背中の痛み【左側・右側・肩甲骨】は内臓が原因? 背中は、肩のように凝ったり腰のように張ったりと、 痛みが出やすい部位です。 よくあるのが、スポーツをした時に痛むのと、寝過ぎて痛む場合です。 どちらも筋肉の疲労が原因で起こる背中の痛みですが、 背中の痛みの原因はこの他にもあるのでしょうか。 また、背中の痛みは背中のどの部分が痛むかによっても原因が異なると言われています。 「背中の左下辺りが痛い・・」と言うと「胃が悪いのでは?」と言われた経験はありませんか?背中が痛いのにどうして胃が原因だと思うのか、不思議ですよね。 そこで今回は、背中の痛みについて調べてみました。 背中の痛みの原因や、背中の痛む部位によって注意すべき点などをご紹介していますので、是非ご一読頂けたらと思います。 背中の痛みの原因は? 背中の痛みの原因として、最も多いのが「 筋肉疲労」です。 背筋を使ったスポーツ・トレーニングを行った時や、過度の緊張、長時間デスクワークを続けたことにより筋肉が硬直してしまうもので、これらは「 筋筋膜痛症候群」と呼ばれています。 次に考えられるのが、骨の異常です。 背骨がズレたり歪むことで神経を圧迫し、痛みが生じます。 また、骨折やヒビ、打撲でも痛むことがあり、息を吸ったり吐いたりする時に痛みが強く出る、背中が痛い他に下半身のしびれなどが症状としてあります。 さらに、 内臓に疾患があると背中に痛みが出る場合もあります。 左側の背中の痛みの原因は? 背中の左側だけが痛む原因には、以下のことが考えられます。 筋肉疲労• 姿勢の悪さによる筋肉の緊張、コリ• 骨の異常• 狭心症• 心筋梗塞• 胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍• 胃がんや膵炎、膵臓がん 主に体の左側にある臓器に疾患があると、背中の左側だけが痛むことがあるようです。 また、上記の疾患が原因の場合には、背中の痛みだけではなく、吐き気や頭痛、動悸、胸やけや胃のむかつき、下痢や便秘といった症状も合わせて発症します。 右側の背中の痛みの原因は? 背中の右側だけが痛む原因には、以下のことが考えられます。 筋肉疲労• 姿勢の悪さによる筋肉の緊張、コリ• 骨の異常• 肝炎、肝臓がん• 胆石、胆のう炎、胆のうがん、胆管がん 主に体の右側にある臓器に疾患があると、背中の右側だけが痛むことがあるようです。 肝臓は、腹部の上の右側に位置しているため、肝臓に疾患があると背中の右側が痛みます。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気になってもかなり進行しないと症状が出ないとも言われており、背中の右側の痛みというのは肝臓の状態を知るためのバロメーターともなっています。 肝炎や肝臓がんは風邪に似た症状(発熱や嘔吐、食欲不振など)なため、放値してしまったら病院でも誤診されるケースもありますが、加えて背中の右側に痛みがある場合はすぐに診てもらうようにしましょう。 また、胆石や胆のう炎は脂っこい食べ物を食べた後にお腹に痛みや違和感があるようです。 肩甲骨の痛みの原因は? 肩甲骨とは、肩から少し下がったところにある、左右に骨が出っ張った部分です。 ここが痛む場合は筋肉が疲労を起こしているケースが多く、パソコンやデスクワークで長時間同じ姿勢をしていたり、猫背によって引き起こされます。 Sponsored Link また、鎖骨と一番上の肋骨との間(胸郭出口と言います)を通っている神経が、骨の異常や筋肉の硬直などによって圧迫されることで起こる「 胸郭出口症候群」も、肩甲骨から首に掛けて痛みが生じます。 この場合、腕を頭の上まで伸ばしたり首を曲げる動きをすると痛みが増します。 さらに、肩甲骨が痛くなる原因として腎臓の疾患の可能性も考えられます。 腎臓は背中の下側に位置しているので、腰痛と誤認される場合も多いのですが、背中から肩甲骨に向かって痛みが走ることもあるので注意が必要です。 腎臓疾患には、尿路結石や腎炎、腎臓がんがありますが、背中の痛みと共に尿が出にくい、もしくは血尿や頻尿といった症状も起こります。 背中の痛みと内臓の関係は?病気の心配はないの? 背中の痛みの多くは、筋肉の疲労やコリが原因と考えられます。 しかし、疲労やコリが原因の背中の痛みは、マッサージやストレッチ、ツボ押し、お風呂で温めるなどをすると症状が改善するものですが、このような処置をしたにも関わらず痛みが治まらない、もしくは痛みがもっと強くなっていたという場合は注意が必要です。 なぜなら、内臓疾患が原因の背中の痛みにはこれらの方法は効かないからです。 むしろ、刺激をすることによって症状が悪化するケースもあります。 ではなぜ、内臓疾患が背中の痛みに繋がるのでしょうか。 内蔵に疾患があるのに、背中のように全く別の部位が痛むことを「 関連痛」と言います。 関連痛とは、ある部位から送られてきた痛みの信号を脳が誤認をして、別の部位の痛みとして情報を送ってしまうことを言います。 関連痛の有名なものに「アイスクリーム頭痛」があります。 冷たいアイスクリームやかき氷を食べた時、頭が痛くなったことはありませんか? これは、喉の神経が刺激をされて脳に信号を送ったのに、脳はその信号をこめかみの痛みと誤認して痛みの信号を送ってしまうことから発生します。 これと同じことが、内蔵と背中の間でも起こりうるのです。 また、筋肉疲労やコリによる背中の痛みは睡眠時にはあまり感じませんが、内臓疾患による場合は睡眠時であっても痛みが出るのも特徴です。 背中が痛い時の対処法は?痛みが続くときは、病院は何科? 背中が痛い時の対処法としては、 温めるのがよいでしょう。 背中の痛みの原因の多くは、筋肉の疲労やコリです。 これは血行不良で起こっているため、温めることで血の流れがよくなり痛みが軽くなります。 お風呂にゆっくり浸かる、温湿布をするなどがおすすめです。 また、ストレッチを行うのもよいでしょう。 特に肩甲骨の固まりをほぐすように意識をすると背中全体の痛みがとれます。 ただし、重い荷物を持ち上げた時に急に痛みが走った、物にぶつかった、などの痛みの原因の場合は、炎症を起こしているため温めるのはよくありません。 そのような時は、 湿布で患部を冷やしましょう。 筋肉疲労による背中の痛みは一過性の場合が多く(稀に慢性化する方もいらっしゃいます)、殆どが数日で治ってしまいます。 背中の痛みが続く場合は、筋肉疲労以外の原因が考えられるので病院へ行くようにしましょう。 受診する科の目安として、体を動かしたり体勢を変えると痛みが生じ、寝ている時や安静時には痛みを感じない場合は 整形外科を、安静にしていても痛みがある場合は 内科を受診しましょう。 背中の痛みのまとめ 背中が痛むからといって全てが内臓疾患が原因とは限りませんが、背中の痛みが内蔵によって引き起こされる可能性があると知っておくだけでも、対処のスピードが異なるのではないでしょうか。 慢性的に続く痛みや痛みがだんだんひどくなる場合には内臓疾患を疑って早めに病院へ行くのがよいでしょう。
次の肝臓の病気 筋肉痛や筋を痛めるような行動がなかった場合は、他にも症状がないか考えてみて下さい。 黄疸・発熱・吐き気・全身の倦怠感・食欲不振などの症状がある場合、肝臓の病気が疑われます。 肝臓は最も大きな臓器で胃の裏側に位置します。 右側が大きくなった形をしていますので、肝臓の病気がある時は右側の背中が痛くなることが多いです。 肝臓の病気というと、肝炎・肝臓がんがあげられます。 まずは内科で相談しましょう。 また、肝臓の病気になると尿の色が異常に濃くなることもあります。 参考: 胆のう・胆管の病気 胆のうは肝臓に付いていて肝臓で産生された胆汁を蓄えている袋状の臓器です。 背中の右側で少し下の方や腰の上あたりが痛いという場合は胆のうの病気の可能性があります。 胆汁の通り道に胆石ができる胆石症の場合、痛みの他に吐き気や圧迫感などを感じることもあります。 参考: 胆汁は油分の多い食事を消化する際に多く分泌されますので、食べ過ぎや油っぽい食事をした後に症状が出ることが多いです。 症状が悪化すると胆のう内で炎症を起こす胆のう炎を引き起こすこともあります。 治療は胆石を溶解する薬を服用する 胆石溶解療法や、体の外から衝撃波をあてて胆石を砕く 体外衝撃波破砕療法や、内視鏡手術、外科的手術などがあり、状態に応じて行います。 背中の右下のあたりの痛みや吐き気・圧迫感などの症状もある場合は、胆のうがんや胆管がんの可能性もありますので、異変に気づいたら早めに内科で相談してみましょう。 腎臓結石 腎臓は左右1対となっています。 片方の腎臓に結石ができると、痛みは片側だけで感じます。 右側の腎臓で結石ができた場合は右に痛みが出るわけです。 腎臓結石は寝ている時に痛みが出やすいです。 放置すると起き上がれないほどの激痛を感じることもあります。 寝ている時の痛みが気になった場合は早めに検査を受けましょう。 肺の病気 肺は左右1対となっています。 その片側だけが痛むこともあります。 肺の病気で痛みが出る場合、多くは胸痛を感じますが、寝たきりで過ごしている方は背中側に痛みを感じる場合もあります。 肺の病気には、 肺気胸・肺がん・COPD(慢性閉塞性肺疾患)などが挙げられます。 いずれも痛みの他に、咳や痰などの風邪の症状があったり、呼吸がしにくくなったり、息切れなどの症状が現れます。 肺の病気は、風邪の症状と似ていることも多く、気づきにくいかもしれません。 しかし、呼吸に影響をおよぼす症状がある場合は、生命の危機にかかわることもあります。 風邪であれば安静に過ごすと数日で快方に向かいますが、長引く場合は肺の病気の可能性がありますので、医療機関を受診するようにしましょう。 右側の背中の痛みの他に右側の胸の方にも痛みを感じる場合はぜひこちらの記事もご覧ください。 参考: まとめ 右側の背中が痛くなる原因について見てきましたがいかがでしょうか。 背中の痛みの原因は自身ではなかなか判断ができないものです。 気になる痛みがあったら早めに病院へ行くのが最善ですが、大した病気じゃないかもしれないと思うとなかなか足が向きませんね。 まずは、痛みのタイミングや他にも気になる症状がないかを確認してみましょう。 そしてその痛みが5日以上続くかひどくなるという場合には迷わず医療機関を受診して下さい。
次の腎臓の役割は?…と聞かれたら、「血液をろ過して、尿をつくること」と答える人が多いでしょう。 もちろん、それも大切な役割ですが、腎臓にはあまり知られていない重要な働きがたくさんあります(下記参照)。 血液中の老廃物をろ過し、尿として排泄 2. 体内の水分と電解質(ナトリウムなど)の調節 3. 血液の酸性・アルカリ性の調節 4. 血圧を調節するホルモン、赤血球をつくるホルモンの分泌 腎臓は尿だけでなく、血液や水分、ホルモンなどを通して、体内環境を全体にわたって調整する役割をしています。 それだけに、もし腎臓に異常が起こると、からだのさまざまな部分にいろいろな障害が生じます。 腎臓そのものの病気には、腎炎(腎臓の炎症)、腎結石(ができる)、腎臓がんなどがあります。 このうち腎炎は、血液をろ過する腎臓の糸球体に炎症が起こり、ろ過機能が低下する病気です。 とくに中高年に多くみられる慢性腎炎は、気付かないうちに進行しやすい腎臓病の代表的なものです。 また最近は、腎臓病が高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも、非常に密接な関係にあることが注目されています。 そのため日ごろから、腎臓の状態に気を配る必要がありますが、困ったことに腎臓病はかなり悪化しないと、はっきりした自覚症状がみられません。 気が付いたときには、尿毒症を起こしていたり、人工透析を必要とするなど、重症化していることが少なくないのです。 しかし、自覚症状がまったくないわけではありません。 尿の色やからだのむくみ、トイレが近くなったなど、私たちでもチェックできる小さなサインがいくつかあります。 腎臓病の予防のために、それらを見逃さないポイントを知っておきましょう。 腎臓からのサイン 1…尿の色 腎臓からのサインで、最もわかりやすいのが尿の色です。 尿の色は、体調によって変わりますが、通常は黄色っぽい澄んだ色をしています(ビタミン剤を飲んだときや疲労時などに、一時的に濃い黄色になることもあります)。 腎臓などに異常があると、尿の色が変わります。 とくに注意したいのは、タンパク尿と血尿です。 <タンパク尿> 腎臓のろ過機能が低下すると、本来は出てこないはずのタンパク質が尿に漏れ出てくることがあります。 すると尿の色が濁った感じになり、泡立ちが目立つようになります。 ただし、運動をした後や高熱が出たときにも、一時的にタンパク尿が出ることがあります。 <血尿> 腎臓のろ過機能に障害が起こった場合、赤血球が尿に混じって排出されることがあります。 すると褐色のような濃い色味の尿が出ます。 膀胱や尿道に出血がある場合は、鮮やかな赤い色が混じることもあります。 血尿というと、腎臓がんを心配する人もあるでしょう。 血尿は、急性腎炎などさまざまなケースで起こるので、すぐに腎臓がんと判断することはできません。 しかし、腎臓にしこりや痛みなどがある場合は、早めに検査を受けましょう。 腎臓は、背中側の腰より少し上の両側にあります。 タンパク尿や血尿は、ふだんから自分の尿を見ていると、変化に気付きます。 しかし、 もう少し正確に知るには、市販の尿試験紙を利用するといいでしょう。 もし尿試験紙で異常がみつかったら、自己判断せず、必ず病院を受診して原因を突き止めることが大切です。 腎臓からのサイン 2…からだのむくみ 中高年になると、トイレが近くなる人が増えます。 とくに寒い時期には、飲み物をとるとすぐにトイレに行きたくなったり、短時間のうちに何度もトイレに行くケースもみられます。 あなたは、1日に何回くらいトイレに行きますか。 1日の排尿の回数は人によって、また季節によっても異なりますが、3~10回程度なら正常とされています。 10回を超える状態の場合には頻尿を疑って、検査を受けるようにしましょう。 頻尿の原因には、腎臓病のほかに、糖尿病や過活動膀胱などの影響もあります。 慢性腎炎やには、尿の量が増え、トイレの回数も多くなります。 またというのは、膀胱の柔軟性が低下し、少量の尿でも尿意を感じ、我慢できなくなるものです。 飲み物をとるとすぐにトイレに行きたくなったりしますが、尿量が少なく、なかなか出ないこともあります。 最近になって知られるようになった病気ですが、中高年にはかなり多くみられます。 高血圧と腎臓 「高血圧は腎臓の病気」といわれるほど、高血圧と腎臓病は密接な関係があります。 腎臓は、血液中の塩分(ナトリウム)を調節する働きをしています。 私たちが毎日の食事から大量の塩分をとると、それを処理する腎臓には大きな負担がかかり、腎臓の機能低下を招きやすくなります。 さらに加齢などに伴い腎臓の機能が低下すると、塩分や水分の調整がうまくいかなくなり、その結果、血圧が上昇します。 また腎臓は、血圧を調節するホルモンの分泌も担っているため、血圧をコントロールする働きも低下してしまいます。 高血圧になると、腎臓の血管にも負担がかかるため、腎臓の機能がさらに低下し、より血圧を上昇させる要因となります。 こうした 悪循環を起こさないためには、日ごろから血圧の管理をしっかりして、腎臓の機能をできるだけ低下させないようにすることが大切です。 とくに高血圧によって、腎臓の細い血管がダメージを受ける腎硬化症の場合には、タンパク尿や血尿のほかに、頭痛、めまい、吐き気などを伴うこともあります。 悪性の場合には、けいれんや意識障害を起こすこともあるので注意が必要です。 すでに血圧が高めの人は、自分でも毎日血圧測定をし、自己管理をしっかり行いましょう。 塩分の多い食事を控える、肥満を解消するなど、生活全般にわたって見直すことも大切です(高血圧の改善については、をご参照ください)。 糖尿病と腎臓 糖尿病を悪化させると、腎臓のろ過機能が低下しますが、最近とくに増えているのが、糖尿病性腎症です。 血液中に糖分が増えすぎると、それを処理する腎臓には大きな負担がかかり、ろ過機能がうまく働かなくなります(糖尿病性腎症)。 さらにろ過機能が低下すると、腎不全に陥り、人工透析や腎移植が必要となります。 そのため糖尿病性腎症の予防には、血糖値の管理が非常に大切な要因となっています。 糖尿病性腎症になると、アルブミンというタンパク質の一種が尿に出てきます。 これは目で見てもわかりませんが、重要な初期症状のひとつです。 糖尿病で、血糖値のコントロールがうまくいっていない人、あるいは家族に糖尿病の人がいる場合には、糖尿病性腎症を起こしやすいので、検査を受けるようにしましょう。 さらに症状が進行すると、先ほど紹介したタンパク尿が出るようになります。 また、からだのあちらこちらに、むくみがみられるようにもなります。 糖尿病の人はもちろん、血糖値が高めの予備軍であっても、こうしたサインを見逃さず、早めに検査を受けることが大切です(糖尿病の改善については、「」をご参照ください)。 糖尿病(39%)、2. 腎炎(32%)、3. 高血圧(8%)、4. 不明(8%)、5. その他(13%)となっています(2002年度)。 糖尿病は 1998年から原因疾患の第1位となり、糖尿病患者そのものが増加していることから、糖尿病性腎症による人工透析患者の増加も大きな課題となっています。 【関連コラム】.
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