スポンサーリンク 帰還した飛信隊 どこまでも広がる綺麗な青空。 湧き上がる歓声。 鳴り響く太鼓の音。 風になびく飛信隊の旗。 人々が待ちに待った瞬間が訪れました。 原泰久『キングダム』641話より引用 秦国王都・咸陽では、戦士たちによる華やかな凱旋が始まっていたのです。 先頭にいるのは、もちろん信。 隣には河了貂もいます。 後ろにゾロゾロと続く飛信隊の隊員たち。 みんな笑顔で歓声を受け取っていました。 「信五千人将、よくぞ龐煖を倒してくれたー」 「渕副長もよくやってくれた!」 戦士達を褒め称える声に、今までの疲れが吹き飛びそうです。 河了貂は、知らないお爺さんから「結婚してくれ」とプロポーズされていました。 モテているのは、飛信隊全員といってよいでしょう。 女性たちが花束を持ち、好きな男性の元へ駆け寄ります。 こんな時だけ、キメ顔で自慢する尾平。 側にいた慶と昂は呆れ顔です。 新人の干斗 かんと 達は女性に囲まれてデレデレ。 すると、花束を持ってキョロキョロする一人の女性が。 どうやら松左に渡したかったようです。 女性に気づいた崇原。 「後で渡しておきます」と、花束を受け取っていました。 橋の上で凱旋を眺める政。 隣にいた昌文君は穏やかな表情で言ったのです。 「信に会われないのですか、大王様」 原泰久『キングダム』641話より引用 政は「ああ、皆がよく戦ってくれた」と返事。 信とは後でゆっくり会おうと決めていました。 政は飛信隊の元気な姿を確認したあと、城へと戻っていったのです。 帰還した兵達は、それぞれが武功に合わせた褒賞をもらいました。 まだほかの武将が戻って来ていないので、論功行賞はまだ先。 それまで、しばしの解散となったのです。 スポンサーリンク 完成した信の新居 嬉しそうに咸陽の門から出て来た兵士達。 久しぶりの帰宅です。 原泰久『キングダム』641話より引用 尾平は東美 とうび に早く会いたくてウズウズ。 いや、モミモミするような手の動き。 昂は尾平の手の動きに呆れています。 干斗はそのまま帰るかと思いきや、信に話しかけました。 「隊長の家は ご出身の城戸村にあるんですか?」 信の家があるのは風利 ふうり という場所。 城戸村ではありません。 そういえば、信の家を見た事がないと集まる男性陣。 今や信も五千人将。 報酬はある程度もらっているはず。 飛信隊の新人達からすると、隊長は立派な屋敷に住んでいる違いないと気になっていたのです。 信自身も家に帰るのは1年ぶり。 お金だけ預けて、大工の田有に頼んで以来帰っていませんでした。 すると、信に駆け寄った田有。 原泰久『キングダム』641話より引用 信の新たな屋敷が完成したと言うのです。 鄴攻めに行っている間、田有の組の者達が家を仕上げてくれていました。 田有にお礼を言う信。 新居と聞いて、尾平は黙っていられません。 「信の屋敷見たい人!」 「はーい!」と、勢いよく手を上げる仲間達。 みんなで信の屋敷を見に行くことになったのです。 信の屋敷に到着。 目の前には、ボロい小さな家。 いや、むしろ小屋というべきでしょうか。 衝撃を受けて言葉がでない尾平たち。 しかし、信自身は全く気にしていません。 「前より渋くなってる気がする」と、田有を大絶賛。 新人達は、予想外のボロい建物に意気消沈。 尾平と慶は「これに大金をかけたのか?」と半信半疑。 ボロい小屋は確かに以前の住まいですが、新しい新居ではありません。 田有が呆れながら信の頭を掴み、左側に向けました。 「バカ言ってんな 隊長、あっちだ」 原泰久『キングダム』641話より引用 左側を見ると、目の前には立派な新居! 広大な敷地に、塀に囲まれた立派な建物がいくつも並んでいました。 絶句する尾平たち。 これぞ五千人将の屋敷というべきでしょうか。 尾平は驚きすぎて絶叫していました。 スポンサーリンク 嬉しい再会と報告 立派な新居を使わない手はありません。 その夜は急遽、信の家で宴をすることになりました。 いつもの宴と違うのは、それぞれが家族を連れて来ていること。 豪華な食事においしいお酒。 たくさんの家族が訪れ、子供達も大はしゃぎ。 屋敷内は賑わっていました。 原泰久『キングダム』641話より引用 尾平は、東美 とうび と友理 ゆうり を連れて登場。 「頭が高い、平伏しろ」と自慢げに歩いていきます。 東美は尾平の婚約者。 友理は尾平の弟、今は亡き尾到の婚約者になります。 尾平にはもったいないくらい可愛い東美。 恥ずかしそうに歩いていました。 信も久しぶりに東美と友理に会えて嬉しそうです。 厨房では、竜有と河了貂が次々と料理を作り上げていました。 新居なだけあって、厨房も使いやすいようです。 羌瘣は部屋のど真ん中に布団を移動。 起きてみんなと一緒に食べればいいものを、近くの料理に手を伸ばしては布団の中でモグモグ食べていました。 部屋に響く皆の笑い声。 家族全員が押しかけても余裕で入る屋敷の広さ。 五千人将となれば、ここまで立派な屋敷に住めるわけです。 新人の干斗たちも夢を膨らませていました。 「三日後に王宮に呼ばれてる?」 原泰久『キングダム』641話より引用 宴も落ち着いて来た頃、信の発言に田永が驚いて尋ねました。 王宮に単独で呼ばれるなどスゴイこと。 渕はついに信が将軍になるのではと期待しました。 なぜなら、信は岳嬰・趙峩龍・龐煖の三人を討っていたからです。 将軍になってもおかしくないでしょう。 感極まって号泣しだす尾平。 東美がハンカチで涙を受け止めています。 なんて優しい女性でしょうか。 すると、我呂が水を差しました。 「いーや、ちょっと待て そういうのは論功のときでいーはずだ」 原泰久『キングダム』641話より引用 持っている盃の手はプルプルしています。 平然と話を続けますが、我呂は大分酔っているようです。 今のところ、王翦・桓騎・楊端和の三将がまだ戻って来ていません。 なので、論功まだ先になるはず。 それなのに、わざわざ信を呼ぶなど「逆の理由だ」と我呂は考えたようです。 信は下僕から五千人将まで登り詰めました。 しかし、下僕から将軍になるなど聞いたことがなかったのです。 将軍にも格式は必要。 実力があっても、五千人将止まりの武将はいました。 我呂は最後に断言したのです。 「多分 武功は十分だが将軍にはしてやれねーって話だ」 周りは、我呂の言い分に激怒! 仲間同士で言い合いが始まってしまいました。 そんな事はお構いなしの信。 遊びに来ていた子供達と触れ合っています。 王宮には信だけでなく、河了貂も一緒に行くことになりました。 スポンサーリンク 姓を与えられた信 三日後の咸陽。 原泰久『キングダム』641話より引用 高い外壁の上で、昌文君と政が待っていました。 笑顔で政に話しかける信と河了貂。 まずは二人の活躍を政は褒めたのです。 再会を喜び合ったところで、本題に入りましょう。 政の話では、信が「将軍になるには問題がある」と言うのです。 衝撃を受ける信と河了貂。 我呂の言っていたことは本当だったのでしょうか。 すると、政は「深刻な問題ではない」と指摘。 ただ、大きな問題ではあるようです。 政が言う問題とは「名前」でした。 将軍になるには『姓』を持つ必要があるのです。 要するに、今でいう名字みたいなものですね。 さすがに将軍になるのに「信」だけでは変。 政は、信も『姓』を持つべきだと考えていました。 原泰久『キングダム』641話より引用 だから「姓を与えてやるから自分で考えろ」と言うのです。 困惑する信。 字だってまともに読めないレベルです。 急に言われても思いつきませんでした。 政がパッと思い浮かぶので良いと言うので、信は言ったのです。 「嬴 えい 」 さすがに大王と一緒というわけにはいきません。 昌文君が猛反対! ならば、政に考えて欲しいと信はお願いします。 黙って悩む政。 緊張しながら待つ信。 「ダメだ 全く思い浮かばない」 政も考えるのは苦手なようです。 すると、政はふと漂 ひょう のことを思い出しました。 原泰久『キングダム』641話より引用 漂もまた『姓』を決めるのに軽く悩んでいたのです。 漂は政の影武者。 王宮に仕えるにあたって、姓を与えることにしました。 ただ、急に決めろと言われても、漂もパッと思いつきません。 昌文君に急かされて焦る漂。 すると、政がよく食べている食べ物に興味を示しました。 原泰久『キングダム』641話より引用 政が持っていたのは「李 すもも 」だったのです。 ならば「李 り でお願いします」と、漂はあっさりと姓を決めてしまいました。 漂の新たな名前は、李漂 りひょう。 信は漂も姓をもらっていたと知って目を輝かせます。 思い出すのは、漂の言葉でした。 「ぜったい二人の名を 将来歴史に刻むんだ」 原泰久『キングダム』641話より引用 二人で天下の大将軍になると決めた幼い頃。 漂は、信に夢を託して息を引き取りました。 歴史に名を刻むなら漂と一緒がいいと思ったのでしょう。 信は青空を見上げて言ったのです。 「へへへ、じゃあ 俺も李信にする」 あっさりと決めた信に対して、開いた口が塞がらない昌文君と河了貂。 政は穏やかに「了解した」と了承したのです。 信の新たな名前は、李信 りしん。 二千年以上も後世に残すことになる名前が誕生した瞬間でした。 スポンサーリンク 『キングダム』ネタバレ 641-642 話のまとめ 原泰久『キングダム』641話より引用 今回は、信が新たに「李信」となったことで、また一つ歴史が動いた回でした。 信の穏やかな表情が見られたのは、久しぶりではないでしょうか。 なんとなくですが、子供と触れ合う信を見て、家族を持つのも時間の問題かなという印象を受けました。 約3年間かけて描かれた鄴攻め。 激戦続きの秦趙連合軍編は完結したといってよいでしょう。 ただし、厳しい戦いはまだこれからも続きます。 趙の領土を半分得たとはいえ、まだ邯鄲を占拠できたわけではありません。 さらに、中華統一を拒む他の国の武将達が数多くいます。 信は、これからも仲間と共に成長し続けなければいけません。 次回は李信となって、新シリーズへ突入。 助走期間ということで「キングダム」は3週連続の休載期間に入り、再開は6月からとなります。 李信を待ち受ける次なる壁とは!? 新章開幕が待ち遠しいです!.
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次の歴史とは、他の漫画のような正義と悪の戦いではなく、呂不韋も言っていたように「互いの正義のぶつかり合い」であり、正しいほうが勝つのでも思いが強いほうが勝つのでも無く、軍略や武力という名の暴力が強いほうが勝つ。 そのシビアさがキングダムの魅力だと思う。 だからこそ信の思いの強さや絆が前面に出れば出るほど違和感を感じるし、漫画の魅力が失われていく。 思いや絆で強くなれるのなら、天下の大将軍になる、という「個人的な願望」で戦っている信より、国の存亡を賭けて戦っている趙将たちのほうがよっぽど抱えているものは重いはずなのだ。 「お前の刃は重くない」と信はホウケンに言うが、いやぁお前の刃もそんなに重くないだろう、と私は読者として思ってしまう。 オウキも大好きなキャラだが最近あまりにも神格化されすぎている。 信や秦にとってオウキが重要なように、趙やギョウウン、チョウガリュウにとっては藺相如が重要なはずである。 思いや受け継いだものの重さで強さが決まってしまうのなら、ギョウウンやチョウガリュウの受け継いだ思いは軽いのか?それではけっきょく「正義と悪」が戦う普通の漫画と変わら無いと思う。 キングダムで勝敗を決するのはあくまでも軍略・武力などの「単純な暴力」であって欲しかった。 それが歴史だから。 抱えているものの重さでいったらリボクなんて一人で10万人ぐらい斬れそうなぐらい重いだろう。 またリボクはホウケンを「人は人でしか無いという天からの答え」だと述べ、思いや絆を繋ぐ「人」には勝て無いと言うが、それなら「道を極め武神として人を救済する」という「思い」を「繋いできた」求道者たちの「人としての思いや絆」は強さたり得無いというのは作者の答えが自己矛盾していると思うのだが。 武神の道など無かったとして、それを追い求め続けた求道者は「人」としても物凄く頑張ってる存在なはずだがそこは全否定でいいのか? そもそもホウケンvs信を「武神」vs「人」としてではなく「人」vs「人」として見ても、「俺は大将軍になりたい」と「俺は全人類を救済したい」ではどちらの刃が重いのか。 この時点でホウケンを切るなら、「刃の重さ」ではなく単純な武力の戦いとして、信・王賁・キョウカイ・蒙恬でフルボッコにするしかなかったんじゃないか?「刃の重さ」で切るなら、六国を平定して嬴政の「人の救済の道」を体現する存在として、キングダムのラスボスとしてのホウケンを「道」ごと叩き切ってオウキを超える存在になったほうがよかったんじゃないか。 こんな中途半端な若造に「刃が重くない」などと言われて切られたホウケンはずいぶん惨めなものである。 そしてリンコや白髪頭が信を後ろで支えている姿にも強烈な違和感。 彼らはあくまで信が「切り殺した敵国の人間」なのだ。 互いに認め合うことはあっても、自分の祖国を滅ぼしかねない信を後ろから支えることは無いだろう。 むしろ認めつつも信には死んで欲しいはずだ。 戦った敵が味方になる、という発想自体が、勇者と魔王軍が戦って魔王軍のキャラが味方に寝返る、という「正義と悪の戦い」の発想そのものではないか。 キングダムはそういう漫画じゃないだろう。 一読者が言うのも何だが、作者は自分の作品の本質を見失ってるんじゃないのか? あとは単純に漫画の面白さとして、主人公が特別で最強、よりも味方にも敵にも主人公より強い者がごろごろいるぐらいがバランスとして面白い。 昔はドラゴンボールなどのように常に主人公が最強状態の漫画が多かったが、近年はナルトやワンピースなど主人公が最強じゃない人気漫画が多い。 個人的にはそれらの漫画も主人公が最強になってくると面白さが失速する印象があるので鬼滅の刃やハンターハンターのように「主人公の強さのバランス」をキープし続けている漫画のほうが面白いのだが、今巻でキングダムはそれを完全に崩してしまったように感じる。 武力最強のホウケンに満身創痍の一騎打ちで勝ってしまったのだから、信が単騎の武力では最強ということになってしまう。 信のこの強さが、絆を持たないホウケン相手だけのものなら逆にホウケンはどの武将にも勝てない弱小キャラという事になってしまう。 あとは気功とか術とか死後の世界とか、急激に「シビアな歴史もの」から「ファンタジー」方面に行ってしまった感がある。 好きな作品だけに、この巻は非常に残念だった。 朱海平原の戦い自体の感想としては、王翦は長期的な戦いを指揮する「戦略」には優れていても、戦いそのものを指揮する「戦術」は凡庸な印象。 何というか、現場の武将の判断任せで、結果として上手くいったから良かったね、といった戦いだった。 作者が王翦をそういうキャラとして描くつもりならそれでも良いと思うのだが、優れた戦術家として描くつもりだったのなら失敗してるな、と思う。 正直王翦は朱海平原ではほとんど何もしていない。 蒙恬、王賁、信が活躍して戦局をひっくり返す=ひっくり返さないと勝てない状況を作ってしまっている王翦という図式になってしまうので作者としては悩ましい所だと思うが、信がフウキを打った時のオウキの旗のような、若い将が戦局を決める瞬間に発動する王翦の仕込みが欲しかった。 というかこれだけ長い戦いなのにそういう熱い展開が無かったのも、戦を描く作者の力量が低下しているような気がする。 私は全巻持っていますし、この巻も発売日に店頭で購入。 次巻も買います。 ですが・・です。 つまらない。 龐煖との戦いがストレスでしかありません。 信の龐煖との戦いぶり・龐煖との実力差が、最初の戦いの時と変わっていない。 刃を合わせる度に吹っ飛ばされ、切り刻まれる。 信って強くなってないの? そう思ってしまう。 こんなことになるなら、もっと万全の状態で対峙させて欲しかった。 そう思ってしまう。 信が勝つ説得力を感じられなかった。 主人公だから勝った。 それだけに見えてしまった。 2人の力の質の違いを描きたいのだと思います。 個と絆の。 しかし、死んだ仲間の力を借り「過ぎた」描写。 この絆を強調し過ぎた描写のせいで、「信本人の力」が見えない。 龐煖と戦っているのは「信の力」ではなく「絆の力」。 これがスカッとしない。 わからなくはないんです。 今後のことを考えれば、現段階で信を強くし過ぎるわけにはいかないでしょうから。 でも、つまらなかった。 自分の力に仲間の力を乗せた力が「信の力」じゃなかったんでしょうか。 七分でも、いや五分でもいい。 他の誰よりも龐煖に対抗できるほど成長した信を見たかった。 だけどまだ及ばない、その部分だけを漂たちの力で補ってほしかった。 私は読者なので、無責任なもんです。 じゃあどうすればよかったかの答えば持ち合わせていません。 大きくし過ぎた龐煖は扱いが難しかったと思います。 信のキャラクターを考えたうえで、王騎・龐煖の「関係」をここで決着させるという判断だったのかもしれません。 でも初めて新刊を読み飛ばしました。 前巻もイマイチでしたけど、読み飛ばしはしなかった。 信の蘇生や、重体で戦い続ける王賁などは、私には(ギリ)許容範囲です。 (むしろ松左・去亥には心打たれました) 桓騎は彼らしく役割を果たしていたと思いますし、摩論とのやりとりの中、言外に王翦への信頼感を匂わせた描写などはとても好きです。 (王翦の凡人感は嫌でしたけど) 亜花錦はじめ、魅力的な新キャラクターもたくさんいます。 でも、「早く次の巻をよこせ!」と興奮して読んだ合従軍戦と違い、今回の趙との戦いは「早く次の展開にならないかな」としか思えなかった。 新刊の発売日がちっとも待ち遠しくなかった。 使い捨て感ありありの敵(特に犬戎の連中と舜水樹)、間延びした展開。 ピンチを演出するために味方にバカな行動させるのも萎えます。 私はこの漫画が好きです。 多分心配しなくても、また面白くなるだろうと思っています。 なぜなら龐煖が退場したので。 でも心配しています。 ヒット作にありがちな「全部描いちゃう状態」になっているからです。 もう何があっても最後まで打ち切られることなどないでしょう。 でもだからこそ、「削る」作業を大事にしていただきたい。 好きに描けるであろう今こそ、それを大事にしていただきたい。 応援しています。 長きにわたった朱海平原の戦いに決着! というとそれはもう劇的なクライマックスを期待してしまうのだけれど、武神さんとどつき合い、限界まで続けた挙句、思いの強い方が勝つ、という何度も見てきたいつも通りの展開だった。 これだけ読んだらきっと胸高鳴っただろう、迫力満点の戦い。 でもいつもこれだから、その迫力にかえって「またか」と胸焼けしそうだった。 これぞキングダム、という、伝統芸みたいになってきた。 「飛信隊!」とでも合いの手を入れながら様式美を楽しめればいいのかもしれない。 その後に信の身に起きたことは衝撃的で、確かに新しいものだったのだけれど、案の定事なきを得た上に、結局はオカルトで解決という、どう受け止めていいのか微妙な展開だった。 マンネリと迷走と、不安を感じた本巻だった。 待ちに待った58巻。 その赤と青の対比の表紙が魅せるように、信と龐煖、ふたりの傑物の戦いがメインで描かれます。 この赤と青ですが、名作映画スターウォーズのライトセイバーのように、〝善と悪〟の対比のように描かれている。 これまで読者側・秦軍側からみて絶対悪(最強の敵)として描かれた龐煖であったが、 この58巻を読むにつけ、龐煖が『最強ではなかった、と諦めて死を悟った』シーンが印象的です。 死を悟った者は、直後に死ぬ。 生へのあきらめ。 一方信は、最後まで諦めなかった。 これが勝敗を分けました。 救急医療の現場で働いた経験がありますが、重傷で運ばれた人間で、生き延びた人と、そうでない人が当然いました。 そのうち、生き延びた人というのは、 『最後までカッと目を見開き、絶対に死んでなるものか!絶対に生きてやるんだ!!』 と、生を諦めなかった人が多く助かっていた記憶があります。 今回のキングダムでもそうです。 肉体的に命が尽きた信でしたが、あの世へ行く間で、 『そうだ!俺はまだ天下の大将軍になれてねぇ』と、自ら気付きます。 助かったきっかけを作ったのは彼を囲む飛信隊の面々ではありますが、その飛信隊をつくったのも、まさに信。 自分がこれまでしてきた人生が、全てそこに繋がっていたのです。 つまりは、自分の命が尽きかけた時、そこで本当に死んでしまうのか、はたまた命を吹き返すのか。 それは、まさに『自分自身』であり、『自分が行ってきた人生という道』によって運命を分けるのかもしれません。 キングダムは凄い。 ただの漫画じゃない。 これほどまでに僕たちを『熱く』、生を与えてくれる原先生に感謝申し上げたいです。
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