原産地: 北米 Elaphe guttata guttata ( Pantherophis guttatus guttatus) 北米に分布する中型のナミヘビです。 寒さに強く、温和な性格でペット向きのヘビだといえます。 「コーンスネークって咬むの?」とよく質問されますが、そんなことはありません。 臆病な生き物なので、人間が攻撃しなければ、興奮することもないのです。 優しく接すれば、咬まれることはまずないでしょう。 全長も120~150cm程度で、日本の住宅環境でも十分に飼育することが可能です。 平均寿命は10~15年程度です。 本種が人気があるポイントは、その品種の多彩さにあります。 もともとは赤やオレンジの地色に黒い縁取り模様が入るヘビですが、長年に渡る品種改良の結果、黒や赤の色素が無い白いコーンスネーク(スノー)や、本来あるべき柄が消失するもの(ブラッドレッド)など、魅力的な品種が数多く登場しています。 現在も、新品種が毎年誕生しています。 コレクション性もさることながら、奥深い遺伝的ギミックも人気の秘訣です。 日本でも精力的に繁殖されていて、ビギナーからエキスパートまで幅広い層を虜にしています。 【コーンスネークの飼い方】 コーンスネークの飼育方法はヘビ飼育のスタンダードといえます。 寒さには強いのですが、冬は温度が下がり過ぎないように注意が必要です。 低温で管理するとエサ食いが悪くなったり、消化不良になりやすいです。 ただし、寒いアメリカの気候に適応しているため、冬季休眠(ウィンタークーリング)させることも可能です。 ベビーサイズを休眠させるのは少し怖いので、ある程度育った1年ものくらいの大きさ(イヤリングサイズといいます)から休眠させるのが良いでしょう。 エサは冷凍マウスを与えます。 餌付きが良いので、爬虫類飼育ビギナーでも問題なく飼うことができます。 ヘビのサイズにあった冷凍マウスを解凍して与えます。 成長期のヤングサイズくらいまでは週に2回程度給餌します。 アダルトになれば大きめの冷凍ラットに切り替え、給餌間隔を長くしていきます。 成長するためではなく、体を維持するためにエサを食べるようになるからです。 給餌間隔が長いため、エサ代もそれほどかかりません。 【飼育用品】 プラケース(左)またはアクリルケース(右) パネルヒーター、水入れ、温度計、床材(ウッドシェイブ、新聞紙など)、ピンセット 【ケース】 『』 『』 コーンスネークの全長(アダルト)は120~150cm程度です。 数字で表すと大きく感じますが、実際はとぐろを巻いているのでそれほど大きく感じないと思います。 キープするという意味では、大きいプラケースやアクリルケースでも飼育可能です。 多くの方はベビーサイズから飼育を始めると思うので、最初は管理しやすいコンパクトなケースでも問題ありません。 ゆとりのある環境を用意するならば、爬虫類ケージがオススメです。 【】 プラケースやアクリルケースであれば、底面に設置するパネルヒーターで大丈夫です。 低温に強いヘビですが、温度が低すぎるとエサ食いが悪くなったり、消化不良になります。 ケースが大きければ大きいほど、ヒーターのパワーが必要になってきます。 大きな爬虫類ケージの場合は、パネルヒーターで温まりきらないので上部ヒーターの暖突や網蓋の上にのせるクランプライトを利用して保温します。 【】 全身が浸かれるくらいの大きさの水入れを設置します。 使いやすいタッパーやウォーターボールが向いています。 基本的には飲み水用です。 暑い時や脱皮前は体をふやかすために水浴することもあります。 冷水だと体がびっくりしてしますので、少しぬるいくらいが丁度よいでしょう。 ヒーターの真上だと誤って測定されることもあるので、温度が安定している場所に設置します。 センサーが吸盤取り付け式の場合は、パネルヒーターの位置より少し上で、ヘビが普段活動している高さに設置してください。 【】 ウッドシェイブ、新聞紙、ペットシーツのどれでもかまいません。 ウッドシェイブは糞尿をした場所を部分的に交換することができます。 全体が汚れてきたら使い古しのウッドシェイブを捨てて新しいものに交換します。 また、ヘビがウッドシェイブに潜ることもできます。 新聞紙などの紙は、糞尿を見つけた場合すぐに交換しなければなりません。 紙を交換するだけなので、メンテナンスの時間はかかりません。 床材は好みで選んで問題ありません。 【】 給餌に使います。 頻繁に買い換えるものではありません。 ある程度の長さがある方がヘビが成長してからも使えるので良いでしょう。 竹、ステンレスのどちらの素材でも構いません。 【セッティング】 用品をセットしてみました。 シンプルなセッティングですが、これで大丈夫です。 オプションでシェルターを入れてもいいでしょう。 プレートヒーターを敷いた上に、ケースをのせます。 (ヒーターをケース内に入れるわけではありません。 自室の温度ではなく、ヘビの部屋であるケージ内の温度を測るのが重要です。 プレートヒーターは床の全面に敷くわけではありません。 ヘビは自分でケースの中を移動して、温度調整をします。 その時にケースの全面が熱いと逃げる場所がなく、バテてしまいます。 温度が上がらない場合のみ、広範囲にパネルヒーターを敷きます。 あとは床材や水入れをセットし、好みでシェルターを入れればOKです。 『』 【エサやり】 エサは冷凍マウスを与えます。 活餌を与える必要はまったくありません。 コーンスネークの大きさにあわせてマウスの大きさを選びます。 ベビーはピンクマウス(毛の生えていない小さなマウス)が主です。 イヤリング(1年くらい育ったサイズ)はファジー~ホッパー。 最終的にはアダルトマウスやラットを与えます。 エサの大きさの目安としては、胴の太さくらいのサイズが望ましいとされています。 ヘビはエサを丸飲みできます。 胴に収まれば消化することができるので、イメージより大きなエサを食べることができるのです。 冷凍マウスは冷凍庫で保存します。 必要な分を取り出し、自然解凍か湯煎解凍をします。 自然解凍の場合、紙の上にマウスを置いておき、解凍されるのを待ちます。 画像はピンクマウスのSサイズです。 エサのサイズにもよりますが、長くても3時間もあれば解凍できるはずです。 自然解凍より速く解凍できるでしょう。 いずれも、解凍しすぎは要注意です。 エサが腐敗します。 解凍したマウスを触ってみて、凍っていなければ与えて問題ありません。 ピンセットで解凍したマウスを口元に持っていけばすぐに食べてくれます。 おっ、エサなのかな? かぷっ! モグモグ。 あとは飲み込んでいくだけです。 飲み込みやすいように頭から食いつかせるのがポイント。 神経質な個体の場合、ピンセットを嫌がることがあります。 その場合はエサをケース内に置いておけばOKです。 食べればよいのです。 ヤングサイズまでは、週に2回給餌します。 成体であれば週1回でもよいでしょう。 【スキンシップ】 ハンドリング(手で触れること)して問題はありません。 コーンスネークが触られて喜ぶわけではありませんが、ある程度は飼い主に慣れるようになります。 ただし、給餌直後は触らないほうがよいでしょう。 腹部を刺激すると吐いてしまうことがあるので、注意が必要です。 女性でも楽に扱うことができます。 咬みつこうとすることもありません。 【ブリーディング】 個人でも繁殖に成功されている方はたくさんいらっしゃいます。 フルアダルトのオスとメスがいれば、繁殖することは可能です。 誰もがブリードする必要はありませんが、子孫を残したいと思った場合は挑戦してもよいでしょう。
次の分布 [ ] の産地(模式産地)は() (、の一部、サウスカロライナ州、、南部、、南部、、、、、南部、東部) 形態 [ ] 最大全長183cm。 胴体中央部の斜めに列になった背面の鱗の数(体列鱗数)は25-29。 総排出口までの腹面にある幅の広い鱗の数(腹板数)は197-245。 総排出口から後部の鱗の数(尾下板数)は47-84。 背面の色彩は赤やオレンジ、黄色、赤褐色、灰色と変異が大きく、黒く縁取られた赤やオレンジ色の15-50個の斑紋が入る。 腹面の色彩は白く、黒や黒褐色の角張った斑紋がのように不規則に入る。 個体によっては白や黒一色の個体もいる。 和名や英名はこの斑紋がトウモロコシ(corn)のように見える事が由来とする説もある。 上唇(上唇板)や下唇を覆う鱗(下唇板)は白く、黒く縁取られる。 左右の眼の間には三日月状に黒く縁取られた赤やオレンジ色の斑紋が入る。 また眼の後方から口角を通り頸部にかけて、黒く縁取られた赤やオレンジ色の斑紋が入る。 頭部背面には矢尻状の黒く縁取られた赤やオレンジ色の斑紋が入る。 は赤やオレンジで、は丸い。 腹板数や尾下板数、斑紋の数は分布域南部の個体群の方が多い傾向がある。 分類 [ ] ナメラ属の系統解析結果から Pantherophis属とする説もある。 内にあるの解析から、本種の亜種とされていた( E. emoryi)が独立種として分割された。 またプレーンズコーンスネークとの亜種間雑種と考えられていたも、独立種( E. slowinskii)として記載された。 生態 [ ] を好むが、、農耕地などにも生息する。 地表棲だが、木登りもうまく樹上に登る事もある。 半夜行性ないしで、主に薄明時や夜間に活動する。 昼間は地面に空いた穴や石や倒木の下などで休む。 分布域北部の個体群は冬季にするが、南部の個体群は周年活動する。 食性は動物食で、小型、鳥類やその卵、爬虫類、両生類などを食べる。 成蛇は主に小型哺乳類、特にを食べる。 繁殖形態は卵生。 5-7月に1回に12-25個の卵を産む。 卵は60-75日で孵化する。 人間との関係 [ ] ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。 品種 [ ]• アメラニスティック() - 黒色色素欠損。 黒色部が白くなる。 劣性遺伝。 アネリスリスティック - 赤色色素欠損。 劣性遺伝。 オケッティ - 背面の体色がオレンジがかった赤で、斑紋が濃赤色。 主にサウスカロライナ州に見られる地域変異。 リバースオケッティ - オケッティのアメラニスティック。 オケッティの黒色部が白い。 劣性遺伝。 ハイポメラニスティック - 黒色色素減衰。 黒色部が薄くなる。 マイアミフェイズ - 背面の体色が灰褐色で、斑紋は縁取りが不鮮明で赤い。 主にフロリダ州南部の個体群に由来する。 関連項目 [ ] ウィキメディア・コモンズには、 に関連するメディアがあります。 参考文献 [ ]• Suzuki 「ナミじゃないナミヘビ講座 コーンスネークとその近縁種 第一回 」『クリーパー』第29号、クリーパー社、、4-5、10-17頁。 Suzuki 「ナミじゃないナミヘビ講座 コーンスネークとその近縁種 第3回 」『クリーパー』第31号、クリーパー社、、50-56、66-67頁。 鳥羽通久 「ペットとしてのヘビ 第2回 コーンスネークの分類」『クリーパー』第8号、クリーパー社、、38、46-50頁。 鳥羽通久 「ペットとしてのヘビ 第12回 コーンスネークの分類」『クリーパー』第22号、クリーパー社、、26頁。 監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、、109-111頁。 山田和久 『爬虫・両生類ビジュアルガイド ヘビ』、、2005年、36-37頁。 この項目は、に関連した です。 などしてくださる(/)。
次の繁殖方法• 自然交配• ウインタークーリング 卵の数• 若い健康なコーンスネークのオスとメスを一緒に飼育していれば、誰でも繁殖させることは可能といえます。 自然に繁殖が行われる時期は春から夏です。 冬場コーンスネークは冬眠するので、春に目覚めて繁殖期に入るのです。 飼育下で繁殖させるのであれば、自然に繁殖が起きる5・6月を待つことがおすすめですよ。 他にもケージ内の温度変化によって春の到来を体感させる「ウインタークーリング」といわれる繁殖法も存在しますが、ヘビの飼育に慣れている方向けの方法ですよ。 産卵 爬虫類であるコーンスネークは卵を生むことで子孫を増やします。 繁殖期である5・6月にメスとオスが交尾をするとメスのコーンスネークは産卵しますよ。 コーンスネークの繁殖、準備は? 事前準備• 水容器の撤去• 産卵床の用意 コーンスネークのメスは、交尾後1ヶ月ほど経過すると、急に拒食になって脱皮を始めます。 メスがオスを追い出してシェルターを独占するようになったら、産卵の合図です。 脱皮をした後1週間(交尾後40日ほど)で産卵するので、水入れを撤去して代わりに産卵床を用意してください。 水入れに産卵してしまうと小蛇が溺れてしまうからです。 産卵床には20cm程度 の大きさのタッパーが最適です。 コーンスネークがとぐろを巻いても余裕がある程度の大きさに、十分に湿らせた「ミズゴケ」や「バキュームライト」を床材として設置してあげると完璧ですよ。 なるべく自然繁殖を心がける! コーンスネークは、寒さに強く温和な性格をしているのでペット向きのヘビです。 繁殖のハードルも低いので、「生ませ過ぎ」に注意が必要です。 大人になると体長が120~150cmほどに成長するので、繁殖はケージの大きさを計算して計画的に行ってくださいね。 「ウインタークーリング」とを行えば繁殖期をコントロールすることもできますが、繁殖失敗やコーンスネークの体に負荷をかける恐れもあります。 繁殖は5・6月に訪れますので、基本は自然交配のみさせることをおすすめしますよ。
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