概要 [ ] 日本法上、「 法令」という語は、一般には「 法律」(国会が制定する法規範)と「 命令」(国の行政機関が制定する法規範)の総称である。 しかし、もろもろの法規では、法律と命令のほか、憲法や条例、規則(地方公共団体が制定する法規範)、最高裁判所規則(最高裁判所が制定する法規範)、訓令(上級官庁が下級官庁に対して発する命令)などを含めて「法令」と呼ぶこともある。 このように、「法令」という用語の使い方は、かなりまちまちである。 結局、個々の用例に則して、その範囲を決めるほかはない。 日本の法令の数 [ ] 国立国会図書館の日本法令検索において、現行法令として検索した場合法令の数は以下の通り。 分類 法令数 概要 憲法 1 法律 2,280 太政官布告・達 9 3件(絞罪器械図式、刑法(旧刑法)、)、が法律扱いとの記載がある。 政令 3,016 施行日を定める政令を含む。 勅令 157 勅令無番号で公布された条約(例えば、メートル条約)を含む。 府令・省令 4,125 閣令 13 規則 393 日本法令検索では「その他の行政機関の命令」として分類 計 9,994• 旧法令データ提供システムとはかなり差がある。 実効性喪失の扱いの差等による。 未施行法令、施行停止法令、整備法令等の法令数については、上表には計上していない。 このほか、議院規則、最高裁判所規則、条例がある。 法令の種類 [ ] 日本の法令には、種類ごとに優劣関係がある。 上位の法令が優先され、上位の法令に反する下位の法令は効力を持たない。 優劣関係は、おおむね次のようになっている。 なお、法令の対象となる事項にもよるが、憲法と条約との関係、条約と法律との関係、法律と最高裁判所規則との関係については、優先関係につき争いがある。 地方行政における条例等については、を根拠に効力の優劣関係は次のようになっている。 日本の主な法令の条文は、()で参照できる。 現行法令 [ ] 日本の現行法令には、 、 条約(憲章、協定、議定書などを含む。 )のほか、 法律、 命令(政令、府省令など)、 最高裁判所規則、 議院規則(衆議院規則、参議院規則)、ならびに 条例、各地方公共団体の首長や行政委員会が定める 規則がある。 それぞれの内容は下記の通り。 法令名 定義、制定方式など の基本秩序を定める根本である。 機構や国民の、などを定めている。 なお、日本国憲法の改正には「憲法改正」という法形式がとられる。 上でどうし、あるいはなどので結ばれるである。 日本国が同意しているものは、公布され、国内では法律より優先する。 条約は、、、などの名称で締結されるが、法的には条約と扱われる。 については、ここでいう条約には含まれず、いずれに該当するかは個々の内容により決まり、文書の名称により一義的にはきまらない。 の議決により成立する成文法の一形式。 例外として、(一ののみに適用される特別法)は、国会の議決のほか、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意が必要。 成立した後、主任のがし、がして、がする。 行政機関が制定する成文法の総称。 法律の範囲内において定められる。 政令、府省令、その他の命令の3種がある。 が制定する成文法。 法律の実施に必要な細則や法律が委任する事項を定める。 に基づく。 によって決定され、主任のがし、がして、が公布する。 法律の委任がある場合を除き、罰則や義務を設けることはできない(11条)。 題名は「云々に関する法律」「云々に関する政令」とされることが多い。 府省令 内閣府総理大臣が発する成文法である 、 および と、が発する成文法である の総称。 内閣官房令、内閣府令、復興庁令および省令の間で上下の序列はない。 府省令の題名は「云々に関する法律施行規則」「云々に関する内閣府令」「云々に関する省令」とされることが多い。 複数の府省の所掌事務にわたる事項について定められる府省令は、複数の府省の主任の大臣が共同で発する。 内閣総理大臣がに係る行政事務について発する成文法。 25条3項は、「内閣総理大臣は、内閣官房に係る主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、内閣官房の命令として内閣官房令を発することができる」と定める。 内閣官房令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない(内閣法25条4項)。 内閣総理大臣がに係る行政事務について発する成文法。 7条2項は、「内閣総理大臣は、内閣府に係る主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、内閣府の命令として内閣府令を発することができる」と定める。 内閣府令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない(内閣府設置法7条4項)。 内閣総理大臣がに係る行政事務について発する成文法。 7条2項は、「内閣総理大臣は、復興庁に係る主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、復興庁の命令として復興庁令を発することができる」と定める。 復興庁令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない(復興庁設置法7条4項)。 各省大臣が発する成文法。 12条1項は、「各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として省令を発することができる。 」と定める。 省令には、法律の委任がなければ、を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない(国家行政組織法12条3項)。 その他の命令 その他の命令は、その発する機関、根拠法、沿革などにより、政令または府省令に並び、政令または府省令の下位に位置する。 が定める成文法。 会計検査院法38条は、「この法律に定めるものの外、会計検査に関し必要な規則は、会計検査院がこれを定める。 」とする。 会計検査院が憲法に設置根拠を持ち(憲法90条2項)、内閣に対し独立の地位を有するため(会計検査院法1条)、会計検査院規則は政令または府省令に準じる効力を持つと解される。 会計検査院規則には、会計検査院長が年月日を記入した上で署名して、官報で公布する(会計検査院規則の公布に関する規則)。 ・ 人事院規則・人事院指令は、いずれもが定める成文法。 16条1項は、「人事院は、その所掌事務について、法律を実施するため、又は法律の委任に基づいて、人事院規則を制定し、人事院指令を発し、及び手続を定める。 人事院は、いつでも、適宜に、人事院規則を改廃することができる。 」と定める。 人事院が内閣の所轄の下に置かれる機関であるため(国家公務員法3条1項)、人事院規則・人事院指令は政令または府省令に準じる効力を持つと解される。 府省のである委員会()の発する特別の命令()または府省の外局であるの長官が発する特別の命令()。 国家行政組織法13条1項は、「各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる。 」と定める。 が制定する国家公安委員会規則(警察法12条)、が発する(海上保安庁法33条の2)などがある。 行政委員会は、すべて規則制定ができることになっているが、庁である外局は、海上保安庁のみである。 ・が各々定める成文法。 衆議院が定める 衆議院規則と、参議院が定める 参議院規則がある。 各議院が、それぞれ単独の決議により、議院における会議その他の手続及び内部の規律について定める。 を根拠とする。 最高裁判所が、の議に基づいて定める成文法。 訴訟に関する手続、、、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について定める。 を根拠とする。 なお、最高裁判所規則で定め得る事項については、法律で定めることも許されると解されている(例えば、となど。 法律と規則の規定が矛盾衝突した場合には、その優劣関係が問題となる。 この場合、法律の規定が優先されるとするのが多数説である。 地方公共団体の法令• 地方公共団体の議会が制定する成文法。 憲法94条は、「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。 」と定める。 条例は、当該地方公共団体内でのみ効力を有し、法律の範囲内でのみ制定することができる。 地方公共団体は、を課し、又はを制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない()。 地方公共団体の首長が制定する成文法()。 地方公共団体の委員会が制定する成文法(138条)。 規則(地方自治法194条)、規則(14条1項)、規則(警察法38条5項)など。 内閣、内閣府および各省庁、裁判所、地方公共団体等、公の機関が必要な事項をする行為、またはその行為の形式。 国の機関が行う告示はに掲載する方法によって行われる。 地方公共団体が行う告示はそれぞれの地方公共団体の公文式に関する規則によりに掲載したり掲示板に掲載する方法によって行われる。 告示には法令としての性質を含むものもある。 (平成18年)3月、日本政府の法令外国語訳実施推進検討会議は『法令用語日英標準対訳辞書』を発行し、その中で法令の英訳を以下のように定めた• 憲法 - Constitution• 法律 - Act(原則)、Code(いわゆる法典)• 政令 - Cabinet Order• 内閣府令 - Cabinet Office Ordinance• 省令 - Ordinance of the Ministry• 規則 - Rule• 条例 - Prefectural Ordinance(都道府県条例)、Municipal Ordinance(市町村条例) 現行法上新たに制定されない法形式 [ ] 現行法上新たに制定されない形式の法規範は、下記の通り。 現行法上は新たに制定されない法形式であっても、現行法に根拠を持つ法規範は、効力を有する。 法律・政令・府省令に準じる法形式 [ ] 1868年にによって設置され、制度が創設されるまで存続していた最高官庁であるが制定していた法形式である。 一般国民を拘束する内容を持つものを太政官布告とし、官庁限りの心得を太政官達としていたが、必ずしもその区別が守られていたとはいえなかった。 太政官制度が廃止された後も、後に制定された法令に矛盾しない限りその効力を有し、大日本帝国憲法施行後もこれに抵触しない限りでなお従前の効力を有し、また、日本国憲法施行後も大日本帝国憲法下で法律又は勅令としての効力を認められたものは、現憲法に違反しない限り効力を有する。 太政官布告第何号というのは制定時に付されておらず後日編纂されたにおいて番号が付された。 天皇が発し、または、発させた成文法。 法律と異なり、帝国議会の協賛を経ずに、天皇の大権によって制定された命令である。 天皇が勅令を定めるにあたっては国務各大臣が補弼したため、事実上、国務各大臣ないし内閣が発する法形式である。 大日本帝国憲法第9条は、「天皇ハ法律ヲ執行スル爲ニ又ハ公共ノ安寧秩序ヲ保持シ及臣民ノ幸福ヲ増進スル爲ニ必要ナル命令ヲ發シ又ハ發セシム」と定めた。 勅令によって法律を変更することはできなかった(同条後段)。 勅令の目的は「法律を執行するため」「公共の安寧秩序を保持するため」「臣民の幸福を増進するため」と定められたが、憲法上法律事項とされていない事項については、法律に基づかなくとも制定できた。 法律事項以外でも、軍に関することは軍令で、皇室に関することは皇室令で定めたので、これらを除いたものが勅令事項とされていた。 現行の政令に相当し、改正または廃止する場合は政令による。 ただし、勅令の中でも法律の効力を持つと解されるについては法律による。 勅令の一種。 通常の勅令と異なり、「法律ニ代ルヘキ」として法律事項について制定されたた。 大日本帝国憲法8条は、「天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル爲緊急ノ必要ニ由リ帝國議會閉會ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ發ス」と定めた。 緊急勅令の目的は「公共の安全を保持し、または、その災厄を避けるため」とされ、「緊急の必要により」制定することとされたが、広くあらゆる事項を対象とすることができた。 帝国議会閉会中に限って制定でき、帝国議会の次の会期に提出しなければならなかった。 提出された緊急勅令が議会の承諾を受けないときは、将来に向かって効力を失うこととされた(同条2項)。 なお、「緊急勅令」という呼称は講学上のもので、法令上の正式な呼称及びでの表記は単に「勅令」であった。 官報公布時の上諭(公布文)に緊急の勅令である旨 記載されることで、通常の勅令と形式的に区別できる。 (明治22年勅令第135号)第4条に定められた法形式で、主任の事務を担当する大臣の一人としての内閣総理大臣の命令であり。 その効力も他の大臣が定める省令と同等で、現行の府省令に相当する。 第6条第1項に定められた法形式で、総理庁の所管する事項について内閣総理大臣が制定した。 現行の府省令に相当する。 法務庁設置法第2条第3項により準用される行政官庁法第6条第1項に定められた法形式で、が制定した。 現行の府省令に相当する。 第12条第1項に定められた法形式で、総理府の所管事項について内閣総理大臣が制定した。 現行の府省令に相当する。 第12条第1項に定められた法形式で、法務総裁が制定した。 現行の府省令に相当する。 皇室・軍隊において制定された法形式 [ ] 現在の皇室典範は国会が制定するであるが、大日本帝国憲法時代は、帝国議会の議決を経ずに制定され、憲法と対等の効力を有するものとされた。 の改正又は増補は、及びの諮詢を経て勅定されるという手続きで行われていた(典範62条)。 また、施行に伴いという法形式そのものを消滅させるために制定された及増補廃止ノ件(昭和22年5月1日公布)は、この改正手続きに準じて制定されたものである。 旧に基づく諸規則、宮内官制及びその他の皇室の事務に関して勅定を経た規定であり、発表すべきものは、この法形式により制定された。 に準じた礼遇を受けていたや、貴族である・の権利・義務などについてもこの法形式で規律していた。 施行に伴いこの法形式が廃止されることとなり、昭和22年皇室令第12号によって全ての皇室令が廃止されている。 この法形式では、上諭に必ずがすることとされていた。 ただ、の職務に関連する皇室令については、宮内大臣の後に、内閣総理大臣及び主任の国務大臣が副署することとされていた。 の陸海軍に関して勅定を経た規定のことをいう。 (明治40年)の「軍令ニ関スル件」(明治40年軍令第1号)制定に始まり、陸海軍解体後のに廃止された。 軍令で公布を要するものは、上諭を付し、主任の、が副署することとされていた。 なお、内閣総理大臣の副署はされなかった。 地方首長(内地)が制定した法形式 [ ] 条例で定めるもの以外の事項について、都長官、北海道庁長官、府県知事が制定した命令である。 外地において制定された法形式 [ ] が日本の領土であった時代に定められた法形式である。 内地において法律で定めるべき事項についてのを経てが制定していた。 総督はその管轄地域においては軍事・行政・立法の全権を掌握しており、通常の手続では台湾総督府評議会の議決を経て勅裁を得て発行したが、緊急時には事後の勅裁を許されていた。 が日本の領土であった時代に定められた法形式である。 内地において法律で定めるべき事項についての勅裁を経てが制定していた。 朝鮮および台湾においてが法律で定めるべき事項以外について定める命令である。 台湾における内地では府県令に相当する命令で、台湾の地方単位「州」の長たる州知事が定めるものをいう。 罰則は府県令より重く省令と同じ。 台湾における内地では府県令に相当する命令で、台湾の地方単位「州」を置かない未開地域「庁」の長たる庁長が定めるものをいう。 罰則は府県令より軽い。 朝鮮における内地では府県令に相当する命令で、朝鮮の地方単位「道」の長たる道知事が定めるものをいう。 罰則は3月以下の懲役若しくは禁錮、拘留、100円以下の罰金又は科料。 関東長官が定める命令である。 罰則は勅令と同じである。 安寧秩序保持のため緊急のときは、事後に勅裁を請えばより重い罰則を付することができる(昭和9年まで)。 関東局の長たる在満洲国特命全権大使=関東軍司令官が定める命令である。 罰則は勅令と同じである。 安寧秩序保持のため緊急のときは、事後に勅裁を請えばより重い罰則を付することができる(昭和9年から)。 関東州における内地では府県令に相当する命令である。 関東州の地方単位「区」(1937年(昭和12年)からは「市」は「区」に含まれない)に置かれた民政署の長たる民政署長が定めるものをいう。 罰則は府県令と同じ。 である。 が定める命令である。 罰則は勅令と同じである。 安寧秩序保持のため緊急のときは、事後に勅裁を請えばより重い罰則を付することができる。 樺太庁長官が定める命令である。 罰則は省令と同じ。 アメリカ施政権下の沖縄の法令 [ ] により定められた法形式である。 主に占領に関する基本原則などを定めていた。 米国民政府により定められた法形式である。 上記の布告をさらに具体的にした法令である。 立法 により定められた法形式である。 ・の範囲内ではあるが、日本本土において法律で定めるべき事項について米国民政府の承認を経て制定していた。 臨時に定められた法形式 [ ] 本部令 かつての24条1項に基づいて臨時に内閣総理大臣を長とする本部が置かれた場合には同条2項の準用する同法12条1項に基づき(府省令に準じて)内閣総理大臣により発されるものとされた。 実際に、が設置され、経済安定本部令が発せられた。 中央省庁等改革推進本部令 第53条第2項の規定に基づき、中央省庁等改革推進本部が又は新たなの組織に関する事項で又はで定めるべきものについて、当該機関の命令として中央省庁等改革推進本部令を(平成12年)及びに114件を発した。 の実施日である(平成13年)に、内閣府令及び省令としての効力を有することとされた。 ただしこのような場合、他であれば「中央省庁等改革推進本部令」のまま、内閣府令及び省令として有効とされるが、中央省庁等改革推進本部令は、(平成13年)に新しい府省令の番号を持つものとされた。 例えば「原子力安全委員会事務局組織規則」は、平成十二年八月十四日中央省庁等改革推進本部令第二号として交付されたが、同規則附則第2項で「この本部令は、その施行の日に、原子力安全委員会事務局組織規則(平成十三年内閣府令第二号)となるものとする。 」とされている。 法令ではないが参照されるもの [ ] 次のものは法令ではないが、しばしば法令のの参考にされる。 (、) または(、)の。 、、 のである。 選挙の公示日の閣議決定の様に強い拘束力を持つものもある。 法令ではないが、法令としての性格もあわせ持っている。 、など。 公の機関が、指定・決定に基づいてその機関の所掌事務について、一般に知らせる事項である。 国の機関のものはに登載される。 その目的はさまざまであるが、府省令の委任により大臣が一定の事項を定めるべき場合などは告示の形で定められ、この場合には法令としての効力を有する。 代表的な例として告示の形式をとる「」がある。 行政機関およびその職員を対象として定められる命令である。 各省大臣、各委員会及び各庁の長官が、その機関の所掌事務について命令するため、所管の諸機関及び職員に対し発するものである。 公共性が強く官報や各行政機関のホームページ等に掲載されるものと、行政機関の中堅幹部以下の役職配置を定めるなどの非公表扱いのものがある。 上級機関が下級機関に対して、その機関の所掌事務について示達するため発翰する公文書のこと。 法令の解釈等を示すものとして、当該法令を所管する省庁が下級機関に対して発翰することが多い。 ただし、あくまで行政機関内部の文書であることから、通達で示された法令の解釈は司法の判断を拘束しないが、行政解釈を知る手段として重視される。 法令の適用にあたって、その法令を所管する機関が示す解釈のこと。 下級機関からの照会に対する回答というかたちで示されることが多い。 文書記号・文書番号(発翰番号)及び発翰年月日を付した上で、官職名でもって照会者に対し回答がなされる(例:A県B部長あてZ省Y局X課長回答)。 その内容は当該機関が組織として示す公的な見解とされ、しばしばいわゆるとして取り扱われる。 通達と同じく、そこで示される解釈は司法の判断を拘束する力を一切持たないものであるが、指揮監督という関係に基づき、当該事案及び事後の同種事案において下級機関の判断を事実上強く拘束する。 また、インターネットによる行政機関のサイトにおいて所管法令等の解釈がされることがある。 法令で抽象的に示された規定についてそれを具体的に認定する際の一定の基準や、仔細にわたるため法令で規定するになじまない事項などを参考として地方自治体などに示したもの。 法的な拘束力は一切ないが、地方自治体の判断に対して実質的な影響力があり、これを誘導する目的で発出されることも多い。 なお、本来の表記は「内翰」であるが、による制約のため「内簡」と表記されるようになった。 当事者間の取るべき処置について取り決めた合意の総称である。 ・・等が該当する。 行政組織の執務に関する内部規則で条文形式で定めている。 行政の執行の指針を定めた内部規程である。 組織要綱、助成要綱、指導要綱等がある。 行政機関著作物 「学習指導要領解説」・等によって学習指導要領よりも詳細な教育内容が示される。 このほか官報や法令全書で正式に公示されない通達はこのような著作物に収録されることによって初めてその存在や内容が確認できることがある。 中には「」のように(旧)や名義の著作物に収録された「読み替え版」が一般に通用しているというものもある。 紙媒体に限らず行政機関のウェブサイトで法令の解釈の解説文等が掲載されることもある。 放送受信規約 は法令ではないが、放送法によりテレビ設置者はNHKとの受信契約締結義務規定があるため、その契約条項である規約は法令に準する性格を持つことになる。 各種約款(旧省令各種郵便規則) の規定により、株式会社は、郵便の役務に関する提供条件について郵便約款を定め、のを受けなければならないと規定されている。 そのため、法令に準じた性質を持つ。 国公立学校 、など。 旧の(より古くは企業会計制度対策調査会)、2001年以降は内のにより定められる。 らに対する強制力はあるとされるものの、法令ではなく、法令のような一般的な強制力はないが、・・などの会計制度に関係する法令を制定・改正するに当たっての指針とされることもあるなど、法令より上位に位置付けられることもある。 の結果に対する当局の考え方 パブリックコメントにおける質問に対する、その結果の発表の際に当局の示す考え方は、行政解釈を知る手段として重視されている。 立案担当解説 法令の立案担当者が私見という形で書籍や雑誌記事で解説を行うことがあり、その中で解釈を示すことがある。 これは行政解釈そのものではないが、それに準じるものとして重視されている。 個別の記事を持つ日本国の法令 [ ] 次の項目を参照のこと。 関連項目 [ ] ウィキソースに に関するカテゴリがあります。 - - -• 近代以前の法令• - - 脚注 [ ] [].
次の日本の法令の調べ方についてご紹介します。 なお、【 】内は当館請求記号です。 目次 0. はじめに--法令とは-- 「法令」という用語は様々な定義で用いられます。 憲法、条約、法律、政令、府省令、告示、規則、庁令、訓令、通達などの種類があり、一般的には、法律および行政機関の命令を合わせて「法令」と呼称されることが多いようです。 官報で公布されない通達・通知類の調べ方については「 」、 地方の条例の調べ方については「 」をご参照ください。 現行の法令の調べ方 1-1. 紙媒体の資料から調べる 紙媒体で現行の法令を調べるには、現行総合法令集や各種法令集を探す方法があります。 1-1-1. 現行総合法令集 現在効力を有する法令を収録する現行総合法令集として、以下の二種類の資料があります。 どちらも、差し替えページにより更新される加除式資料で、常にほぼ最新の状態が保持されます。 分野別に100巻ほどで構成され、各種の索引巻が設けられています。 五十音索引などで法令名を探し、掲載巻とページを確認してからご覧ください。 衆議院法制局, 参議院法制局 共編 (第一法規出版 【CZ-3-6】)• 法務大臣官房司法法制調査部 編 (ぎょうせい 【CZ-3-7】) 1-1-2. 各種法令集 様々な法令集が発行されていますので、新しく発行されたものを見れば、現行の法令を見ることができます。 ただし、発行日(資料の内容現在日)からタイムラグがあるため、収録されている法令が、厳密に現行のものであるかどうかは、各法令の最終改正日を確認する必要があります。 ご注意ください。 法令集は大きく、分野を問わず主な法令を収録するもの、特定分野の法令を収録するものに分けることができます。 前者の代表例としては、以下のものがあります。 『六法全書』 (有斐閣 【CZ-5-1】ほか 年によって異なります) 毎年3月に、当該年の1月1日を内容現在として発行される法令集です。 例年、1000件弱の法令が収録されます。 衆議院法制局, 参議院法制局 監修 (第一法規出版 【CZ-5-17】) 加除式の法令集です。 主要法令には関連する行政実例・判例の要旨が掲載され、また、法律条文ごとに委任規定(政令・省令・規則等)が掲載されています。 現行実務法令研究会 編 (改訂版 新日本法規出版 【CZ-5-G10】) 加除式の法令集です。 各法令末尾に附属法令と関係法令が掲載され、また、法律の施行期日で政令に委任されているものは括弧書きで注記されています。 園部逸夫, 大森政輔 編集代表 (ぎょうせい 【CZ-3-J1】) 「国会・選挙法編」「環境法編」「経済・産業法、知的財産法編」などの分類で小冊子に分けられており、小冊子ごとに差し替えがされる方式となっています。 主要法令には参照条文、判例要旨、関連通知が掲載されています。 後者の特定の分野の法令を収録するものには、様々なものがあります。 ある法令がどの法令集に収録されているかを網羅的に調べる方法はありませんので、以下の方法で法令集を探してください。 国立国会図書館オンラインで探す の詳細検索画面で、キーワードにお探しの法令や分野等を入力し、資料種別を図書に絞って検索してください。 リサーチ・ナビで探す の検索窓に、お探しの法令を入力して検索してください。 網羅的ではありませんので、参考としてご覧ください。 1-2. データベース・インターネット等の情報から調べる データベース・インターネット等で現行の法令を調べるには、以下のような方法があります。 1-2-1. 日本法令索引 法令の制定・改廃経過等の情報を検索できるデータベースです。 国立国会図書館が作成しています。 お探しの法令が表示されたら、その法令名をクリックした後、右側に表示される「法令本文へのリンク」の中から、現行条文へのリンクをクリックしてください。 1-2-2. e-gov. 総務省行政管理局が運営しています。 新規施行法令、未施行法令、廃止法令等も掲載されています。 法令名、事項、法令番号等で検索できます。 「日本法令索引」で検索すると「e-Gov法令検索」にリンクされますが、直接「e-Gov法令検索」から検索する場合は特に「法令用語検索」が可能となっています。 ある特定の用語を法令本文中に持つ法令を検索することができます。 1-2-3. 有料法令データベース 各種の有料法令データベースにおいても、現行の法令を見ることができます。 当館では、D1-Law. com現行法規(第一法規出版)、現行法令電子版 Super 法令Web(ぎょうせい)〔TKCローライブラリー〕をご利用いただけます(館内限定)。 他の法令データベースとしては、 LexisNexis JP( レクシスネクシス・ジャパン)、Westlaw Japan(ウエストロー・ジャパン)、判例秘書HYBRIDなどがあります。 お近くの図書館等が、これらのデータベースを導入している場合があります。 利用可能なデータベース等については、直接、各図書館におたずねください。 制定時の法令の調べ方 2-1. 紙媒体の資料から調べる 紙媒体で制定時の法令を調べるには、官報、法令全書を見ます。 2-1-1. 官報 法令の公布は官報への掲載によることとされていますので、制定時の状態は官報で見ることができます。 制定日が分かる場合は当該日付の官報を見ます。 制定日が分からなければ、「日本法令索引」を法令名で検索し、制定日を確認してください。 官報(法令情報)の調べ方について詳しくは「 」をご参照ください。 国立印刷局編 (国立印刷局 【CZ-2-2】) 法令の公布、諸報告・公表、各種公告を行う国の機関紙です。 明治16年創刊で、行政機関の休日を除き毎日発行されます。 当館では創刊以降すべての官報を所蔵しており、議会官庁資料室で開架しています(一部期間は復刻版)。 以下の期間については、インターネットで官報を見ることができます。 ・明治16年-昭和27年4月30日... ・直近30日分の全文と、平成15年7月15日以降の法令部分(告示以外)... 2-1-2. 法令全書 官報の法令部分を月単位で編集したものが法令全書です。 官報と同様に法令の制定時の状態を見ることができます。 (国立印刷局 【CZ-4-1】) 官報の法令部分を法令の種類ごとに、省令以下は各官庁別に編集した月刊誌です。 明治18年創刊ですが、慶応3年までさかのぼって編纂されているため、特に慶応3年から明治16年(官報創刊)までの法令を調べる際に有用です。 以下の期間については、インターネットで法令全書を見ることができます。 ・慶応3年-明治45年... 2-2. データベース・インターネット等の情報から調べる データベース・インターネット等で制定時の法令を調べるには、以下のような方法があります。 2-2-1. 日本法令索引 法令の制定・改廃経過等の情報を検索できるデータベースです。 国立国会図書館が作成しています。 検索画面から法令名等で検索してください。 お探しの法令が表示されたら、その法令名をクリックした後、右側に表示される「本文情報リンク」をクリックすると、画面上で法令本文を見ることができます。 過去のある時点の法令の調べ方 3-1. 紙媒体の資料から調べる 紙媒体で、ある時点の法令を調べるには、各種法令集を見る方法があります。 3-1-1. 各種法令集 まずで調べたい法令の沿革(改正等の履歴)を調べ、調べたい時点の直前と直後の改正を確認します。 その上で、当該期間内に発行された法令集(当該期間内の時点を内容現在に持つ法令集)を探すことになります。 具体的な法令集の探し方は、現行法令を探す場合と同様です。 (参照) 当館では、過去時点の総合法令集や、加除式現行総合法令集をある時点の状態で製本したものを、以下のとおり保存しています。 ( )内は内容現在日付又は最終加除日付です。 【CZ-3-6】:昭38(不明)、平5(8月24日)• 【CZ-3-7】:昭52(1月31日),昭59(7月17日),昭62(6月11日)、 平元(2月16日)、平7(4月18日)• 『帝国法規』【CZ-3-10】:、 また、次の資料は毎年1月1日を内容現在として長年発行されています。 このような資料も参考にしてください。 『六法全書』 (有斐閣 【CZ-5-1】ほか 年によって異なります) 毎年3月に、当該年1月1日を内容現在として発行される法令集です。 例年、1000件弱の法令が収録されます。 昭和23年~。 3-2. データベース・インターネット等の情報から調べる 3-2-1. 有料法令データベース 過去のある時点の法令を調べる場合、有料の法令データベースが便利です。 これらのデータベースでは、特定の時点を指定して法令を見ることができますが、それぞれ収録範囲が異なります。 ご注意ください。 当館では、D1-Law. com現行法規(第一法規出版)、現行法令電子版 Super 法令Web(ぎょうせい)〔TKCローライブラリー〕をご利用いただけます(館内限定)。 他の法令データベースとしては、 LexisNexis JP( レクシスネクシス・ジャパン)、Westlaw Japan(ウエストロー・ジャパン)、判例秘書HYBRIDなどがあります。 お近くの図書館等が、これらのデータベースを導入している場合があります。 利用可能なデータベース等については、直接、各図書館におたずねください。 廃止法令の調べ方 4-1. 紙媒体の資料から調べる 廃止法令を調べることができる紙媒体の資料として以下のものがあります。 このほか、各分野の旧法令を収録した資料が多く発行されていますので、国立国会図書館オンラインで資料種別を「図書」、キーワードを「旧法」として検索してください。 『日本法令索引』(国立国会図書館調査及び立法考査局 1945-2001 【CZ-1-1】) 1961年版以降には、直近1年間に廃止された法令の一覧が掲載されています(1961-62年版のみ法律・勅令・政令・条約・閣令・府令・省令・庁令・本部令・規則、1963年版以降は法律・勅令・政令・条例・規則)。 『日本法令索引(旧法令編 第1-3巻)』(国立国会図書館調査及び立法考査局 1983-1985 【CZ-1-1】) 明治19年2月の公文式から昭和56年9月1日までに廃止された省令以上の法令の索引情報が収録されており、制定時から廃止までの改正履歴も確認することができます。 『現行日本法規』(ぎょうせい 【CZ-3-7】) 「主要旧法令 1-5」の巻には、廃止等で効力を失った法令(法律・政令・太政官布告・勅令・条約・規則・省令)のうち主要なものが掲載されており、各法令の廃止直前の条文を見ることができます。 また、「旧法令」の巻には、平成15年9月1日現在で効力を喪失していると認めた法令(憲法、法律、勅令および政令)の改廃経過が掲載されています。 4-2. データベース・インターネット等の情報から調べる 廃止法令を調べることができるインターネット情報として、以下のものがあります。 また、有料の法令データべースの中には、廃止法令を見られるものもあります。 例えば、現行法令電子版 Super 法令Web(ぎょうせい)〔TKCローライブラリー〕には、対象を廃止法令に絞って検索を行う機能があります。 明治19年2月の公文式から現在までの間に廃止された法律・政令・勅令等の索引情報を見ることができます。 法令によってはリンクにより、廃止法令の制定時条文等を見ることができます。 お探しの法令が表示されたら、その法令名をクリックした後、右側に「法令本文へのリンク」が表示された場合は、リンク先をご参照ください。 関連する「調べ方案内」•
次の概要 [ ] 日本法上、「 法令」という語は、一般には「 法律」(国会が制定する法規範)と「 命令」(国の行政機関が制定する法規範)の総称である。 しかし、もろもろの法規では、法律と命令のほか、憲法や条例、規則(地方公共団体が制定する法規範)、最高裁判所規則(最高裁判所が制定する法規範)、訓令(上級官庁が下級官庁に対して発する命令)などを含めて「法令」と呼ぶこともある。 このように、「法令」という用語の使い方は、かなりまちまちである。 結局、個々の用例に則して、その範囲を決めるほかはない。 日本の法令の数 [ ] 国立国会図書館の日本法令検索において、現行法令として検索した場合法令の数は以下の通り。 分類 法令数 概要 憲法 1 法律 2,280 太政官布告・達 9 3件(絞罪器械図式、刑法(旧刑法)、)、が法律扱いとの記載がある。 政令 3,016 施行日を定める政令を含む。 勅令 157 勅令無番号で公布された条約(例えば、メートル条約)を含む。 府令・省令 4,125 閣令 13 規則 393 日本法令検索では「その他の行政機関の命令」として分類 計 9,994• 旧法令データ提供システムとはかなり差がある。 実効性喪失の扱いの差等による。 未施行法令、施行停止法令、整備法令等の法令数については、上表には計上していない。 このほか、議院規則、最高裁判所規則、条例がある。 法令の種類 [ ] 日本の法令には、種類ごとに優劣関係がある。 上位の法令が優先され、上位の法令に反する下位の法令は効力を持たない。 優劣関係は、おおむね次のようになっている。 なお、法令の対象となる事項にもよるが、憲法と条約との関係、条約と法律との関係、法律と最高裁判所規則との関係については、優先関係につき争いがある。 地方行政における条例等については、を根拠に効力の優劣関係は次のようになっている。 日本の主な法令の条文は、()で参照できる。 現行法令 [ ] 日本の現行法令には、 、 条約(憲章、協定、議定書などを含む。 )のほか、 法律、 命令(政令、府省令など)、 最高裁判所規則、 議院規則(衆議院規則、参議院規則)、ならびに 条例、各地方公共団体の首長や行政委員会が定める 規則がある。 それぞれの内容は下記の通り。 法令名 定義、制定方式など の基本秩序を定める根本である。 機構や国民の、などを定めている。 なお、日本国憲法の改正には「憲法改正」という法形式がとられる。 上でどうし、あるいはなどので結ばれるである。 日本国が同意しているものは、公布され、国内では法律より優先する。 条約は、、、などの名称で締結されるが、法的には条約と扱われる。 については、ここでいう条約には含まれず、いずれに該当するかは個々の内容により決まり、文書の名称により一義的にはきまらない。 の議決により成立する成文法の一形式。 例外として、(一ののみに適用される特別法)は、国会の議決のほか、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意が必要。 成立した後、主任のがし、がして、がする。 行政機関が制定する成文法の総称。 法律の範囲内において定められる。 政令、府省令、その他の命令の3種がある。 が制定する成文法。 法律の実施に必要な細則や法律が委任する事項を定める。 に基づく。 によって決定され、主任のがし、がして、が公布する。 法律の委任がある場合を除き、罰則や義務を設けることはできない(11条)。 題名は「云々に関する法律」「云々に関する政令」とされることが多い。 府省令 内閣府総理大臣が発する成文法である 、 および と、が発する成文法である の総称。 内閣官房令、内閣府令、復興庁令および省令の間で上下の序列はない。 府省令の題名は「云々に関する法律施行規則」「云々に関する内閣府令」「云々に関する省令」とされることが多い。 複数の府省の所掌事務にわたる事項について定められる府省令は、複数の府省の主任の大臣が共同で発する。 内閣総理大臣がに係る行政事務について発する成文法。 25条3項は、「内閣総理大臣は、内閣官房に係る主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、内閣官房の命令として内閣官房令を発することができる」と定める。 内閣官房令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない(内閣法25条4項)。 内閣総理大臣がに係る行政事務について発する成文法。 7条2項は、「内閣総理大臣は、内閣府に係る主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、内閣府の命令として内閣府令を発することができる」と定める。 内閣府令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない(内閣府設置法7条4項)。 内閣総理大臣がに係る行政事務について発する成文法。 7条2項は、「内閣総理大臣は、復興庁に係る主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、復興庁の命令として復興庁令を発することができる」と定める。 復興庁令には、法律の委任がなければ、罰則を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない(復興庁設置法7条4項)。 各省大臣が発する成文法。 12条1項は、「各省大臣は、主任の行政事務について、法律若しくは政令を施行するため、又は法律若しくは政令の特別の委任に基づいて、それぞれその機関の命令として省令を発することができる。 」と定める。 省令には、法律の委任がなければ、を設け、又は義務を課し、若しくは国民の権利を制限する規定を設けることができない(国家行政組織法12条3項)。 その他の命令 その他の命令は、その発する機関、根拠法、沿革などにより、政令または府省令に並び、政令または府省令の下位に位置する。 が定める成文法。 会計検査院法38条は、「この法律に定めるものの外、会計検査に関し必要な規則は、会計検査院がこれを定める。 」とする。 会計検査院が憲法に設置根拠を持ち(憲法90条2項)、内閣に対し独立の地位を有するため(会計検査院法1条)、会計検査院規則は政令または府省令に準じる効力を持つと解される。 会計検査院規則には、会計検査院長が年月日を記入した上で署名して、官報で公布する(会計検査院規則の公布に関する規則)。 ・ 人事院規則・人事院指令は、いずれもが定める成文法。 16条1項は、「人事院は、その所掌事務について、法律を実施するため、又は法律の委任に基づいて、人事院規則を制定し、人事院指令を発し、及び手続を定める。 人事院は、いつでも、適宜に、人事院規則を改廃することができる。 」と定める。 人事院が内閣の所轄の下に置かれる機関であるため(国家公務員法3条1項)、人事院規則・人事院指令は政令または府省令に準じる効力を持つと解される。 府省のである委員会()の発する特別の命令()または府省の外局であるの長官が発する特別の命令()。 国家行政組織法13条1項は、「各委員会及び各庁の長官は、別に法律の定めるところにより、政令及び省令以外の規則その他の特別の命令を自ら発することができる。 」と定める。 が制定する国家公安委員会規則(警察法12条)、が発する(海上保安庁法33条の2)などがある。 行政委員会は、すべて規則制定ができることになっているが、庁である外局は、海上保安庁のみである。 ・が各々定める成文法。 衆議院が定める 衆議院規則と、参議院が定める 参議院規則がある。 各議院が、それぞれ単独の決議により、議院における会議その他の手続及び内部の規律について定める。 を根拠とする。 最高裁判所が、の議に基づいて定める成文法。 訴訟に関する手続、、、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について定める。 を根拠とする。 なお、最高裁判所規則で定め得る事項については、法律で定めることも許されると解されている(例えば、となど。 法律と規則の規定が矛盾衝突した場合には、その優劣関係が問題となる。 この場合、法律の規定が優先されるとするのが多数説である。 地方公共団体の法令• 地方公共団体の議会が制定する成文法。 憲法94条は、「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。 」と定める。 条例は、当該地方公共団体内でのみ効力を有し、法律の範囲内でのみ制定することができる。 地方公共団体は、を課し、又はを制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない()。 地方公共団体の首長が制定する成文法()。 地方公共団体の委員会が制定する成文法(138条)。 規則(地方自治法194条)、規則(14条1項)、規則(警察法38条5項)など。 内閣、内閣府および各省庁、裁判所、地方公共団体等、公の機関が必要な事項をする行為、またはその行為の形式。 国の機関が行う告示はに掲載する方法によって行われる。 地方公共団体が行う告示はそれぞれの地方公共団体の公文式に関する規則によりに掲載したり掲示板に掲載する方法によって行われる。 告示には法令としての性質を含むものもある。 (平成18年)3月、日本政府の法令外国語訳実施推進検討会議は『法令用語日英標準対訳辞書』を発行し、その中で法令の英訳を以下のように定めた• 憲法 - Constitution• 法律 - Act(原則)、Code(いわゆる法典)• 政令 - Cabinet Order• 内閣府令 - Cabinet Office Ordinance• 省令 - Ordinance of the Ministry• 規則 - Rule• 条例 - Prefectural Ordinance(都道府県条例)、Municipal Ordinance(市町村条例) 現行法上新たに制定されない法形式 [ ] 現行法上新たに制定されない形式の法規範は、下記の通り。 現行法上は新たに制定されない法形式であっても、現行法に根拠を持つ法規範は、効力を有する。 法律・政令・府省令に準じる法形式 [ ] 1868年にによって設置され、制度が創設されるまで存続していた最高官庁であるが制定していた法形式である。 一般国民を拘束する内容を持つものを太政官布告とし、官庁限りの心得を太政官達としていたが、必ずしもその区別が守られていたとはいえなかった。 太政官制度が廃止された後も、後に制定された法令に矛盾しない限りその効力を有し、大日本帝国憲法施行後もこれに抵触しない限りでなお従前の効力を有し、また、日本国憲法施行後も大日本帝国憲法下で法律又は勅令としての効力を認められたものは、現憲法に違反しない限り効力を有する。 太政官布告第何号というのは制定時に付されておらず後日編纂されたにおいて番号が付された。 天皇が発し、または、発させた成文法。 法律と異なり、帝国議会の協賛を経ずに、天皇の大権によって制定された命令である。 天皇が勅令を定めるにあたっては国務各大臣が補弼したため、事実上、国務各大臣ないし内閣が発する法形式である。 大日本帝国憲法第9条は、「天皇ハ法律ヲ執行スル爲ニ又ハ公共ノ安寧秩序ヲ保持シ及臣民ノ幸福ヲ増進スル爲ニ必要ナル命令ヲ發シ又ハ發セシム」と定めた。 勅令によって法律を変更することはできなかった(同条後段)。 勅令の目的は「法律を執行するため」「公共の安寧秩序を保持するため」「臣民の幸福を増進するため」と定められたが、憲法上法律事項とされていない事項については、法律に基づかなくとも制定できた。 法律事項以外でも、軍に関することは軍令で、皇室に関することは皇室令で定めたので、これらを除いたものが勅令事項とされていた。 現行の政令に相当し、改正または廃止する場合は政令による。 ただし、勅令の中でも法律の効力を持つと解されるについては法律による。 勅令の一種。 通常の勅令と異なり、「法律ニ代ルヘキ」として法律事項について制定されたた。 大日本帝国憲法8条は、「天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ其ノ災厄ヲ避クル爲緊急ノ必要ニ由リ帝國議會閉會ノ場合ニ於テ法律ニ代ルヘキ勅令ヲ發ス」と定めた。 緊急勅令の目的は「公共の安全を保持し、または、その災厄を避けるため」とされ、「緊急の必要により」制定することとされたが、広くあらゆる事項を対象とすることができた。 帝国議会閉会中に限って制定でき、帝国議会の次の会期に提出しなければならなかった。 提出された緊急勅令が議会の承諾を受けないときは、将来に向かって効力を失うこととされた(同条2項)。 なお、「緊急勅令」という呼称は講学上のもので、法令上の正式な呼称及びでの表記は単に「勅令」であった。 官報公布時の上諭(公布文)に緊急の勅令である旨 記載されることで、通常の勅令と形式的に区別できる。 (明治22年勅令第135号)第4条に定められた法形式で、主任の事務を担当する大臣の一人としての内閣総理大臣の命令であり。 その効力も他の大臣が定める省令と同等で、現行の府省令に相当する。 第6条第1項に定められた法形式で、総理庁の所管する事項について内閣総理大臣が制定した。 現行の府省令に相当する。 法務庁設置法第2条第3項により準用される行政官庁法第6条第1項に定められた法形式で、が制定した。 現行の府省令に相当する。 第12条第1項に定められた法形式で、総理府の所管事項について内閣総理大臣が制定した。 現行の府省令に相当する。 第12条第1項に定められた法形式で、法務総裁が制定した。 現行の府省令に相当する。 皇室・軍隊において制定された法形式 [ ] 現在の皇室典範は国会が制定するであるが、大日本帝国憲法時代は、帝国議会の議決を経ずに制定され、憲法と対等の効力を有するものとされた。 の改正又は増補は、及びの諮詢を経て勅定されるという手続きで行われていた(典範62条)。 また、施行に伴いという法形式そのものを消滅させるために制定された及増補廃止ノ件(昭和22年5月1日公布)は、この改正手続きに準じて制定されたものである。 旧に基づく諸規則、宮内官制及びその他の皇室の事務に関して勅定を経た規定であり、発表すべきものは、この法形式により制定された。 に準じた礼遇を受けていたや、貴族である・の権利・義務などについてもこの法形式で規律していた。 施行に伴いこの法形式が廃止されることとなり、昭和22年皇室令第12号によって全ての皇室令が廃止されている。 この法形式では、上諭に必ずがすることとされていた。 ただ、の職務に関連する皇室令については、宮内大臣の後に、内閣総理大臣及び主任の国務大臣が副署することとされていた。 の陸海軍に関して勅定を経た規定のことをいう。 (明治40年)の「軍令ニ関スル件」(明治40年軍令第1号)制定に始まり、陸海軍解体後のに廃止された。 軍令で公布を要するものは、上諭を付し、主任の、が副署することとされていた。 なお、内閣総理大臣の副署はされなかった。 地方首長(内地)が制定した法形式 [ ] 条例で定めるもの以外の事項について、都長官、北海道庁長官、府県知事が制定した命令である。 外地において制定された法形式 [ ] が日本の領土であった時代に定められた法形式である。 内地において法律で定めるべき事項についてのを経てが制定していた。 総督はその管轄地域においては軍事・行政・立法の全権を掌握しており、通常の手続では台湾総督府評議会の議決を経て勅裁を得て発行したが、緊急時には事後の勅裁を許されていた。 が日本の領土であった時代に定められた法形式である。 内地において法律で定めるべき事項についての勅裁を経てが制定していた。 朝鮮および台湾においてが法律で定めるべき事項以外について定める命令である。 台湾における内地では府県令に相当する命令で、台湾の地方単位「州」の長たる州知事が定めるものをいう。 罰則は府県令より重く省令と同じ。 台湾における内地では府県令に相当する命令で、台湾の地方単位「州」を置かない未開地域「庁」の長たる庁長が定めるものをいう。 罰則は府県令より軽い。 朝鮮における内地では府県令に相当する命令で、朝鮮の地方単位「道」の長たる道知事が定めるものをいう。 罰則は3月以下の懲役若しくは禁錮、拘留、100円以下の罰金又は科料。 関東長官が定める命令である。 罰則は勅令と同じである。 安寧秩序保持のため緊急のときは、事後に勅裁を請えばより重い罰則を付することができる(昭和9年まで)。 関東局の長たる在満洲国特命全権大使=関東軍司令官が定める命令である。 罰則は勅令と同じである。 安寧秩序保持のため緊急のときは、事後に勅裁を請えばより重い罰則を付することができる(昭和9年から)。 関東州における内地では府県令に相当する命令である。 関東州の地方単位「区」(1937年(昭和12年)からは「市」は「区」に含まれない)に置かれた民政署の長たる民政署長が定めるものをいう。 罰則は府県令と同じ。 である。 が定める命令である。 罰則は勅令と同じである。 安寧秩序保持のため緊急のときは、事後に勅裁を請えばより重い罰則を付することができる。 樺太庁長官が定める命令である。 罰則は省令と同じ。 アメリカ施政権下の沖縄の法令 [ ] により定められた法形式である。 主に占領に関する基本原則などを定めていた。 米国民政府により定められた法形式である。 上記の布告をさらに具体的にした法令である。 立法 により定められた法形式である。 ・の範囲内ではあるが、日本本土において法律で定めるべき事項について米国民政府の承認を経て制定していた。 臨時に定められた法形式 [ ] 本部令 かつての24条1項に基づいて臨時に内閣総理大臣を長とする本部が置かれた場合には同条2項の準用する同法12条1項に基づき(府省令に準じて)内閣総理大臣により発されるものとされた。 実際に、が設置され、経済安定本部令が発せられた。 中央省庁等改革推進本部令 第53条第2項の規定に基づき、中央省庁等改革推進本部が又は新たなの組織に関する事項で又はで定めるべきものについて、当該機関の命令として中央省庁等改革推進本部令を(平成12年)及びに114件を発した。 の実施日である(平成13年)に、内閣府令及び省令としての効力を有することとされた。 ただしこのような場合、他であれば「中央省庁等改革推進本部令」のまま、内閣府令及び省令として有効とされるが、中央省庁等改革推進本部令は、(平成13年)に新しい府省令の番号を持つものとされた。 例えば「原子力安全委員会事務局組織規則」は、平成十二年八月十四日中央省庁等改革推進本部令第二号として交付されたが、同規則附則第2項で「この本部令は、その施行の日に、原子力安全委員会事務局組織規則(平成十三年内閣府令第二号)となるものとする。 」とされている。 法令ではないが参照されるもの [ ] 次のものは法令ではないが、しばしば法令のの参考にされる。 (、) または(、)の。 、、 のである。 選挙の公示日の閣議決定の様に強い拘束力を持つものもある。 法令ではないが、法令としての性格もあわせ持っている。 、など。 公の機関が、指定・決定に基づいてその機関の所掌事務について、一般に知らせる事項である。 国の機関のものはに登載される。 その目的はさまざまであるが、府省令の委任により大臣が一定の事項を定めるべき場合などは告示の形で定められ、この場合には法令としての効力を有する。 代表的な例として告示の形式をとる「」がある。 行政機関およびその職員を対象として定められる命令である。 各省大臣、各委員会及び各庁の長官が、その機関の所掌事務について命令するため、所管の諸機関及び職員に対し発するものである。 公共性が強く官報や各行政機関のホームページ等に掲載されるものと、行政機関の中堅幹部以下の役職配置を定めるなどの非公表扱いのものがある。 上級機関が下級機関に対して、その機関の所掌事務について示達するため発翰する公文書のこと。 法令の解釈等を示すものとして、当該法令を所管する省庁が下級機関に対して発翰することが多い。 ただし、あくまで行政機関内部の文書であることから、通達で示された法令の解釈は司法の判断を拘束しないが、行政解釈を知る手段として重視される。 法令の適用にあたって、その法令を所管する機関が示す解釈のこと。 下級機関からの照会に対する回答というかたちで示されることが多い。 文書記号・文書番号(発翰番号)及び発翰年月日を付した上で、官職名でもって照会者に対し回答がなされる(例:A県B部長あてZ省Y局X課長回答)。 その内容は当該機関が組織として示す公的な見解とされ、しばしばいわゆるとして取り扱われる。 通達と同じく、そこで示される解釈は司法の判断を拘束する力を一切持たないものであるが、指揮監督という関係に基づき、当該事案及び事後の同種事案において下級機関の判断を事実上強く拘束する。 また、インターネットによる行政機関のサイトにおいて所管法令等の解釈がされることがある。 法令で抽象的に示された規定についてそれを具体的に認定する際の一定の基準や、仔細にわたるため法令で規定するになじまない事項などを参考として地方自治体などに示したもの。 法的な拘束力は一切ないが、地方自治体の判断に対して実質的な影響力があり、これを誘導する目的で発出されることも多い。 なお、本来の表記は「内翰」であるが、による制約のため「内簡」と表記されるようになった。 当事者間の取るべき処置について取り決めた合意の総称である。 ・・等が該当する。 行政組織の執務に関する内部規則で条文形式で定めている。 行政の執行の指針を定めた内部規程である。 組織要綱、助成要綱、指導要綱等がある。 行政機関著作物 「学習指導要領解説」・等によって学習指導要領よりも詳細な教育内容が示される。 このほか官報や法令全書で正式に公示されない通達はこのような著作物に収録されることによって初めてその存在や内容が確認できることがある。 中には「」のように(旧)や名義の著作物に収録された「読み替え版」が一般に通用しているというものもある。 紙媒体に限らず行政機関のウェブサイトで法令の解釈の解説文等が掲載されることもある。 放送受信規約 は法令ではないが、放送法によりテレビ設置者はNHKとの受信契約締結義務規定があるため、その契約条項である規約は法令に準する性格を持つことになる。 各種約款(旧省令各種郵便規則) の規定により、株式会社は、郵便の役務に関する提供条件について郵便約款を定め、のを受けなければならないと規定されている。 そのため、法令に準じた性質を持つ。 国公立学校 、など。 旧の(より古くは企業会計制度対策調査会)、2001年以降は内のにより定められる。 らに対する強制力はあるとされるものの、法令ではなく、法令のような一般的な強制力はないが、・・などの会計制度に関係する法令を制定・改正するに当たっての指針とされることもあるなど、法令より上位に位置付けられることもある。 の結果に対する当局の考え方 パブリックコメントにおける質問に対する、その結果の発表の際に当局の示す考え方は、行政解釈を知る手段として重視されている。 立案担当解説 法令の立案担当者が私見という形で書籍や雑誌記事で解説を行うことがあり、その中で解釈を示すことがある。 これは行政解釈そのものではないが、それに準じるものとして重視されている。 個別の記事を持つ日本国の法令 [ ] 次の項目を参照のこと。 関連項目 [ ] ウィキソースに に関するカテゴリがあります。 - - -• 近代以前の法令• - - 脚注 [ ] [].
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