通勤手当は非課税? よく交通費については、「通勤手当をいくら支給すればよいですか?」という質問が聞かれます。 通勤手当は、あくまで会社が定める任意の金額で支給することが可能です。 ただし従業員に支給される手当は、基本的に従業員個人に対する所得税の課税対象です。 例えば住居手当や残業手当、扶養手当など、全ての手当が課税対象となります。 ところが通勤手当の場合、課税方法が他の手当と異なります。 通勤手当は一定基準の範囲内であれば、所得税は非課税です。 その理由は、通勤手当の性質が会社に出勤するための単なる実費の補てんであり、所得に馴染まないからです。 非課税となる通勤手当とは 通勤手当であれば、交通費がいくらでも非課税になるわけではありません。 非課税となる金額は、国税庁の通達で、以下のように分けられています。 交通機関で通勤する人• 車両や自転車などの交通用具で通勤する人• 定期乗車券で通勤する人• 交通機関+交通用具を利用する人 それぞれについて、詳しく見ていきましょう。 交通機関で通勤する人 運賃全額が非課税となりますが、1ヶ月15万円が上限です。 ただし運賃について、国税庁の通達では「通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合」としています。 例えば、グリーン車の利用料金は交通費とはいえ非課税となりません。 車両や自転車などの交通用具で通勤する人 車やバイク、原付、自転車は、通勤距離で非課税限度額が定められます。 車であっても自転車であっても、非課税限度額が変わりません。 そのため、不公平感はあるかも知れませんが、経理側としては覚えやすくてありがたい規定です。 なお、平成28年1月1日以後適用分の例では次のように定められています。 2㎞未満(片道の通勤距離。 (参考) 車の場合、2点補足があります。 1点目は駐車場代です。 会社に駐車場がない場合、近隣の月極駐車場を利用することがあるでしょう。 この駐車場料金を会社が負担するかどうかは、会社の自由です。 ただし負担する場合は全額課税となりますので、非課税の通勤手当に含めることはできません。 2点目は有料道路を使用する場合です。 通勤途中に有料道路を使用する際は、距離に応じた非課税限度額に有料道路の通行料金を合計した金額が非課税限度額となります。 例えば片道の通勤距離が60㎞で、うち30㎞が有料道路(通行料が5,000円)の場合、 31,600円(55km以上の非課税限度額)+5,000円=36,600円 となり、36,600円が非課税限度額です。 ただし、1ヶ月で15万円が上限となります。 定期乗車券で通勤する人 通勤に必要な乗車区間分の定期券であれば、全額非課税となります。 ただし、1ヶ月15万円が上限です。 交通機関+交通用具を利用する人 自宅から2㎞以上離れた最寄り駅まで自転車で行き、電車に乗る場合などが該当します。 非課税限度額は前述した1・2の合計で、1ヶ月15万円が上限です。 課税通勤手当は年末調整で給与に含める 課税通勤手当を支給した場合は所得税を課税するため、年末調整で給与に含める必要があります。 給与計算ソフトを使用して課税・非課税を分離していると自動計算してくれるため、交通費の計算に間違いは起きにくいでしょう。 ただし、もし手書きの給与明細書や社内で作成したエクセルなどで対応している場合は注意が必要です。 毎月の給与明細の上で、通勤手当の課税と非課税を確実に分けて記録しておきましょう。 通勤手当の消費税は? 消費税の納税義務者である会社の場合、通勤手当が課税仕入となるか、非課税仕入となるかを迷うかもしれません。 しかし、通勤手当の所得税が非課税となる理由は実費補てんです。 所得の性質に馴染まないので、消費税には関係ありません。 そのため、基本的に通勤手当は全額課税仕入れとなります。 税額控除の区分は、その従業員が課税売上にのみ貢献している場合を除き、共通課税仕入で処理しましょう。 通勤手当の具体例 それでは、いくつか具体例を挙げながら交通費に伴う通勤手当について見ていきましょう。 条件 自宅~最寄りのA駅:徒歩 A駅~B駅:電車(1月の定期券代10,000円) B駅~会社:徒歩 通勤手当10,000円支給• 課税・非課税の別 課税通勤手当:0円 非課税通勤手当:10,000円• 条件 自宅~会社:車30㎞(非課税限度額は、18,700円) 有料道路:1,000円 通勤手当:20,000円支給• 課税・非課税の別 課税通勤手当:300円 非課税通勤手当:19,700円• 条件 自宅~会社:車1. 8㎞ 通勤手当:2,000円• 課税・非課税の別 課税通勤手当:2,000円 非課税通勤手当:0円• 仕訳 借方 金額 貸方 金額 給与 2,000円 現金預金 2,000円 仕訳で非課税・課税に分ける必要はありません。 エクセルで給与計算を行う会社の場合は、補助科目で課税・非課税を分けておくと、年末調整の際に残高試算表で付け合せがしやすくなるでしょう。 社会保険料の計算には通勤手当が含まれる 交通費について通勤手当を支給する場合に迷いやすいのが社会保険料の算定です。 多くの会社が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の場合、社会保険料は従業員ごとの「標準報酬月額」に基づき、健康保険料は都道府県ごとに定められる保険料率で、さらに厚生年金保険料は全国一律の保険料率を掛けて計算されます。 実際には都道府県ごとの保険料一覧表があるため、難しい計算は不要です。 迷いやすいのは、この「標準報酬月額」を算定する算定基礎届の手続きの際に非課税の通勤手当を含めるかどうかです。 結論から言えば、これは含めます。 ここで、例を挙げて考えていきましょう。 <例>• 月給25万円• 住宅手当1万5,000円• 課税通勤手当800円• 非課税通勤手当4,200円 これらを毎月支給する従業員の標準報酬月額は、27万円です。 非課税通勤手当はあくまで所得税が非課税というだけで、他の税や保険料が非課税となることはありません。 また、毎月計算する雇用保険料の計算も、通勤手当を全額含めて計算します。 上記の例で言えば、27万円にそれぞれの事業に応じた保険料率を掛けて計算する形です。 まとめ 最後に、交通費に伴う通勤手当のチェックポイントについてまとめます。 受け取った側の所得税が一定要件下で非課税となる• 交通機関を使う場合は基本的に全額非課税• 車両など交通用具は距離に応じて非課税限度額が変わるが、2㎞未満は全額課税• 非課税額の上限は15万円• 所得税以外の扱いでは課税・非課税の区別が不要 また、交通費・経費精算システムの「楽楽精算」なら、交通費精算だけでなく経費精算業務全体の時間短縮・効率化できる機能が豊富です。 定期区間控除のチェックや検算作業など、毎月の処理が大変と感じている方は、交通費精算システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
次の『』 「 経費精算の業務量を減らしたい・・」 「 経費精算の入力ミスが多い・・」 そんなお悩みを抱える方には『 』がおすすめ!• 領収書を撮影するだけ!簡単操作で自動入力!• 会計ソフトへデータを自動連携!99. 領収書の全件チェック・倉庫7年保管を代行! は ほとんどの方が会社から通勤手当という形で通勤費をいただいていると思いますが、この通勤手当、 非課税扱いになっているか確認した事はありますか? また、通勤手当を支給している経理の方はしっかり「非課税」ルールを把握していますか? 何それ?と思われた方、給料明細を確認してみて下さい。 もし課税扱いで通勤手当をもらっていた場合、所得税を多く払っている事になってしまいます。 会社としても非課税扱いで処理しなければいけない通勤手当を課税処理してしまっているとなれば、社員の方に所得税を多く支払わせてしまう上に、税金計算上のミスにもなってしまうので、確認が必要です。 今回は通勤手当に関連する3つのお話をしていきたいと思います。 通勤手当の話をするには、まず規定をしっかりと決めておく必要がある• 通勤手当を非課税扱いで計算するには、15万円までの限度額がある• 通勤手当には消費税がつくのかつかないのか 長年経理業務に携わっていた筆者でさえ、全く知らなかった情報もありましたので、意外とご存知ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?会社も社員も知らずに損をしてしまう事がないよう、ぜひ皆さまにも情報を共有したいと思います。 通勤手当の非課税限度額 通勤手当は会社経費として考えられますので、限度額までが非課税扱いになるというのはわかる気がしますね。 だた、通勤手当が限度額までは非課税扱いである事を知っている社員はどれだけいるのでしょうか? 会社からいただいいている給与明細の内訳、項目の詳細については無関心でも生活していけますので、知らない人は全く知らないですよね。 会社としても課税非課税の扱いを知らずに通勤手当を支給してしまう可能性もゼロとは言い切れません。 しっかりと確認しておきましょう。 通勤手当の非課税限度額は15万円まで 通勤手当の 非課税限度額は15万円までです。 では「非課税」とは何が非課税なのでしょう?今回のテーマである通勤手当は給与手当の1つです。 給与には所得税が課せられますよね。 非課税とは、 所得税計算をする際、通勤手当は非課税扱い、つまり所得税計算は通勤手当分の金額を抜いて計算します。 通勤手当は会社の経費ですので、通勤手当も含んだ給与の総額に対して所得税計算をしてしまうと、通勤手当分、多く所得税を預かってしまう事になるので注意が必要です。 通勤手当の非課税限度額については、国税庁のホームページで詳細を確認してください。 参考文献1: 参考文献2: 通勤手当が非課税にならない場合とは? 限度額の 15万円を超える部分については、非課税扱いではなく 課税扱いになり、所得税計算の対象となります。 15万円を超える通勤手当というのはあまり現実的ではありませんが、新幹線通勤の方などには関係してくるでしょう。 社員の所得税に大きな影響が?!通勤手当を非課税にしないとどうなる? 通勤手当を非課税にしないと、社員は 所得税を多く支払う事になり、会社としては 徴収ミスを指摘される事になるでしょう。 会社専任の税理士や会計士がいる場合、このようなミスは事前に指摘されているとは思いますが、もし間違えて処理をしていた場合のその後の手続きに関しては税務署に問い合わせいただいた方が確実です。 そもそも通勤手当とは? まず、通勤手当とは、ご存知の通り通勤するためにかかった費用を会社が負担し、給与として支払われるものです。 おそらくほとんどの会社で通勤手当を支給しているとは思いますが、中には一部支給であったり、通勤手当の支給が全くない会社もあります。 入社する際に通勤手当の支給の有無をチェックする方もいますので、認知度としては高い方の手当ではないでしょうか。 通勤手当の規定とは?会社により差がある規定の事実 会社には、様々な個別の規定があると思います。 規定とはその社で取り決めているルールの事です。 学校で言う「校則」のようなものなので、各社によりその規定は様々です。 今回は通勤手当についてのお話ですので、通勤手当の規定について話を進めていきたいと思います。 通勤手当の支給は会社により様々です。 通勤にかかる費用を全額支給・一部支給・支給なしなどがあり、支給方法も社員が自分で定期券を買ってお金を支給してもらう場合と、会社が定期券を買って現物支給する場合など、金額・方法は会社によりけりです。 通勤手当の至急は義務ではない。 すべては会社ごとの規定次第 絶対に会社が通勤手当を支払わなければいけないという決まりがあるわけではないので、通勤手当の扱いには規定での取決めが必要になってきます。 後々、トラブルになっても規定がなければ判断の仕様がありません。 特にお金に関する事は、会社としては利益に関わる重大な事、社員にとっては生活費となる重大な事なのですから、会社にとっても社員にとっても重大なポイントになってきます。 日々の通勤も年単位になれば高額になってきますので、細かいところであっても最初のうちに決めておいた方が良いでしょう。 以下、規定を作成する際に参考にしてみて下さい。 参考文献: 通勤手当の規定作成が必要な理由とは? 通勤手当の規定は必ず作成するようにしましょう。 会社まで自転車で通勤している人に、通勤手当を支給するのかしないのか、車で通勤している人の通勤手当はガソリン代のみなのか、など どの社員にも公平な支給が出来るルールを決めておく事は、社員が会社を信頼出来る要因にもなりますよね。 大人とは言え、「あの人は支給されたのになんで私は支給されないの?」「特別扱いされている人がいるみたい」というような差別的な印象は、社の不評として一気に社員に広まってしまいます。 バスの定期代を通勤手当としていただいていながら、徒歩で通勤してくる、電車の定期代をいただきながら自転車で通勤してくるという不正申告は実際にあるようで、トラブルとして問題になることも少なくないようです。 不信感につながらないような仕組みづくりを用意しておく事は、社員にとっては最大の福利厚生だと思います。 そして、社員が虚偽の申告をして通勤手当を不正受給することがない、清廉潔白な金銭の循環が出来るよう、規定をしっかりと定めておくことは大切な事なのではないでしょうか。 通勤手当の規定を作成する際に注意する4つのポイント 規定を作る際のポイントとしては、 曖昧になる部分についてのルールをはっきりとさせておく事ですね。 遠回りの経路を申請する、バスや電車の定期代を通勤手当として申請して、徒歩や自転車で通勤するなどの不正は現在でも発生しています。 最低限、以下の4点は決めておきたいところです。 定期代を会社で購入して現物支給をするのか、清算という形で現金で支給するのか• 1か月分なのか、6か月分なのか 電車定期だと6か月の方が安くなるので• 駐輪場代・駐車場代を通勤手当に含めるのか• 通勤経路として、通勤時間は短いが交通費が高くなる・通勤時間は長くなるが交通費が安くなる、など通勤経路に複数のパターンがある場合、どの経路を選ぶのか また、通常は自転車や徒歩で会社まで通勤してくる人でも、雨が降ったらバスに乗る、妊婦になったのでバスを利用する、親の介護や子供の保育園などの関係で、自宅とは別の場所から出勤してくる場合など、 天候や状況に応じて想定される通勤のケースについて、対応をどうするのか、規定を決める際に考えておく必要があります。 通勤手当の規定に必ずいれること 通勤手当の経路として、 最も合理的な経路で通勤してくる事を前提に通勤手当を支給するという内容については、しっかりと取り決めをした方がいいと思います。 遠回りの経路で申請している社員に対し、どのように注意勧告や警告をしていくのか、その処分についても、トラブルが発生した時に規定がないという状態では会社としては対応の仕様がなくなってしまいます。 【規定をつくる上で注意するポイント】でお話しました内容に加え、不正を防ぐ意味での明確な通勤規定はもちろんの事、これからの時代は子育て・介護をしながら働く事が当たり前の時代となっていきますので、これらの事に配慮した通勤規定を定める必要があるでしょう。 自転車通勤の人も通勤手当がもらえる?意外と知らない通勤手当の穴 自転車通勤の人で、通勤手当の申請をしている方はどれだけいるのでしょうか?実際のところ、自転車通勤には現金清算がからまないので通勤手当申請の対象にならないと思っている方も多いのではないでしょうか? 実は、 通勤の距離が2km以上であれば通勤手当が申請出来ます。 ただし、支給の有無・支給される金額については、通勤手当の規定に準ずる金額になりますので、会社に確認してみましょう。 そもそも自転車については手当を支給しないという規定であれば、残念ながら手当はいただけない事になります。 では、最寄りの駅までは自転車で行って、駅から電車で通勤する方の場合はどうなるのでしょうか?このパターンの場合も、 自宅から駅までの距離が2km以上であれば通勤手当が申請出来ますが、先ほどと同じく、規定に準ずる事になります。 筆者自身の体験談 筆者もこのパターンで長年通勤してきましたが、会社からいただいていた通勤手当は電車代のみでした。 定期代の金額を申請し、ピッタリの金額をいただいておりました。 駅まで自転車で通っていましたが、自転車については一度も聞かれたことがなく、筆者自身も自転車は通勤手当の対象外だと思っていました。 自宅から最寄り駅までの距離は約3km。 通勤手当の申請が出来る距離でした。 後ほどお話します通勤手当の非課税限度額を確認してみたところ、3kmの場合は月4,200円。 もしマックスの金額で支給されていたら、この経路では3年間通勤したので単純計算で151,200円。 よく考えてみたら駐輪場代は請求しても良かったのではないかと思いますが、当時は全く思いつきませんでしたね。 今更ではありますが、筆者のような例もありますので、自転車通勤で15分以上自転車に乗っている方は、一度距離を確認してみるといいと思います。 また、会社としても経費扱い出来るものは計上したいという場合もあるでしょう。 経理担当者が知らなかったから計上出来なかったという事がないように、今一度規定を含めて確認しておきたいところです。 駐車場代や駐輪場代も通勤費扱いになるの? この辺りの事も全て通勤手当の規定によりけりという事になります。 国税庁が設けている通勤手当については、月15万円までの支給は非課税扱いになりますよという事だけが決まっており、どの金額に対してどのように支給するかは会社に任されています。 例えば、筆者が社長であれば、駐輪場代+電車代を通勤手当として支給したいと思いますが、別の社長が駅までは歩いていけばいいのだから電車代しか通勤手当とは認めないと言えば、電車代のみが通勤手当になってしまうわけです。 駐車場代にしても、駐輪場代にしても、通勤するためにかかっている費用なのであれば、一度会社に確認してみた方がいいでしょう。 通勤手当の消費税取扱いと計算方法を解説! 次に通勤手当の消費税はどういう扱いになるのかを解説していきたいと思います。 通勤手当と消費税の関係 通勤手当の話なのに、どこから消費税という言葉が出てきたのか?と思う方もいるでしょう。 通勤手当は交通機関を利用しますので、交通費と同じ種類ですよね。 交通費は消費税込 内税と表現した方がわかりやすいでしょうか の金額で交通機関に支払っています。 通勤手当は、給与をもらう側からすれば手当ですが、払う会社側としては交通費と同じ経費です。 ですので 通勤手当には消費税が発生します。 ここで間違えてはいけないのは、通勤手当は全額消費税計算の該当となる事です。 混乱してしまう方もいるとは思いますが、通勤手当の非課税限度額以上の金額も、消費税計算上はす べて課税仕入れ扱いとなりますので注意しましょう。 ただし、例外があります。 通勤手当として、必要である通勤手当の支給であれば消費税計算としては全額課税仕入れ扱いになりますが、 必要ではない部分の通勤手当の支給については不課税仕入扱いとなります。 わかりやすく言えば、グリーン車の費用などは必要ではない通勤手当となり、所得税としても課税扱いになりますし、消費税としても不課税仕入扱いになる、という事です。 通勤手当の計算方法の3つの例 ここまでの話を踏まえた上で、通勤手当の計算方法を考えてみましょう。 消費税は15,000円全額が課税仕入れ扱いです。 駐輪場代1,600円+バス定期代4,800円=6,400円が非課税の通勤手当。 消費税は6,400円全額が課税仕入れ扱いです。 消費税は29,000円全額が課税仕入れ扱いです。 あくまで計算の一例として参考にしてください。 参考文献2: 経費精算システムを使えば、通勤定期代の計算も簡単 毎月、交通費精算から定期区間とかぶっているか確認したり、定期区間分の料金を計算するのは面倒ではありませんか? 実はこのような作業は「経費精算システム」によってすべて自動化できるんです。 また、手計算での手間やミスが省け、時間に猶予が生まれる他、税改正などが行われた際に設定1つで計算に反映できるというメリットがあります。 今回は通勤手当に関連する計算方法なども含めご紹介しましたが、実際はシステムが行う作業になってくる部分になるのではないでしょうか。 おすすめの経費精算システムは「」です。 スマホやPCから直感的に使いやすいです。 いろいろな情報はありますが、元をたどれば 通勤手当の規定がベースになる話になってくるでしょう。 通勤手当含め、社員の方々が感じる疑問については、どんどん会社に確認してみましょう。 聞ける雰囲気ではないからとネットで情報を集めても、あなたの会社で摘要されるとは限りません。 また、「他の会社はこうだから」という主張が通るものでもありませんので、疑問点は直接会社に確認する事から始めてみましょう。 会社も社員も、損にならない会計処理になっている事が一番の理想ですからね。
次の今回の消費増税の概要 2014年4月1日以来、5年6ヶ月ぶりの増税で、税率が8%から10%へと上がります。 ただし、今回は「軽減税率」が導入され、(1)酒類・外食を除く飲食料品、(2)週2回以上発行される新聞で定期購読契約にもとづくもの、が軽減の対象品目となり、税率が8%の据え置きとなります。 増税は消費者に限らず、事業主・会社側にも多大な影響を生じさせます。 例えば、小売業の現場では、レジの入れ替え作業が労力的、費用的に大変で懸念されることとして、ニュース等で報じられていたことは記憶に新しいかと思います。 視点を「会社の部署」に向けるならば、営業部門や経理部門となりましょう。 売上や経費等にダイレクトに関係します。 営業や経理と比べると、一見関係ないようであって実は給与計算に影響があり、見過ごせない部分があります。 それは、 「通勤手当」 です。 今回は、給与担当者として「通勤手当」の取り扱いで注意すべきことを説明していきたいと思います。 その「性質」をまとめると、以下のようになります(平成24年9月20日 第2回 社会保険料・労働保険料の賦課対象となる報酬等の範囲に関する検討会におけるを参照)。 「労働の対償」として支払われるものとして、労働基準法上の「賃金」の一部である。 「最低賃金法」における「賃金」に該当しない。 会社の時給等が最低賃金額を満たし、適法か否か調べる際は、通勤手当の金額を除外する必要がある。 源泉所得税上、通勤の手段や通勤の片道距離に応じて、非課税限度額がある。 公共交通機関・・1ヶ月当たりの非課税となる限度額は、通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路及び方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額( 15万円以下ならば、全額非課税となります。 ) 自家用車・・・1ヶ月当たりの非課税の限度額は、片道の通勤距離に応じて定まる。 例としては以下となります(所得税法9条及び所得税法施行令20の2を参照) 片道距離が2km未満の場合は 全額課税 2km以上~10km未満の場合は 1ヶ月当たり4,200円が非課税 10km以上~15km未満の場合は 1ヶ月当たり7,100円が非課税• 雇用保険料を計算する際の賃金に含める(非課税限度額は関係なし)。 社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)に関する「標準報酬月額」を決定する際の「報酬」に含める(非課税限度額は関係なし)。 「通勤手当」は法律上、必ずしも支給すべきものではありませんが、約9割超の会社が支給をしている実態があります 「平成27年就労条件総合調査」を参照。 1.公共交通機関で通勤をする場合 1ヶ月の定期代に相当する金額を「通勤手当」として支給するのが主流かと思います。 相当額としては「実費」、「最寄駅から勤務地までの最短経路の1ヶ月定期代」、「6ヶ月定期代の1/6相当額」、等が考えられます。 計算方法に違いはありますが、いずれにせよ、運賃や定期代には消費税がかかり、かつ軽減品目には該当しないため、増税に伴い値上がりすることになりますので、 「通勤手当」の変更が必要です。 かたや、ガソリン単価と連動しない計算式であれば、消費税の影響はありません。 これを採用する場合、「通勤手当の非課税限度額」を参考にして、支給金額を定めている会社が多々あるかと思います。 公共交通機関による通勤といえども、 一律の金額を支給している場合は、消費税は関係がないため、増税を考慮する必要はありません。 もし変更を怠った場合 消費税の増税が実施される前に、給与担当者として、自社の就業規則や給与規程の「通勤手当」に関する条項や計算式を見直し、消費税と関係がないか、改めて確認してみましょう。 消費税が影響する計算式であれば、「通勤手当」を一斉に変更する作業が必要となります。 変更を怠った場合、当該会社の就業規則・規程違反に留まらず、労働基準法にも抵触することにもなります。 変更を怠ったことによる差額が少額だったとしても、労働基準法上の「賃金」に該当するため、24条との兼ね合いで問題となります。 24条では「賃金は、通貨で、直接労働者に、その 全額を支払わなければならない。 」とあり、賃金の支払いに関する重要な原則を謳っております。 変更を怠ることは「全額払い」の原則に反することになるため、給与担当者として注意をしましょう。 通勤手当の金額変更を行う場合、それを正確に行い適切な時期に給与へ反映させることは当然のことといえますが、「変更それ自体」にも増して、給与担当者として、変更の情報を、どのように収集するかを考慮する必要もあります。 該当する者に対して「一斉に」行う作業となるため、その段取りやアナウンスが大変重要となります。 増税の時期が迫っているにも関わらず、まだ作業に着手できていない会社の担当者は、効率的な段取りや丁寧なアナウンスをも念頭において、業務を進める努力をしましょう。 まとめ 上記では該当者のみに言及をしましたが、この増税を機会に、通勤手当の『棚卸し』の意味も込めて、従業員全員に対して「通勤手当申請書」を提出して頂くこともよいかもしれません。 該当者か否かの選別を行う煩雑な業務を省略しつつ、全員を対象として、「申請書の提出がなされているか」、「住所や通勤経路・手段に変更はないか」、等の精査を行うよい機会かと思います。 「通勤手当」変更後、日々の給与計算において注意すべきことは、以下となります。 自家用車の場合、通勤手当の増額に伴い、今まで非課税限度額で収まっていたところ、課税となる金額が生じる可能性も否定できません。 例えば、片道の通勤距離が5kmで、その距離にガソリン単価を乗じて「通勤手当」を計算・支給している会社において、今まで4,200円の範囲内に収まっていた手当が、増税を反映させたガソリン単価を乗じた結果、4,300円になった場合には注意が必要となります。 4,200円を非課税、100円を課税に振り分ける必要があります。 非課税と課税の区別をしっかり行い、月々の源泉所得税の金額を正確に算出し、正しい給与計算を行うようにしましょう。 すなわち「通勤手当」として、1ヶ月一律に支給しているもの(公共交通機関を通勤で使用している場合を想定)やガソリン単価に通勤距離を乗じて計算しているもの(自家用車での通勤を想定)のどちらにせよ、その変更は「固定的賃金の変動」に該当し、月額変更の契機となります。 そのため、変更を反映・支給する給与から以後3ヶ月間の給与額を注視し、月額変更(等級差)が生じないかの確認を忘れないようにしましょう。 変更時だけに注意を払って安心するのではなく、月変の可能性を意識して、要件を満たす場合は、速やかに月額変更届を提出することとなります。 以上を踏まえ、給与担当者として、来る2019年10月1日の消費増税に備えましょう。
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