ホールガーメントとは? さて話を戻しまして、今回はニットでも特殊なホールガーメントについて話を進めたいと思います。 皆さん、ニット関係に関わられている方でしたら、一度くらいは耳にしたことはあると思います。 誕生してから20年近く経ち、市場にも数多く出回っていますので、店頭で見かけることもしばしばあるかと思います。 さて、このホールガーメント。 検索するとすぐにでてくるのがこちら。 [ホールガーメントとは、㈱島精機製作所の登録商標です。 ] 要するに日本の機械メーカーが開発した編み機によって作られたニットウェアのことです。 ホールガーメントの意味 ホールガーメント、英語では WHOLEGARMENTと書きます。 でも、こんなラベルみた事ないですか? そう、このラベルの説明にある通り 従来のニット製品、カットソー製品(布帛はもちろんそうですが)はパーツの型紙ごとにカット、成型され縫製することによって衣類に組み立てます。 しかしホールガーメントは、それを一着まるごと編機の中で行ってしまうのです。 よく、Tシャツなどでシームレスとか、無縫製といってチューブ状の胴体に袖が付いたものがありますが、それは丸編みだったり、経編での商品のものもあります。 無縫製といっても、工程としてパーツを組合せているものなど多々ありますが、 今回で言うホールガーメントについては完全に横編機の中で成型し、身頃と袖を編みつけてしまう製品のことを言います。 (当時、服飾の学生だったものですから余計に。 、、え~、縫わなくてもいいのかよ~!!って 笑 ) その時のダメージは大きかったですが、とくにニットに興味を持った一幕だったことを覚えています。。 world. blog137. fc2. html こちらより画像転用させて頂きました。 定番のものから、円形ボレロまで とくに透かし編みのボレロは人気でホールガーメントの代名詞にもなりましたね。 ただ、セーターを作るだけじゃなくても 形を変え新たなデザインを作れる編機なんだと自分は思っています。 実際に、機械を見てみるととても面白いですよ! 最後に 今回はホールガーメントとは?ということですが 導入部分を説明しました。 お客様でもニットの企画はされているけど、ホールはわからないという声も良く聞きます。 少しずつですが、参考になるように、ホールならではのメリット、パターンや作り方などご紹介できたらと思います。 今回はこのあたりで失礼します。 ではまた。
次のいま注目の「ホールガーメント」という技術をご存じだろうか。 和歌山県に本社があるニット編み機の大手メーカー、島精機製作所が開発した独自の先端技術で、ユニクロが2018年9月に販売開始した「3Dニット」もこの仕組みによって生み出された。 全自動で1本の編み糸から1着のニット服を丸ごと編み上げる技術は、まさに日本が生んだイノベーションだ。 テクノロジーの力でものづくりの可能性を広げる同社の取り組みは、メイド・イン・ジャパンの製品にどんな付加価値を与えていくのか。 島 三博社長に聞いた。 手袋からニット服へ、どのように発展していったのでしょうか。 島:手袋編み機の自動化が私たちの事業のスタートです。 昔の手袋というのは、指の1本1本や手の甲などのパーツを別々に編み、それらを職人が手作業でつなぎ合わせていました。 そこで弊社の創業者であり現会長の島正博が1964年に開発したのが、糸1本から継ぎ目なく自動で編み上げる「全自動手袋編み機」でした。 さらに、その技術を応用して、当時、技術的に困難だったポロシャツなどの衿の自動編み機を1967年に開発したことを入り口に、ニット製品の生産に用いる横編み機メーカーとしての土台を築いていったのです。 これも、きっかけは原点の手袋でした。 手袋を上下さかさまにして、親指と小指を両袖に、中の3本をまとめて胴体に見立てるとタートルネックセーターのような形になります。 そこに目をつけた島会長が、手袋でできるんだったらセーターでもできるはず、と開発に取り組んだのです。 島:ホールガーメントは、糸とデザインプログラムをセットすれば、編み機からデザインどおりのニット服が一着丸ごと、ほぼ完成品に近い状態で出てきます。 1本の糸が一筆書きの要領で編み上がるのです。 最新のホールガーメント横編み機はシンプルなセーターであれば、1枚30分ほどで編み上がります。 そのメリットの一つは省力化です。 従来のニット製品は基本的に、前身ごろ、後身ごろ、袖、襟といった個別のパーツを別々に編んだ後、それらを縫い合わせて完成させます。 ニット特有の縫い合わせの手法は「リンキング」と呼ばれ、生地を重ね合わせてニットのループを一つずつつないでいく緻密な作業です。 無縫製のホールガーメントではリンキングがいらない分、製造コストは大幅に下がり、工程のリードタイムが短縮されて生産量が上がるのです。 ホールガーメントによるニット製造の様子 島:加えて、環境面やデザイン性でもアドバンテージがあります。 さらに、パーツを縫い合わせる必要がないので、縫いしろも発生しない。 この縫いしろだけで、セーター1着につきA4サイズ程度のロスが出ます。 これがなくなった分だけ軽く、縫い目のゴワつきもなくなり、ニット特有の自然な伸縮性が生かされて格段に着心地が良くなるのです。 また、フレアスカートやワンピースなどの三次元の形状も一気に縫わずに仕上げることができるので、デザインの自由度が極めて高いという特徴もあります。 島:ホールガーメントを発表した当時は、海外からも驚きを持って受け止められ、「東洋のマジック」だと高く評価されました。 でも、実は、初号機はそれほど売れなかったんです。 機械が高価なうえに、編み上げる時間もかかり、1着当たりのコストが合わなかったようです。 それに手袋編み機の仕組みをベースにしていたため、Tシャツのような表面も裏面も同じ型紙を合わせただけの単純なニット製品しか作ることができませんでした。 これでは店頭価格が安くなり、なおさらコストに合いません。 コンピューター横編み機を製造する作業員。 島精機では、ホールガーメント横編み機以外のコンピューター横編み機も出荷台数が伸びている 島:ホールガーメントは、いまも進化を続けています。 これまでに取得した特許は累計2000件を超え、現在も年間100件程度を新しく申請しています。 同じ機械でまったく方向性の違うニット製品が作れるのは驚きです。 島:機械は同じでも、使用する素材、デザイン性、編み方などの組み合わせは無限大です。 私たちのデータベースには50万通り以上の編み方があり、それを顧客に提供しています。 さらにハイブランドでは、彼ら自身が独自の編み方を開発して、非常にマニアックな使い方で、誰も見たことがないような製品を生み出しています。 ハイブランドは、素材や編み方など一つひとつに莫大なコストをかけて研究し、高いデザイン性やクオリティを生み出しているのです。 島:日本のファッション業界が今後進んでいく方向性の一つとして、オンデマンド販売があります。 2018年9月にパリで開かれたニットの展覧会でファーストリテイリング会長兼社長の柳井 正さんは、オンデマンドについて「将来的には、お客さまの注文に応じて一つずつの商品を作れるようになる。 極論すれば、工場から個々の人々に商品を送ることができる」と、その展望を語りました。 島:ユニクロだけでなくファストファッション業界は少しずつ、「消費者が買いたいものを買いたい時にすぐに届ける」というオンデマンドの世界をつくっていきたいと考えています。 それは人件費の安い地域での大量生産では対応できないし、輸送コストも時間もかかる。 そのとき、ホールガーメントの出番があるのかなと思っています。 これも、オンデマンドの方向性と関連するのですか? 島:これはニット服のデザインから生産まで、一貫したシステムの中で完結させるというコンセプトで、オンデマンドの方向性とも合致しています。 弊社では横編み機を開発する一方で、時代はだんだんとファッションの多様化・個性化の方向に進んでいくと感じていました。 そこで横編み機で生産するニット服を効率よくデザインするために、コンピューターグラフィックシステムの開発を進めて誕生したのが、1981年に発表した「SDS-1000」というデザインシステムです。 デザインシステムはその後も進化を続けていますが、いまでは柄作成だけでなく、配色や生地の素材選びをすべてシステム上で行い、それを画面上のリアルな3Dシミュレーションで確認することができます。 さらに現在、そこで完成したデザインデータをホールガーメントとリンクさせて、生産まで自動的に直結させるシステムの開発を進めています。 今後、あらゆるモノがインターネットでつながるIoT化が進めば、たとえば、店頭の売れ行きからシステムが自動的に工場でいつ何をどれくらい作るのか判断するような時代がくるでしょう。 そのとき、デザインから生産まで一貫して管理できる弊社のシステムは大きな強みになるといえます。 島:最近ではアパレル業界以外で、スニーカーのアッパー(ソール以外の部分)素材にも使われています。 それまでのシューズアッパーは、いくつかのパーツを縫い合わせて作っていましたが、ホールガーメントならば一体的に作ることができる。 1グラムでも軽いシューズが欲しいというスポーツ選手はもちろん、靴下感覚で履くことができるので、一般ユーザーにもニーズが広がっています。 宇宙では体液の循環が変わるため、体形が変化して地上で着ていた服が着られないこともあるが、ホールガーメントで作られた製品であれば対応可能 将来的には、もっと意外な分野でもこの技術を活用できるのではないかと考えています。 たとえば、グラスファイバーやカーボンファイバーなどのハイテク素材も糸状にすれば編み機で使用できます。 これを自動車のパーツなどに使えば、軽量化につながり、燃費改善による二酸化炭素(CO2)の削減など新たな社会貢献につながるのでは、と構想しているところです。 日本のものづくりは、ずっと守り続けていかなければなりません。 私たちの顧客にも、生産コストの安い海外に出て行かずに日本でものづくりをしていきたい、というメーカーが少なからずあります。 ただ、先進国は普通のセーターを作っているだけでは無理でしょう。 そこでは、より付加価値の高い製品を作る必要があります。 たとえば、服にセンサーを縫い込んだ「スマートウェア」などです。 センサーは肌にピタリとついていないと正確に動作しないので、オンデマンドと同様に細かな個対応が求められます。 日本のアパレルメーカーのものづくりが、究極的には個対応に向かうべきなのは間違いありません。 尖ったアイデアを積極的に取り入れ、ほかにはない製品を作るところだけが生き残っていくのだと思います。
次のまずは、編み上がりが立体的なことから、体に自然になじんでくれるのが大きいですね。 身に着けたときのシルエットも美しく、普通のニットを着たときとは各段の差があります。 通常、ニットの縫い目にはチクチクしたり、ゴワつきを感じやすいものですが、ホールガーメントではそんなデメリットも感じられません。 伸縮性があり、動きが自由になる点も、メリットの一つ。 縫製部分で引きつれてしまうようなことが、ないのです。 縫い代がないことから、そのぶん全体に軽量に仕上がるのも特徴です。 通常のニットで感じる、縫い代部分の圧迫感も、解消されるでしょう。 余計な糸を使わないため、環境のためにも、経済的にもエコなニットでもあります。 ホールガーメントと普通のニットの違いって? ホールガーメントの特徴は、 縫製していないということ。 普通のニットは、前後身頃と袖などをつなげる縫製工程が必ずあります。 縫製してあるニットとホールガーメントとでは、身に着けたときのシルエットも違ってきます。 製作側にとっては大きな違いがあるホールガーメントと普通のニットですが、消費者にとってはそれほどの違いがあるように思えないかもしれません。 しかし、ボディラインに無理なくなじみ、着心地がよいという点ではホールガーメントは群を抜いています。 第二の肌ともいわれるほど ナチュラルで、 ストレッチ性にも優れているため、とても動きやすいというのも特徴の一つです。 ホールガーメントを買うには? ホールガーメントは、島精機製作所の登録商法です。 ホールガーメントのニットを手に入れたいと思ったら、島精機製作所のオンラインショップをのぞいてみましょう。 島精機製作所 オンラインショップ トップスからアウター、ワンピースやボトムスまで、各種ニット製品が揃っています。 高級な素材を使っていながらも、お値段は手頃ですから、ホールガーメントのニットを着てみたいというときにはチェックしてみてください。 レディースだけでなく、メンズのニットも揃っています。 寺田ニット 株式会社 オンラインショップ ホールガーメントのニット製品は、山梨県の寺田ニット株式会社でも製造しています。 起毛させるために使われるチーゼル(アザミ)の実を工場内で育てているほど、こだわりのあるホールガーメントニットを仕上げています。 寺田ニットのオンラインショップもありますが、 カタログ通販の dinos などでも取り扱いがあります。 スポンサーリンク パンと日用品の店 わざわざのヒラタですさん wazawazapan がシェアした投稿 - 2016 11月 8 4:30午前 PST ホールガーメント製品は、 実はニットだけに限られないのです。 例えば、島精機製作所では、ソックスやレッグウォーマーなども製造しています。 ウールのアームウォーマーは、冬場に指先を自由に動かしながらも手の甲や手首を温めるのに最適です。 カシミヤシルクで編まれた、パンツなどもおすすめ品の一つ。 デリケートな部分がチクチクしないので、ストレスが全くなくリラックスできます。 一度身に着けてみると、あまりの着心地の良さに、病みつきになってしまいますよ。 今後も、 さらなる製品開発に期待したい、ホールガーメントなのです。
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