上越市のホテルハイマートが製造・販売する弁当「さけめし」が、JR東日本の駅弁コンテストで最高賞を受賞し、10日表彰式が上越市で行われた。 「さけめし」は昆布だしで炊き込んだご飯の上にサケとイクラのたまり付けを、ふんだんに盛りつけた弁当。 JR東日本の駅弁コンテストは、「駅弁味の陣」と題して毎年開催されている。 今回は全国から66点がエントリーし、駅弁を食べた人などから2万6,000票を超える投票があった。 その結果、「さけめし」が最高賞の駅弁大将軍に選ばれた。 JR東日本の事業創造本部 経営戦略部門の白田義彰部長が、直江津駅前のホテルハイマートを訪れ、山﨑邦夫社長に表彰状を手渡した。 白田部長は「味は間違いない。 作り手の真心が伝わる温かい弁当」と絶賛した。 ホテルハイマートの最高賞は8年前、コンテストの第1回で「鱈めし」が受賞して以来、2度目。 JR東日本によると、最高賞2回はホテルハイマートが初めて。 さけめしは29年前から製造し、現在60代の女性を中心に10人が手作りしている。 製造数は受賞前は1日100個ほどだったが、受賞後は反響があり、倍の200個になった。 鱈めしと比べても50個多いという。 10年以上さけめしを作っている女性従業員は「毎日コツコツ作ってきたことが認められてうれしい。 地元はもちろん、全国に広まるのも励みになる」と、笑顔で話した。 また山﨑社長は「77歳の女性などが朝早くから作っている。 一生懸命にやっていることが受賞につながった」と喜んだ。 さけめしは1,200円(税込)。 直江津駅や上越妙高駅で販売されている。 また東京駅で全国の駅弁を販売する「駅弁屋 祭」でも3月31日まで買うことができる。
次の出張時の楽しみの1つが駅弁や空弁だ。 慌ただしいスケジュールの中で、手軽にお腹を満たしてくれる便利なアイテムであると共に、地元の食材を使ったその土地ならではの味わいは、張り詰めた心をほっと和ませてくれる。 第14回は、ワンランク上のビールや日本酒と合わせて楽しみたい「鱈(たら)めし」を紹介する。 新潟の郷土料理として親しまれてきたのが棒鱈(ぼうだら)の甘露煮。 棒鱈とは、スケソウダラをカチカチに硬くなるまで干し上げたものだ。 雪国・新潟では、物流が発達していなかった時代から貴重なタンパク源として人々の暮らしを支えた。 お祝いの席のごちそうとして、正月や祭事に振る舞われることも多かったという。 「僕が生まれた長野県でも、棒鱈の甘露煮は正月料理の定番でした。 素朴でありながら奥深いおいしさは、まさにおふくろの味。 今でも、食べると懐かしさが込み上げてきます」。 櫻井寛さんがしみじみと語る。 豊富な駅弁メニューを誇る山﨑屋。 「鱈めし」はその中でも一、二を争う人気だ 「『鱈めし』を製造・販売しているのは、JR直江津駅前などに展開するホテルハイマート。 元々、山﨑屋という屋号で旅館業を営んでいた老舗で、職人が一つずつ手作りする駅弁が人気を集めました。 ここの駅弁がなぜおいしいのか? それは、山﨑邦夫社長の駅弁にかける情熱によるところが大きいですね」(櫻井さん) ホテルハイマートでは駅弁を作るに当たり、山﨑社長自ら魚市場に仕入れに出向く。 自分の目で素材を厳選し、調理にも様々なアイデアを出している。 「水で戻した棒鱈は、社長考案の竹籠に入れて煮込みます。 鱈という魚は身がパラパラとこぼれやすいのですが、オリジナルの竹籠を使うことで崩れずに見た目もおいしく仕上がります。 骨まで食べられるほど軟らかく煮込んでいるので、鱈のおいしさを存分に堪能していただけますよ」(ホテルハイマート).
次の表通りを少し入った静かな一角に【めしと、さけ anno】はオープンしました。 店主の阿武真亜子さん曰く、〝外食と家庭料理のあいだ〟というこちら。 お品書きには、アジフライや肉豆腐、ぬか漬けにおにぎりなんて、慣れ親しんだ料理が並んでいます。 普段着のメニューにゆるり寛いだ心地で口に運ぶと、はっとするほど美味しい。 例えば、『里芋の唐揚げ』。 ほくほくと柔らかい里芋の一品は、お酒のアテにもぴったり。 時期により里芋の品種は変わる。 『里芋の唐揚げ』800円(税抜) からりと揚がった熱々の里芋は、ねっとりトロけるような口当たりとともに、ふくよかな香りと優しい甘さが広がります。 秋冬に使っているのは、山形の伝承野菜『甚五右ヱ門芋』。 「とろりと柔らかく仕上がるのに、決して煮崩れることがないのです」と阿武さん。 さらに、揚げる前に煮っころがしにすることで、ほんのりと甘辛い味をまとい、里芋の上品な旨みを引き立たせています。 素材を吟味して、ひと手間を惜しまない。 セリが入荷したときに登場するメニュー。 時期により、他の野菜が使われることも。 『豚肉とセリのサッと煮』1,000円(税抜) 季節素材のセリは、豚肉と合わせてサッと煮に。 根ごと使っているので、しゃきっとした歯触りとともにセリ特有の香りが広がります。 旬の味わいを存分に楽しめるように仕上げた一皿です。 家庭ではなかなかできない、美味しいものを少しずつ盛り合わせに。 『前菜盛り合わせ』900円(税抜) 多彩な前菜は盛り合わせに。 この日は、熊本の油揚げ「南関あげ」にきのこペーストをのせた和風ブルスケッタ、カリフラワーと長ねぎのポタージュ、春菊と菊花のおひたし、れんこんとクルミのペペロンチーノ風、そして酢たまご。 定番の味から、組み合わせの妙や意外なアレンジが楽しいものまで、少しずついただけるのが嬉しい。 お酒は日本酒や自然派ワイン、焼酎、ウィスキーなどを取り揃えて、料理に合うものをセレクトしています。 入荷本数が限られたものもあり、季節によって銘柄を変えているので、どんなお酒があるか巡り合わせを楽しんでみてはいかが? デザイン事務所ならではの洗練された空間とアイテム 街に溶け込んだような建物の2階にある【anno】に向かうとき、窓越しに素敵なアイテムが見える1階を目印にしてもいいかもしれません。 1階は【ALLOY】の事務所兼ショップ、階段で2階に上がって【anno】へ こちらは、プロダクトデザイナーであり、阿武さんの夫である山崎勇人さんが代表を務める、「ALLOY」の事務所兼ショップなのです。 以前から蔵前で事務所を構えていた「ALLOY」の移転をきっかけに、同ビル内に【anno】を構えることに。 キッチンと対面するカウンターは全6席、テーブルは2卓 【anno】の空間や什器をデザイン・設計したのは山崎さん。 阿武さんが迎えてくれるカウンターメインの空間は、グレイトーンながら所々に配されたアールの曲線に柔らかさを感じます。 4名以上で利用可能な和室はリラックスして食事を楽しめる。 以前も和室だったというスペースを改装 ほんのりと明るさを放つような白い和室、和紙を使ったテーブルトップ、キッチンと程よい距離を保つように計算された幅80㎝のカウンター……隅々まで考慮し尽くされたデザイン。 おてふき置きだけでなくカトラリーレストなどにも使える「tray O」1,300円、グラス「soboku」3,500円、「箸置き」1,200円(すべて税抜) おてふき置きとなるトレイ、野菜をモチーフにした箸置き、ビール用に使われているグラスなど、食器類にも山崎さんが手掛けたものが登場します。 これらはすべて購入可能。 「いいな」と思ったら買って帰ることができます。 ミニマルなデザインで、手に馴染むアイテムは、自宅の食卓をいつもより心地よくしてくれるはず。 人と人が自然につながる、下町ならではの温かさ お店を構えてから、人と街の魅力を実感するという阿武さんと山崎さん。 立て続けのオーダーが入って、阿武さんが調理に専念しているとき、ふとカウンターを見ると、たまたま隣り合わせたお客さん同士が仲良く話し込んでいて微笑ましく思うこともあるそうです。 飲食に携わるのは初めての阿武真亜子さん。 だからこそ「こうじゃなきゃという決まり事に縛られずにやっていきたい」と語る 以前から蔵前を拠点にしていた山崎さんも、【anno】という場を設けたことで、地元の人との交流がさらに深まったとのこと。 もちろん、ご近所さんだけが独占するスポットではありません。 近隣のゲストハウスのスタッフと観光客が【anno】でばったり出会って意気投合、次の店へはしごしたこともあったり、思わぬつながりが生まれているようです。 エントランスにさりげなく掲げた看板。 ロゴも山崎さんがデザインした いざ外食というほどかしこまりたくないとき、まっすぐ帰宅する前にほっと一息つきたいとき、食事したあとにお酒を一杯またはおにぎりと味噌汁で〆たいとき。 おうちでもない、レストランでもない、そのあいだにある【anno】が迎えてくれます。
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