【第20回】気になるからだの危険信号 痛み - 腹痛 - お腹が痛む原因には、いろいろなものが挙げられますが、"機能異常による痛み"と"器質異常による痛み"に分類できます。 "機能異常による痛み"とは、内臓の臓器自体には異常がなく、ただ内臓の働きがおかしくなって起こる痛みのことです。 例えば、精神的なストレスによって胃が痛む場合は、胃そのものには異常がありませんので、胃の検査をしても何の問題もないはずです。 このような痛みが、"機能異常による痛み"に含まれます。 一方、"器質異常による痛み"は、内臓の組織の異常があるために起こる痛みです。 例えば、胃が痛むので検査をしたら、胃の壁に潰瘍ができていて胃潰瘍と診断されるような場合です。 多くの腹痛は、内臓の組織の異常があるため起こります。 1.機能異常による痛み 過敏性腸症候群が代表的な症例です。 過敏性腸症候群とは、腸(または消化管)には異常が見られないのに、何らかの精神的ストレスが加わって腸の働きが不調になり、下痢や便秘が慢性的に起こることをいいます。 過敏性腸症候群発症者を 年代別に分けると以下のような結果が得られました。 過敏性腸症候群発症者を 性格別に分けると以下のような結果が得られました。
次のお腹の痛みがあるのは、男性、状態でともによくある症状です。 しかし「お腹がずっと痛い」「腹痛が続く」など、お腹の痛みが数日以上続く時は、さすがに不安になりますよね。 そんなに痛みがひどいわけではないけど、 チクチクした痛みが続いている。 お腹にシクシクした痛みがある。 ズーンとした重い痛みがある。 ズキズキして動けない程の痛みがある。 こんな時、何がお腹の痛みの原因なのか、わからない事も多いです。 お腹の痛み方はいろいろあるので、痛み方や場所、症状によって、何の病気なのか判断が難しい事もあります。 また、お腹の痛みは病気だけでなく、ストレスなどで痛む事もあるので、数日続いた痛みを放っておく事もあります。 しかし、最初は痛みが穏やかでも、急な痛みに変化する場合かあります。 痛みの度合いが変化するだけでなく、痛みの場所が変わる、移動することも。 他にも、最初は特に痛みだけだったけど、次第にお腹に張りが出てくる病気もあります。 そこで、今回はお腹の痛みが続く、腹痛が続く原因や病気を、左側や右側等の場所や症状別に、詳しく解説していきます。 また原因不明のお腹の痛みの場合、なぜ痛くなるのか、お腹の痛みが続いている、治らない時の市販薬等の対処法もご説明します。 *以下の記事に、 腹部の臓器の位置をイラスト図でご紹介しています。 また、お腹には、左右2つある臓器もあります。 卵管 なので、左側や右側、上下等、 痛む場所によって、お腹の痛み、腹痛が続く原因を特定していく事が大切です。 上記に記載のある場所を見て、痛みの原因かもしれない臓器を考えましょう。 さらに、現在の症状を見ることで、病気がわかる場合もあります。 また臓器ではありませんが、「 腹膜」と呼ばれる、 お腹の臓器(大腸、小腸、肝臓等)の表面を、全体に覆う薄い膜があります。 お腹の痛みや腹痛が続き、お腹の中の臓器に炎症が起こっている場合、腹膜も炎症を起こす事があります。 腹膜だけでなく、「 精巣」も下腹部痛が伴う事もあり、注意が必要です。 胃潰瘍• 慢性膵炎• 慢性胆嚢炎• 虫垂炎• 過敏性腸症候群• 慢性腸炎• 潰瘍性大腸炎• 大腸憩室炎• ズキズキした痛みや、キリキリした痛み、鈍痛を感じることもあります。 胃潰瘍は、みぞおち付近が痛むので、胃潰瘍だと思っていたら「 狭心症」・「 十二指腸潰瘍」ということもあります。 また、「 胃炎」も、上腹部付近やみぞおち付近の痛みが続く事が多いです。 また、左脇腹に痛みがでることもあります。 長期的にアルコールを飲む、男性に多いです。 繰り返し右上腹部に痛みがでます。 また、急性胆嚢炎と比較すると痛みが軽く、鈍痛を感じることがあります。 主に、 右下腹部に痛みがでることが多いです。 虫垂炎は、急に腹痛を伴う印象がありますが、 チクチクした痛みから、ズキズキとした痛みに変わることもあります。 また、最初はお腹全体が痛かったのに、 時間がたつと右下腹部に痛みが移動していくこともあります。 下痢や便秘が数ヶ月以上続くことがあります。 発熱・吐き気・嘔吐の症状が見られることもあります。 腹痛だけでなく、 吐き気や嘔吐を伴うこともあります。 「 急性腸炎」と違い、あまり激しい痛みを感じることはありません。 微熱が続くこともあり、徐々に下痢がひどくなります。 炎症部分が、お腹の中側に風船のように膨らむのが「憩室」です。 細菌の増殖や便秘等で、便が詰まってしまう病気です。 下腹部痛以外に、下痢や発熱の症状がでることがあります。 重症の場合は、 血圧が下がる、黒い便(下血)や血便が見られます。 重症の便秘の場合、便とともに、 腸内ガスが充満する事で腹痛が起きます。 ちなみに、便秘というと「数日出ていないと便秘?」と考える人がいます。 しかし便秘の定義は、必ずしも、1日以上とは限りません。 お腹に感じる不快症状や吐き気・腹痛がなく、2~3日周期で定期的に排便があり、それが本人の排便ペースであれば問題ありません。 卵巣のう腫• 卵巣痛• 卵巣出血• 通常痛みはほとんどなく、腫瘍が大きくなると、 腹部の張りや痛みが出ることがあります。 また、卵巣がねじれる、卵巣が破裂すると、 下腹部に激しい痛みが起こります。 左右の下腹部に痛みを伴う事があります。 また排卵時に卵巣内が傷つき、少量の出血を伴う時に痛みが出る事もあります。 痛みは、 チクチクした痛みやピリピリする痛みが多いです。 主に右の卵巣で、出血が起こることが多いです。 出血した卵巣側に、 下腹部痛が現れます。 通常、少量出血の場合は自然に血が止まります。 しかし、出血が止まらない場合は、 お腹がぽっこりと出たり、血圧の低下、貧血の症状が現れます。 生理の期間、ずっと下腹部痛が続くことがあります。 *以下の記事に、 女性の腹痛の原因や病気を、詳しくご紹介しています。 精索がねじれると、 激しい痛みが現れます。 腹痛が続く腹腔内の病気:腹膜炎 「 腹膜」は、 横隔膜から下の内臓全体を包み込んでいる薄い膜です。 お腹の中の臓器の全てを、半透明フィルムで覆い、人間の内臓を守っている、大切な臓器の一部です。 「虫垂炎」や「急性胆嚢炎」などの合併症で、「 腹膜炎」を発症します。 お腹全体に強い張りが出て、身をよじるような、 激しい痛みが続きます。 血の気がなくなり、真っ青になることもあります。 他にも、 吐き気・おう吐・発熱などの症状や現れることがあります。 「腹膜炎」は、命に関わる病気です。 手を離した瞬間に、何とも言えない痛みがお腹全体に響くと「腹膜炎」の可能性があります。 胃がん• 肝臓がん• 大腸がん• 胃潰瘍と同じようなな、 鈍痛やキリキリした痛みが長期間続きます。 重症化すると、 真っ黒な便(タール便)がでるとことがあります。 しかし、進行していくと、 お腹の張りや、右上腹部に鈍痛が続くことがあります。 また、 下痢の症状がでることもあります。 主に、 血便、下痢、便秘の症状が見られることが多いです。 進行すると、 ズキズキする痛み、腹部のしこり、血尿がの症状が現れます。 原因不明の腹痛が続く時に考えられる事 病院に行って、検査を受けても、お腹の痛みの原因が分からないことがあります。 原因不明の場合は、以下の可能性も考えられます。 無理な運動• 筋肉痛• 呼吸が荒くなる• 無理なダイエット• バリウム検査後のアルコール摂取• 妊娠中の身体への負担• 糖尿病や心臓疾患の副症状• 食中毒の症状 マラソンやジョギング等の運動の後は、お腹の痛みを感じることがあります。 「 無理な運動」を続けると、 筋肉痛になり、腹痛が続くことがあります。 「 呼吸が荒くなる」と、 横隔膜の過剰活動によって、痛みがでることもあります。 また、女性に多いのが「 無理なダイエット」です。 人間は、食べ物を摂取しなくても便が作られます。 「 無理なダイエット」で、 便秘を引き起こすことがあります。 他にも、胃のバリウム検査後、バリウムを外に出すために、下剤を飲む必要があります。 もし、バリウム検査後、当日にアルコール摂取すると、 バリウムを腸内で固めてしまい腹痛がでることもあります。 最悪の場合、「 腸閉塞」や「 腸捻転」を引き起こす場合があります。 また、女性であれば、「 妊娠中」に腹痛が続くことがあります。 胎児の成長と共に、母体の下腹部の負担が大きくなります。 すると、母体の 足の付け根の痛みや、右脇腹の張りと痛み、両脇腹がつるような痛みが続くことがあります。 他にも、心因性で腹痛が続くこともあります。 *腹痛が続き、何科の病院に行けば良いかわからない場合は、以下の記事を参考にしてください。 下痢の場合もありますし、便秘で痛みが治まらない事もあります。 そんな時におすすめなのが「 お腹を温める事」です。 お腹が冷えると、お腹の痛みが続くことがあります。 夏は、暑い外からエアコンがきく冷たい部屋の中に入ると、お腹が痛くなることがあります。 冬は、逆に外にでるとお腹が痛くなったり、冷たい椅子に座ってお腹が痛くなることもあります。 お風呂に入る• ひざ掛け等をお腹にかける• 腹巻きをする• 使い捨てカイロを貼る• 温かい食事をとる(生姜入り) 「 お風呂」に入れば、体全体を温める事ができるので、非常にオススメです。 しかし、すぐにお風呂に入る事ができない場合は、「 ひざ掛け」などで、下半身やお腹を温めるのが良いです。 また「 カイロ」をお腹だけでなく、背中に貼ると、お腹を温める事ができます。 食事でおすすめなのが、「 生姜入りのスープ」。 生姜は、体を内から温める効果があるので、お腹の痛い時や生理痛時におすすめです。 しかし、 「虫垂炎」や激しい痛みの場合は、温めると逆効果になる事もあります。 既に、炎症しているときは、 温めるとさらに痛くなるので、注意しましょう。 また、お腹を温めるだけでなく、「 市販薬」などの薬を飲むのも効果的です。 お腹の痛みや腹痛が続く時に、効果的な市販薬をご紹介します。 お腹の痛みが続く時の市販薬 お腹の痛みが続く時、何の薬を飲めが良いか分からない事も多いです。 頭痛薬であれば、「イブ」や「バファリン」等の鎮痛薬のイメージが強いです。 しかし、お腹の痛みだと「胃腸薬」「整腸剤」「鎮痛剤」と、いろいろな種類があります。 お腹の痛みだけでなく、 症状別に効果的な市販薬をご紹介します。 お腹の痛みと下痢 お腹の痛みだけでなく、下痢が続いている場合、下痢止めを飲む人もいます。 しかし、まずは下痢止めではなく「 整腸剤」を飲みましょう。 下痢が続いている場合、体のウイルス等の菌を、体の外に排出している可能性もあります。 まずは 整腸剤を飲んでみて、様子をみるのが良いです。 市販薬の整腸剤では、• 新ビオフェルミンS錠• ザ・ガードコーワ整腸錠• ミヤリサン錠 等がおすすめです。 もし整腸剤を飲んでも下痢が続く場合や、どうしても下痢を止めたい場合は「 下痢止め」を飲む。 その後、なるべく早めに病院に行きましょう。 お腹の痛みと便秘 お腹の痛みが続き、便秘が原因の場合は「 便秘薬」です。 しかし便秘薬は効果が強すぎる、下痢が続くこともあるので、何度も使うのはよくありません。 便秘薬といえば「コーラック」ですが、コーラックは腹痛になりやすく、一気に下痢になることがあります。 そこでオススメなのが「 タケダ漢方便秘薬」。 タケダ漢方便秘薬は、 腹痛が少なく、自然な感じででるので良いです。 お腹の痛みと胸焼け(胃痛) 上腹部の痛みがあり、胸焼けや吐き気がある場合は、胃が原因の可能性があります。 まずは、「 胃腸薬」を飲んでみましょう。 しかし胃腸薬といっても、効果別に様々な胃腸薬が市販されています。 胃痛の症状別に、おすすめの胃腸薬がこちら。 胸焼けが強い「 太田胃散」• 食後の胃もたれが強い「 新セルベール」• 上腹部等の胃痛が強い「 スクラート胃腸薬」 他にも「 第一三共胃腸薬」も良いです。 胃腸薬は、食後の痛みなのか、空腹時の痛みなのかで、市販薬を選ぶのもオススメです。 しかし、あまりにも種類が多いので、 わからない時は薬剤師さんに相談しましょう。 お腹の痛みと生理 生理前後でお腹の痛みがある場合は、鎮痛剤が効果的です。 効果が強すぎないでおすすめなのが「 イブA錠」、他にも「 バファリンルナi」も良いです。 スポンサーリンク お腹の痛みが続く原因や病気のまとめ• お腹の痛みが続く場合は痛みの場所が重要• お腹の痛みが続く原因は消化器系の病気が多い• 女性は卵巣や子宮に原因がある事も• 原因不明の場合は心因性やストレスの可能性も• 痛みが続く時はお腹を温める• 腹痛や下痢には整腸剤が良い• 生理痛や腹痛のみが続く場合は鎮痛剤 お腹の痛み・腹痛が続く時は、 お腹のどの位置が痛いかを、知ることが重要です。 また、腹痛だけでなく、下痢や吐き気等の症状から判断する事ができる場合もあります。 しかし、お腹の痛みが続く時に一番大切なのは、「 病院を受診する事」です。 腹痛が続くということは、内臓のどこかで異変が起きている可能性が高く、体がシグナルを出しているということ。 仕事等でなかなか病院に行けないと、痛みがひどくなって慌てて病院に行く事もあります。 できれば、 痛みがひどくなる前に、必ず病院で診察を受けましょう。 そして病院に行く時に大切なのが、しっかりと「 検査」を受ける事です。 お腹の痛みは、まずは腹部の「 超音波(エコー)検査」を受けると、内臓に異変がないか確認することができます。 またある程度大きな病院であれば、「 CT」「 MRI」で、病気を特定できる可能性が高くなります。 また、大腸に異常がある、腹痛だけでなく下痢が続く場合は「 大腸内視鏡(大腸カメラ)」の検査を受けるのが良いです。 大腸カメラは、前日から下剤を飲む必要があり、大変な検査です。 しかし、何も異常がなければ安心できますし、何か異常が見つかれば、早めに見つかって良かったと思う事ができます。 お腹の痛みが続く場合は、体からのシグナルなので、是非早めに病院を受診しましょう!.
次の突然やってくる下痢の症状。 一日に何度もトイレへ駆け込んだことがある方もいるのではないでしょうか。 つらいだけでなく、大事な状況で下痢の症状が出てしまうと参ってしまいますよね。 なかには、下痢の症状に加えて胃の痛みやお腹全体の痛みまで感じてしまう場合もあるようです。 この原因は一体何なのでしょうか。 そこで今回は「下痢と胃痛・腹痛を伴う病気」について医師537名に聞いてみました。 下痢と胃痛を伴う病気は「感染性胃腸炎」が最多 「下痢と胃痛の両方を伴う病気で多いものは何ですか?」という質問に対し、次の選択肢から選んでもらいコメントを頂きました。 感染性胃腸炎• 急性胃炎• 過敏性腸症候群• 胃腸に刺激の強い食べ物• 炎症性腸疾患• 慢性胃炎• 胃潰瘍• 冷たい飲料物• アレルギー性腸炎• カフェイン• その他 以下、結果となります。 60代男性 一般内科 循環器内科 胃痛と下痢の両方の症状を伴う患者の疾患で多いものは、感染性胃腸炎です。 30代男性 一般内科 リウマチ科 下痢を伴う心窩部痛(しんかぶつう)は、まず感染性胃腸炎として治療を行います。 50代男性 感染症科 呼吸器内科 胃痛と下痢の両方の症状を伴う患者の疾患は、感染を念頭におきます。 50代男性 消化器内科 生活改善しても続く人は過敏性と感染の合併の可能性あります。 60代男性 一般内科 胃痛と下痢で単純に胃腸炎を疑います。 嘔吐に伴い胃痛が生じ、吐き切れなかった残骸が下痢として排泄されると考えるからです。 60代男性 消化器内科 消化器外科 ストレスなどの原因でIBS(過敏性腸症候群)となる場合も多く見かけます。 40代男性 一般内科 感染症科 元々下痢気味の人に胃痛があったなど、複数の病態が重なっている方が多いです。 50代男性 一般内科 総合診療 胃腸に対する刺激の強い食べ物で胃痛と下痢の両方の症状が見られることがあります。 50代男性 一般内科 消化器内科 冷たい飲食物も案外多いです。 50代男性 一般内科 腎臓内科 いろいろな原因が考えられるので、問診が重要です。 「下痢と胃痛の両方を伴う病気で多いものは何ですか」という質問に対し、 多くの医師からは「感染性胃腸炎」との回答が寄せられる結果となりました。 このように回答した医師からは、下痢と胃痛の症状が見られた際は感染症を疑うような意見が多く挙げられていました。 また、「下痢を伴う心窩部痛(しんかぶつう)はまず感染性胃腸炎として治療を行います」と述べた医師もいらっしゃいました。 心窩部とは「みぞおち」にあたる部分です。 胃痛といってもどの部分に痛みを感じるのかが、診察の際に目安となるようですね。 参考: 次いで、「急性胃炎」「過敏性腸症候群」が多いとの見解が見られました。 それぞれの疾患については、以下のように説明されています。 聞いたことがない方はぜひご一読ください。 急性胃炎とは 胃の粘膜が炎症を起こした状態 赤く腫れた、ただれた状態 のことです。 このうち、なんらかの原因を受けてから短期間で発症するものを急性胃炎と呼びます。 引用: 過敏性腸症候群とは 原因の心当たりがなく、検査をしても炎症や腫瘍などの異常が見つからないのに、下痢や便秘、腹痛などを繰り返す病気です。 引用: 医師のコメントから「ストレスなどの原因でIBS(過敏性腸症候群)となる場合も多く見かけます」と意見があったように、過敏性腸症候群は「ストレス」が原因の一つとして考えられているようです。 「緊張してお腹が痛くなる」という方もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか。 このような症状も、ストレスのしわざなのかもしれませんね。 また、医師からは「いろいろな原因が考えられるので、問診が重要です」との意見も頂きました。 症状がひどい場合は、自己判断せず、医療機関を受診することが好ましいと言えそうです。 続いて、お腹全体の痛み、いわゆる腹痛を伴う下痢の場合は、どんなものが原因となっているのでしょうか。 下痢と腹痛を伴う病気も「感染性」(ウイルス性腸炎および細菌性腸炎)が最多 「腹痛を伴う下痢の原因として多いものは?」という質問に対し、次の選択肢から複数回答で選んでもらい、コメントを頂きました。 冷たいものの飲食• アルコール• カフェイン入りの飲料• 香辛料• 細菌性腸炎• ウイルス性腸炎• 過敏性腸症候群• 炎症性腸疾患• ストレス• その他 以下が結果となります。 「腹痛を伴う下痢の原因として多いものは?」という質問に対し、 ウイルス性腸炎が最も多い結果となりました。 次いで細菌性腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患と疾患が続きました。 こちらも「胃痛を伴う下痢」の原因と一致して、ウイルス性腸炎・細菌性腸炎といった、いわゆる感染性のものが上位でした。 それでは、医師のコメントをみていきましょう。 ウイルス性腸炎、細菌性腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患• 50代男性 一般内科 呼吸器内科 ウイルス胃腸炎が一番多い印象でしょうか。 50代男性 一般内科 消化器内科 ノロウイルスを筆頭としてウイルス性腸炎ではないでしょうか。 40代男性 一般内科 ノロウイルスが代表的かと思います。 50代女性 一般内科 ウイルス性と思っても細菌性のことがよくあります。 50代男性 一般内科 消化器内科 腹痛を伴う場合は細菌性腸炎が多いと思います。 60代男性 一般内科 細菌性腸炎が多いかな。 時にウイルス。 そして、過敏性腸疾患の順番だと思います。 40代男性 一般内科 IBS(過敏性腸症候群)は多い疾患と思います。 60代男性 一般内科 やはりIBS(過敏性腸症候群)では痛みを伴いやすいです。 60代男性 一般内科 過敏性腸症候群は最近増加しているためです。 60代男性 一般内科 炎症性腸疾患 では腹痛が強いです。 50代男性 一般内科 循環器内科 腹痛まで伴えば、何らかの炎症性疾患等を考えます。 ウイルス性胃腸炎と回答した医師からは「ノロウイルス」が代表的であるとのコメントが複数見られました。 冬場に流行を聞くノロウイルスですが、それが原因でウイルス性腸炎になってしまう方が多いようですね。 しかし、「ウイルス性と思っても細菌性のことがよくあります」との指摘もあり、必ずしもウイルス性腸炎が原因とは限らないようです。 また、過敏性腸症候群と回答した医師からは「過敏性腸症候群は最近増加しているためです」との意見がありました。 続いて挙がっていた炎症性腸疾患ですが、なかでも潰瘍性大腸炎について以下のような説明がありましたので、参考にしてみてください。 炎症性腸疾患とは 潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。 特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。 病変は直腸から連続的に、そして上行性(口側)に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。 引用: 最後に、上位ではありませんでしたが、その他を選んだ回答や、飲食に関する回答をした医師のコメントもみていきましょう。 その他・冷たいものの飲食、アルコール、カフェイン入りの飲料など• 40代男性 一般内科 冷たいものは消化によくないです。 30代男性 一般内科 冷たい食べ物の摂取が多いです。 50代男性 一般内科 循環器内科 おなかが冷えると下痢をします。 50代男性 一般内科 消化器内科 よくよく聞くとアルコール摂取後の下痢が意外と多いです。 60代男性 一般内科 呼吸器内科 アルコールの大量摂取の翌日は下痢になりやすいです。 30代女性 一般内科 呼吸器内科 コーヒーなどが多いです。 40代男性 一般内科 神経内科 ストレスや刺激の強い食べ物が多い印象です。 30代女性 一般内科 油ものをたくさん食べてもなります。 50代男性 一般内科 小児科 食べすぎなども考えられます。 焼肉の後が最悪ですね。 40代男性 一般内科 腐った食べ物を食べた時など下痢と腹痛を起こします。 40代女性 一般内科 神経内科 デトックスティー、ゴボウ茶などでもあり得ます。 50代女性 一般内科 下剤飲んでおなかが痛いという患者さんは多いです。 50代男性 一般内科 下剤の影響が多いと思います。 50代男性 一般内科 消化器内科 高齢者は下剤を飲んでの腹痛や下痢が意外と多いです。 その他、または飲食が原因と考える医師からは、「冷たいものは消化によくないです」とのコメントもあり、冷たい飲食物をたくさん摂取することにより、消化不良が起きると考えられそうですね。 また、アルコールや油物の摂取、食べすぎなどを指摘する声も多く寄せられました。 一方で、「下剤の服用」が複数の医師から挙げられていました。 便秘の際に用いる下剤ですが、こちらを服用することによって下痢や腹痛を引き起こす可能性があるようです。 下痢に胃痛や腹痛の症状が重なるときは、感染性が多い 本調査では「下痢と胃痛・腹痛の両方を伴う病気で多いもの」について調査を行いました。 結果、下痢と胃痛・腹痛の両方を伴う病気で多いものは、感染性の胃腸炎または腸炎という結果となりました。 しかし、医師のコメントからはこれらの疾患だけでなく、過敏性腸症候群や炎症性腸疾患、他にも冷たい飲食物の摂りすぎやアルコール、下剤など様々なものが原因で引き起こされることが判明しました。 もし症状がひどい場合には、自己判断で対処しようとせず、医療機関の受診を推奨します。
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