「世界を旅する音楽室」へようこそ! こんにちは。 作曲家の弓削田健介です。 旅をして「体験したこと・感じたこと」をもとに、小中学生が歌う合唱曲を作るお仕事をさせていただいております。 今日は杉本竜一さん作詞作曲の「ビリーブ」をご紹介します。 ビリーブとの出会い この歌との出会いは「小学校の先生になること」を夢見ていた大学時代。 県の教育ボランティア「子どもの夢叶え隊」に参加しました。 訪れた小学校の子どもたちの夢は「地元の竹で楽器を作って、演奏会をしたい」でした。 子どもたちが「ようこそ大学生のお兄ちゃんお姉ちゃん」と歌ってくれたのが、この「ビリーブ」で、涙が出るくらい感動しました。 それ以来、大好きになりました。 しばらく経って、今度は教育実習でお世話になった小学校でも、体育館いっぱい、子どもたちが歌ってくれたときの感動も忘れられません。 時を経て作曲家として活動するようになりました。 「教育芸術社」さんとのお仕事を通じて中学生が歌うための「混声三部合唱」として、合唱編曲をさせていただきました。 いつまでも「いつかこんな曲を書いてみたいなぁ」と憧れの一曲です。 」と言って、この歌を歌っている子どもたちの姿に出会いました。 そこにいた大人たちがみんな、元気をもらっていました。 子どもたちの歌声には、すごい力がある。 そして、この歌の持つメッセージに改めて感動しました。 これまでこの曲にどれだけの人が励まされたのでしょう。 この編曲版が収録されている楽譜です 弓削田健介作品集 しあわせになあれ 〜いのちと夢のコンサート〜 CD付 憧れの曲に敬意を込めて、一生懸命編曲しました。 使っていただけたら嬉しいです。 「Believe」へのアンサーソング 2分の1成人式で歌っていただいている「どんなときも」は、Believeへのアンサーソングとして作りました。 ピアノの後奏にちょっとだけBelieveのオマージュが登場します。 終わりに 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 このブログでは、リクエストをいただいた過去の名曲の紹介や、弓削田健介のオリジナル合唱曲の解説などをアップしています。 youtube版「世界を旅する音楽室」も日々更新しております。 もしお時間許されるようでしたら、ぜひ遊びに来てください。 そして、いつかどこかでお会いできる日を楽しみにしております。
次のCOSMOS こんにちは。 合唱作曲家の弓削田健介です。 今日はクラス合唱曲の名曲、COSMOSについて書きたいと思います。 この曲は、音楽ユニット「アクアマリン」のキーボーディスト、ミマスさんが作曲された歌で、全国の小・中学校で大人気の、この歌。 スクールコンサートで訪れた学校で、これまで何度、この素晴らしい歌を、子どもたちの歌声で聴かせていただいたことか・・・。 子どもたちも、この歌を歌っている時は、とても幸せそうですし、嬉しそうに大きな声で歌っています。 ミマスさんは世界中旅をしておられる先輩です。 いつかお会いしたい・・・。 ちなみに「COSMOS」とは古いギリシアの言葉で、「宇宙」という意味だそうです。 COSMOS(歌詞) (1番) 夏の草原に 銀河は高く歌う 胸に手をあてて 風を感じる 君の温もりは 宇宙が燃えていた 遠い時代のなごり 君は宇宙 百億年の歴史が 今も身体に流れてる 光の声は天 そら 高くきこえる 君も星だよ みんなみんな (2番) 時の流れに 生まれたものなら 一人残らず 幸せになれるはず みんな生命 いのち を燃やすんだ 星のように 蛍のように 光の声が天 そら 高くきこえる 僕らはひとつ みんなみんな 光の声が天 そら 高くきこえる 君も星だよ みんなみんな ピアノ伴奏 この曲が収録されている楽譜 COSMOSへのアンサーサング?? 地球の子どもたち(歌詞) (1番) 胸に手を当てるたび いのちの音が聴こえる どんな日も変わらずに 力をくれるコスモスのリズム ああ幾億の星たちに 抱かれて旅をする宇宙船 美しい故郷 僕たちは 私たちは この地球に生まれた奇跡を 未来に渡す夢を見る ちいさなヒーロー (2番) そっと手を伸ばしたら あなたがつないでくれた きっと叶えられるよ 世界中の友達とハーモニー ああ幾億のやさしさを 乗せながら旅をする宇宙船 僕達の故郷 一つずつ 一つずつ この地球で出会った奇跡を あなたとつないでゆきたい ちいさな勇気で Earth miracle 緑の星 朝を渡る象の群れ 輝く大地 Earth miracle 生命の星 水面に映る鳥たち 果てしない空 僕たちは Earth miracle 私たちは Earth miracle 地球の子どもたち この地球にあふれる奇跡を 未来に渡す夢を見る ちいさなヒーロー 作詞・作曲:弓削田健介 「地球の子どもたち」収録楽譜.
次の歪んで傷だらけの春 麻酔も打たずに歩いた 体の奥底で響く 生き足りないと強く また味わうさ 噛み終えたガムの味 冷めきれないままの心で ひとつひとつなくした果てに ようやく残ったもの これが愛じゃなければなんと呼ぶのか 僕は知らなかった 呼べよ 花の名前をただ一つだけ 張り裂けるくらいに 鼻先が触れる 呼吸が止まる 痛みは消えないままでいい 疲れたその目で何を言う 傷跡隠して歩いた そのくせ影をばら撒いた 気づいて欲しかった まだ歩けるか 噛み締めた砂の味 夜露で濡れた芝生の上 はやる胸に 尋ねる言葉 終わるにはまだ早いだろう 誰も悲しまぬように微笑むことが 上手くできなかった 一つ ただ一つでいい 守れるだけで それでよかったのに あまりにくだらない 願いが消えない 誰にも奪えない魂 何に例えよう 君と僕を 踵に残る似た傷を 晴れ間を結えばまだ続く 行こう花も咲かないうちに これが愛じゃなければなんと呼ぶのか 僕は知らなかった 呼べよ 恐れるままに花の名前を 君じゃなきゃ駄目だと 鼻先が触れる 呼吸が止まる 痛みは消えないままでいい あまりにくだらない 願いが消えない 止まない TBS日曜劇場「ノーサイドゲーム」の主題歌を担当させて頂きました。 「馬と鹿」という曲です。 大泉洋さん演じる君嶋が、逆境の中をひとつひとつ進んでいく様をどうにか音楽にできないかと探っていった末にこの曲ができました。 素敵なドラマとご一緒できて嬉しいです。 どうかよろしくお願いします。 米津玄師twitterより 今回は主人公が「逆境」に立ち向かっていく様をテーマにした作品である ことを理解することができますね。 そして一口に逆境という漠然とした状況について論じるのではなく、逆境の 色々な側面をなぞって一つ一つ取り上げている歌詞のようです。 さてタイアップとなるドラマの内容に少し触れてみたいと思います。 「ノーサイド・ゲーム」~あらすじ~ 主演である 大泉洋が演じる 君嶋隼人は、大手自動車メーカー「トキワ自動車」の 中堅サラリーマン。 君嶋は出世レースの先頭に立ち幹部候補とまで言われていた が、上司が主導する企業買収に異を唱えた結果、左遷人事で府中工場に総務部長 として赴任することに。 意に染まない 異動だが、これもサラリーマンの宿命。 や るせない思いで赴任先の工場に赴いたところ、トキワ自動車ラグビーチーム 「ア ストロズ」のゼネラルマネージャーを兼務するよう命じられる。 かつては強豪チ ームだったアストロズだが、いまは成績不振にあえいでいた。 こうして知識も経 験もない君嶋にチーム再建という重荷が課せられた。 低迷するラグビー部と出世 の道を絶たれた君嶋の、 再起をかけた戦いが始まる。 左遷させられ低迷した主人公はどのように逆境を乗り越えていくのでしょうか。 現在公開されているドラマの内容に触れつつ歌詞からその点を紐解いていきまし ょう。 タイトル『馬と鹿』とは 二頭の動物で構成された実に奥深く不思議なタイトルですね。 二つの漢字をくっつけると「馬鹿」という単語になることに気づきます。 「馬鹿」には「愚かなこと、利口でない、社会の常識に欠けている」という 意味があります。 さらに二頭の動物が持つ意味や象徴にも注目してみましょう。 まず 「馬」ですが昔から馬は戦争において重要な役目を果たしていました。 軍馬としてまた移動手段として用いられ幅広い分野で活躍していたのです。 ですから国にとって馬の数は貴重であり重要な財産とみなされてきました。 ですから馬は 「富や権力」の象徴であり 「高貴」なイメージもあります。 続いて 「鹿」について考えてみましょう。 仏教では 「ハーモニー、幸福、平和、長寿」また別の説では精神世界と 物質世界の バランス」という意味合いがあるそうです。 上記の意味を抜粋して考えると「 協調と安寧」といったところでしょう。 確かにドラマ主人公は「馬」のような時期、つまり富や権力を得て出世 コース邁進中の期間がありました。 それでも左遷されてからは人生は一変して弱小ラグビーチームの底上げ 役として歩んでいくことになります。 出世は平和などなく誰かを蹴落としてのし上がる面が強いでしょう。 しかしチームワークを重視するスポーツなどにおいては主人公が平和や 協調そして安寧の大切さを痛感したに違いありません。 まさに「鹿」のような期間を体験しているわけです。 では実際に歌詞から考察を始めていきましょう。 『馬と鹿』歌詞の意味 無味な日々の中で研ぎ澄ました感覚 歪んで傷だらけの春 麻酔も打たずに歩いた 体の奥底で響く 生き足りないと強く また味わうさ 噛み終えたガムの味 冷めきれないままの心で ひとつひとつなくした果てに ようやく残ったもの 主人公は心に深く歪んだ傷跡を残しました。 原因は春に起きたあることがきっかけです。 ドラマの主人公に重ねるとそれは人事異動 だと理解できます。 歌詞に「春」とあるのは春の季節に人事異 動が多いからだと解釈できます。 意に沿わない左遷は彼にとっての逆境を生 み出しました。 それでも彼は自分に正直にありたい、無感 覚な状態で生きたくないと考えました。 その点が「麻酔も打たず」というフレーズ から悟ることができます。 「噛み終えたガムの味」という表現は主人 公の左遷後の日々が味気ないものになって しまったことを描写しているに違いありま せん。 馬のように勢いに任せて疾走するような日 々は終わってしまいました。 それでも彼は何か心の中の大事なもの、、 そう大事な感覚を研ぎ澄ませていたのです。 愛という名の原動力 これが愛じゃなければなんと呼ぶのか 僕は知らなかった 呼べよ 花の名前をただ一つだけ 張り裂けるくらいに 鼻先が触れる 呼吸が止まる 痛みは消えないままでいい 味気ない日々を送る主人公でしたが新しい人生を 歩む中である感覚、感情とも言うべきものを実感 していました。 それは「愛」と呼べるものでした。 そしてここで出てくる何と呼ぶか知らなかったも の、そして呼ぶことができた花の名前とはラグビ ーチームのメンバーのことを指すのでしょう。 主人公が出世コースを邁進している期間には当然 彼らの存在を知りません。 つまり一人一人の選手の名前を知らないわけです。 ドラマ第二話予告ではチームは「家族」だと言う 台詞がありました。 絆が強まり、そして家族としての認識が全面に強 調されていました。 家族の名前は当然一人一人言えることでしょう。 同時に家族には「愛」という感情が芽生えます。 主人公とチームは近づいたり離れたりを繰り返し ます。 信頼関係の構築には時間がかかるものです。 その点を描写するフレーズとして「鼻先が触れる 呼吸が止まる」という表現が用いられています。 少し触れては離れる距離感、そして呼吸が止まる ように思える事件。 それらすべてを受け入れ前進していけるのは主人 公がチームへの愛に動かされてのことなのです。 馬鹿げた願い 痛みは消えないままでいい あまりにくだらない 願いが消えない 歌詞中で何度か出てくる「痛みは消えないまま でいい」というフレーズはどういう意味でしょう。 それは辛い経験から学んだ教訓のことだと解釈 できます。 出世コースから外れなければ理解できなかったこと そしてラグビーメンバー一人一人。 それらと触れることで主人公は「愛」という感情を 覚え、大切な感覚を抱くことができたのです。 それは願いに変わり逆境に立ち向かうための原動力 となり主人公を一層強い大人へと変えていきました。 確かになにもかもが馬鹿げて見えた日々でした。 それでも泥に塗れ汗を流し精一杯生きる今が彼にと っては大事に思えたのです。 世間から評価されない彼の戦いはまだまだ続いてい きそうです。。 まとめ いかがだったでしょうか。 自分の理想や期待とは違う人生になると普通は落胆する ものです。 自暴自棄になる人もいることでしょう。 それでも主人公は腐ることなく目の前に用意された逆境 と戦っていきました。 歌詞やドラマから順調でないと思えるときこそどう考え どう行動するかを学ぶことができました。 また米津玄師さんの透き通って心にゆっくりと広がっ ていく声にも魅了されましたね。 次回作と今後の活動に期待し注目していきたいと思います。 素敵な作品をありがとうございました。
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