食用とするのは土から顔を出したばかりの新芽の部分や、ある程度育ったものの茎や若芽の部分です。 本来野菜というよりも、山菜になります。 栽培技術が進み、市場には主に農家で栽培されているものが出回っていますが、山菜として、天然のもの(山うど)も非常に滋味に満ちていておいしいです。 ウドは大木にはならず、大きくなってもせいぜい3m程の草なんです。 一般にスーパーなどに並んでいるものはほとんど栽培物です。 栽培物にも完全に遮光して作られる「軟白うど」とある程度日光に当てながら根もとに土をかぶせていき軟白した「山うど」として売られているものがあります。 独特の香りを持ち、苦味を持っているので、好き嫌いがあるようです。 政府がまとめた平成24年産の全国の生産量は以下の通りです。 関西や四国、九州ではあまり作られていません。 中でも旬と言われるのは春ウドで、3月頃から5月にかけてです。 全国で見ると、南の方から早いところでは3月頃に始まり、関西など本州中部では4月、東北では5月から6月初旬頃までがその時期にあたります。 品種 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 栽培物 山うど(天然).
次の東京の魅力を掘り起こし、発信するTOKYOWISEの編集会議で、『東京うど』の話をしたのは数年前のこと。 私の出身地・立川市にはうど農家があり、幼少期の頃から馴染みが深くとても身近なものだった。 が、東京出身者や長年東京に住んでいるという人の中には、「何それ?」と言う人もいて、「東京人たるもの、名物野菜といって良い東京うどを知らないとは何たることか!」と奮起して、取材を試みようとしたところ大きな壁にぶち当たった。 「うどの写真が撮れない」。 2〜4月に出荷されるうどの収穫前の様子を撮影するにはタイミングが重要だった。 下調べをし、タイミングを図って、今年ついに好機に恵まれた! 春の訪れを待つように、ワクワクの気持ちの中で取材した東京うどのあれこれをご紹介したいと思う。 輸入野菜(外国産の野菜)が当たり前の今、日本原産の野菜は珍しく、うどの他に、ふき、みつば、わさび、あしたば、などがある。 上記に挙げた野菜は、オールシーズンで食べることが難しく、特に3月が旬のものも多い。 光の当たらない室(むろ)の中で大事に育てられる東京うど(別名、白うど)は、緑色を帯びた太い身の山うどとは異なり、その身は白く細長く、水々しいのが特徴で、栽培方法も実に興味深い。 山の中でたくましく生きる山うどを男に例えるなら、白うどは過保護に育てられる嫁入り前の女のようにも思える。 2)どんな風に育っているの? 今回は、多摩地区で生産量No. 1の立川市のうど生産組合長・鴻地さんのご協力により、特別に室の中へ潜入! と、その前に、立川市のうどの歴史について簡単に言及。 立川市でうどの生産が始まったのは、養蚕が衰退した昭和20年〜30年頃。 武蔵野、小平、国分寺を経て立川に栽培技術が伝わり、収益性が高く、冬場の農閑期の貴重な収入源として栽培が盛んになったのだそう。 また、防空壕を再利用して室が作られたという一説もある。 今は、東京うど、立川うど、立川こまちといったブランドの白うどが流通している。 ガス抜き(日光を遮って育てているうど室の中に充満しているガスを煙突から外に出す)をした後、専用のハシゴ(ほぼ垂直)を使って2. 5mの深さにあるうど室へゆっくりと降りる。 うどの地下室(ムロ)はこんな風になっている。 肉眼で初めて見たその光景は何とも幻想的で、しばらく見入ってしまった。 「これは、品評会のために、22日前に伏せ込みした立川こまちという短径のうどになります」と鴻地さん。 その点、昔から作っている東京うどは、75cm程の長さがあり、築地市場に卸したり、料亭やホテルで使っていただくことが多いですね」と。 それぞれ栽培期間も収穫するタイミングも違うという。
次のうどとは?その旬、時期は? うどには2種類あり、全体が白い 「軟白うど」と緑色の 「山うど」があります。 一般的に良く売られているのは栽培物の 軟白うどで、これは 日光を当てずに育てるため 白くなります。 本来、 山うどは天然物を言いますが、天然物のうどは収穫が少なく、ほとんど流通していません。 旬の時期には 天然物が出回りますが、それ以外の山うどは軟白うどに日光を当て緑化したものになります。 天然物のうどは収穫できる期間が 非常に短く、1ヵ所では限られた時期にしか収穫されません。 3月~6月初旬頃までの間に南の方から順に収穫され、 旬は4月~5月頃です。 一方、栽培物のうどは年中売られていますが、晩秋から冬にかけて出荷されるものを 「寒うど」と呼び、春に出荷されるものを 「春うど」と呼びます。 栽培物のうどの旬は春うどが出荷される3月~5月頃で、 春うどのほうが寒うどよりも 柔らかく、 香りも良いです。 うどの下処理やあく抜きは? うどには 独特な風味と、 シャキシャキとした歯ざわりがあります。 これを損なわないように下処理やアク抜きを行います。 また、うどは 切ったそばから変色してしまうので、手早く行う必要があります。 アクの成分は皮の付近にあります。 アクが抜けていない場合や、アクが苦手な人は、少し 長めに酢水にさらすか、少し茹でて下さい。 ただ、茹で過ぎるとシャキシャキ感が損なわれるので、サッと湯に通す程度にして、茹で過ぎないように注意しましょう。 うどの食べ方、味は? うどには 山菜特有の独特な味と苦味があります。 少し違いはありますが、例えると、 パクチーやミョウガのような感じでしょうか。 好みがはっきりと分かれる食材と言えます。 うどは白い部分の茎だけでなく、 芽や皮、葉っぱの部分も 使えるので捨てるところがありません。 うどの食べ方として最もポピュラーなのは、茎や葉や芽の部分をサッと茹でて作る 酢味噌和えです。 うどの皮を厚めに剥き、柔らかい部分はスライスすると 生でも食べられるので、 サラダや酢のものにしても美味しく、シャキシャキとした歯ざわりがたまりません。 また、皮は きんぴらなどの炒め物に使えます。 うどの味が少し苦手な方は 天ぷらなど揚げ物にしたり、豚肉や鶏肉などと一緒に 少しコッテリ目の味付けで炒めると、うどの味が分かりにくくなり、食べやすくなるのでおすすめです。 芽の天ぷらは、 たらの芽に似ています。 細切りにして素揚げにしたりから揚げっぽくすると、おつまみにもなります。 保存期間は 2日~3日ですが、味が落ちるのが早いので早めに食べた方が美味しくいただけます。 また、うどは 低温に弱く、冷蔵庫に保存すると 茶色く変色してしまうので、 冷蔵保存には向いていません。 ただ、 冷凍保存は可能です。 冷凍の仕方は、下ごしらえした後、食べやすい大きさに切り、アク抜きのために酢を少し入れた湯で下茹でします。 冷めたら水気をよくふき取り、密封できる保存袋に入れて 冷凍庫で保存します。 冷凍したものは、凍ったまま煮物などに使えますよ。 冷凍庫での保存期間は 1ヵ月程度です。 うどの栄養、効能は? うどは 90%以上が水分で、 カリウムや 食物繊維が豊富に含まれていて、100g当たり14calと低カロリーなのでダイエット食に向いています。 他にも、アスパラに含まれる アスパラギン酸やうどのアクの成分、 クロロゲン酸も含んでいます。 カリウムは、 余分なナトリウムを体外に排出する働きがあるので、 むくみ改善や 高血圧防止に効果があります。 また、糖質の吸収を抑制するので 血糖値の上昇が穏やかになり 糖尿病の予防になったり、コレステロールの吸収を妨げるので 肥満の予防にもなります。 アンモニアが体内に蓄積されると、 神経伝達物質の働きが阻害され、酷くなると 脳症などを引き起こす恐れがあるのですが、アスパラギン酸はそれを防いでくれます。 また、アスパラギン酸と言えば 疲労回復ですが、クエン酸回路に働きかけ、疲労の素となる 乳酸の分解を促進する働きがあります。 また、中性脂肪の蓄積を抑え、 脂肪肝を予防する効果もあります。 ただ、うどは調理の前にアク抜きするため、クロロゲン酸の効果は残念ながら余り期待できないですね。 まとめ 春は送別会に歓迎会、お花見など、飲み会の回数も増えるかと思います。 そんな中に春の味覚の一つで、いろんな調理方法で楽しめるうどの料理を取り入れると、春の味を楽しむことも出来ますし、うどの成分が食べすぎ飲みすぎによって体内に溜まった老廃物を排出してくれるのを期待できますね。 好き嫌いが分かれるうどですが、いろんな料理に使えるので、食べたことのない方も1年に一度の旬の季節に試してみてはいかがですか。 スポンサーリンク•
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