この記事を読めば、子供に必要な 算数の 問題集(小学3・4年生向け)が必ず見つかります。 中学受験の準備は、小学3年生頃から実質的に始まります。 著名な中学受験塾では、小学3年生向けのカリキュラムからスタートするからです。 しかし、市販の参考書を使った独学でも中学受験対策はできます。 では、どんな算数の問題集を使えば子供の学力がアップするのでしょうか。 それを具体的に紹介しましょう。 ちなみに、ここでいうレベルとは、次のような子供を対象にしています。 基礎レベル 家庭学習の習慣がない子供 中級レベル 家庭学習はできているけど、いまいち成績が伸びないと感じている子供 上級レベル 本人が積極的に中学受験を目指している子供 目次• 小学3・4年生の基礎レベル 勉強の基本は家庭学習です。 まずは家庭学習の習慣を作りましょう。 ここでは、 家庭学習の習慣作りに適した算数の問題集を紹介します。 1.文理「教科書ワーク」 算数問題集「教科書ワーク」を使うと、学校で学んでいる内容がスムーズに理解できます。 家庭学習のやり方がわかるようになる 「教科書ワーク」をオススメする理由は、続けることで家庭学習の習慣が身につく算数問題集だからです。 小学3・4年生であれば、まだ中学受験にあせる必要はありません。 まずは、家庭学習の習慣を身につけましょう。 家庭学習の身につけ方 家庭学習を身につけるには、その日に学校で学習した内容を「教科書ワーク」で復習しましょう。 わからなかった内容が理解できるようになります。 これを毎日繰り返すことで、家庭学習のやり方がわかってくるでしょう。 注意点 学校の教科書は市区町村によって違います。 子供が使っている教科書の出版社を確認して、それに対応した教科書ワークを購入しましょう。 (下記の画像リンクでは教育出版版紹介しています。 その他の出版社はご覧ください) 2.清風堂「5分間計算ドリル」 算数の問題集「5分間計算ドリル」を使うと、計算力を短時間でアップできます。 短時間で子供にストレスを与えない 「5分間計算ドリル」をオススメする理由は、5分間で勉強が終わり、子供にストレスを与えない算数問題集だからです。 計算ドリルは、基本的にどれでも同じです。 他社のドリルを使っても問題ありません。 しかし、このドリルの売りである「5分間」を利用して、 「5分だけやろう」と子供を説得するのに使えるでしょう。 家庭学習の習慣を付けたいときにも! 家庭学習を身につけるために「5分間計算ドリル」は使いやすい算数の問題集でしょう。 家庭学習の基本は、毎日5分でもいいので続けることだからです。 子供の勉強の動機付け、学習のきっかけにもなります。 3.清風堂「5分間算数文章題ドリル」 算数の問題集「5分間算数文章題ドリル」を使うと、短時間で文章題を学べます。 文章題対策になります 「5分間算数文章題ドリル」をオススメする理由は、手軽に文章題対策ができる算数の問題集だからです。 算数の得点で差がつきやすいのが文章題です。 それを短時間で学習できます。 上記「5分間計算ドリル」の文章題版です。 基本的にどのドリルを使ってもかいまいませんが、同じ出版社の方が、書式などが似ているので慣れやすいし使いやすいはずです。 読解力の弱い子供にも使えます 本自体のサイズが小さいので、文章が短めに設定されています。 そのため読解力が弱い、長文が苦手な子供でもスムーズに読みこなせるでしょう。 4.山口榮一著「おりがみで学ぶ図形パズル」 算数の問題集「おりがみで学ぶ図形パズル」を使うと、図形センスを磨くことができます。 おりがみを使って図形を学びます 「おりがみで学ぶ図形パズル」をオススメする理由は、楽しみながら学んでいける算数問題集だからです。 おりがみを使って図形の仕組みを理解できるパズル本です。 色のついた本物のおりがみがよいでしょうが、ノートの切れ端でも、正方形にすれば使えます。 図形が苦手な子供でも楽しめる 学習の基本は、楽しむことです。 子供が勉強したがらないのは、楽しくないからです。 特に、図形は好き嫌いが分かれますが、それをおりがみという勉強とは違った手段を使って学べます。 図形が苦手な子供にも勉強しやすい算数問題集です。 小学3・4年生の中級レベル 家庭学習の習慣がとりあえずあるならば、基礎レベルで紹介した分に加えて次の問題集が参考になります。 1.受験研究社「小学標準問題集算数〇年」 算数問題集「小学標準問題集」を使うと、学校で学んでいる基本的な算数の内容が確実に身に付きます。 ステップアップで学習できる 「小学標準問題集」をオススメする理由は、ステップアップ学習ができる算数の問題集だからです。 基本・標準・ハイレベルの3段階で学んでいくタイプの問題集です。 ステップアップすることで、基礎力・応用力が身につくと同時に、できることを実感するので、子供のやる気にもつながるでしょう。 ていねいな解答付き 家庭学習で困るのが採点ですが、本シリーズにはていねいな解答も付いています。 親が採点する際も、指導するポイントがつかめます。 3.文英堂「小学4年生までに身につけたい 平面の図形センス」 算数問題集「小学4年生までに身につけたい平面の図形センス」を使うと、平面図形の基本がわかるようになります。 平面図形の基本がわかる 「小学4年生までに身につけたい平面の図形センス」をオススメする理由は、ていねいに解説している算数の問題集だからです。 小学3・4年生辺りが、図形センスの分岐点かもしれません。 高学年になると、図形問題を解くためのセンスやひらめきを習得するのに、時間がかかるからです。 頭が柔軟なうちに、早めに使ってみたい問題集です。 問題集っぽくないからいい いままで紹介したような「いわゆる問題集」とは違うタイプの本です。 勉強だと思うと抵抗がある子供にも受け入れやすいでしょう。 きっかけはどんなことでもよいので、とにかく図形センスを磨きたいなら使ってみましょう。 5.受験研究社「基本トレーニング 文章題・図形10級」 算数の問題集「基本トレーニング文章題・図形」を使うと、文章題や図形問題を解く力がアップします。 文章題や図形に強くなる 「基本トレーニング文章題・図形」をオススメする理由は、基本から学びながらステップアップできる算数問題集だからです。 計算用「基本トレーニング」の文章題と図形版です。 小学3年生なら10級の対象ですが、もし難しければ、前学年のトレーニング(11級や12級)から始めましょう。 分からないところから始めることで、算数の基礎を固められ、文章題や図形に強くなりますよ。 最終的に中学入試レベルに相当する1級を目指していきましょう。 マイペースに勉強できる 1日1単元のペースで進むと30日、約1カ月で次の級へ進めますが、あわてる必要はありません。 わからない問題があれば、繰り返し解きましょう。 そのようにマイペースで勉強することも可能な算数問題集です。 ただし、• 子供が嫌がっている• 上級レベルに達していない など、まだ上級レベルの算数問題集をする段階ではないなら、無理をしてはいけません。 勉強嫌いになったり、「できない」と落ち込んだりしては、意味がないからです。 1.受験研究社「小学ハイクラステスト算数〇年」 算数の問題集「小学ハイクラステスト」を使うと、自信が持てるようになります。 ステップアップで学習できます 「小学ハイクラステスト」をオススメする理由は、ステップアップで学習できる算数問題集だからです。 中級レベルで紹介した「標準問題集」シリーズの上級版です。 こちらもステップアップ式であり、標準クラス・ハイクラス・チャレンジテストのように段階別に学習できます。 発展的な学習もできます 学校では習わないけれど、中学入試には役立つような 発展的な問題もあります。 中学受験対策にも使えるシリーズです。 2.受験研究社「小学ハイクラステスト文章題〇年」 算数の問題集「小学ハイクラステスト文章題」を使うと、文章題を解くのが楽しくなります。 読解力を高めるためにも使えます 「小学ハイクラステスト文章題」をオススメする理由は、読解力を高めるためにも使える算数の問題集だからです。 先に紹介したハイクラステストの文章問題バージョンです。 こちらもステップアップ式です。 文章がやや難しくなっていますが、落ち着いて取り組むことで読み解く力がアップするでしょう。 まずは、あわてずに、時間をかけて確実に解いていくことをおすすめします。 解答が詳しい 解答編に詳しい解説があります。 それを読み解くことも、算数の学習という点では重要になります。 解答を読みながら何回も解き直すと、実力がアップします。 3.KADOKAWA「特Aクラス問題集 算数 小学〇年」 算数の問題集「特Aクラス問題集」を使うと、難関校対策になります。 難関中学を目指している• これから進学塾へ入ろうとしている そうした子供の準備用として使える算数問題集です。 つまづきやすい部分をていねいに学習できる 「特Aクラス問題集」をオススメする理由は、つまずきやすい部分を時間をかけて確実に学習できる算数の問題集だからです。 3年生は分数や小数、図形などつまづきやすい分野がたくさん出てきます。 その分野をていねいに学習できる算数の問題集です。 難しい問題集ではある 名前の通り特Aクラスなので、かなり難しいと感じるかもしれません。 しかし、わからなくても心配はいりません。 理解できるようになるように努めることが大切です。 そうやって問題を解くパターンを理解していきましょう。 4.みくに出版「ウイニングステップ4年 算数2 図形」 算数の問題集「ウイニングステップ」を使うと、図形センスを磨けます。 本シリーズは4年・5年・6年用があります。 図形を集中的に学べます 「ウイニングステップ」をオススメする理由は、図形に特化・集中的に学べる算数問題集だからです。 図形に限りませんが、算数のセンスは、早く始めるほど磨かれます。 この問題集は、意欲があれば3年生からでもチャレンジできます。 中学受験の準備用になります みくに出版は、中学受験塾の日能研でも使われている問題集を扱っています。 つまり、中学受験の準備用に最適の問題集です。 この算数問題集も日能研の問題データベースを利用しています。 5.受験研究社「小学高学年 算数 自由自在」 算数の問題集「小学高学年 自由自在」を使うと、先取り学習ができます。 算数のレベルアップができます 「小学高学年 自由自在」をオススメする理由は、レベルアップができる算数の問題集だからです。 算数はどんどん自分のペースで進めることができる教科です。 算数が上級レベルであれば、ひとつ上の学年の学習を先取りしましょう。 上の学年であっても、詳しい解説付きなので、独学でも読み進められます。 問題が豊富です 基本的に「自由自在」シリーズは参考書です。 しかし、算数に関しては練習問題を中心に構成されていて、量も豊富にあります。 基本問題から難関校の入試問題までレベルも多様なので、自分の学力に応じた学習が可能です。 算数を得意分野にすると、受験で有利ですよ。 問題集を使うときに親が気をつけたいポイント 1.中学受験を決めたら学校の進度は気にしない 学校の進度に合わせると、中学受験は間に合いません。 そのため小学3年生になれば、中学受験塾へ入ったり、独学で市販本を使ったりなどをして、具体的な受験対策を始めましょう。 その際の基本として使えるのは、受験研究社「自由自在」です。 自由自在には3・4年生用と高学年用があります。 順番に読み進めながら、掲載されている問題を解き、この記事で紹介した算数の問題集もあわせて利用しましょう。 2.前の学年に戻る勇気を わからない問題があれば、それは基本を理解していないからです。 4年生であっても小数や分数の問題が解けないなら、3年生の問題集を使って復習すべきです。 「今の学年に合っていないから」「上級レベルの問題を解けることが優れている」といった、変な見えやこだわりがあると受験に失敗します。 3.一冊を繰り返し使おう 複数の参考書や問題集を一度に買う人を見かけますが、おすすめできません。 基本になる参考書や問題集を一冊決めて、2回3回と繰り返し解きましょう。 それが完全にできてから、次の問題集に取り組みましょう。 あれこれ手を出すと、結局すべて中途半端になります。 それこそが受験に失敗する典型例です。 基本問題を繰り返そう 算数の学習におけるポイントは、次の3つです。 計算力(速く、かつ正確に計算する)• 読解力(素早く、かつ正確に文章題の意味を読み取る)• 図形認識力(補助線をどこに引くか、などの「ひらめき」) できるだけ早い段階で、これらを身につける必要があります。 そのためには基本的な問題を繰り返しましょう。 算数力を高めるには、地道な積み重ねが一番であり、それに勝る方法はありません。 関連記事 他学年のおすすめ算数問題集と小3・小4用他教科のおすすめ問題集はこちらをご覧ください。 小3・小4の他教科おすすめ問題集• 他学年のおすすめ算数問題集•
次の1.小学校の算数と中学受験の算数との違い 1-1.小学校の算数 小学校で習う算数は、 実生活で使えるツールを学ぶことに主眼が置かれます。 具体的には、四則演算、時計の読み方、速さの計算、割合などです。 買い物に出かけるときに、お店の開店時間が分からない、おつりの計算ができない、値引き情報が理解できない、なんてことがあると困りますね。 このように、日常生活で困らないようにするために小学校で算数を学びます。 では、実際の指導はどのように行われているのでしょうか。 「割合」を例に見てみましょう。 割合で学ぶのは、3つの公式です。 小学生たちは、これらの公式を覚えて、当てはめる練習をすることになります。 そして、解くのに手順が複雑になるような問題は扱いませんから、授業や宿題の中心は「ドリル」的なものになります。 つまり、簡単な計算を確実にこなし、公式を当てはめる練習をすることになります。 この結果、小学生たちは身近な計算問題について簡単に答えが出せるようになるわけです。 1-2.中学受験の算数 では、中学受験の算数はどのような目的で出題されるのでしょうか。 それはズバリ 「思考力」を試すためです。 つまり、小学校の算数が身近な計算問題を解決するために学ぶためなのに対して、 中学受験の算数はもはや算数ではなく、「解くこと自体が目的」である問題が出題されます。 例えば、割合。 中学受験では、割合を学ぶと、続けざまに食塩水や損益売買や速さも勉強しなくてはなりません。 そして、速さを学んだと思ったら、さらに、流水算、通過算、時計算、図形上の点の移動など、めくるめく難問の嵐にさらされることになります。 このように、中学受験の算数では思考力が求められ、 複雑な手順を要領よく追いながら、ミスなく答えを導く力をつける必要があるのです。 1-3.中学受験の算数に取り組むうえ必要なこと このように、小学校の算数と中学受験の算数とでは、小学生にとって難易度や複雑さの上で雲泥の差があります。 そのため、中学受験を志す小学生の中には、悲劇を味わう人もでてきます。 その悲劇とは 「自信をなくす」ことです。 だいたい小学校4年生までは、「知っている」程度の問題ばかりで、簡単に問題が解けます。 しかし、小学校5年生の夏休み前ごろから、問題は急に難しくなり、いくつかのステップを乗り越えないと解けない問題が出現し始めます。 このとき、「かんたんに解けるはず」と考えている小学生が挫折します。 しかも、まわりの生徒は小学校では上位の人が多いですから、自分が劣って見えてしまうんです。 このとき、オトナは、「この子は理解できていない」と考えがちです。 確かにそういえなくもないのですが、 本当の問題はその前にあります。 算数の問題を理解するのに必要な時間は人それぞれです。 塾のカリキュラム通りにすべての小学生が同じように理解を深めることはあり得ません。 理解するのに時間がかかる小学生は、勉強に時間をかけることを省いてはいけないのです。 そこで、中学受験を志す場合、本当に守ってほしいことがあります。 それは、 「目の前の問題を楽に解けるようにしてから先へ進む」、 「楽に解けるとは、人に説明できるようになるまで理解すること」ということです。 メジャーリーガーのイチローが「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています」と言うのも同じ意味だと思います。 2.中学受験業界の常識を信じるな 2-1.中学受験をするなら、なるべく早めに塾通いを始めたほうがいい? 「中学受験をするなら、遅くとも小4から塾に通う必要がある」って聞いたことがあるんじゃないでしょうか。 塾もこの話を喧伝してますよね。 この意見、どう思いますか。 中学受験の学習塾で難関校の合格をうたう大手塾では、小4、小5、小6と学年が上がるにつれてついていけない小学生が増えます。 その結果、学年が上がるにつれて在籍生徒が減っていきます。 これは、小4から塾通いを始めた小学生の中には、塾の進度に追いつていけなくて自信を失った生徒が少なからずいることを示しています。 もちろん、早く勉強を始めればその分得られるものもあるでしょう。 しかし、 挫折を乗り越えられなかった痛手(勉強に対する意欲の減退)は癒すのが非常に難しいものです。 また、内容的にも、小5で習う「相当算」や「速さ」などの問題は、小6では「比」を使って簡単に解くことができてしまいます。 小6で簡単に解く方法があるのに、わざわざ小5で面倒な解法を学ぶ必要があるかは疑問のあるところです。 では、 いつから中学受験の対策をすればいいか、が問題です。 この点については、「いついつから」と杓子定規に考えるのではなく、個々人に応じて判断すべきです。 具体的な基準としては、 「塾に通わなければならないと子どもが親に説明できるとき」です。 このようにお話しすると、親御さんの中には「それじゃ中学受験に間に合わない」と言う方がおられます。 しかし、そのように考えること自体が、子ども主体の受験ではなく、親主導の受験となってしまっています。 このような場合、 子どもの努力ではなく効率を偏重しがちになり、結果として学力低迷を招きます。 知っておかなければならないことは、中学受験の算数を勉強するとき、塾の教材をすべて解く必要がないこと。 また、塾の模試の偏差値と志望校合格は必ずしもリンクしないということです。 合格に最も近づくための算数の勉強法は、 志望校の過去問から逆算することです。 過去問で問われていることに答えることができれば合格できます。 例えば、ある女子中では空間図形が全くでない、ということがあります。 その場合、塾の宿題だからといってせっせと解く必要があるんでしょうか。 志望校に合格するためには、 受験する意味を親子間で十分に話し合い、必要に応じて塾を利用することが賢い選択です。 2-2.算数の成績が上がらないとき、転塾は悪? しばらく塾通いを始めて頭をよぎるのは「このまま通い続けていて成績が上がるのか」「ほかの塾に移ったほうが良いのではないか…」と考えてしまうことがあります。 このようなことが頭をよぎるのは、算数の成績が悪いときがほとんどです。 転塾すると確かにデメリットがあります。 算数の場合、教える先生によって解法が異なることがしばしばあります。 代表的な例としては、食塩水でてんびん算を使うかどうかとか、つるかめ算で面積図をつかうかどうか、などがあります。 これにも増して重要なのは、 どこまでの難易度の問題をやるか、という取捨選択は先生やテキストによって大きく変わるということです。 このような理由で、転塾に消極的になることがあります。 塾の先生も、「講習でまた同じことをやるから」と言って必死に引き止めます。 しかし、それでも成績が上がらなかった場合、転塾すべきではないのでしょうか。 答えは 「転塾すべき」です。 なぜなら、算数の勉強では、先生との相性が非常に重要だからです。 授業の分かりやすさはもちろんですが、 小学生の場合は子どもが先生に親しみを覚えることが大事です。 成績アップに先生と生徒の親しさが関係ないと思う人もいると思いますが、それは違います。 先生が生徒をほめたり、励ましたりすることは、子どものモチベーションの維持に欠かせないものです。 塾を選ぶ場合、その塾の知名度や合格実績を基準としたり、説明会での納得度を参考にすることがあると思います。 しかし、同じ塾内でもいろいろな先生がいますから、当然、先生の「当たりはずれ」があります。 もし「はずれ」に当たったら、成績向上は望めませんね。 そのときは思い切ってほかの塾の体験授業を受けて、「当たり」を探すべきですし、それが恥ずかしいことでも何でもありません。 2-3.長時間勉強漬けでないと合格できない? 中学受験塾の拘束時間がとてつもなく長いことはもはや周知のことだと思います。 実はこれには理由があります。 小中学生と高校生では「同調傾向」の点で異なります。 高校生は同調傾向が弱いため、友人と一緒に勉強をすることはまれで、普通は自習室や図書館などでひとりで黙々と勉強するのが普通です。 これに対して、 小中学生は同調傾向が強く、みんなと一緒にワイワイしながら勉強するのが楽しいんです。 加えて、中学受験では親が長時間の指導を望むため、中学受験塾は「みんな一緒に長時間」という戦略で集客するんです。 そうすれば、月謝も上がり、合格可能性も高まる、というわけです。 しかしこれは一般論であって、個々に見てみると、塾での拘束時間が長いからといって必ずしも成績が伸びていないケースも多くあるでしょう。 そのようなケースでは、 個々の生徒に先生の目が行き届いていないとか、 クラス内の生徒の間での理解度に差があるなどの問題があります。 中学受験も「受験」である以上は、勉強時間は通常の小学生よりも長くなるのは当然ですが、問題はその中身です。 中学受験の算数の場合、同じ問題を数名の生徒に解かせると、実にさまざまな解き方をしていることがあります。 間違った解き方をしている子もいれば、正解にたどりつくことができるけれども遠回りな子もいたり、中には先生が予期していなかった解法で解く子もいます。 ここで大事なのは、出題された意図をくんで、その意図通りに正解を提示することです。 ところが、実際の指導の現場では、正解していれば理解している、不正解であれば解きなおしを命じられる。 これが延々と繰り返されるのです。 本質的に理解しないまま先へ先へと進むため、成績が低迷したり、成績が乱高下する生徒が続出するわけです。 このようなことを防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか。 それは、 「自分だけの課題」に取り組む時間を作ることです。 解ける問題を何度も解いたりするのは無駄ですね。 そうではなくて、解けない問題、解くのに時間がかかる問題、それが「自分だけの課題」です。 例えば、算数の成績が思うように上がらないときは、思い切って季節講習やオプション講座には出席せず、それまでの復習をする。 あるいは、個別に質問できる塾を選ぶようにすることが考えられます。 ただ、集団塾に通いながら個別塾に通うと、勉強の拘束時間がますます長くなってしまいます。 その結果、勉強の負担感から子どもの学習意欲を減退させてしまい、せっかく勉強していても、それが頭を使わない肉体労働になってしまうことがあります。 このようなオーバーワークになってしまっては元も子もありませんし、結果が伴わないのであれば、塾代はもはやお布施のようなものとなってしまいます。 長時間勉強しても算数の成績が上がらないときは、今の勉強時間をオーバーしない範囲で、苦手分野に向き合う時間を作りましょう。 3.中学受験算数を有利に進める定番市販教材3選 3-1.計算力を上げるための市販教材 中学受験の算数が苦手な小学生は、 必ずと言っていいほど計算力がありません。 模試の結果を見て「ミスった!」という場合も計算力が関係しています。 中学受験塾のカリキュラムでは、小5の夏前ごろから算数の難易度がグッと上がります。 割合など文章題だけでなく、円の問題などの図形問題でも手際よく計算できなくてはなりません。 そのときになって計算力をつけるための問題集をやろうとしても、塾の宿題が山積しているので、負担ばかりが増えてやる気が出ません。 計算力は、 小4から小5の初めまでにはかなり高度なものにしておくことをお勧めします。 式に中カッコが入っても大カッコが入っても解ける、小数や分数が混在しても解ける、というレベルです。 小5の初めの段階でここまでの計算力があれば、その後は思考力を十分に発揮できるでしょう。 だだ、塾の教材では、計算に特化した教材が少ないか、あるいは、小4~小6まで別冊になっていて使いにくいという欠点があります。 そこで、「この一冊で大丈夫」という問題集があれば良いですね。 それが、この問題集です。 取り組み方は、小4になったら、1ページを3~6回解いてから次のページに進んでください。 難しいところにさしかかると解くのに異常なほどの時間がかかりますので、そのときは、1日2~3題でもかまいませんので、焦らずに進めてください。 大事なのは、小5の初めまでにやりきることです。 3-2.基本パターンを固めるための市販教材 中学受験塾の教材の量はまさに膨大です。 一式をカバンに入れると5kgに達するとも言われています。 それはなぜかというと、上位校の過去問を網羅しているからです。 当然、そのような分量の教材をこなすことはできませんから、塾の先生の指示通りに課題をこなすことになります。 しかし果たして、このような勉強法で自信がつくのでしょうか。 先生の指示なくては取り組むことができない教材で生徒のチャレンジ精神を育むことができるのでしょうか。 この点、大学入試の場合、数学はチャート式などの体系書を5~6回解いてしまえば、数学は得意になるはずです。 これは中学受験でも変わらないはずです。 適切な分量と内容を備えた体系書を何度も解く。 このようにして初めて自信がついていきます。 ただ、 塾の膨大な教材では、それを何度も繰り返すことができないのです。 そこで、 分量と質の点で必要十分な体系書を、塾の進度に合わせて学習することをお勧めします。 そのような体系書を繰り返し解くことで、できない問題が解けるようになり、また、忘れていた解法を思い出すことができます。 定番問題を網羅しており、分量も多すぎず、くり返し取り組むことができる問題集は、次のものがあります。 「ステップアップ演習」の方がやさしめなので、こちらから取り組むと良いでしょう。 初めからガツガツやるのではなく、塾でやった分野からやるのが続けるコツです。 大事なことは「繰り返すこと」。 算数が苦手な人は、学校がない時間や期間を利用して、コツコツ進めてください。 3-3.過去問の出題範囲を知り対策をするための市販教材 過去問をいつやるかについては議論のあるところです。 ただ失敗するのは、次のようなケースです。 塾の勉強を一生懸命頑張る、そして小6の秋以降の模試の結果次第で志望校を決める、小6の秋以降に過去問を買い始める、ところが問題との相性が悪い、そこで別の学校の過去問を買う、そうしているうちに何冊もの過去問が積みあがる、その結果、受験までに1冊の過去問集も仕上げられない。 これは珍しいケースではありません。 志望校を決められないというのは禍根を残してしまいます。 一般的に、志望校は、安全校、相応校、そして挑戦校の3校を決めます。 過去問も、まずはこの3校を仕上げるのが先決です。 そして過去問に取り組む時期ですが、理想的なのは、小6の夏休みです。 少なくとも、 志望校のうち1冊は小6の夏休みに仕上げると受験を有利にすすめることができます。 なぜなら、模擬試験の内容と志望校の出題内容はイコールではないからです。 模擬試験の結果が悪くても、過去問は解けるという自信があれば、入試本番までモチベーションを維持することができます。 また、 過去問は3~5回は繰り返す必要があります。 完璧に過去問を理解することが合格可能性を限りなく高めるからです。 それなのに、小6の10月以降に何冊もの過去問を買い込んで、それらをこなし切ることができるのでしょうか。 小6の9月以降となれば、通塾に加えて、数々の模擬試験があり、スケジュールがパンパンになってしまい、大事な過去問の勉強にかける時間が限られてきます。 中学受験の算数は、志望校ごとに出題傾向が異なります。 小6の夏に志望校の出題傾向を知り、秋以降に力を入れるべき範囲を知ることは、勉強のメリハリをつけるうえで非常に重要な行動なのです。 そして、過去問集はどれを選べばいいかといえば、解答のミスがほとんどないという点で、次のものがおすすめです。 4.まとめ 「中学受験の算数は難しい」と言われます。 そのように感じられるのは、勉強法が分からず、暗記に頼ってしまうのが主な原因です。 算数嫌いにならないためには、算数好きの生徒の勉強の様子を覗いてみるとよいでしょう。 算数好きの生徒は、まず、勉強しているときの時間的感覚がない、という特徴があります。 義務でやっているのではなく、好きだからやっている、だから勉強が続く。 そして、他のことが気にならなくなる、という特徴があります。 周りに人がいても、友だちが横でしゃべっていても気にならない。 さらに、うまく対処できるという自分の能力に対する自信が生まれる、という特徴もあります。 本当の実力がついているので、その実力を試したくなる、と言ってもいいでしょう。 この記事では、このような算数好きの中学受験生を一人でも多く出したい、という思いで書きました。 ぜひ、参考にしてください。 カテゴリー• 164•
次の<算数 6年生 第36回> 速さの特殊算の演習です。 流水算・通過算・時計算とボリュームたっぷりの回です。 この3つの単元に共通しているのが、 図を使って内容を整理することがポイントである点です。 流水算であれば4つの速さの関係を表した線分図、通過算であれば列車が鉄橋やトンネルを通過する様子を簡潔に表した図を使うと、式が立てやすくなります。 時計算は速さが角度で表される分、動きのイメージがつかみづらいので、解法に慣れるまでは時計の図をかくことが必須です。 また、速さに関する式や値をただ丸暗記するだけでは、問題の難度が上がった際に対応できなくなる点も、共通して注意が必要です。 流水算であれば、上りの速さ=静水時の速さ-流れの速さを覚えるだけでなく、線分図でその理由を確実に把握しておくこと、時計算であれば1分間に5. 5度の差を丸暗記するのではなく、長針が1分間に6度、短針が1分間に0. 5度進むことをしっかり踏まえておくこと。 こうした 根拠を理解できていれば、問題の難度に関わらず、今回演習する単元をテストの得点源にできます。 大事な回です。 じっくり取り組みましょう! 【攻略ポイント1】 まずは「考えよう1」「考えよう2」で 流水算を演習します。 今回初めて学ぶ内容です。 流水算では、静水時の速さ、上りの速さ、下りの速さ、流れの速さの4つの速さを扱います。 この4つの関係をしっかり理解することが基本となります。 「考えよう2」にある線分図をよく覚えてください。 流水算の問題を解く際には、自分でこの線分図をかければスムーズに式を立てることができます。 シンプルなかたちですが必ず覚えておくべき図ですので、問題文の内容を整理できるようにしておきましょう。 「深めよう1」は流水算の問題を、 比を利用して解くパターンとなります。 同じ道のりを進む場合に、速さと時間が逆比の関係になることを利用して、上りの速さと下りの速さの比を線分図で表せば、具体的な数値が与えられている流れの速さが線分図のどの部分の長さになるかが一気につかめます。 このような難度が上がった問題でも、線分図を使えば攻略できるので、徹底して図のかき方を覚えて下さい。 次に「考えよう3」で 通過算の基本の確認をします。 特に 2 で正解することがポイントになります。 基本問題ですが、図をかいて列車が鉄橋を渡る様子を把握しましょう。 長さのある列車の動きがつかみづらいですが、列車の最前部の点を基準に考えると、列車が移動した距離がわかりやすくなります。 「深めよう2」も基礎レベルですが、テストでよく出題されるパターンです。 ここでも列車が鉄橋を渡るケースとトンネルを通過するケースの両方を図にして、列車が鉄橋を渡り始めた地点とトンネルに入り始めた地点をそろえるかたちに、 図をたてに並べると、道のりの違いがはっきりとわかります。 図をかく際には、列車や鉄橋、トンネルは細かくかく必要はありません。 長さの関係がわかればよいので、ラフなかき方で構いませんので、まずは図をかくことを実践してください。 【攻略ポイント2】 そして「考えよう4」「考えよう5」で演習するのが 時計算です。 道のりの代わりに角度を用いた針どうしの旅人算です。 速さが角度になる点で解きづらさを感じることがあるかもしれませんが、単位時間に一定の角度を進むという点では、通常の旅人算と変わりはありませんので、問題演習を通じて慣れていきましょう。 長針と短針が1分間に5. 5度ずつ差が縮んだり広がったりすると考えますが、この5. 5度を機械的に覚えるのではなく、長針が1分間に6度進み、短針が0. 5度進む、その差であることをしっかりと理解してください。 問題の難度が上がった際に、この6度と0. 5度の和である6. 5度を使うケースも出てきます。 根拠を固めたうえで暗記をするようにしましょう。 2 では、1分間に5. 5度ずつ差が縮まることを使えば、最後の問題をすぐに答えられますが、上記のような長針と短針の速さの差を理解するうえでは、2番、3番の問題も大切ですので、抜かさず全問を解くようにしましょう。 「考えよう5」は時計算の中でも テスト頻出のパターンです。 2 3 では、実際に時計の絵を描いて針が重なる前なのか後なのか確認すると安全です。 基礎クラスの生徒さんは「考えよう」と「深めよう」の問題を何度も練習しましょう。 ここまでが不十分なまま先に進んでしまうと、問題を見て式を立てる段階で迷いが生じてしまいます。 【攻略ポイント3】 他に挑戦したい問題としては、 流水算では 問8のグラフを利用した船どうしの旅人算、問11のように流速や静水時の速さが変わる問題です。 特に問11では線分図をかいて内容を整理できれば解きやすくなりますので、ぜひ取り組んでください。 通過算では問17の一定の間隔で電車と人がすれ違うタイプの問題、 時計算では問19・問20の目盛りをはさんで対称になる時刻を求める問題などです。 またここには載っていませんが普通の時計とは異なる時間設定の問題も解いておきたいところです。 速さの特殊算は全体的に難化傾向にあり、上位校で流水算や時計算が大問として出題された場合は難度が跳ね上がるケースが多くあります。 志望校によって到達目標レベルの差が大きい分野なので、過去問で必要なレベルを確認しておくとよいでしょう。 <算数 5年生 第36回> 前回に引き続き、 「割合」の演習です。 割合の3公式を使いこなすことが目標となります。 テキストに掲載された線分図をよく見て、その図の意味を理解したうえで公式を覚えるようにしましょう。 ただ式だけを丸暗記するよりも図を見て視覚的な理解を伴った方が、記憶が深く定着します。 今回演習する内容は、 中学受験算数の最重要単元である割合の問題を解き進めるうえで、重要な基盤となります。 ここで割合の基本的な内容をしっか理解しておけば、これから様々な割合の問題に取り組む際に、圧倒的に有利になります。 頑張りましょう! 【攻略ポイント1】 「割合」「割合にあたる量」「1にあたる量」を求める 3公式を使いこなせるようになるのが目標です。 どれか1つの式を覚えて、それ以外を求める際には還元算の考え方を使うこともできますが、式を立てる際に時間がかかってしまいますので、それぞれを独自にしっかりと覚え込んでおいた方がよいでしょう。 「考えよう1」は割合を求める問題で、前回の復習になります。 比べる量を基準量でわって割合を求めるのですが、その式の意味を深く理解するために、本科教室にあるような 線分図で内容を整理するとよいでしょう。 簡単な図に見えますが、大事な内容を表していますので、図の意味をしっかりと理解するようにしてください。 「考えよう2」と「考えよう3」で使う公式は「考えよう1」で学習した公式を逆算することで導き出されますが、先に述べたように、テストで式を立てる時間をより短くするためにも、それぞれの式を確実に覚えておきましょう。 「考えよう3」の基準量を求める計算は次回の相当算で何度も使用することになりますので、よく覚えておいてください。 【攻略ポイント2】 問1から問3までは「考えよう」で演習した内容の反復演習となります。 その後の問4は割合の増減の演習になります。 ここで問題にそえられている図は、これから自分でかくことが求められますので、図の成り立ちを確認しておきましょう。 そのうえで 3つのタイプが混合した問5は必ず解いてください。 問題を見て、かけるのか、わるのか、わるときはどちらでわるのかを瞬時に判断しなくてはなりません。 その演習を重なることで、式の立て方にも慣れきます。 問6の「~増し」「~引き」もとても重要です。 割合の中に売買損益という単元がありますが、この演習の際には「~増し」「~引き」の言葉の意味の理解が大前提となります。 少し時間がかかっても、この問6は図をかいて解き進めるようにしましょう。 われわれ中学受験鉄人会のプロ家庭教師は、常に100%合格を胸に日々研鑽しております。 ぜひ、大切なお子さんの合格の為にプロ家庭教師をご指名ください。
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