妊娠中はホルモンの影響で生理的に体に水分をため込みやすくなり、とくにおなかが大きくなる妊娠中期以降、足がむくみやすくなるのが特徴です。 妊娠中のむくみは生理的に起こることが多いのですが、妊娠高血圧症候群などのトラブルが原因の場合も。 むくみの原因や改善&予防法について、東峯婦人クリニックの松峯寿美先生に聞きました。 妊娠中に体がむくみやすくなるのは、どうして? 私たちの体は、血液の循環が悪くなると、水分が血管や細胞の外に出てきやすくなります。 その余剰な水分がうまく排出されず、体内の組織にたまってしまうのが「むくみ」。 妊娠すると、ホルモン分泌や体の循環機能、体形が大きく変化します。 こうした生理的な変化がむくみの原因となり、とくにおなかが大きくなる妊娠中期以降、下半身がむくみやすくなります。 まずは妊娠中から産後にかけて、むくみやすくなる原因について知っておきましょう。 妊娠を維持するためのホルモンバランスの変化がむくみを呼ぶ 妊娠中にむくみやすくなるのは、ホルモンバランスが変わるのが原因のひとつ。 妊娠を維持するために多量に分泌される女性ホルモンのプロゲステロンには、皮下組織に水分をためる働きがあるのです。 そのため、足や手の指がむくみやすい状態に。 妊娠中期以降、ぐんぐん大きくなる子宮が大静脈を圧迫します 妊娠後期になると、大きくなった子宮が太もものつけ根にある太い血管を圧迫するため、下半身から心臓に戻る血液の流れが滞って、むくみやすい状態に。 とくに、足がむくみやすくなります。 ふくらはぎのポンプ作用が低下するのも一因 妊娠しているかどうかを問わず、重力の影響もあって、下半身はもともとむくみやすいもの。 血液は重力によって上から下に流れるため、重力に逆らって心臓へと戻る下半身の静脈血が滞りやすくなるのです。 下半身の静脈の血流は、筋肉の収縮の働きで心臓へと戻っていきますが、妊娠中は非妊娠時よりも活動量が減る傾向にあります。 そのため、ふくらはぎの筋肉収縮が低下して、むくみやすい傾向にあるのです。 静脈瘤(じょうみゃくりゅう)ができている人はむくみやすくなる ふくらはぎのポンプ作用が低下して、足がむくみやすい人の場合、静脈瘤を併発しているケースが少なくありません。 これは、むくみが静脈瘤を招くという意味ではなく、静脈瘤が出やすい人はむくみやすいということ。 つまり、「静脈の弁が弱い人はむくみやすい」といえるでしょう。 静脈の弁が弱い人は足のむくみとともに、足のつりも起こしやすい傾向にあります。 体の部位別 むくみの注意ポイントを知っておきましょう むくみは血行が悪くなるのが原因。 手の指、足の指などの末端は血液が心臓に戻りにくくなるため、疲労するとむくみやすくなります。 とくに夕方以降は、重力の関係で下半身にむくみが出やすくなりますが、一晩寝て治まるようであれば、それは生理的なむくみなので心配ないでしょう。 また、朝、起きぬけなどに、手のむくみやこわばりを感じやすい人もいますが、起床後に体を動かすことで治まるようなら心配いりません。 一方、顔のむくみは病的なむくみと考えられます。 もともと腎臓や心臓に病気がある人は要注意。 どんな症状が出やすいのか、部位別にチェックしていきましょう。 顔のむくみは病的なむくみと考えられます。 もともと心臓や腎臓に持病がある人は要注意。 専門医に妊娠経過を見守ってもらう必要があります。 とくに夕方以降、足のむくみやだるさを感じやすくなり、ふくらはぎ、足の甲、足首、足の指などがむくみやすくなります。 また、静脈瘤ができている人はむくみやすい傾向に。 立ちっぱなし、座りっぱなしなど、ずっと同じ姿勢で過ごすのも、むくみを悪化させる原因になります。 とくに、朝起きたときにむくんで手が握れなかったり、こわばりを感じる人も。 妊娠30週以降には指輪をはずしておくほうがいいでしょう。 これはむくみではなく、静脈瘤ができていることが原因。 腟(ちつ)の壁、小陰唇など、静脈がたくさんある場所は静脈瘤になりやすいのです。 妊娠時期別むくみ度チェック あなたもむくみ予備軍!? 日常生活を送るうちにだんだん治ってくるなら、それは生理的なむくみですが、「ずっとむくんだまま」というときは、むくみの度合いが強すぎると考えられます。 下着や服、靴のサイズを見直したり、たまに鏡の前で姿勢をチェックすることが、むくみ予防につながりますよ。 下着や靴下のサイズは問題ない? まだおなかが目立たず、体重の変化はないかもしれませんが、ホルモンの影響で体がふっくらとしてきます。 きつい下着をつけたり、きつい靴を履くと血行不良の原因に。 体形に合うマタニティ下着や、楽な服装、履き心地のよい靴を心がけましょう。 おなかを突き出して歩いていない? おなかが大きくなるにつれ、重心が変わって、腰をそらせる姿勢をとりがちです。 これは、無意識のうちにおなかを支える姿勢をとってしまうため。 でも、骨盤がゆがんで腰痛の引き金になったり、周囲の筋肉に負担がかかって、下半身のむくみを招いてしまいがちです。 たまに鏡の前で姿勢をチェックしてみましょう。 全身のむくみを防ぐ3つのコツを知っておきましょう! 「朝は何ともなかったのに、夕方以降、足がパンパンにむくむ」という場合も、一晩寝て治まるようなら、それは生理的なむくみです。 シムスの体位で休んだり、セルフマッサージをするといいでしょう。 また、毎日の食生活で塩分をとりすぎないようにコントロールすることが大事。 むくみを予防する3つのコツを試してみてください。 」と単純に考えてしまいがちですが、それは間違い。 水分の摂取量が減っても、血管から水分が漏れ出るしくみは変わらず、むしろ血液循環が悪くなってしまいます。 口の渇きは水分不足のサインなので、我慢しないこと。 糖分の高い清涼飲料水は避けて、カフェインレスのお茶や常温の水などで意識的に水分を補給しましょう。 妊娠中の1日あたりの塩分摂取量は7g未満。 まずはしょう油の使い方を工夫してみてください。 しょうゆをポン酢しょう油に変えたり、レモンをしぼったり、しょうがや大葉などの香味野菜を上手に使って、塩分控えめを心がけて。 味つけする際は味が濃くならないように、具材がやわらかく煮えてから、仕上げにしょう油を加えるのがポイント。 加工食品は意外に塩分含有量が多いので注意が必要です。 そして、水分代謝をスムーズにする豆類、りんご、バナナ、海藻などを意識的にとって、バランスのよい食事を心がけましょう。 首や手足、足首などの軽いストレッチを 足の指や手の指など、体の末端の血流をよくして心臓へと循環させるには、適度な運動で筋肉を動かすことがポイント。 おすすめは、首や手首をまわしたり、壁やテーブルなどにつかまって体を支えながら、つま先立ちをするなどの簡単ストレッチ。 妊娠経過が順調で医師から許可が出ているなら、ウォーキングや、マタニティヨガ、スイミングなども効果的な方法です。 入浴やマッサージで血行を促進しましょう 寝る前にゆっくり入浴したり、マッサージすると、リラックス効果とともに血流がよくなります。 妊娠後期になって、肩までじっくりと湯船につかるのが苦しいときには、ぬるめのお湯におへそのあたりまでつかる半身浴がおすすめ。 腰まわりを温めることで、便秘の改善にも役立ちます。 おなかが大きくなると自分で足のマッサージをするのは難しいので、パパにお願いしてもいいですね。 心地よい力加減で、ふくらはぎや足の甲などをマッサージしてもらいましょう。 症状が出ていない人も、日ごろからセルフケアすることが予防につながります。 むくみ防止に弾性ストッキングを着用 むくみ防止ストッキングは弾性ストッキングとも呼ばれ、足のむくみや静脈瘤を予防&緩和できる医療用ストッキングです。 特別な編み方で作られているため、ふくらはぎの筋肉に適度な圧力がかかり、ストッキングを着用することで、心臓への血流の戻りをよくしてくれる効果があります。 さまざまなメーカーから発売されていますが、圧が低すぎると効果がないため、圧迫力が19hPa(ヘクトパスカル)の低圧タイプから27hPaの中圧タイプを選ぶといいでしょう。 初めて履くときにはコツがいるので、まずはひざ下までのハイソックスタイプを試すのがおすすめ。 抱き枕などを利用して、足を心臓と同じ高さにして横になる 足の静脈血が心臓へと戻るのを促すには、足を心臓と同じ高さにするか、またはそれよりも高い状態にするのがコツ。 疲れがたまると血液循環が悪くなるので、時間を見つけて横になるなど、小まめな休憩を心がけましょう。 ひざの下や、ふくらはぎから足首の下にクッションを置き、足首が15㎝程度持ち上がるような態勢がおすすめです。 あお向けになるのがつらい時期になったら、体の左側を下にした「シムスの体位」で横になるといいでしょう。 足を温めながら、足 の指を丸めてグーにしたり、指の間隔を開いてパーにしたり、親指を上下させてチョキにするなどの足指ストレッチをすると、血行促進に効果的です。 その後、ひざの裏、ふくらはぎを下から上にさすり上げます。 あぐらで行えば、おなかへの負担がありません。 温めたタオルをあてるのも効果的です。 また、安定期以降、三陰交(内くるぶしの中心から指4本分上)をやさしくさすると、下半身の血流をよくして、足の冷えを予防してくれます。 手でグーを作って、強すぎない程度に行うのがポイント。 また、肌から10㎝ほど離れたところからドライヤーの熱をあてて、三陰交を温めてもいいでしょう。 マタニティ向けの治療院などで、専門家に施術してもらいましょう。 上記のケアをしているときも、おなかが張ったらすぐに中止してください。 その際、体液の流れを調節するグレープフルーツの精油を1滴落とすと効果的。 頭からバスタオルをかぶって手浴すると、アロマの蒸気を吸い込む芳香浴もできて、リフレッシュ効果が。 そして次に、手の先からをわきのしたまで一気にさすります。 手の先の血流をよくして心臓に戻すことで、手の指のむくみが軽減されます。 産後直後の一時的なむくみは、あわてなくても大丈夫です お産のときに出血が多かった場合、一時的な貧血状態に陥って、産後にむくむことがあります。 これは体が低たんぱく状態になることによって組織間液の水分量が増えたり、循環血液量が減るために、毛細血管から組織間液へと水分が流出しやすくなるのが原因です。 お産入院中に治ることがほとんどなので、心配しないでくださいね。 また、産後は、授乳をはじめとした赤ちゃんのお世話で、ママは猫背の姿勢になりがちです。 実は、この姿勢の悪さが血流を悪くして、むくみを招くことがあるのです。 授乳クッションを使うなどして、姿勢に注意しましょう。 産後のむくみは自然に改善されていくことがほとんどです。 ・疲れをためない ・同じ姿勢を続けない ・下半身を冷やさない ・きつい下着を避ける ・バランスよく食べて、塩分をとりすぎない ・便秘を予防して代謝のよい体に 妊娠中から産後にかけてのむくみは、生理的なものがほとんど。 ただし、むくみが続くときは、病気が隠れている可能性も。 心臓、腎臓の病気が隠れているケースもあるため、医師に相談を。
次の足のむくみの原因は? 足のむくみの原因は大きく分けて 「血液量の増加、ホルモンバランスの変化、赤ちゃんの成長」の3点にあります。 妊娠中はお腹の胎児に血液を送るために、血液量が多くなります。 また、妊娠中の血液の水分量は3割も増加するのです。 増加した血液の水分が皮下脂肪にとどまる ことによって「むくむ」ようになるのです。 また、 ホルモン(エストロゲン)は皮下組織に水分をため込む作用があります。 この作用によってもむくみやすくなるのです。 さらに、 赤ちゃんの成長によって骨盤内が圧迫され血液が心臓に戻りにくくなることもむくみの要因です。 この他にもさまざまな要因がありますが、主にこの3点により妊婦さんはむくみやすくなっているのです。 スポンサーリンク 「足のむくみ」の対処法 同じ姿勢を続けない 最近は昔と比べて、出産ぎりぎりまで働く妊婦さんが多いといわれています。 デスクワークが多い仕事だと、どうしても同じ姿勢になりがちになります。 すると、水分が一か所(足)にたまってしまい、足がむくみやすくなってしまうのです。 デスクワーク仕事で妊娠前から足がむくみやすいという方は特に注意が必要ですね。 対処法としては、 休憩時間に簡単なストレッチを行うように心がけましょう。 あまり大きな声では言えませんが、むくみを感じたらお手洗いに行くなどして体を動かすのも一つの手ですね。 笑 グッズとしては、5本指ソックスが足の血行を良くしてくれるのでおすすめです^^ ピタッとした服を辞める お腹が大きくなるまでは、妊娠前から着ていた服をそのまま着続ける方が多いと思います。 しかし、ピタッとした服は気づかないうちに体を締め付けて血行を悪くしてしまいます。 妊娠が発覚したら、早めにマタニティウェア(マタニティパンツ・ブラ)を身に付けましょう。 血行をよくする むくみを解消するための代表的な対処法といえば 「血行をよくする」ですね。 具体的にはウォーキングなどの無理のない運動、お風呂に入ることなどがあげられます。 時間に余裕があるなら足湯もおすすめです^^ 塩分を控えてカリウムを含んだ食べ物をとる まずは、むくみの大敵 「塩分」を控えましょう。 塩分の目安量はこちら。 しかし、塩分を調整するのは相当難しいと思います。 そんな妊婦さんは、塩分を排出してくれるカリウムが多く含まれた食べ物を食べるようにしてみましょう。 いかがでしたでしょうか? 「足のむくみ」は放っておくと、しびれまで発展します。 また、「足のむくみ」は妊娠初期症状だけではなく、妊娠後期まで続きます。 一般的な妊婦さんは妊娠後期のほうがむくみがひどくなるので、 妊娠初期で「むくみにくい」生活習慣を身に付けましょう^^ スポンサーリンク.
次の妊婦に禁じられていることとは? 妊娠中は、通常の身体ではないため、妊婦にはさまざまな禁止事項が課せられます。 無理な運動はしない、お酒は飲まない、薬も飲んではいけない、など、とにかく制限が多いのです。 その中で、できれば避けたほうが良いとされているものに、足つぼなどのマッサージがあります。 特に足つぼは妊婦の身体に良くない影響を与える可能性があると言われているため、避ける妊婦の方が多いのです。 避けるべき理由や意見 足つぼを妊婦が避けるべきなのは、足の裏にたくさんのつぼが集まっているからです。 基本的に足の裏はどの部分を刺激しても良いとされていますが、意としない作用をもたらす可能性があるため、避けたほうが良いと言われています。 例えば、妊娠初期に生理を促すつぼを刺激すると、流産する可能性がある、デトックス効果のあるつぼを押すと、赤ちゃんまで一緒に流れてしまうなど、いろんな意見があるのです。 意見1 女性ホルモン分泌量が増加? 足ツボマッサージの効果は、冷えやむくみ・頭痛・肩こりなど全身に及びます。 女性の場合はこれらの症状が自律神経の乱れから来る事が多いのですが、この自律神経は脳の視床下部でコントロールされています。 それだけでなく、視床下部にはホルモンを分泌する脳下垂体をコントロールする働きを持っているので、結果として自律神経と女性ホルモンがとても緊密に関わっているのが分かります。 妊娠中は女性ホルモン分泌量が増加するため自律神経も過敏になりやすく、そこに足ツボマッサージを行えば、効果が出すぎてしまう可能性が出てきます。 足裏全体が自律神経の反射区のようになっているので、そこから妊娠中は足ツボマッサージを受けてはいけないという話が生まれたのでしょう。 全て可能性の話です。 意見2 広い反射区でお腹のつぼ刺激 手足にはツボが集中していますが、それだけではなくある程度の面積がある反射区を持っています。 ツボだけを押すのではなく、反射区を満遍なくマッサージする事でツボ押しと同様の効果を持つとして、リフレクソロジーでは反射区を重要視して足裏全体のマッサージを行います。 そのような反射区やツボといった専門的な事はその道のプロしか分かりませんので、妊婦さんやパートナーが大よその知識で足ツボマッサージをしてしまうと、面積が広い分知らないうちに子宮やお腹に関係する反射区を一生懸命マッサージしていた、なんて事にもなりかねません。 その点からも妊婦の足ツボマッサージは避けるように言われているのです。 意見3 足裏は臓器とリンクしている 足裏の親指先から踵は、人体の頭から骨盤にリンクしていると言われています。 両足裏をそろえると、両親指が頭で他の指とその付け根は鼻と目、両土踏まずの中央が胃、と言った風に上手くリンクされていて、最後の踵の部分は子宮や生殖器に当たります。 不妊治療を行っている方は、踵のマッサージで子宮の調子を整えるのはすでに当たり前となっていますが、妊娠している最中に子宮に働きかけるマッサージをすると反対にマイナス効果になる可能性も否定できません。 また妊娠中は血液量が増加しているので、足ツボマッサージによる血行促進の効果も過剰となって、胎児にとっては逆効果になる事もあります。 意見4 たまたま初期流産 では、妊婦は流産するから足つぼをしない方が良いという意見が広まったのはなぜなのでしょうか。 それは、偶然が関係していると言えます。 妊娠初期は、身体が不安定な状態ですし、いつ何が起こっても不思議ではありません。 実際に初期流産を経験する妊婦は多く、安定期に入る前に流産することが多いのです。 初期流産は、母体に原因があるのではなく染色体異常が原因です。 つまり、卵子と精子のどちらかに不具合があったから、成長が止まり、流産となってしまいます。 しかし、たまたま初期流産と診断される数日前に足つぼに通っていた人達がいたから、足つぼが悪かったのではないかと、考えてしまったのではないでしょうか。 誰でも初期流産はショックなものです。 何かのせいにしたくなるというのも当然だと言えるでしょう。 つぼの影響の信ぴょう性 足の裏には、確かにたくさんのつぼが集まっています。 しかし、本当に流産してしまう危険性があるつぼなど存在するのでしょうか。 確かに、子宮に刺激を与えるつぼや、生理周期を整えるためのつぼ、デトックス効果のあるつぼはたくさんあります。 しかしそれを押せば全員が流産してしまうとは言えないでしょう。 もし、本当に流産してしまうことが確実なら、辛い思いをしてまで産婦人科で人工中絶しないはずです。 このことからも、100%足つぼをすれば流産するとは言い切れないでしょう。 歩くことは刺激になる 足つぼをすれば100%流産するというわけではない、という考えにはもうひとつ理由があります。 それは歩くという行為そのものが、足裏のつぼを刺激しているからです。 よく、便秘を解消したいなら歩きなさいと言われますが、それは歩くことで足裏のつぼを刺激しているなどの理由が関係しています。 特に裸足であるくことで腸のつぼが刺激されやすくなるため、便秘解消術としても知られています。 歩いていれば必ず足裏は刺激されるのですから、足つぼを受けたからといって何か妊婦に重大な変化が起きるというのは考えにくいと言えるのです。 足ツボを押すメリットもある 妊娠している時に足ツボを押すのは様々な条件が付いてしまい、どちらかと言うとデメリットに捉えられがちですが、時期によってはメリットもあります。 その時期とは陣痛や出産する時で、予定日を過ぎても陣痛が来ず過産期になりそうな場合に陣痛を早めたり、微弱陣痛で出産が長引きそうな時に、足ツボをマッサージしたり米粒を貼って圧迫し続けて子宮収縮作用を促進させます。 ただ、陣痛誘発剤を使用する病院がほとんどで、足ツボで陣痛を強めるのは助産院や漢方を処方するような産婦人科に限るようです。 陣痛の際にトラブルがあったとしても陣痛誘発剤を使いたくないと考えている方は、予定日が近くなったら専門家の足ツボのマッサージを行ってみてはいかがでしょうか。 マタニティ専用の足つぼコースがある所で 妊婦は足ツボマッサージはダメと言われても、あの即効性は捨てがたいものがあります。 ただし妊婦全員がダメと言うわけではなく、時期や体調をきちんと選べば足ツボマッサージも問題ないので、自分の体調を見ながら行いましょう。 ただ、自分や家族にお願いしてマッサージを行う場合に、してはいけない場所にマッサージしてしまう事もあるので、気になる方はリフレクソロジーや鍼灸医でプロのマッサージをしてもらうのも良いでしょう。 特に、マタニティ専用足ツボコースがある所ならベストです。 もし無い場合は、マッサージを受ける前に妊娠中である事を伝えて店の指示を仰ぎましょう。 心配なら安定期から 足つぼは好きだし、いつでも受けてみたい、でももしかしたら・・と考えると不安になるという方は、安定期に入ってから試すと良いでしょう。 不安なまま足つぼを受けても、気持ちが安定しませんしかえってストレスになることも考えられます。 安定期なら胎盤も完成し、母体の状態も落ち着いていますので、心配なく受けることができるでしょう。 ただし、安定期だから大丈夫だと、妊娠の事実を足つぼのお店側に伝えず受けて良いというわけではありません。 足つぼマッサージ店によっては、妊婦の施術を受け付けていないところもあります。 慎重な考え方を持っているお店もありますので、足つぼを受ける前に申請しておくようにしましょう。 足裏以外のつぼ リラックスするために足つぼを受けたいけれど、刺激が不安という方は、足の裏を避けてみてはいかがでしょうか。 足つぼマッサージは、ふくらはぎや太ももものつぼも刺激してくれます。 ふくらはぎの内側を刺激する三陰交 さんいんこう は、むくみ改善に役立ちますし、お腹が大きくなって生じた腰痛にも効果的だと言われています。 ひざ下の外側に位置する足三里 あしさんり は、足のだるさやむくみ改善に効果的です。 妊婦のつわりにも効果を発揮すると言われていますので、つわりが辛い時に押してみると良いでしょう。 お腹が大きい状態だと、前かがみでつぼを刺激するのは体勢的に難しい場合があります。 家族のサポートを受けながら刺激すると良いでしょう。 押す以外の刺激 お灸 足つぼを刺激したいけれど、できるだけ優しい方が良い、という方は押す以外の刺激にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。 お灸なら、強い刺激を与えなくても、つぼに効いてくれるので安心です。 最近は妊婦でも利用できるお灸が出ていますので、調べてみると良いでしょう。 お灸の香りにはリラックス効果もあると言われていますので、気になる症状の緩和に役立ってくれるはずです。 足裏全体を刺激するマッサージ器の使用は? 足ツボを刺激するグッズは多種市販されていて、妊娠前から愛用していた方も多いでしょう。 グッズを使えば手軽でテレビを見たり雑誌を読みながらマッサージできるので大変便利なのですが、残念ながら妊娠中はしまっておいた方が良いでしょう。 足の指や付け根くらいならマッサージしてもお腹が張ったりする事は少ないですが、その部分だけをマッサージしてくれるグッズはありません。 大抵のグッズは血行促進や内蔵機能強化のために足裏全体をしっかり刺激してくれるタイプなので、お腹の張りや腸のぜん動運動によるお腹の痛みに直結しやすいのです。 お腹の張りが頻繁になれば赤ちゃんも苦しい思いをするので、充分注意しましょう。 心配な場合は医師に相談 どうしても足つぼをしてみたい、お灸をやりたい、でも心配という方は、一度担当の医師に相談してみてはいかがでしょうか。 専門家の判断でOKと言われれば、安心して受けることができます。 大切なのは、不安な気持ちを抱えたまま実行しないということです。 妊娠中はさまざまなストレスがかかってきますから、このような些細なストレスも蓄積されて大きな影響を及ぼす可能性があります。 少しでも不安を取り除き、ストレスを最小限にするためにも、医師に相談してみる習慣を身につけましょう。 なぜ足つぼマッサージがしたくなる? 妊娠中の妊婦が、足つぼをやりたくなるのは、身体にさまざまな症状が現れるからです。 どうしようもないからこそ、何かで対処したくなります。 では、実際に妊婦の方が悩む症状には、どのようなものがあるのでしょうか。 まず、妊娠初期に現れるつわりは、ひどい人の場合全く食べられなくなってしまいます。 軽度の人でも常に胸焼けしているように感じたり、めまいなどの貧血っぽくなったりします。 また、頭痛がしたり、腰痛が悪化したり、イライラしたりすることもあるようです。 さらに、運動不足や生活リズムの乱れから全身にむくみが出る妊婦が多く、少しでも改善したいと切実な思いを抱えています。 そして、長期間便秘に悩み、医師から処方された妊婦でも飲める便秘薬を試しても全くダメという方もいらっしゃいます。 このように、妊婦はたくさんの身体の悩みを抱えているからこそ、足つぼをしたくなるのです。 むくみ・便秘改善には他の方法で 妊娠中に足ツボマッサージを行うのは、むくみや便秘改善目的が多いのでは無いでしょうか。 マッサージは1回だけでは効果が出ず毎日の習慣にしなければならないため、回数が多くなるほどお腹の赤ちゃんや子宮が影響を受けやすくなります。 むくみや便秘改善が目的ならば、赤ちゃんに影響を与えかねない足ツボマッサージよりは違う方法を試してみましょう。 むくみなら足湯や利尿作用を持つカリウムを含んだ食材を意識して摂取する、それから便秘には果物などの水溶性植物繊維を多く摂取したり毎日軽い運動を行うなど、マッサージに頼らない方法はいくつもあります。 マッサージを行う前に、まず他の方法を試してみてはいかがですか。 まとめ 妊婦と足つぼについてご紹介しました。 妊娠中に妊婦が足つぼを受けると流産することがあるというのは、100%の事実ではありません。 しかし、そう言われている以上、不安になることはあると思います。 大切なのは不安な気持ちを抱えないこと、そして少しでも身体の不調を取り除くということです。 医師に相談したり、安全なつぼを調べたりして不安が払拭されたら、足つぼにチャレンジしてみるのも良いでしょう。 少しでも身体と心が軽くなることを考えてください。
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