【 ストロフルスの症状】 ストロフルスの症状としては、蕁麻疹に類似した膨疹が皮膚上に出現した後、膨疹の中心部に水っぽい漿液性丘疹が生じ、痒みが非常に強いことから丘疹出現部を引っ掻くことで新たな皮疹が出現していくことです。 ここで発生した皮疹は、水疱・膿疱に転化することもあります。 なお、小児期以降に同様の痒疹型反応が発生した場合には、結果としてイボ状になります。 【 ストロフルスの原因】 ストロフルスの原因は、虫刺されの後に起こる過度のアレルギー反応によるものです。 特に免疫力が弱い子供に多く見られ、虫に刺された場所周辺にアレルギーの過剰反応が起こることによって、この病状を発症します。 免疫系の病状であるため、アレルギー体質を持っている子供はよく発症し、成長して免疫力が強くなればやがて改善される傾向にあります。 【 ストロフルスの検査と診断】 ストロフルスにおける検査方法の一つに、血液検査があります。 これは、特に症状のひどいケースで、且つ肌の露出の増える季節、昆虫類の活動が活発になる季節に、学童期の子供に対して行われることがあります。 アレルギーと深い関わりのある好酸球 白血球の一種 の増加による病勢を検査することで、手足に強いかゆみを伴う皮疹が多発しているかを確認します。 【 ストロフルスの治療方法】 ストロフルスの治療法として、以下の薬が主に使用されます。 抗炎症作用の強いステロイド外用薬を塗り薬として使用することが基本ですが、かゆみを伴う場合には、抗アレルギー薬が用いられます。 また、感染のある場合には、抗菌薬の外用薬、あるいは内服薬を使用します。 予防は、特に肌の露出、および虫の飛びまわる頻度の多い夏から秋に重要で、外出時の虫よけスプレーの使用や長袖、長ズボンを着用させるなどの対策が必要です。
次の日本小児科学会専門医。 2002年、慶応義塾大学医学部卒。 神奈川県内の病院・クリニックで小児科医としての経験を積み、現在は神奈川県横浜市のなごみクリニックに院長として勤務。 内科・小児科・アレルギー科を担... 「小児ストロフルス」という病気をご存じですか?あまり聞き慣れない病名だと思いますが、虫刺されをきっかけに発症する皮膚の病気です。 「ただの虫刺されに見えるから、自然に治るかな」と思って放置していると、小児ストロフルスが悪化して、子供がつらい思いをしてしまうことがあるので注意が必要です。 今回は小児ストロフルスについて、原因や症状、治療法、予防法などをご説明します。 小児ストロフルスとは?原因は? 小児ストロフルスとは、かゆみを伴った赤い発疹が腕や足などにできる皮膚の病気です。 小児ストロフルスは「痒疹(ようしん)」の一種です。 痒疹の中でも、1ヶ月以内に治まる「急性痒疹」と、何ヶ月にも渡って症状が現れる「慢性痒疹」の2つに分けられますが、小児ストロフルスは急性痒疹ですが、主に乳幼児特有の病気で、大人ではほとんど見られないため、「小児」という冠がつけられています。 ノミやダニ、蚊などによる虫刺されの後に発症することが多いため、虫の唾液成分に対する免疫機能が未発達で、過剰に反応してしまうことが原因と考えられています。 関連記事 小児ストロフルスの診断・治療法は? 小児ストロフルスは、基本的に視診やその経過によって診断されます。 ただし、症状がひどい場合には、血液検査を行って、アレルギー反応の強さや病気の進行具合を調べることがあります。 小児ストロフルスの治療では、強い抗炎症作用を持つステロイドの塗り薬を使うのが一般的です。 子供にステロイドを使うのに抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、医師の指示に従って適切に使えば、大きな問題が起こることはほとんどありません。 小児ストロフルスの治療について、疑問や不安に感じることがあれば、すぐに医師に尋ねるようにしましょう。 関連記事 小児ストロフルスの予防法は? 小児ストロフルスを予防するには、虫に刺されないようにすることが大切です。 室内はこまめに掃除して、ノミやダニを増やさないようにしましょう。 茂みの多い公園など、虫が出やすい場所に出かけるときは、できるだけ長袖・長ズボンを着せてあげてください。 気温が高く長袖・長ズボンの着用が難しい夏場は、露出している部分に虫除けスプレーをかけて、虫刺されを防ぎましょう。 また、夜中の睡眠時に、蚊に刺されることも多いので、家の中に蚊が入ってきやすい場合は、子供用の蚊帳を使ったり、蚊除けの芳香剤を使ったりして予防するのも効果的です。 それでも虫に刺され、小児ストロフルスが発症したときは、子供が患部を掻き壊さないように、手の爪を短く切っておきます。
次の大豆くらいまでのサイズの塊が、皮膚に多数できます。 長い場合は、数年間に渡って続きます。 1ヶ月以内に治るものを、「急性痒疹」(きゅうせいようしん)と呼びます。 数ヶ月以上に渡って続く場合を、「慢性痒疹」と呼びます。 様々な種類の痒疹 急性痒疹は、おもに5歳以下の幼小児に起こるため、「小児ストロフルス」とも呼ばれます。 虫刺されの後に生じる、痒みの強い漿液性丘疹(しょうえきせいきゅうしん)をおもな症状とする病気です。 昆虫の活動が活発になる、春から夏に多くみられます。 慢性痒疹は、固定蕁麻疹(こていじんましん)・結節性痒疹(けっせつせいようしん)、多形慢性痒疹が含まれます。 若年者〜高齢者では掻きつづけることで、結節性痒疹という数年以上も続くしこりに変化することがあります。 多形慢性痒疹は中高年に多くみられ、原因ははっきりしていません。 特殊型としては、ヘブラ痒疹、妊娠性痒疹、色素性痒疹、尿毒症性痒疹、夏季痒疹があります。 痒疹・ストロフルスの原因は? アレルギー反応 原因は明らかになっていません。 一種のアレルギー反応だと考えられています。 小児ストロフルス 小児ストロフルスは、の後に起こることが多く、虫に対する過敏反応と考えられています。 乳幼児期は虫の唾液成分などに対する免疫反応が未熟なため、虫に刺された部位に過敏反応が生じて発症すると考えられています。 学童期に入ると、次第に起こらなくなっていきます。 アレルギー体質の子供に、多くみられる傾向があります。 慢性痒疹など 慢性痒疹の場合も、虫刺されの後に起こる場合があります。 、胃腸障害、肝臓病、血液疾患にともなって現れることもあります。 痒疹・ストロフルスの症状は? 最初は虫刺され同様の発疹 初めは、と同様の赤く少し盛り上がった発疹が出ます。 虫刺され後、数時間〜数日間に、米粒大〜親指大まで盛り上がった皮疹になります。 中心部には、小さな水ぶくれ・水疱が出来ることもあります。 痒みのために引っ掻いてしまうと、傷になってしまい、ジュクジュクとしてしまいます。 繰り返し引っ掻いていると、だんだんと盛り上がって硬くなります。 強い痒みのために、眠れなくなることもあるほどです。 発疹の現れ方 普通は、ひとつひとつの発疹は離れて存在します。 多形慢性痒疹では、発疹が集まって現れます。 繰り返される症状 しこりは約2週間続きますが、治癒後は、軽い茶色い跡が残る程度で軽快します。 治っても、再発することが多いです。 痒み・掻痒とは? 引っ掻きたい衝動 痒み・掻痒とは、掻きたくなる衝動を起こす皮膚、鼻粘膜、眼の結膜の不快な感覚です。 皮膚や粘膜の痒み受容器が、さまざまな物質によって刺激され、神経によって脳に伝達し、痒みとして感じられると考えられています。 痒みを起こす代表的な物質が、ヒスタミンです。 一般的に痒み止めといわれる薬は、抗ヒスタミン薬です。 の痒みは抗ヒスタミン薬で抑えることができます。 湿疹、痒疹、の痒みに対しては、抗ヒスタミン薬はあまり効果がありません。 痒疹・ストロフルスの診断は? 発疹の状態から診断 特徴的な発疹と、発疹の部位、経過から診断します。 小児ストロフルスでは、昆虫の活動期の春〜夏にかけて、学童期までの子供の手足などの露出部に、痒みの強い皮疹が多発していることを確認します。 発疹の一部を切り取って、顕微鏡で調べる組織検査で診断は確定します。 血液検査 、胃腸障害、肝臓病、血液疾患が疑われる場合、症状が激しい場合、血液検査を行うこともあります。 好酸球というアレルギーに関係する白血球が増えていることから、病態を検査します。 まれなケースですが、蚊アレルギーがあります。 基礎に免疫異常や悪性腫瘍がないか、検査する必要があります。 痒疹・ストロフルスの治療法は? ステロイド外用薬と抗ヒスタミン薬 発疹には、抗炎症作用の強いステロイド外用薬を使用します。 痒みには、抗ヒスタミン薬を使用します。 感染をともなうような場合は、抗生剤の外用薬か内服薬を併用します。 患部が腫れている場合、冷湿布で炎症を抑えて痒みを楽にします。 発疹を掻かないようにすることが重要なので、初期には回数も多めに塗り、我慢できないときは通気性の良いガーゼや包帯で覆います。 掻いた傷から細菌が繁殖しやすいので、石鹸で良く洗い、乾いたらすぐに薬を塗ることが大切です。 難治性の場合、発疹部にステロイド含有テープを貼ったり、ステロイド注射液を直接注射する治療法もあります。 この場合、少し良くなったからといって自己判断で治療を中止してはいけません。 根気よく続けることが、本当の治療への近道となります。 このほか、紫外線療法、液体窒素を使用する冷凍療法、シクロスポリンの内服が効果的な場合もあります。 原因疾患の治療 、胃腸障害、肝臓病、血液疾患などにともなって現れる痒疹には、それぞれ原因となっている疾患の治療をすることが必要です。 ヒスタミンとは? 活性アミンの一種 ヒスタミンとは、ヒスチジンというアミノ酸から合成される活性アミンの一種です。 動物、植物の両方に広く存在しています。 動物では、アレルギーやショックなどの症状を起こす主要な物質です。 リンパ球などの白血球を活性化して、炎症にも関係する物質です。 皮膚、小腸、肺などの臓器では、マスト細胞に含まれており、免疫グロブリンEという抗体と抗原の結合によって分泌されます。 抗ヒスタミン薬 ヒスタミンは、皮膚では毛細血管の拡張、浮腫、痒みを引き起こし、この反応がアレルギー症状となります。 ヒスタミンが多量に分泌されると血圧が下がり、ショックとなります。 これらの作用は、ヒスタミンH1受容体にヒスタミンが結合して起こるもので、この作用を止める薬が抗ヒスタミン薬と呼ばれています。 ヒスタミンは胃の細胞からも分泌され、胃酸分泌を増加する作用があります。 この作用は、ヒスタミンH2受容体にヒスタミンが結合して起こるもので、この作用を止める薬はの治療に広く使われています。 痒疹・ストロフルスかなと思ったら? 皮膚科専門医へ 強い痒みがあり、引っ掻いてしまうと症状が悪化してしまうので、引っ掻かないように気を付けてください。 近くの皮膚科専門医のいる医療機関を受診し、診察を受け、治療を受けるようにしましょう。 予防法は? 外出時には肌の露出部分に虫除けスプレーを使用するか、長袖・長ズボンを着せるなどしましょう。 メインコンテンツ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ スポンサードリンク.
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