イケメン 戦国 光秀 情熱。 <イケメン戦国 本編プレミア選ぶと課金>いくらかかるか?クリアまで何日かかるか?ネタバレ無し

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イケメン 戦国 光秀 情熱

「何か気がかりなことでも……?」 光秀「……まあ、あるといえば、ある」 すっと近づいてきた手のひらが、私の頬を包み込む。 感情を隠すことに長けた瞳が今は、憂いを帯びている。 光秀「美香。 俺とひとつ、約束をしろ」 約束……? 光秀「お前は金輪際、戦場に立ち入るな」 「え……?」 光秀「できることなら、義元殿の説得にもお前を連れて来たくはなかった。 義元殿が将軍の元を去るきっかけを与えたお前に、今川家の家臣たちが襲いかからないとも限らない」 「危険は承知の上です。 義元さんが心配ですし、それに私、光秀の役に立ちたくて……!」 光秀「お前の心はわかっている。 この取り引きにお前の力が必要だと言うことも。 何かあれば俺が必ず守る。 だが……前線になりうる場所に連れていくのは、今日限りだ」 愛おしげに、手のひらが私の頬を撫でる。 光秀「義昭様との決着の時が来たら、お前には安全な場所で待機してもらう」 「……そばを離れるなって、言ってくれたじゃないですか」 光秀「戦となれば話は別だ。 前日の本能寺での一戦……内心、気が気じゃなかった」 普段は余裕に満ち溢れている瞳が、わずかに揺らぐ。 光秀「今のとなっては……安土へ来たばかりのお前を迷わず戦場に連れ出せたことが、不思議に思える」 「あの時、光秀さんは……何も知らない私に、この時代の現実を、教えてくれたんでしたね」 光秀「……そうだったな」 ふと押し黙り、見つめ合って気づく。 焼け野原で立ちすくんだあの日から、私たちはずいぶん遠くまで来てしまった。 引き返せないほど、愛し合ってしまった。 もう、何もかもが違う。 私だって、叶うことなら光秀さんに、二度と戦には行かず穏やかに暮らしてほしい。 でも……時代のうねりが、光秀さんを離さない 時には固く繋いだ手を解かなくては、守れない絆がある。 愛には痛みを伴うことを、私は生まれて初めて知った。 光秀「約束しろ、美香。 戦になったら安全な場所で大人しく俺を待つと」 「もし、断ったら……?」 光秀「そうだな……。 お前が『うん』と言うまで、くすぐり倒していじめるとするか」 光秀さは微笑んで、いつものように軽口を叩くけれど——— 手が、少しだけ震えてる…… 怖いものなしだったこの人に、弱点が生まれてしまった。 それが私自身であることが、たまらなく嬉しく、それでいて苦しい。 本当はそばで戦いを見届けたい。 でも……そうすれば、行動の足かせになるだけじゃなく、光秀さんの心にまで、枷をはめることになる 隣になくても、光秀さんの命をつなぎとめることのできる自分であれたなら——— こめかみが痛むほどの、強烈な願いが湧き上がる。 そのためには……私のすべてで伝えるしかない。 光秀さんを、愛しているって 頬を包む手に触れ、そっと口元に導く。 思いを込めて、その指に口づけた。 光秀「…………」 「わかりました、約束します。 ただその代わり……私の心を、戦場に連れていって。 何よりあなたをかけがえなく想う私の気持ちを、決して離さないで」 光秀「美香……」 「そして、光秀さんも約束してください。 戦いに赴くのなら、絶対に生きて、私の元に帰ってくるって」 「……いつからお前は、そんなにも強くなった?」 「あなたに恋をしてからです」 微笑むと、光秀さんの口元もほころんだ。 光秀「約束は破る方が得意だが……今回ばかりは、果たすとしよう」 額に、触れるだけのキスを落とされる。 この唇の柔らかさを、いつまでも覚えていようと思った。 幸村「おい、美香、光秀!」 え……? 遠くから呼びかけられ、光秀さんと共に振り返る。 佐助「その辺を探索していたところ、予想外の事態になりました」 九兵衛「義元様を説得するに当たり、吉と出るか凶と出るか、なんとも言えないところですね」 三人が顔を見合わせて背後に目を遣る。 そこに広がる光景に、私は目を見開いた。 この人たちは……! 光秀「凶だろうと吉に変えてみせるまで。 義元殿の元へ急ぐぞ」 ………… いた……! 森の奥深くを流れる小川のほとりで、義元さんはひとりきりでうずくまっていた。 「義元さん!」 義元「美香……っ?」 幸村「もう逃がさねーからな、バカ元!」 佐助「観念してもらいます、義元さん」 義元「幸村、佐助。 光秀殿まで……」 光秀「諸事情あって、あなたに会いに来た」 元気そうでよかった! それにしても…… 「あの、しゃがみこんで一体何を……?」 義元「このきのこ、美しいと思わない?」 異様な形をした妙に鮮やかな紅色のきのこを指さし、義元さんはにっこりと微笑む。 幸村「お前……っ、のんきにきのこ狩りしてたのかよ!」 義元「これを美術品として収集しようと思って。 どんな時でも美しいものは見過ごせないからね。 人の手が造りだす美も素晴らしいけど、自然の生みだす美も格別だ」 相変わらずマイペース……。 いつも通りでちょっとほっとした 義元さんがしゃがんだまま顔を上げ、優美に微笑む。 義元「幸村、佐助。 追ってきてくれたことは嬉しいけど……俺は今後、自分ひとりの力で生活していくよ」 佐助「それは、あまり賛成できません」 佐助くんは素早く義元さんの背後に回ると、羽交い締めにした。 義元「……」 「佐助くん……!?」 佐助「ひとまずこの場を離れてもらいます、義元さん」 義元「佐助、俺は美術品収集の途中で……」 きのこに伸ばされた義元さんの腕を、佐助くんがパシッと叩く。 佐助「義元さんが収集しようとしてるきのこは、美術品じゃなくて、猛毒です」 義元「え……?」 佐助「これは。 触れるだけで皮膚がただれる、猛毒を持つきのこです」 そうなの!? 不気味な見た目だとは思ったけど…… 義元「へえ……物知りだね、佐助は。 美しい上に猛毒を持っているなんて、ますますそそられるな」 義元さんの美しいものへの執着は、並みじゃないな 幸村「バカ言ってんな義元! 毒で死んだら、美しいもへったくれもねーだろうが」 佐助「義元さんを野山にひとりにしておけないことは、誰の目にも明らかだな」 浮世離れしてるなと思ってたけど、放っておけないひとだな、義元さんって…… 「義元さん、どうか幸村と佐助くんと一緒に、越後へ戻ってください。 色んな意味で心配なので」 義元「……なるほど。 俺を説得するためにこはるをわざわざ連れてきたわけか」 するりと佐助くんの腕から抜け出し、義元さんは優美に着物の乱れを直す。 義元「気持ちはとても嬉しいよ。 でも、俺は……今川家の当主であることをやめたんだ」 当主を、やめた…… 義元「『今川家の人間として有終の美を飾りたい』という彼らの願いを、俺は叶えてはやれない。 だからせめて、滅びた名家の呪縛から彼らを解放することにした。 家臣たちには財を分け与えて暇を出した。 今頃、新たに仕える将を探してるはずだよ」 佐助「義元さんは、この先どうするつもりなんですか」 義元「俺は……これからどう生きるべきか、しばらくひとりで考えてみるよ」 光秀「あなたがひとりになることはありえない、義元殿」 義元「え……?」 光秀「お届けものだ。 九兵衛、彼らをここへ」 九兵衛「はっ」 義元「……! お前たち……」 九兵衛さんが引き連れてきたのは…… 幸村たちが森の中で見つけた、今川家家臣の一団だった。 義元「……どうして戻ってきたの」 今川家の家臣「……今になり、ようやくわかりました。 あなたが我々のことを思いやってくださっていたと。 本能寺の戦のさなか、我らが名誉の代償に捨てようとした命を、あなたは拾ってくださった。 ーーーーーーーー 義元「光秀殿。 俺を、ここで殺してほしい」 光秀「殺せ、だと……? なぜ」 義元「そうすれば、諦めの悪い家臣たちも、さすがに受け入れられるだろうから。 今川家が滅んだ事実をね。 その代わり、彼らの命は見逃してくれ。 ……後生だ」 ーーーーーーーー 今川家の家臣「敵に情けをかけられて逃げるおつもりか!? 今度という今度は見損ないましたぞ! 死んでも今川家の誇りを守らねば!」 義元「命を粗末にする人間に、誇りを語る資格はない!」 今川家の家臣「…………っ」 義元「今のは、俺自身への戒めだよ」 ーーーーーーーー 今川家の家臣「我々の仕えるお方は……あなたしかおりません。 しかし、我々のしてきたことを思い返すと、お見せする顔もなく……」 幸村「こいつら、戻るに戻れなくて、お前に隠れて森ん中をうろうろしてたんだよ」 義元「…………」 光秀「俺らを率い、共に義昭様と戦ってはもらえないか?」 義元「義昭様と……?」 光秀さんは、義昭様の陰謀のすべてを義元さんに語った。 その魔手が、織田軍を越え、越後にまで及んでいたことも。 義元「…………」 光秀「義昭様の企ては信長様を倒すことのとどまらない。 日ノ本全土を手に入れようとなさっている。 天下静謐———自身が唯一至高の権力者となり、その他の者をすべて等しく卑しい民として統治する。 その望みを成すためにあの方が選んだ手段が、力のある将の、暗殺だ。 企みを止めない限り、あの方の手は上杉武田にも及ぶだろう」 義元「…………」 長い沈黙のあと、決然とした声が森に響いた。 義元「わかった、将軍を倒す力になろう」 「本当ですか……!」 義元「当分は、当主を続ける必要がありそうだしね」 よかった……! 義元「でも、俺は俺の都合で、勝手に謙信と信玄の元を離れた身。 これ以上、彼らに甘えるわけにはいかないよ」 幸村・佐助「…………っ」 「待ってくれてる人がいるなら……その人達と生きることを選ぶのは、甘えじゃないと思います」 義元「え……?」 「大事な相手がいる場所が、新しい故郷になる……そういうことも、あるんじゃないでしょうか」 一語ずつ、考え考えそう口にすると、義元さんの瞳の奥が揺れた。 義元「……不思議だね。 君の言葉には、やけに心が揺さぶられる」 もし、そう感じてもらえてるんだとしたら…… 「それはきっと、私があなたと同じで、生まれ育った故郷をなくした人間だからかもしれません」 幸村・佐助「…………」 光秀「…………」 私は偶然、この時代にタイムスリップしてきて、現代に帰らないと決めた。 戦で故郷を失った義元さんとは、状況が全然違うけど……ひとつ共通点がある。 故郷から遠く離れた場所で、かけがえのない出会いをしたことだ 「二度と故郷には帰れない。 その分余計に……新たに出会った大事な人のかけがえなさが、よくわかるんです」 佐助「美香さん、君は……」 「……こんな形で伝えることになってごめんね、佐助くん。 でも、決めたんだ。 私はここで出会った人たちと……光秀さんと、新しい人生を歩むって」 目を見開く佐助くんに、私は自然と微笑んでいた。 後悔は、ない。 義元「……わかった。 美香がそこまで言うのなら、俺も意固地にならずに、もう少し迷ってみることにしようかな」 「ぜひ、そうしてください!」 幸村「ったく、めんどくせーな。 いーから『帰る』って言え!」 佐助「まあまあ。 前向きに考えてくれるようになっただけでも一歩前進だ」 義元「……ありがとう、美香。 君には感謝してもしきれない」 「いいえ」 義元「嬉しかったよ。 君が、俺を追いかけてきてくれて」 優美な仕草で伸びてきた手が、私の手に触れようとした時、 わっ 光秀さんに、ぐいっと肩を抱き寄せられた。 光秀「義元殿、ゆめゆめ勘違いなさらぬよう」 義元「勘違いって?」 光秀「こはるは幸村殿と佐助殿に頼まれ、優しさゆえにあなたの説得を引き受けたまで。 今後一切、この娘に必要以上に近づくな」 義元「『必要以上』って、どれくらい? 手を握るくらいは許されるでしょう」 光秀「では言い換えよう。 常に百歩以上こはるから離れていろ」 義元「顔も見えないよ、それじゃ」 光秀「では千歩」 義元「増えたよね」 「あの、光秀さん……、もしかして焼きもちですか? なんて……」 光秀「そうだが、何か?」 っ、冗談のつもりだったのに…… 平然と言い返され、頬がカッと熱くなる。 光秀「自分で言って照れていては世話がないな」 光秀さんは笑って、私の頭をよしよしと撫でた。 義元「ふうん、見せつけてくれるね」 光秀「ご理解いただけたかな?」 義元「問題ないよ。 俺は、気が長い方だから」 私に向かってにっこりと微笑む義元さんは、爽やかな色気を漂わせている。 義元「美香。 気が向いたら、いつでも俺のそばにおいで。 喜んで俺は、君の第三の故郷になるから」 ええっと……冗談、だよね……? 幸村「その辺にしとけ。 美香が困ってるだろーが」 佐助「幸村の言う通りだ。 義元さん、大事な話の途中です。 こはるさんと光秀さんは、あなたを説得するという俺たちの依頼を見事果たしてくれました。 今度は、俺たちが報いる番です。 越後の未来のためにも」 義元「……そうだね」 義元さんの背後で、今川家の家臣たちも深く頷き合う。 光秀さんはにやりと笑い、みんなを見回した。 光秀「ではご一同。 戦支度にかかろうか」 ………… 義昭「……化け狐が、女を連れていると?」 義昭の使者「はっ」 質素な広間で、義昭は脇息にもたれていた身をゆっくりと起こした。 新たな根城には、京から遠くないひなびた小国の城が選ばれた。 光秀に張り付かせていた使者がもたらした知らせに、本能寺で負った傷口が疼く。 義昭の使者「祭りで無礼を働いた愚かな大名が、義昭様の夜伽にと呼び寄せた者です」 義昭「……舞台上で、狐がさらってみせた女か。 あのようなことさえなければ、下賎な女の顔を私が覚えていることなどないのだがのう」 義昭の使者「光秀はや上杉武田の家臣と組み、いずれこの城へ攻め込むつもりのようです。 いかがいたしましょう」 義昭「……ひとつ、揺さぶりをかけてやろう。 私に逆らえばどうなるか……生き地獄を味わうがいい」 光秀「美香は、ここまでだ」 「……はい」 戦へ赴くみんなと一緒にいられたのは、京の町外れまでだった。 私にできることはもう、祈ることだけか…… 待ち受けるのは将軍との決戦———数えてみると、乱世へやってきて今日でちょうど三ヶ月目だ。 あれから佐助くんと、ふたりきりで少しだけ話をした。 佐助くんも、乱世に残る決意をしたそうだ。 私と同じで、この時代で大事な人たちに出会ったから……柔らかな表情でそう話してくれた。 佐助「美香さん、今夜を逃せば俺たちはもう戻れない。 君のファイナルアンサーは?」 「覚悟は決まってるよ。 佐助くんも……」 佐助「ああ、同じだ」 囁き合い、私たちは微笑みを交わした。 九兵衛「さて、我々は先に行っております、光秀様」 佐助「美香さん、行ってきます」 幸村「大人しく待ってろよ、美香」 「行ってらっしゃい! どうか気をつけて」 義元「俺は美香ともう少し、ゆっくり別れを惜しみたいんだけど……」 幸村「いーから一緒に来い、バカ!」 辺りが静かになり、光秀さんと私だけが残された。 九兵衛さん、お別れの時間を作ってくれてありがとう…… 光秀「では美香、約束を守り、良い子にしていろ。 もしも破れば……ひどいぞ?」 ぞくっとするような容赦のない声に、深く頷く。 光秀「それでいい。 約束を守れたら、たっぷりとご褒美をやろう」 光秀さんの手が私の首に触れ、うなじをやんわり撫で上げる。 ぁ……っ この指にすっかり飼いならされた私の肌は、それだけであっけなく疼いた。 「……ちゃんと、守ります。 光秀さんも、約束、守ってくださいね」 答えの代わりに、顎をそっと持ち上げられる。 私は目を閉じて、口づけを待った。 ———それは、一瞬の出来事だった。 ヒュッ———! 光秀「!?」 え……っ? 何かが肩を掠めたと思ったら、燃えるように肌が熱を放ち始めた。 「……っ、あ、れ……、なに、これ……?」 身体がピクリとも動かなくなり、世界が揺れる。 光秀「美香!」 倒れ込んだ私を、たくましい胸板が支えてくれた。 地面に突き刺さった矢が、視界の隅に見える。 何か言おうとするけれど、舌がもつれて動かない。 「あ……う……」 光秀「毒矢か……!」 ……っ、頭が、くらくらする…… 光秀「美香! 美香……!」 「みつ、ひで、さ……」 視界が霞む中、必死に伸ばした手は、光秀さんの頬に触れる直前、鉛のように重くなり、ぶらんと垂れ下がった。 光秀「しっかりしろ! 美香! 美香……!」 感情をむき出しにした声が、遠くなって——— 私の意識は、暗闇に呑み込まれた。 ikemenseriesl.

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イケメン戦国~伊達政宗~情熱ルート6

イケメン 戦国 光秀 情熱

蝶々モチーフの注文フォームに武将名の選択を入れ忘れたアホは私です。 つかいで出ていたらしい政宗の家臣の方たちが、本能寺へと帰ってきた。 与次郎「冴様・・・っ!本当に、戻っていらっしゃったんですね・・・!」 政宗の家臣「お元気そうで何より・・・!またお顔が見られて、本当にうれしいです・・・っ」 「お久しぶりです!みんなも、元気そうでよかった!」 (懐かしいな・・みんな、全然変わってない) どんだけカリスマ性があるんだ冴ちゃん。 きっと描かれてないところでも色々してたんでしょうなぁ・・・ じゃなきゃおかしい!! 中には、一年前に毒で倒れ、看病をした記憶のある顔も幾人かいた。 涙ぐんで歓迎してくれる家臣までいて、再会の喜びに胸がいっぱいになる。 政宗「だから、帰ってくるって言っただろう?」 政宗の家臣「本能寺に泊まり込むとおっしゃったときは、何事かと思いましたけどね」 政宗「冴のためだって言ったら、お前らも反対しなかったじゃねえか」 政宗の家臣1「そんなの当然じゃないですか!俺たちがどれだけ冴様にお世話になったっと思ってるんです?」 政宗の家臣2「そうですよ、政宗様だけが冴様を大事にしてると思ったら大間違いです」 与次郎「我々も、冴様のことが心配だったんですよ」 政宗「あーわかった。 わかったからそう熱くなるなよ」 「本当に、ご心配おかけしました」 与次郎「・・・・改めまして、おかえりなさい冴様。 お館様ともども、お待ち申し上げておりました」 政宗「まあ、これからも仲良くしてやってくれ、冴。 こいつらとも、長い付き合いになるからな」 「・・・・うん」 何気ない政宗の言葉に、これからもずっと一緒にいられる実感がわいて、少しはにかみながらうなずく。 与次郎「あ・・・ようやくあがりましたね」 話していると、不意に近くから空高く立ち上る煙が目に留まった。 「あれは、のろし・・・・?」 政宗「ああ。 お前のこと心配してるやつらにも、知らせておこうと思ってな」 「心配してるやつ・・・?」 あれっすかね、狼煙係を転々と配置して、見えたら自分も上げるという伝言ゲームみたいな。 しかし、煙一つでよく伝わるよな。 たき火かもしれないじゃん!!! -----本能寺近辺でのろしが上がった、数刻後、安土城、天守では・・・ 秀吉「信長様、先ほど京都方面より、狼煙が上がったとの報告が」 三成「恐らく、政宗様からの合図かと」 家臣から報告を受けた秀吉と三成が、信長の元へ参上していた。 信長「・・と、いうことは。 政宗のいうとおり、何の断りもなく消えた冴が本当に戻ってきたか」 おかし気に唇をゆがめ、信長が窓の外へ視線を向ける」 三成「はい、おそらくは」 秀吉「しかし、一年も行方知れずで、冴の身に何事もなかったかどうか・・・・」 三成「秀吉様は、冴様が本当に心配なんですね」 三成くんは心配してくださらないのですか・・! 秀吉「危なっかしくて見てられないってだけだ」 三成「しかし、冴様は本当に五百年後の日ノ本へ行って、また戻ってきたのでしょうか・・?」 信長「そこのことの真偽は、さほど重要ではない。 五百年後の人間だろうと、そうでなかろうと、あの女の言動は珍妙で面白い。 使者を遣わし、青葉城へ行く前に安土へ寄って行けと政宗に伝えろ。 顔を見せぬようなら、無理やりにでも連れ戻すともな」 いやいやいや、重要だから。 そこ、すごく重要だから。 皆タイムスリップのこと気にしなさすぎ。 ----------— 光秀「・・・だ、そうだ。 よかったな、お前もちょうど安土へ滞在していて。 また冴に会えるかもしれんぞ」 家康「どうして、いちいち俺に報告しに来るんですか」 家康の元を訪れた光秀は、先ほど聞いた、狼煙の話を伝えた。 読んでいた書物から顔を上げて、嫌そうに家康が顔をしかめる。 光秀「おや。 お前なら、泣いて喜ぶかと思ったんだが。 政宗が本能寺で火事に巻き込まれて、おまけに冴が行方知れずと聞いて、相当に取り乱していたように見えたからな、お前」 家康「・・・・気のせいじゃないですか」 光秀「そうだったか?」 取り乱す家康・・・すっごいみたい 家康の本心を見透かすように片眉を上げて、光秀が笑う。 光秀「俺は嬉しいぞ、またあの冴の怯えた顔が見られるかと思うと」 楽し気に口元を緩める光秀を、家康が横目でにらんだ。 家康「あんたの趣味の話には興味ありません。 読書に集中できないので、もう出ていってください」 光秀「わかったわかった。 邪魔したな」 家康は追い立てるようにして光秀を締め出すと、どこか嬉しそうな溜息を零して、再び書物に目を落とした。 家康「・・・・無事だったのか。 よかった」 デレにゃんこーーーー!!! かわいいーー!! ----------— 本能寺の住職に挨拶をして、荷造りを済ませ、狼煙を上げた翌々日には、私たちは北に向けて、馬を駆っていた。 「・・・奥州に向かう前に、安土に寄っていく?」 政宗「ああ。 どうせそろそろ、信長様からの遣いもやってくるころだろう。 せっかくだ、こっちから出向いてやる」 道中、広々とした花畑で休息をとっていると、政宗がそんな提案をした。 (久しぶりに、みんなに会えるんだ・・・!) 「・・・・でも、平気かな?無断でいなくなった私が、突然帰ったりして・・」 政宗「大丈夫だ。 お前が姿を消したのが、故意じゃないことは俺から話してある。 虹な姿見せて、安心させてやらないと、あいつら奥州まで追いかけてくるぞ」 草の上に腰を下ろし、政宗はのんびりと晴れ渡った空を仰いでいる。 政宗「余計な心配してないで、お前も休め。 ・・ほら、今日は一段と空が青いぞ」 「・・・・ほんとだ、いい天気」 政宗にならって、草むらに座り込むと、手のひらが重なった。 (まあ、何とかなるか・・・。 五百年越しの遠距離恋愛さえ、何とかなったんだし) 政宗がそばにいるだけで、些細な心配も消え去ってしまうくらい、胸が幸せに満ち溢れた。 少し離れた場所には河原もあり、馬に水をやる家臣の人たちの姿が見える。 「この花畑って・・・もしかして佐助くんを見送ったときに、野営したところ?」 政宗「ああ。 懐かしいな」 (どうりで、なんとなく見覚えがあると思った) 咲いている花が違っても、あたりを漂う爽やかで甘い香りは変わらない。 政宗「・・・もう、一年も前なのか」 隣で、政宗も懐かしそうにつぶやいた。 優しげなその声が、あの夜聞いた言葉を思い出させてくれる。 -----— 政宗「俺の死に場所は、お前の隣。 それも、お前を守って守って守り抜いてからだ。 それまで死ねない」 「政宗・・・・・・」 政宗「・・・お前のせいで、俺は死に場所も選べなくなったってわけだな」 「私のせい・・?」 政宗「ああ」 政宗「お前が俺を好きにさせたせい」 「政宗・・・・」 -----—- 政宗「ん・・・?」 「私ね・・・」 ---------- 政宗「はっきり言っておくが。 俺は伊達家当主として、家臣団の将として、それが必要とあれば—たとえお前であろうと、殺す。 この乱世で、夫々が強い信念をもって生きるなら、誰かを殺すことも、自分が死ぬことも、当然のことだ」 ---------- 使命のためにどんな犠牲も払えるといっていた政宗と、私のために死ねないといった政宗は、きっとそんなに変わっていない。 (きっと政宗は・・・・・使命を果たすこともあきらめないし、私と一緒に生きることも、諦めない。 どっちも貫く覚悟を、してくれた。 だから私も、何があってもあきらめないよ) 「私、できる限り長生きしようと思う」 政宗「・・・どうした突然?」 「政宗の隣で、できるだけ長生きして、死ぬ時まで笑ってる」 決意を込めてほほ笑むと、政宗も微笑み返してくれた。 政宗「・・・なら俺も長生きしないとな」 政宗には私の考えていることも、きっと御見通しなんだろう。 政宗「それにしても・・・・・お前と出会ってから、色々あったな」 政宗が両手を組んで伸びをする。 「そうだね。 平穏とは程遠かったね」 政宗「ああ、ほんとにな」 「出会ってばかりのころ、突然、刀突き付けられたこともあったっけ」 政宗「そんなことあったか?」 「ええっ?忘れちゃったの?」 政宗「嘘。 ちゃんと覚えてる」 -----—- 政宗「お前に、聞きたいことがある。 お前、五百年後の日ノ本から来たらしいが・・・本当か?」 「はい、そうですけど・・・・?」 政宗「そうか。 歓迎するぞ、冴」 「え・・・?」 政宗「しばらくは、俺も退屈しなくてすみそうだ」 ---------- (あの時から今まで・・・一杯傷ついたり、傷つけられたりしたけど) 選択肢:2 「・・・今思い返すと、全部、愉しかったって思えるから不思議だな」 政宗「まあ、たいていの大変なことなんて、そんなもんだろ。 過ぎてみれば全部、愉しかったって思える」 「うん、そうだね」 (私がそう思えるようになったのか、きっと・・・・政宗のおかげだよ) いつも前を向いて、笑って突き進む姿が、どんな時でも私に力をくれた。 政宗「冴」 「ん・・・・?」 呼ばれて隣を振り返ると、政宗の愛おし気なまなざしと視線がぶつかった。 政宗「お前に出会えてよかった」 「・・・っ、どうしたの、急に?」 まっすぐに見つめられて、甘く囁かれると、相変わらず、恋したばかりのころの様に、胸がときめく。 政宗「お前といると、一生退屈しそうにないな、と思って。 湖に落ちたり、肩撃たれたり、炎に巻かれたり・・・・俺のいろんな初体験をことごとく奪っていったからな、お前は」 できれば一生味わいたくない初めてばかりですね 「うっ・・・・・・」 意地悪く微笑まれて、いろんな記憶が脳裏をよぎる。 「た・・・たびたびご迷惑をおかけして、すみません」 政宗「謝るなよ。 感謝してるんだ。 水だろうが、火だろうが、銃弾だろうが、お前のためならいつでも受けてたってやる」 (政宗・・・・・) 感謝?! 気にしてないとかじゃなくて、感謝?! 相当ドエムだな?! 急に真剣さを増した声に、胸がトクンと高鳴った。 政宗「人生、そのくらい刺激的じゃないと、つまらないだろ?」 そういって、政宗は楽しげに笑って見せる。 (こういう、どんなことも笑顔に変えちゃう、つよいとこ、本当に・・・・・・) 「かっこいいなぁ・・・・・」 政宗「なんだ、惚れ直したか」 「ううん・・・・・惚れ直してない。 ずーっと、大好きだから。 ますます、大好きになっただけ」 政宗「・・・っ。 ・・・ばか、お前が俺を口説くなよ。 そういうのは、俺の役目だろ」 むに、と頬を摘まれて、思わず笑ってしまう。 (照れる政宗も、相変わらず可愛い) 「政宗と一緒なら、私も一生笑って暮らせそう」 政宗「・・・・当然だろ」 「わっ・・・・!」 政宗が、グイッと私の腕を引いた。 ふわっと体が浮かんで、腕の中に抱きかかえられる。 政宗「あーあ。 とうとう俺に捕まっちまったな。 自分から飛び込んできたんだ、もう二度と手離してやらねえからな。 その代わり、俺が、お前を絶対に幸せにしてやる。 約束だ」 政宗は愛おしそうに目を細めて、私の顔を覗き込む。 政宗「俺の側にいて、不幸になんてなれると思うなよ」 「ふふ・・・・なに、その自信」 いつも通りの偉そうな言い草が愛おしくて、笑みがこぼれた。 政宗の肩に腕を回すと、ぐっと顔が近づく。 政宗「お前と出会って初めて、いろんな感情をしった。 理解できなくてくるしいとか、何を捨てても守りたいとか、ただお前が笑ってるだけで幸せだとか、いつまでも一緒にいたいとか」 「・・うん」 言葉にされた政宗の想いと同じものが、自分の胸にもあって、嬉しくて、なんだかくすぐったい。 政宗「俺の一章はもう、お前のだ」 「いいの?もう、返さないよ?」 政宗「その代わり、お前の一生を俺がもらう」 いたずらを仕掛ける前の子供みたいな顔で、政宗がのぞき込んでくる。 かすかに鋭さを増す視線が、鼓動を高鳴らせた。 「どうしようかな」 いじわるで囁いて見せると、見透かすように政宗が笑う。 政宗「あきらめろ、もう遅い。 お前の一生、俺がもらった」 囁くと同時に、政宗が私の唇に噛みついた。 これ以上ないくらいの幸せに、くらくらとめまいがする。 (・・・どんな時も、そばにいるよ。 私の幸せは、政宗と一緒じゃないと、ありえないから) 出会ったばかりのころから、幾度となく触れ合わせた唇を重ねる。 花の上に落ちた二人の陰は、いつまでも、一つに溶けあっていた。 まあ一話分の長さは変わらないわけなんですが。 確かに、政宗も「500年後の話聞かせろ」って言ってる割に聞いてないwww 昨日の話ですが、信長だったらきっとボタン外せたんでしょうね。 南蛮の服知ってそうだから。 家康も、きっと頑張って外したでしょうw 切っちゃうのは、政宗っぽいですwww 伊達さんなのに!服を大事にしよう!.

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【イケメン戦国】光秀を普通に攻略じゃ物足りない!新攻略方法ー幸福な恋ルート編|アリポの乙女な世界

イケメン 戦国 光秀 情熱

蝶々モチーフの注文フォームに武将名の選択を入れ忘れたアホは私です。 つかいで出ていたらしい政宗の家臣の方たちが、本能寺へと帰ってきた。 与次郎「冴様・・・っ!本当に、戻っていらっしゃったんですね・・・!」 政宗の家臣「お元気そうで何より・・・!またお顔が見られて、本当にうれしいです・・・っ」 「お久しぶりです!みんなも、元気そうでよかった!」 (懐かしいな・・みんな、全然変わってない) どんだけカリスマ性があるんだ冴ちゃん。 きっと描かれてないところでも色々してたんでしょうなぁ・・・ じゃなきゃおかしい!! 中には、一年前に毒で倒れ、看病をした記憶のある顔も幾人かいた。 涙ぐんで歓迎してくれる家臣までいて、再会の喜びに胸がいっぱいになる。 政宗「だから、帰ってくるって言っただろう?」 政宗の家臣「本能寺に泊まり込むとおっしゃったときは、何事かと思いましたけどね」 政宗「冴のためだって言ったら、お前らも反対しなかったじゃねえか」 政宗の家臣1「そんなの当然じゃないですか!俺たちがどれだけ冴様にお世話になったっと思ってるんです?」 政宗の家臣2「そうですよ、政宗様だけが冴様を大事にしてると思ったら大間違いです」 与次郎「我々も、冴様のことが心配だったんですよ」 政宗「あーわかった。 わかったからそう熱くなるなよ」 「本当に、ご心配おかけしました」 与次郎「・・・・改めまして、おかえりなさい冴様。 お館様ともども、お待ち申し上げておりました」 政宗「まあ、これからも仲良くしてやってくれ、冴。 こいつらとも、長い付き合いになるからな」 「・・・・うん」 何気ない政宗の言葉に、これからもずっと一緒にいられる実感がわいて、少しはにかみながらうなずく。 与次郎「あ・・・ようやくあがりましたね」 話していると、不意に近くから空高く立ち上る煙が目に留まった。 「あれは、のろし・・・・?」 政宗「ああ。 お前のこと心配してるやつらにも、知らせておこうと思ってな」 「心配してるやつ・・・?」 あれっすかね、狼煙係を転々と配置して、見えたら自分も上げるという伝言ゲームみたいな。 しかし、煙一つでよく伝わるよな。 たき火かもしれないじゃん!!! -----本能寺近辺でのろしが上がった、数刻後、安土城、天守では・・・ 秀吉「信長様、先ほど京都方面より、狼煙が上がったとの報告が」 三成「恐らく、政宗様からの合図かと」 家臣から報告を受けた秀吉と三成が、信長の元へ参上していた。 信長「・・と、いうことは。 政宗のいうとおり、何の断りもなく消えた冴が本当に戻ってきたか」 おかし気に唇をゆがめ、信長が窓の外へ視線を向ける」 三成「はい、おそらくは」 秀吉「しかし、一年も行方知れずで、冴の身に何事もなかったかどうか・・・・」 三成「秀吉様は、冴様が本当に心配なんですね」 三成くんは心配してくださらないのですか・・! 秀吉「危なっかしくて見てられないってだけだ」 三成「しかし、冴様は本当に五百年後の日ノ本へ行って、また戻ってきたのでしょうか・・?」 信長「そこのことの真偽は、さほど重要ではない。 五百年後の人間だろうと、そうでなかろうと、あの女の言動は珍妙で面白い。 使者を遣わし、青葉城へ行く前に安土へ寄って行けと政宗に伝えろ。 顔を見せぬようなら、無理やりにでも連れ戻すともな」 いやいやいや、重要だから。 そこ、すごく重要だから。 皆タイムスリップのこと気にしなさすぎ。 ----------— 光秀「・・・だ、そうだ。 よかったな、お前もちょうど安土へ滞在していて。 また冴に会えるかもしれんぞ」 家康「どうして、いちいち俺に報告しに来るんですか」 家康の元を訪れた光秀は、先ほど聞いた、狼煙の話を伝えた。 読んでいた書物から顔を上げて、嫌そうに家康が顔をしかめる。 光秀「おや。 お前なら、泣いて喜ぶかと思ったんだが。 政宗が本能寺で火事に巻き込まれて、おまけに冴が行方知れずと聞いて、相当に取り乱していたように見えたからな、お前」 家康「・・・・気のせいじゃないですか」 光秀「そうだったか?」 取り乱す家康・・・すっごいみたい 家康の本心を見透かすように片眉を上げて、光秀が笑う。 光秀「俺は嬉しいぞ、またあの冴の怯えた顔が見られるかと思うと」 楽し気に口元を緩める光秀を、家康が横目でにらんだ。 家康「あんたの趣味の話には興味ありません。 読書に集中できないので、もう出ていってください」 光秀「わかったわかった。 邪魔したな」 家康は追い立てるようにして光秀を締め出すと、どこか嬉しそうな溜息を零して、再び書物に目を落とした。 家康「・・・・無事だったのか。 よかった」 デレにゃんこーーーー!!! かわいいーー!! ----------— 本能寺の住職に挨拶をして、荷造りを済ませ、狼煙を上げた翌々日には、私たちは北に向けて、馬を駆っていた。 「・・・奥州に向かう前に、安土に寄っていく?」 政宗「ああ。 どうせそろそろ、信長様からの遣いもやってくるころだろう。 せっかくだ、こっちから出向いてやる」 道中、広々とした花畑で休息をとっていると、政宗がそんな提案をした。 (久しぶりに、みんなに会えるんだ・・・!) 「・・・・でも、平気かな?無断でいなくなった私が、突然帰ったりして・・」 政宗「大丈夫だ。 お前が姿を消したのが、故意じゃないことは俺から話してある。 虹な姿見せて、安心させてやらないと、あいつら奥州まで追いかけてくるぞ」 草の上に腰を下ろし、政宗はのんびりと晴れ渡った空を仰いでいる。 政宗「余計な心配してないで、お前も休め。 ・・ほら、今日は一段と空が青いぞ」 「・・・・ほんとだ、いい天気」 政宗にならって、草むらに座り込むと、手のひらが重なった。 (まあ、何とかなるか・・・。 五百年越しの遠距離恋愛さえ、何とかなったんだし) 政宗がそばにいるだけで、些細な心配も消え去ってしまうくらい、胸が幸せに満ち溢れた。 少し離れた場所には河原もあり、馬に水をやる家臣の人たちの姿が見える。 「この花畑って・・・もしかして佐助くんを見送ったときに、野営したところ?」 政宗「ああ。 懐かしいな」 (どうりで、なんとなく見覚えがあると思った) 咲いている花が違っても、あたりを漂う爽やかで甘い香りは変わらない。 政宗「・・・もう、一年も前なのか」 隣で、政宗も懐かしそうにつぶやいた。 優しげなその声が、あの夜聞いた言葉を思い出させてくれる。 -----— 政宗「俺の死に場所は、お前の隣。 それも、お前を守って守って守り抜いてからだ。 それまで死ねない」 「政宗・・・・・・」 政宗「・・・お前のせいで、俺は死に場所も選べなくなったってわけだな」 「私のせい・・?」 政宗「ああ」 政宗「お前が俺を好きにさせたせい」 「政宗・・・・」 -----—- 政宗「ん・・・?」 「私ね・・・」 ---------- 政宗「はっきり言っておくが。 俺は伊達家当主として、家臣団の将として、それが必要とあれば—たとえお前であろうと、殺す。 この乱世で、夫々が強い信念をもって生きるなら、誰かを殺すことも、自分が死ぬことも、当然のことだ」 ---------- 使命のためにどんな犠牲も払えるといっていた政宗と、私のために死ねないといった政宗は、きっとそんなに変わっていない。 (きっと政宗は・・・・・使命を果たすこともあきらめないし、私と一緒に生きることも、諦めない。 どっちも貫く覚悟を、してくれた。 だから私も、何があってもあきらめないよ) 「私、できる限り長生きしようと思う」 政宗「・・・どうした突然?」 「政宗の隣で、できるだけ長生きして、死ぬ時まで笑ってる」 決意を込めてほほ笑むと、政宗も微笑み返してくれた。 政宗「・・・なら俺も長生きしないとな」 政宗には私の考えていることも、きっと御見通しなんだろう。 政宗「それにしても・・・・・お前と出会ってから、色々あったな」 政宗が両手を組んで伸びをする。 「そうだね。 平穏とは程遠かったね」 政宗「ああ、ほんとにな」 「出会ってばかりのころ、突然、刀突き付けられたこともあったっけ」 政宗「そんなことあったか?」 「ええっ?忘れちゃったの?」 政宗「嘘。 ちゃんと覚えてる」 -----—- 政宗「お前に、聞きたいことがある。 お前、五百年後の日ノ本から来たらしいが・・・本当か?」 「はい、そうですけど・・・・?」 政宗「そうか。 歓迎するぞ、冴」 「え・・・?」 政宗「しばらくは、俺も退屈しなくてすみそうだ」 ---------- (あの時から今まで・・・一杯傷ついたり、傷つけられたりしたけど) 選択肢:2 「・・・今思い返すと、全部、愉しかったって思えるから不思議だな」 政宗「まあ、たいていの大変なことなんて、そんなもんだろ。 過ぎてみれば全部、愉しかったって思える」 「うん、そうだね」 (私がそう思えるようになったのか、きっと・・・・政宗のおかげだよ) いつも前を向いて、笑って突き進む姿が、どんな時でも私に力をくれた。 政宗「冴」 「ん・・・・?」 呼ばれて隣を振り返ると、政宗の愛おし気なまなざしと視線がぶつかった。 政宗「お前に出会えてよかった」 「・・・っ、どうしたの、急に?」 まっすぐに見つめられて、甘く囁かれると、相変わらず、恋したばかりのころの様に、胸がときめく。 政宗「お前といると、一生退屈しそうにないな、と思って。 湖に落ちたり、肩撃たれたり、炎に巻かれたり・・・・俺のいろんな初体験をことごとく奪っていったからな、お前は」 できれば一生味わいたくない初めてばかりですね 「うっ・・・・・・」 意地悪く微笑まれて、いろんな記憶が脳裏をよぎる。 「た・・・たびたびご迷惑をおかけして、すみません」 政宗「謝るなよ。 感謝してるんだ。 水だろうが、火だろうが、銃弾だろうが、お前のためならいつでも受けてたってやる」 (政宗・・・・・) 感謝?! 気にしてないとかじゃなくて、感謝?! 相当ドエムだな?! 急に真剣さを増した声に、胸がトクンと高鳴った。 政宗「人生、そのくらい刺激的じゃないと、つまらないだろ?」 そういって、政宗は楽しげに笑って見せる。 (こういう、どんなことも笑顔に変えちゃう、つよいとこ、本当に・・・・・・) 「かっこいいなぁ・・・・・」 政宗「なんだ、惚れ直したか」 「ううん・・・・・惚れ直してない。 ずーっと、大好きだから。 ますます、大好きになっただけ」 政宗「・・・っ。 ・・・ばか、お前が俺を口説くなよ。 そういうのは、俺の役目だろ」 むに、と頬を摘まれて、思わず笑ってしまう。 (照れる政宗も、相変わらず可愛い) 「政宗と一緒なら、私も一生笑って暮らせそう」 政宗「・・・・当然だろ」 「わっ・・・・!」 政宗が、グイッと私の腕を引いた。 ふわっと体が浮かんで、腕の中に抱きかかえられる。 政宗「あーあ。 とうとう俺に捕まっちまったな。 自分から飛び込んできたんだ、もう二度と手離してやらねえからな。 その代わり、俺が、お前を絶対に幸せにしてやる。 約束だ」 政宗は愛おしそうに目を細めて、私の顔を覗き込む。 政宗「俺の側にいて、不幸になんてなれると思うなよ」 「ふふ・・・・なに、その自信」 いつも通りの偉そうな言い草が愛おしくて、笑みがこぼれた。 政宗の肩に腕を回すと、ぐっと顔が近づく。 政宗「お前と出会って初めて、いろんな感情をしった。 理解できなくてくるしいとか、何を捨てても守りたいとか、ただお前が笑ってるだけで幸せだとか、いつまでも一緒にいたいとか」 「・・うん」 言葉にされた政宗の想いと同じものが、自分の胸にもあって、嬉しくて、なんだかくすぐったい。 政宗「俺の一章はもう、お前のだ」 「いいの?もう、返さないよ?」 政宗「その代わり、お前の一生を俺がもらう」 いたずらを仕掛ける前の子供みたいな顔で、政宗がのぞき込んでくる。 かすかに鋭さを増す視線が、鼓動を高鳴らせた。 「どうしようかな」 いじわるで囁いて見せると、見透かすように政宗が笑う。 政宗「あきらめろ、もう遅い。 お前の一生、俺がもらった」 囁くと同時に、政宗が私の唇に噛みついた。 これ以上ないくらいの幸せに、くらくらとめまいがする。 (・・・どんな時も、そばにいるよ。 私の幸せは、政宗と一緒じゃないと、ありえないから) 出会ったばかりのころから、幾度となく触れ合わせた唇を重ねる。 花の上に落ちた二人の陰は、いつまでも、一つに溶けあっていた。 まあ一話分の長さは変わらないわけなんですが。 確かに、政宗も「500年後の話聞かせろ」って言ってる割に聞いてないwww 昨日の話ですが、信長だったらきっとボタン外せたんでしょうね。 南蛮の服知ってそうだから。 家康も、きっと頑張って外したでしょうw 切っちゃうのは、政宗っぽいですwww 伊達さんなのに!服を大事にしよう!.

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