カンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」を受賞し、アカデミー賞最有力とされる韓国映画『パラサイト半地下の家族』が、2020年1月遂に日本でも公開され大変話題になっています。 『パラサイト』は予告動画や試写会・舞台挨拶で「ネタバレしないでください」「ネタバレ厳禁」と念押しされているのですが、そう言われれば言われるほど、ラストや結末がどうなるのか気になりますよね(><) 映画館に観に行くのが1番ですが、なかなか映画館に行けないのでラストを知りたい・結末や観た人の感想を知った上で観るかどうか決めたい、という人も多いですよね。 このページでは、韓国映画『パラサイト半地下の家族』のラスト結末をどうしても知りたい!という方のために、ネタバレありでストーリーや見た人の感想をお伝えします。 序盤からラストまで 濃いネタバレとなるので、ネタバレは見たくない!という方は、今すぐこのページを閉じてください。 もくじ• パラサイト(韓国映画)ネタバレ!ラストどうなる? 「パラサイト 半地下の家族」爆笑&戦慄!韓国の格差社会、底辺社会って日本どころじゃない悲惨さと絶望感。 トボけたユーモアと過激な笑い、そしてホラーでカオスな展開はまるで怒涛の濁流。 ラストまで一気に流されました! — 貝たかぴろ NCgyc50aSucjaLp 韓国映画『パラサイト半地下の家族』は、家族全員が失業中で半地下に暮らす貧しいキム一家と、IT企業の社長で高台の豪邸に住む裕福なパク一家が交錯する物語です。 キム家の息子ギウが、パク家で家庭教師をしている友人から留学中の代理家庭教師を紹介してもらい、パク家の娘ダヘの家庭教師として高台の豪邸に入り込みます。 大学受験に4度失敗し受験のプロとなっているギウは、ダヘに気に入られ、パク家の父ドンイク・母ヨンギョからも信頼を得ます。 そこでギウは様々な画策をし、妹ギジョンはパク家の末っ子ダソンの絵画教師、母チュンスクは家政婦、父ギテクは運転手として、キム一家全員がパク家で働くようになります。 身分を偽り潜入しているので、家族ということは秘密です。 パク家全員がキャンプに行くことになり、家政婦の母が留守番を頼まれるのですが、豪邸にキム家全員が集まり祝勝会をあげバカ騒ぎす場面はとても笑えます。 ここまでが前半ですが、とてもテンポよく話が進み、キム一家は貧困層であることの悲壮感やパク一家への恨み妬みもなく、思わず笑ってしまうコメディータッチの面白さです。 後半ラストのネタバレ・閲覧注意! 『パラサイト 半地下の家族』 超おもしろい。 静寂の中、怒涛の展開が広がる。 まるで様々な感情がうごめく様に。 うごめき、破裂した感情は哀しくも落ちていく。 静かなる強烈なラストは好み。 生きる難しさに疲れた。 — ザワヨシ zwysroom 後半からは、閲覧注意のネタバレです。 パク一家不在中に新たな登場人物 パク家不在の祝勝会の最中に、以前追い出した家政婦が地下室に忘れ物をしたから入れてくれ、とやってきます。 渋々中に入れ、地下の扉を開けると得体のしれない男が現れます。 この男は元家政婦の夫で、高利貸しから逃れるために4年も前から地下室に隠れていると聞かされ、キム家は驚きます。 元家政婦はキム一家に、このまま夫婦で地下に暮らさせてほしいと頼みます。 キム家は、家政婦夫婦がいては楽しみにくいと考え、この頼みを断ります。 すると元家政婦はキム一家の家族写真を手に、キムたちが家族であることをバラすと脅してきます。 そこでもみ合いになっていると、元家政婦は階段から落ちケガをしてしまいます。 その時「大雨だから家に帰る。 もうすぐ家に着く。 」とパク家夫人から電話が入ります。 慌ててキム家全員で家政婦夫婦を地下室に閉じ込め、キム一家は地下を後にし、家政婦の母親以外は家の中に隠れます。 ギテク(キム家父)が隠れているリビングでパク夫婦がくつろいでしまうのですが、そこでドンイク(パク家父)が「今の運転手はいい運転手だが、切り干し大根のような地下のような嫌な匂いがするんだ。 」と話します。 これを聞き、ギテクの表情が変わります。 バレるかもという心配ではなく、侮辱された怒りの感情のようです。 母以外のキム家3人がなんとかバレずに高台を降りると、大雨で半地下の家は浸水し悲惨な状況になっていました。 避難所で過ごしている時、携帯でダソン(パク家息子)の誕生部パーティーに招待されます。 パーティーでの惨劇 パーティーの最中にギウ(キム家息子)が地下の様子を見に行くと、元家政婦の夫(以下「男」と表現します)に不意打ちを食らい、男が地上へ出てきます。 元家政婦は階段から落ちたときのケガが原因で死んでいたのです。 怒りに狂った男は、ギジョン(キム家妹)の胸をナイフで刺し、続いてチュンスク(キム家母)に襲い掛かります。 チュンスク(キム家母)は応戦し、落ちていたバーキューナイフで男の脇腹を刺し殺してしまいます。 大パニックで逃げ惑う富裕層と殺しあう貧困層、完全なカオスです。 その様子を見たダソン(パク家息子)が発作を起こし、ドンイク(パク家父)はギテク(キム家父)にダソンを病院に運ぶように命令します。 ギテクは娘が刺されている状況でそれどころではなく、車のカギを投げつけます。 ドンイク(パク家父)はカギを拾うのに男の体を触ることになり、臭い匂いに鼻をつまみますが、その様子を見たギテク(キム家父)は落ちていたナイフでドンイク(パク家父)を刺し殺してしまいます。 ギテク(キム家父)は騒ぎに乗じて人ごみに姿を消し行方不明、指名手配犯となります。 ラスト未来への希望 警察の監視も解けたころ、ギウ(キム家息子)が父を探し高台の豪邸に行くと地下からのモールス信号に気づきます。 ギテク(キム家父)が豪邸の地下に隠れているらしい。 そこで、ギウ(キム家息子)は届くこともない手書きを書きます。 いつか成功して正式なルートで豪邸を手に入れ、父さんを救い出すから待っていてね。 ここで映画は終了します。 結末のまとめ 韓国映画『パラサイト半地下の家族』の結末をまとめると、下記のようになります。 父ギテク:殺人犯(ドンイクを殺傷)• 母チュンスク:正当防衛で殺人犯(男を殺傷)• 息子ギウ:男に頭を殴られ重傷• 父ドンイク:ギテクに刺され死亡• 元家政婦:階段から落ちて死亡• 裕福な人ならパク家(高台の豪邸に居住)の目線になるし、金銭的に余裕のない人が観ればキム家(半地下に居住)の目線になりますよね。 ラストをどの目線で観るかで、パラサイトの結末に対する感想も「哀しい」「怖い」「不条理だ」「納得いかない」「これから頑張れ」「気持ちが理解できない」など色々と変わります。 日本はそこまで大きな格差社会ではないので(いわゆる中流階級に位置する人が多いので)、どちらの目線になってもおかしくなさそうです。 実際に映画館などで『パラサイト半地下の家族』を観た人の感想はどうだったのでしょうか? Twitterでの『パラサイト半地下の家族』の結末・ラストに対する反応をご紹介します。 パラサイトね、修学旅行の行きの飛行機で見たんだけど怖いって言うより結末哀しかった、、 — ギョンスの旦那になるのが夢 exo95324648 パラサイト。 いろいろ話題になってますが…。 ポン・ジュノ監督の作品は「グムエル」以来…。 韓国映画も久しぶり。 なんだかすごい映画を見た。 歪んだサクセス・ストーリーからいきなりホラーからの…サスペンス的な怒涛の展開。 とにかくラスト、家族の物語に帰結して、その苦さに圧倒されました。 人によっては希望と捉えるかもしれない。 私は物凄い狂気を感じて、エンドロールで呆然としてしまった。 コミカルだけどズドンと重くて切ない。 ラストの切なさはズルいほどだ。 地下は怖い。 階段を下るのもしばらく怖いな。 — takuji taqublue 「パラサイト〜寄生虫〜」 裕福な家庭にずる賢く入り込んでいくあたりはテンポよくコメディタッチ。 後半は一転、韓国映画ならではのダークな展開。 ラストはなんだか悲しくて、もう少し希望が欲しかったな。 チョ・ヨジョンは相変わらずきれい。 — oscar zaginamo パラサイト 半地下の家族を観て感じた問題は、格差社会ではなく道徳が欠如した人間を崇拝する現代社会。 パラサイトの貧困家族がしたことは決して許されることではないし、結末が貧困家族視点しか描かれていないのは、貧困層への傲慢なサービスで不誠実だ。 観る人によって、どちらの立場で見ていたかで、かなり感想が異なる映画でしたね。 『パラサイト半地下の家族』は、韓国の格差社会・学歴社会・人間の闇などを題材とした社会風刺のブラックコメディで、そのストーリー自体が興味深く評判です。 ですが、映画ならではの描写・キャストの名演技があるからこそ世界的な高評価を得ているポンジュノ作品です。 結末ラストまでネタバレしていたとしても、映画で観るとまた感じるものが違うはずです。 是非、映画館やDVD(時期が来れば)で確かめてくださいね!.
次のカンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」を受賞し、アカデミー賞最有力とされる韓国映画『パラサイト半地下の家族』が、2020年1月遂に日本でも公開され大変話題になっています。 『パラサイト』は予告動画や試写会・舞台挨拶で「ネタバレしないでください」「ネタバレ厳禁」と念押しされているのですが、そう言われれば言われるほど、ラストや結末がどうなるのか気になりますよね(><) 映画館に観に行くのが1番ですが、なかなか映画館に行けないのでラストを知りたい・結末や観た人の感想を知った上で観るかどうか決めたい、という人も多いですよね。 このページでは、韓国映画『パラサイト半地下の家族』のラスト結末をどうしても知りたい!という方のために、ネタバレありでストーリーや見た人の感想をお伝えします。 序盤からラストまで 濃いネタバレとなるので、ネタバレは見たくない!という方は、今すぐこのページを閉じてください。 もくじ• パラサイト(韓国映画)ネタバレ!ラストどうなる? 「パラサイト 半地下の家族」爆笑&戦慄!韓国の格差社会、底辺社会って日本どころじゃない悲惨さと絶望感。 トボけたユーモアと過激な笑い、そしてホラーでカオスな展開はまるで怒涛の濁流。 ラストまで一気に流されました! — 貝たかぴろ NCgyc50aSucjaLp 韓国映画『パラサイト半地下の家族』は、家族全員が失業中で半地下に暮らす貧しいキム一家と、IT企業の社長で高台の豪邸に住む裕福なパク一家が交錯する物語です。 キム家の息子ギウが、パク家で家庭教師をしている友人から留学中の代理家庭教師を紹介してもらい、パク家の娘ダヘの家庭教師として高台の豪邸に入り込みます。 大学受験に4度失敗し受験のプロとなっているギウは、ダヘに気に入られ、パク家の父ドンイク・母ヨンギョからも信頼を得ます。 そこでギウは様々な画策をし、妹ギジョンはパク家の末っ子ダソンの絵画教師、母チュンスクは家政婦、父ギテクは運転手として、キム一家全員がパク家で働くようになります。 身分を偽り潜入しているので、家族ということは秘密です。 パク家全員がキャンプに行くことになり、家政婦の母が留守番を頼まれるのですが、豪邸にキム家全員が集まり祝勝会をあげバカ騒ぎす場面はとても笑えます。 ここまでが前半ですが、とてもテンポよく話が進み、キム一家は貧困層であることの悲壮感やパク一家への恨み妬みもなく、思わず笑ってしまうコメディータッチの面白さです。 後半ラストのネタバレ・閲覧注意! 『パラサイト 半地下の家族』 超おもしろい。 静寂の中、怒涛の展開が広がる。 まるで様々な感情がうごめく様に。 うごめき、破裂した感情は哀しくも落ちていく。 静かなる強烈なラストは好み。 生きる難しさに疲れた。 — ザワヨシ zwysroom 後半からは、閲覧注意のネタバレです。 パク一家不在中に新たな登場人物 パク家不在の祝勝会の最中に、以前追い出した家政婦が地下室に忘れ物をしたから入れてくれ、とやってきます。 渋々中に入れ、地下の扉を開けると得体のしれない男が現れます。 この男は元家政婦の夫で、高利貸しから逃れるために4年も前から地下室に隠れていると聞かされ、キム家は驚きます。 元家政婦はキム一家に、このまま夫婦で地下に暮らさせてほしいと頼みます。 キム家は、家政婦夫婦がいては楽しみにくいと考え、この頼みを断ります。 すると元家政婦はキム一家の家族写真を手に、キムたちが家族であることをバラすと脅してきます。 そこでもみ合いになっていると、元家政婦は階段から落ちケガをしてしまいます。 その時「大雨だから家に帰る。 もうすぐ家に着く。 」とパク家夫人から電話が入ります。 慌ててキム家全員で家政婦夫婦を地下室に閉じ込め、キム一家は地下を後にし、家政婦の母親以外は家の中に隠れます。 ギテク(キム家父)が隠れているリビングでパク夫婦がくつろいでしまうのですが、そこでドンイク(パク家父)が「今の運転手はいい運転手だが、切り干し大根のような地下のような嫌な匂いがするんだ。 」と話します。 これを聞き、ギテクの表情が変わります。 バレるかもという心配ではなく、侮辱された怒りの感情のようです。 母以外のキム家3人がなんとかバレずに高台を降りると、大雨で半地下の家は浸水し悲惨な状況になっていました。 避難所で過ごしている時、携帯でダソン(パク家息子)の誕生部パーティーに招待されます。 パーティーでの惨劇 パーティーの最中にギウ(キム家息子)が地下の様子を見に行くと、元家政婦の夫(以下「男」と表現します)に不意打ちを食らい、男が地上へ出てきます。 元家政婦は階段から落ちたときのケガが原因で死んでいたのです。 怒りに狂った男は、ギジョン(キム家妹)の胸をナイフで刺し、続いてチュンスク(キム家母)に襲い掛かります。 チュンスク(キム家母)は応戦し、落ちていたバーキューナイフで男の脇腹を刺し殺してしまいます。 大パニックで逃げ惑う富裕層と殺しあう貧困層、完全なカオスです。 その様子を見たダソン(パク家息子)が発作を起こし、ドンイク(パク家父)はギテク(キム家父)にダソンを病院に運ぶように命令します。 ギテクは娘が刺されている状況でそれどころではなく、車のカギを投げつけます。 ドンイク(パク家父)はカギを拾うのに男の体を触ることになり、臭い匂いに鼻をつまみますが、その様子を見たギテク(キム家父)は落ちていたナイフでドンイク(パク家父)を刺し殺してしまいます。 ギテク(キム家父)は騒ぎに乗じて人ごみに姿を消し行方不明、指名手配犯となります。 ラスト未来への希望 警察の監視も解けたころ、ギウ(キム家息子)が父を探し高台の豪邸に行くと地下からのモールス信号に気づきます。 ギテク(キム家父)が豪邸の地下に隠れているらしい。 そこで、ギウ(キム家息子)は届くこともない手書きを書きます。 いつか成功して正式なルートで豪邸を手に入れ、父さんを救い出すから待っていてね。 ここで映画は終了します。 結末のまとめ 韓国映画『パラサイト半地下の家族』の結末をまとめると、下記のようになります。 父ギテク:殺人犯(ドンイクを殺傷)• 母チュンスク:正当防衛で殺人犯(男を殺傷)• 息子ギウ:男に頭を殴られ重傷• 父ドンイク:ギテクに刺され死亡• 元家政婦:階段から落ちて死亡• 裕福な人ならパク家(高台の豪邸に居住)の目線になるし、金銭的に余裕のない人が観ればキム家(半地下に居住)の目線になりますよね。 ラストをどの目線で観るかで、パラサイトの結末に対する感想も「哀しい」「怖い」「不条理だ」「納得いかない」「これから頑張れ」「気持ちが理解できない」など色々と変わります。 日本はそこまで大きな格差社会ではないので(いわゆる中流階級に位置する人が多いので)、どちらの目線になってもおかしくなさそうです。 実際に映画館などで『パラサイト半地下の家族』を観た人の感想はどうだったのでしょうか? Twitterでの『パラサイト半地下の家族』の結末・ラストに対する反応をご紹介します。 パラサイトね、修学旅行の行きの飛行機で見たんだけど怖いって言うより結末哀しかった、、 — ギョンスの旦那になるのが夢 exo95324648 パラサイト。 いろいろ話題になってますが…。 ポン・ジュノ監督の作品は「グムエル」以来…。 韓国映画も久しぶり。 なんだかすごい映画を見た。 歪んだサクセス・ストーリーからいきなりホラーからの…サスペンス的な怒涛の展開。 とにかくラスト、家族の物語に帰結して、その苦さに圧倒されました。 人によっては希望と捉えるかもしれない。 私は物凄い狂気を感じて、エンドロールで呆然としてしまった。 コミカルだけどズドンと重くて切ない。 ラストの切なさはズルいほどだ。 地下は怖い。 階段を下るのもしばらく怖いな。 — takuji taqublue 「パラサイト〜寄生虫〜」 裕福な家庭にずる賢く入り込んでいくあたりはテンポよくコメディタッチ。 後半は一転、韓国映画ならではのダークな展開。 ラストはなんだか悲しくて、もう少し希望が欲しかったな。 チョ・ヨジョンは相変わらずきれい。 — oscar zaginamo パラサイト 半地下の家族を観て感じた問題は、格差社会ではなく道徳が欠如した人間を崇拝する現代社会。 パラサイトの貧困家族がしたことは決して許されることではないし、結末が貧困家族視点しか描かれていないのは、貧困層への傲慢なサービスで不誠実だ。 観る人によって、どちらの立場で見ていたかで、かなり感想が異なる映画でしたね。 『パラサイト半地下の家族』は、韓国の格差社会・学歴社会・人間の闇などを題材とした社会風刺のブラックコメディで、そのストーリー自体が興味深く評判です。 ですが、映画ならではの描写・キャストの名演技があるからこそ世界的な高評価を得ているポンジュノ作品です。 結末ラストまでネタバレしていたとしても、映画で観るとまた感じるものが違うはずです。 是非、映画館やDVD(時期が来れば)で確かめてくださいね!.
次の今回は話題騒然の韓国映画 『パラサイト 半地下の家族』の感想記事です! 先行上映で鑑賞しました カエルくん(以下カエル) 「先に語っておきますが、今作は 『ネタバレ禁止令』が出ていますが、記事の性質上どうしても触れなければいけない部分もあります。 だから、お話の展開には極力触れないようにしながら語っていきます」 主 「いつも通りのやり方ですね。 なるべく真っさらな状態で見て欲しいかな」 カエル「色々なご意見があるでしょうが、 内容の直接のネタバレ、あるいは展開をバラす意図はないとご了承ください。 それでは……感想記事のスタートです!」• 作品紹介・あらすじ カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得するなど、世界中で高い評価を受ける韓国映画作品。 監督は『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』『オクジャ』などのポンジュノが脚本も務める。 主演はポンジュノ作品ではタッグを組むことも多いソン・ガンホのほか、イ・ソンギョン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシクなどが脇を固めている。 家族全員が失業中でピザ屋の外箱を組む内職で細々と生計を立てているキム一家は半地下の建物の中で狭苦しく生活していた。 そこで長男のギウが友人の紹介により、IT企業の社長であるパク氏の娘の英語の家庭教師を行うことに。 というわけで 『自分とは相性が悪い』程度に考えてください」 主「 でも、今この映画を見るか迷っている人がいるのであれば、悪いことは言わないからすぐにこのページを閉じて映画を見にいきましょう! (先行上映が見れない地域の方は、公開されてから鑑賞してください) 間違いなく2020年の主役であり……1月にしてベスト1位が決定するかもしれません。 少なくとも技術面においては完璧と言える。 物語の組み方、映像の見せ方、間の使い方、演技、社会性……何をおいても超がつくほど1級品。 ぶっちゃけ、今作を超える完成度の映画は2020年に登場することないのではないか? と思うほど。 それこそ…… 『ROMA』とか、それクラスの映画がでないと太刀打ちできなんじゃないのかなぁ……世界中でも絶賛を集めるのも納得です」 カエル「あれ? 手放しで絶賛しているじゃん」 主「 だから、この映画の技術面については大絶賛なの! でも、どうしても受け入れがたいものがある。 ただしそれは……自分の趣味嗜好の問題だから、そんなものは気にしなくてもいい。 この映画の価値は自分ごときが何を言っても、絶対に揺らぐことはないから。 ……まあ、自分のいうことで評価が揺らぐってどういうことなんだ? って気もするけれどさ。 ピーター・アーツのハイキックとか、マイティ・モーのサモワンフックとかさ、そんなわかりやすくて、一気に試合を決める必殺技を見にいっているような。 でも、この作品は違うんですよ。 試合開始からジャブとか打って、間合いをしっかりとコントロールして、相手に攻撃させて体力を消費しつつ全てガードして、時に寝技をかけて自分の体力を温存しつつ、少し観客を沸かせるパフォーマンスとトリッキーなことをして、でも最後はきっちりと極めて結果的に完勝……そんなタイプの映画」 うん、もうちょっとわかりやすく喩えてよ つまりさ、相手(観客)をコントロールして、きっちりと勝つタイプ 主「 全部といえば全部が伏線。 演出、セリフ、演技、展開……その全てが考え抜かれている。 自分レベルでもはっきりわかる、この映画は全ての場面で意図があるカットを、しかもわかりやすく描いている。 もしかしたら、映像演出を考える上ではすごくいいお手本なのかもしれない。 特に開始10分くらいかなぁ……ここは本当に無駄が1つもない。 あまりの巧さにびっくりするほどだった。 そ の中でも、舞台となる家の空間配置能力と、その見せ方が圧巻の巧さだった。 今作もそれは同じで、ファーストカットからバリバリにうまかった」 カエル「その建物の見せ方であったり、なぜこの位置関係を使っているのか? というのが、バリバリに伝わってくるもんね」 主「 カットの全てに意味があるって、こういうことなんだなぁ……とよくわかる。 また顔のアップ、あるいは2人で会話する様子、その場に何人いるのか、なぜこの画面でその人がカメラのフレームに出たり入ったりするのか……それが全て意味が伝わるようにできている。 ちょっと主張しすぎなくらい、あざといくらいにね。 例えば、日本やアメリカ、ヨーロッパだと今作のようなテーマの作品は、もっと社会派の一面を強調するのではないだろうか? でも、今作はエンタメ映画として完成されている。 だからこそ多くの人に響くし、届くメッセージ性を内包している」 あとは、この日は同じく貧困を扱ったケン・ローチ監督の 『家族を想うとき』を見たのも大きかったかもね 主「2作とも現代の貧困を描いているけれど、イギリスなどのヨーロッパ映画である 『家族を想うとき』はリアルテイストに描くから、ガツンときつく染みるんだよね。 一方で今作は貧困とは言っても、どこか物語感が強い印象を受ける。 やりたいこととやり方が違うから、別にいいんですが。 この2作を比べるとヨーロッパの描き方と、韓国の描き方……どちらも巨匠だけれどその演出術の違いがはっきりわかって面白いね」 カエル「ここで日本代表として是枝監督を入れると、さらに面白いかも…… というのは別として、本題に戻りましょう それでいうと、この映画は映画に大切なものの多くが入っているのかもね。 キャラクターの魅力、物語のわかりやすさ、 サスペンス、意外性、コメディ、社会性……とかさ。 韓国社会の問題を扱っているのに、全くお国柄とかを感じさせない作品でもあるし。 これは萩本欽一が 『舞台の稽古はやりすぎない』と語っているのと同じ理由であって、上手さを見せれば見せるほど、その技術を見せ付けるような動きになってしまったり、あるいは裏で頑張っている姿を連想させてしまい、感心させてしまい笑えなくなってしまう、という理論です」 主「 これってすごく怖くてさ、頑張ればがんばるほど、作り込めば作り込むほど、その努力が出てきてしまう。 それが観客ののめり込みを阻害することだってあるんだ。 だけれど、本作はそれだけうまい画面を構成しておきながら、そんなことを感じさせない。 グッとのめり込みすぎるかと思いきや、きちんとコメディを入れて間を外す。 そして、また巧みな画面や物語を語り始める……いや、これは圧巻です。 正直、参ったというレベル。 『上手すぎる!』と不満を出そうかと思ったけれど、こうやってちゃんと外されると、それも言えなくなるんだよ……そのあたりのコントロールも見事。 ぶっちゃけて言えば、話の展開や整合性に無理があるだろう、という、いわゆるご都合主義な映画もたくさんある。 というか、今作も色々と無理は多いんだけれど、力技と演出力でカバーしていくんだよね。 それでも物語としての面白さを追求していく……その姿勢は間違いじゃないし、むしろ自分は好感が持てる。 じゃあ、どうやってそのエンタメ性を維持しているのか? という部分だね」 とりあえず、以下のようになるのかなぁ• あくまでもそういう印象、あるいは傾向にあるのではないか? という程度の話です。 誤解を恐れずに言えば……インド映画は王道、韓国映画は邪道で攻める、ということができるのかな?」 で、このTweetに繋がるのね 自分がアニメ映画とインド映画が好きで、韓国映画が苦手な理由がパラサイトではハッキリ出ているなぁ 作り込みすぎなのと、あの展開で「お前…またかぁ〜!」ってなるんよね…— 物語るカメ 井中カエル・映画、アニメ垢 monogatarukame やっぱり、韓国映画は苦手だなぁ……と思ったよ 主「アニメ映画とかインド映画って、もちろん作品にもよるけれど過激なバイオレンス描写は……0ではないよ、でもそんなに多くない。 その中でエンタメ性重視の物語を作ってくれる。 一方で韓国映画ってバイオレンス描写が強い作品が多くて、それが苦手」 カエル「それこそホラー映画もそうだし、園子温とかも嫌いだもんねぇ」 主「 で、この映画もバイオレンスな描写が始まるんですよ。 それが気持ち悪かったし、その展開にしなくてもいいんじゃない? って思った。 それで観客を釣ろうとするのは、自分は苦手なんですよ。 テーマ性もはっきりと伝わってくるし、あの展開にした意味もわかる」 だけれど……なんでそうなるのか、そこがわからない カエル「それは……社会情勢を踏まえて上流階級への反感とかさ」 主「 いや、だってキム一家とパク一家って対立関係にないじゃん。 むしろキム一家がパク一家にパラサイトしているわけでさ。 しかも関係は色々あったにしろ、良好だった。 パク一家はキムさんたちのことは、比較的好きだった。 じゃあ、なんでああいうことになるのよ? 自分たちだってパク一家を散々コケにしてきたでしょ? 『人のいい家族だ〜』とか言ってさ、あれだけ色々好き勝手やってきて、なんで最後そうなるのよ」 その不条理感を出すのが目的だったのかも…… それならこの映画のテーマ性がおかしくなるじゃん 主「 この映画のテーマって、要は格差社会なわけでしょ? だけれどあの展開だったら、明確な理由もないために 『下級階級は嫉妬に狂っているだけだ』とも言える。 経済状況は大きく違うけれど、家族を思いやり愛しているのはどちらも一緒。 本質的にはそこまで変わらないよ、どちらも。 戦う相手があまりにも違いすぎる」 その辺りが韓国映画の合わない部分に思えてくるんだよ 主「 あのオチをやりたいのもわかる。 そして観客を引き込むためにバイオレンス描写を使うのも韓国映画らしいな、と思う。 そのせいで、物語としての整合性というか、そういうものは壊れて雑味を生じてしまったように感じた。 さらに言えば、ああいう展開じゃないと本当にダメだったわけ? いや、あのオチは本当に上手いと思います。 思うけれど、だからこそ、その間はもっと別の形でやって欲しかった。 これじゃ経済格差間の分断を煽るだけじゃないのかな? って。 だったら最後にさ、パク・ダヘをうまく使って希望を見せるのも手だと思う。 富裕層と貧困層は対立するもの、当然だ。 でも現代の成功者って王侯貴族ってわけではないよね。 きっちりと勉強して、努力して、リスクも背負って成功している。 そりゃ、運だって当然あるし頑張っても頑張れない人がいるのもわかる。 だから富の再分配とか、税率の話になるのもわかる。 それは理解も納得もしますよ。 だけれど、成功者って人生を失敗した人に傷つけられ、家庭を破壊されなければいけないような存在なんでしょうか?」 カエル「そこを描いたからこそ、この映画も高い社会性をもったんじゃないかな?」 主「 わかるよ、わかる。 フィクションとしては正統、現代の御伽噺としても全然あり、物語のあるべき形とも言えるだろう。 一流の悲劇よりも三流の喜劇の方が……自分としては好きだし、手放しで称賛した。 それでも残るものを見せて欲しかったな」 まとめ というわけで、この記事のまとめです!• 世界中が絶賛も納得! 圧巻の映画!• 家の造りや見せ方など、映像的演出も絶賛!• エンタメに凝っており社会性も抜群!• ただし、一部描写には疑問も…… まあ、後半は自分の個人的な趣味嗜好なので気にしないでください カエル「ちょっと煽り過ぎな感はあるけれど、こういう映画にある程度慣れていたら、そこまで気にならないのかもしれません。 ただ、子供とかにはオススメしないかな……バイオレンス描写が辛い人は、ちょっと覚悟した方がいいかも?」 主「いい作品だと思うし、自分も高く評価すると思います。
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