爆発は一体どれほどまでに明るいのでしょうか? (画像元:) 観測史上最大の超新星は、地球から約38億光年も離れた「 ASASSN-15lh」です。 この超新星爆発の明るさはなんと 太陽の5700億倍! 上の画像は爆心地から1万光年も離れた場所から爆発を見た場合の想像図だそうですが、これだけ離れていてもはっきりと眩しすぎるほどその輝きを観測できてしまうんですね。 この爆発は平均的な超新星爆発の約200倍明るく、私たちの 銀河系の明るさの20倍も明るいとのこと。 たった一つの天体で約2000億の恒星が含まれた銀河の明るさを優に超えてしまうとは、本当にとてつもないスケールです。 (画像元:NASA) 最近ではこの明かりは超新星爆発によるものではなく、太陽の1億倍以上の質量を持つ超巨大ブラックホールが太陽程度の比較的小さい恒星を飲み込み破壊したために発生した明るさだという説も出てきています。 いずれにせよ恒星一つで銀河全体を超える明るさの光を発することができるのは、まさに宇宙の神秘ですね! 宇宙一明るい銀河 明るさシリーズのラストは銀河に締めてもらいましょう。 数千億から数兆個の恒星の集団ですから、当然その明るさも桁違い。 200万光年離れたアンドロメダ銀河が地球から辛うじて肉眼で見えるほどです。 先ほどは超新星爆発に明るさで負けてしまいましたが、今度は宇宙一でリベンジとなるでしょうか? (画像元:) 現在宇宙一明るい銀河は、地球から約125億光年も離れた「 WISE J224607. 57-052635. 0」です。 もうめちゃくちゃな名前ですがちゃんとした正式名称です笑 この銀河は銀河系より小さいにもかかわらず、銀河系の約1万倍、太陽のなんと 約300兆倍以上の明るさで輝いているというのです! (画像元:) これほどの明るさは、銀河を構成する星からというよりは、銀河の中心にある クエーサーから発せられているそうです。 クエーサーというのは宇宙で最も明るい天体として知られますが、あまりに遠くにあるためその仕組みはまだはっきりとは解明されていません。 ただ現在では超巨大ブラックホールに大量の物質が吸い込まれた際に発される明かりであるという説が有力です。 「WISE J224607. 57-052635. 0」はそんなクエーサーの中でも最大のもので、これほどの規模の明るさを誇っているのですね。 宇宙一速い〇〇 お次は宇宙一速い〇〇シリーズです。 地球規模の日常生活で考えるとわかりやすいですが、とてつもなく速いスピードです。 観測されるほとんどの星が銀河系の中心を公転していますが、中には速すぎて銀河系の巨大な重力すら物ともしない恒星もあります。 今回取り上げる観測史上最速の星も例外ではありません。 【観測史上最速の星】 「US 708」という星は、秒速1200kmという猛スピードで天の川銀河から離脱しようとしている。 この観測史上最速の星は音速の約3500倍と、地球と月の間をわずか5分で移動できるほど速い。 動画元: — 宇宙雑学bot astronomy1248 現在発見されている中で宇宙最速の星は「 US 708」という星です。 そのスピードは毎秒1200km、時速でいうと430万kmにもなります。 これは音速のなんと約3500倍です。 このUS708は上記の動画のように、超新星爆発の爆風に後押しされた形でここまで加速したと考えられています。 宇宙一速く自転する星 今度は宇宙一高速で自転ている星を紹介します。 ちなみに地球は1日1回転、赤道付近で時速1700kmで自転しています。 すでに音速を超えていて相当な速度ですが、もっと高速で自転する天体はいくらでも存在します。 現在宇宙一自転が速いとされている天体は、「 PSR J1748-2446ad」という中性子星です。 地球から18000光年彼方にあり、直径は32kmと推定されています。 宇宙一強い〇〇 最後は宇宙一強い〇〇シリーズをお送りします。 それはそれは普段の日常では到底想像もつかないような恐ろしい世界が広がっていますよ。 宇宙一風の強い惑星 まずは宇宙一強い風が吹き荒れる惑星を紹介します。 その前にまずは地球での最大風速を見てみましょう。 (画像元:) 地球上で観測された最大風速は1999年にオクラホマ州で発生した竜巻ですが、その風速は時速484km。 では宇宙一の風はどれほどの風速を誇るのでしょうか? (画像元:) 観測史上最大の風が吹き荒れる惑星は、「 HD 189733 b」と名付けられています。 この惑星では音速のなんと29倍の時速35500km、秒速でも10kmという想像もつかないほどの暴風が吹き荒れているとか! 先ほどの地球史上最大の風速と比較しても73倍以上と、もはや想像すらつかない暴風です。 関連記事: 宇宙一磁力が強い星 お次は宇宙一の磁力を紹介します。 磁力を表す単位は「T(テスラ)」で、最強の磁石であるネオジム磁石が1T、人類の科学力が生み出した最強の磁力でも100T程度であることを頭に入れておいてください。 宇宙最大の磁場を発する天体は「 マグネター」と呼ばれる中性子星で、特に現在最強だとされているのは「SGR 1806-20」と呼ばれるマグネターです。 冒頭でも書きましたが、「こんな宇宙一の〇〇も知りたい!」というリクエストや「ここが間違っている」というご指摘を、記事下部のコメント欄で常時承っております。 最後まで読んでいただきありがとうございました!.
次の1光年は何キロ? 広大な宇宙の中で距離を測るとき、私たちが普段使っている単位「km」を用いると、とてつもない桁になってしまいます。 そのため、天文学独自の単位を使います。 それは以下の3つです。 ・天文単位(AU) ・光年(ly) ・パーセク(pc) なかでも、私たちに馴染みがあるのは「光年」でしょう。 天文ニュースはもちろん、プラネタリウムの解説や、星空ツアーなどのガイドでもよく使われています。 光年が表す距離がイメージできるようになると、夜空に輝く星が身近な存在に感じられ、今よりもっと親しみがわいてくるかもしれません。 <目次>• 1光年は何キロメートル (km)? 「年」という漢字が時間をイメージさせますが、 光年は距離の単位です。 光が進む速さは、毎秒約30万km。 地球1周が約4万kmなので、光は1秒間に地球を7周半します。 1光年とは、光が1年間に進む距離のことで、kmに換算すると 約9兆5000億kmです。 「天文単位」は、太陽系の中を測るのに便利な単位。 ちなみに、冒頭で紹介した宇宙の距離を表す単位のひとつ「天文単位(AU)」は、太陽系の中を測るのに都合がいい単位です。 太陽から地球までの平均距離を1天文単位(1AU)とします。 その距離は、約1億5000万km。 太陽から土星までの距離は、約10天文単位(約10AU)です。 また、「パーセク(pc)」は、暮らしの中で星空を楽しむ上では、ほとんど使わない単位です。 1パーセクは約3. 26光年ということだけ覚えておけば十分でしょう。 以上を整理すると、次のようになります。 ・1天文単位=約1億5000万km(太陽から地球までの平均距離) ・1光年=約9兆5000億km(光が1年間に進む距離) ・1パーセク=約3. 26光年 地球から宇宙までの距離はどのくらい? ところで、私たちがいる場所(地表)から宇宙までは、どのくらいの距離があると思いますか? 空と宇宙の境目はどこにあるのか……実は「ここからが宇宙です」という、明確な(天文学的な)境目はありません。 なぜなら、地表から宇宙までは無段階につながっているからです。 また、地球は宇宙空間に存在する天体ですから、私たちはすでに宇宙にいるといえます。 ただし一般的には、大気(空気)がほとんどなくなる 上空100kmから先を宇宙としています。 ちなみに、飛行機は地上から約10km上空を飛び、国際宇宙ステーション(ISS)は高度約400kmを飛行しています。 地球から月までの距離は約38万kmです。 これらの距離を比較すると、宇宙の入り口(上空100km)は、案外近いといえるのかもしれません。 なお、国際航空連盟というスカイスポーツの国際組織では高度100kmより上空を宇宙と定め、アメリカ空軍は上空80kmより先を宇宙とみなしています。 宇宙の大きさはどのくらい?137億光年という偉大な距離 それでは、宇宙の大きさはどのくらいなのでしょうか……最先端の科学をもってしても、その答えはまだ出ていません。 宇宙は、137億年前に誕生したといわれています。 ということは、世の中には光より速く進むものはないので、光が137億年かかって進む距離(137億光年)しか観測できないということになります。 ですが、実際の宇宙は137億光年よりも、かなり大きいという説もあります。 なんにせよ、137億光年という距離は、私たちには想像もつかない数値です。 それほど、宇宙は大きいということでしょう。 40光年は近いのか、遠いのか? 以前、地球から約40光年離れた恒星のまわりを、地球に似た7つの惑星が回っていることが発表され、日本でも話題になりました。 このとき、筆者(ガイド)の友人知人から「40光年って、近いの? それとも遠いの?」と、よく聞かれたものです。 それでは太陽(太陽系)が属している銀河系を例にあげて、比較してみましょう。 私たちにとって、もっとも身近な星(恒星)である太陽は、銀河系を構成する星のひとつです。 銀河系は、およそ2000億個の星の集団で、その形は薄い凸レンズを2枚重ね合わせたような、真横から見ると中央が少し膨らんだ円盤状をしています。 端から端までは、約10万光年。 太陽の位置は、銀河系の中心から約2万8000光年離れたところです。 アンドロメダ銀河の光は、230万年の時を超えて私たちの目に届く。 また、肉眼で見られる天体の中で、もっとも遠くにあるアンドロメダ銀河は、地球から約230万光年も離れています。 つまり、銀河系の外側にあるということです。 そう考えると、地球から40光年は銀河系の中ですし、けっこう近いと感じませんか? もちろん、個人の感覚によって遠近のとらえ方は様々です。 けれど前述の通り、宇宙はとても大きいです。 それを思えば、40光年は「意外と近い」と感じられるのではないでしょうか。 時を超えて届く星の光 「光年」とは宇宙の距離を表す単位だと、繰り返し述べてきました。 ですが不思議なことに、時間にまったく関係ないというわけではありません。 たとえば、地球から100光年の距離にある星の光は、100年前にその星から発せられた光だと言い換えることができるからです。 夜空に輝く星の光が、何光年、何千光年、何万光年という長い時を超えて、自分の目に届いている。 光年の意味がわかると、ひとつひとつの星の輝きが愛おしく感じられると同時に、宇宙の壮大さを目の当たりにできます。 【関連記事】•
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