家康 コーポレーション。 コロナショック 苦渋の解雇の裏で ~密着・あるバス会社の3か月~

コロナショック 苦渋の解雇の裏で ~密着・あるバス会社の3か月~

家康 コーポレーション

所長の西田さんは解雇を言い渡さなければなりません。 中には、小さな子どもを抱える従業員もいます。 大阪営業所 西田和浩所長 「ひとりの乗務員だけ(の問題)じゃない。 家族もいる。 いまの状況、どうしても整理せないかん人が出てくると思う。 それはもう決まっているけれど、それを決めていいものか。 もうちょっと、この人の背景を知らないといけない。 悩む、むちゃくちゃ悩む。 」 この日、解雇される従業員が事務所に集められました。 大阪営業所 西田和浩所長 「役員の給料、管理者の給料、事務職の給料をカットしてきたけれど、それでも追いつかない。 もう本当、事業の継続が厳しくなった。 きょうは解雇通知を渡します。 」 1人1人におよそ1か月分の賃金と慰労金10万円が渡されました。 解雇を通告された従業員 「不安がありすぎて、どれが不安なのか分かりません。 私個人としてはもう年齢も年齢ですので、いまから違う職種に就けと言われても、なかなか就くのは難しい。 言葉が見つからないけれど、このコロナウイルスが無かったらなと。 それしかない。 」 大阪営業所 西田和浩所長 「つらいだろうなと思います。 頑張ってきたのに。 なんとも言えない。 お疲れ様です、しかない。 」 中には、みずから退職を申し出る人もいました。 西田さんとともに幹部として会社を支えてきた小森哲也さんです。 沖縄営業所で所長を務めてきました。 沖縄でも13人中7人の解雇が決まり、小森さんは本人たちにそれを伝える役目でした。 沖縄営業所 小森哲也所長 「『何人か肩をたたいてくれ』と連絡がございまして。 断腸の思いで従業員さんに声をかけたんですけれども、どうしても言われた本人としてみれば、いい感触じゃない。 」 家康コーポレーション 海江田 司社長 「雇用を守れなかったことは経営者として非常に責任を感じております。 雇用調整助成金の特例措置に関しても、2月から先んじて申請しましたけれども、実際、私どもに給付されるのに2か月かかります。 早くても大型連休明けではなかろうか。 」 武田:そのタイムラグという点なんですけれども、1か月、あるいは2か月でも、やっぱり持ちこたえるというのは難しいわけですか。 家康コーポレーション 海江田 司社長 「中小企業はやはり、2・3か月というのは大変大きいです。 好き好んで社員を解雇しようと思う経営者はそんなにいないと思います。 」 武田:行政に対して、どんなことを求めていきたいと思っていらっしゃいますか。 家康コーポレーション 海江田 司社長 「長期的展望といいますか、政府から援助策が出ているから何とかやっていけるだろうと、個人も企業も思える支援策を出していただきたい。 」 武田:今、何を大切にして一日一日の仕事を進めていらっしゃるんでしょうか。 家康コーポレーション 海江田 司社長 「今も細々と仕事をいただいております。 2万円、3万円のお仕事です。 当社の1か月の売り上げは1億円前後ですが、1億円分の1万円だとか2万円だとか思わずに、一つ一つの仕事を大事にやろうと、社員一同 心がけています。 」 ゲスト 斎藤太郎さん(ニッセイ基礎研究所 経済調査部長) 斎藤さん:経済が落ち込めば、残念ながら失業者は増えてしまいます。 この数字は、今後予想される実質GDPの見込みをもとに私が試算したものですが、緊急事態宣言の期間が仮に延長されるようなことがあれば、この270万という数字はさらに大きくなってしまうということを心配しています。 武田:斎藤さんが今の局面で強調されたいことが「命か経済かの選択ではない」。 これは失業者と自殺者の関係を表したグラフなんですが、バブル崩壊後、失業者が急激に増えるとともに自殺者も増えましたが、その後、2010年以降は景気の回復に合わせて、ともに減っていきました。 そこを新型ウイルスが直撃した形となっているわけですが、斎藤さん、「命か経済かの選択ではない」、これはどういうことでしょうか。 斎藤さん:私が申し上げたいのは、「新型コロナウイルスの感染拡大」「経済を止める」、これは両方とも命に関わる問題だというふうに考えているということです。 武田:両立していかなくてはいけないということですね。 斎藤さん:そうですね。 新型ウイルスによる死者を減らすことが仮にできても、経済的な死者を増やしてしまっては失敗だということになると思います。 武田:それでは、今どんな支援が必要だとお考えでしょうか。 斎藤さん:まず、スピード感というのが大事だと思います。 政府は国民一人一人に10万円を配るということを決めました。 これは決して多い額ではありませんが、スピーディーにやることによって、国民の手にすぐに行き渡るようにすれば、それは1つの成功だというふうに思います。 武田:まずはスピードということですね。 斎藤さん:はい。 武田:一人一人の暮らしを支えていく。 海江田社長は「長期的な支援も必要だ」というふうに訴えていらしたんですが、斎藤さん、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。 斎藤さん:経済活動をこれだけ止めてしまっているわけですから、個人への給付もそうですし、企業を倒産させてしまうと失業者が急増してしまうので、やはり企業への給付、休業補償という形で、企業の支援というのを今後 より強めていく必要があると思います。 武田:まず今の局面は、一人一人の暮らしを支え、中長期的には倒産を防ぐ。 斎藤さん:そうですね。 それが大事だと思います。 先ほども申し上げましたけれども、経済を止めるということは命に関わる問題ですので、やはり企業を倒産させないということに全力を尽くすと。 今回の経済対策では恐らく足りないということになると思いますので、これから先も迅速かつ大胆な政策を打っていく必要があると思います。 武田:ありがとうございました。

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株式会社 家康コーポレーション

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所長の西田さんは解雇を言い渡さなければなりません。 中には、小さな子どもを抱える従業員もいます。 大阪営業所 西田和浩所長 「ひとりの乗務員だけ(の問題)じゃない。 家族もいる。 いまの状況、どうしても整理せないかん人が出てくると思う。 それはもう決まっているけれど、それを決めていいものか。 もうちょっと、この人の背景を知らないといけない。 悩む、むちゃくちゃ悩む。 」 この日、解雇される従業員が事務所に集められました。 大阪営業所 西田和浩所長 「役員の給料、管理者の給料、事務職の給料をカットしてきたけれど、それでも追いつかない。 もう本当、事業の継続が厳しくなった。 きょうは解雇通知を渡します。 」 1人1人におよそ1か月分の賃金と慰労金10万円が渡されました。 解雇を通告された従業員 「不安がありすぎて、どれが不安なのか分かりません。 私個人としてはもう年齢も年齢ですので、いまから違う職種に就けと言われても、なかなか就くのは難しい。 言葉が見つからないけれど、このコロナウイルスが無かったらなと。 それしかない。 」 大阪営業所 西田和浩所長 「つらいだろうなと思います。 頑張ってきたのに。 なんとも言えない。 お疲れ様です、しかない。 」 中には、みずから退職を申し出る人もいました。 西田さんとともに幹部として会社を支えてきた小森哲也さんです。 沖縄営業所で所長を務めてきました。 沖縄でも13人中7人の解雇が決まり、小森さんは本人たちにそれを伝える役目でした。 沖縄営業所 小森哲也所長 「『何人か肩をたたいてくれ』と連絡がございまして。 断腸の思いで従業員さんに声をかけたんですけれども、どうしても言われた本人としてみれば、いい感触じゃない。 」 家康コーポレーション 海江田 司社長 「雇用を守れなかったことは経営者として非常に責任を感じております。 雇用調整助成金の特例措置に関しても、2月から先んじて申請しましたけれども、実際、私どもに給付されるのに2か月かかります。 早くても大型連休明けではなかろうか。 」 武田:そのタイムラグという点なんですけれども、1か月、あるいは2か月でも、やっぱり持ちこたえるというのは難しいわけですか。 家康コーポレーション 海江田 司社長 「中小企業はやはり、2・3か月というのは大変大きいです。 好き好んで社員を解雇しようと思う経営者はそんなにいないと思います。 」 武田:行政に対して、どんなことを求めていきたいと思っていらっしゃいますか。 家康コーポレーション 海江田 司社長 「長期的展望といいますか、政府から援助策が出ているから何とかやっていけるだろうと、個人も企業も思える支援策を出していただきたい。 」 武田:今、何を大切にして一日一日の仕事を進めていらっしゃるんでしょうか。 家康コーポレーション 海江田 司社長 「今も細々と仕事をいただいております。 2万円、3万円のお仕事です。 当社の1か月の売り上げは1億円前後ですが、1億円分の1万円だとか2万円だとか思わずに、一つ一つの仕事を大事にやろうと、社員一同 心がけています。 」 ゲスト 斎藤太郎さん(ニッセイ基礎研究所 経済調査部長) 斎藤さん:経済が落ち込めば、残念ながら失業者は増えてしまいます。 この数字は、今後予想される実質GDPの見込みをもとに私が試算したものですが、緊急事態宣言の期間が仮に延長されるようなことがあれば、この270万という数字はさらに大きくなってしまうということを心配しています。 武田:斎藤さんが今の局面で強調されたいことが「命か経済かの選択ではない」。 これは失業者と自殺者の関係を表したグラフなんですが、バブル崩壊後、失業者が急激に増えるとともに自殺者も増えましたが、その後、2010年以降は景気の回復に合わせて、ともに減っていきました。 そこを新型ウイルスが直撃した形となっているわけですが、斎藤さん、「命か経済かの選択ではない」、これはどういうことでしょうか。 斎藤さん:私が申し上げたいのは、「新型コロナウイルスの感染拡大」「経済を止める」、これは両方とも命に関わる問題だというふうに考えているということです。 武田:両立していかなくてはいけないということですね。 斎藤さん:そうですね。 新型ウイルスによる死者を減らすことが仮にできても、経済的な死者を増やしてしまっては失敗だということになると思います。 武田:それでは、今どんな支援が必要だとお考えでしょうか。 斎藤さん:まず、スピード感というのが大事だと思います。 政府は国民一人一人に10万円を配るということを決めました。 これは決して多い額ではありませんが、スピーディーにやることによって、国民の手にすぐに行き渡るようにすれば、それは1つの成功だというふうに思います。 武田:まずはスピードということですね。 斎藤さん:はい。 武田:一人一人の暮らしを支えていく。 海江田社長は「長期的な支援も必要だ」というふうに訴えていらしたんですが、斎藤さん、その点についてはどういうふうにお考えでしょうか。 斎藤さん:経済活動をこれだけ止めてしまっているわけですから、個人への給付もそうですし、企業を倒産させてしまうと失業者が急増してしまうので、やはり企業への給付、休業補償という形で、企業の支援というのを今後 より強めていく必要があると思います。 武田:まず今の局面は、一人一人の暮らしを支え、中長期的には倒産を防ぐ。 斎藤さん:そうですね。 それが大事だと思います。 先ほども申し上げましたけれども、経済を止めるということは命に関わる問題ですので、やはり企業を倒産させないということに全力を尽くすと。 今回の経済対策では恐らく足りないということになると思いますので、これから先も迅速かつ大胆な政策を打っていく必要があると思います。 武田:ありがとうございました。

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株式会社家康コーポレーション(福岡県大野城市)の企業詳細(旧:株式会社家康観光)

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ヒトとモノの停滞は、中国に依存してきたサプライチェーンのもろさを浮き彫りにしています。 感染拡大が最も深刻な武漢。 世界の自動車メーカーや部品メーカー500社が集中しています。 その武漢に工場を持つ自動車部品メーカーです。 サスペンション関連の大型部品を製造しています。 先週、工場を再開する見込みでしたが、当局からの許可が下りず、ほかの地域での生産を検討し始めています。 自動車部品メーカー「ヨロズ」対策本部 春田力 常務執行役員 「代替生産ということで、メキシコのほうにトライアル用の部品を50個頼んでおりまして、メキシコから海上輸送で飛ばす。 」 武漢の工場と同じ生産設備があるメキシコの工場で生産を代替できないかと考えました。 しかし。 「メキシコ製のリアメンバー(部品)と中国製のと、お客さんの要求で穴位置が変わっていたりする。 」 この世界の工場が止まることに混乱が起きているわけですけれども、熊谷さんは、この影響をどういうふうに見ていますか。 熊谷さん:中国には、この自動車の部品、ハイテク、鉄鋼などの工場が集中しているということがあるんですね。 例えば、自動車というのは全部で3万点ぐらいの部品を使う。 スマートフォンでも1000点ぐらいの部品を使いますから、かなり影響があって、自動車で見ると、最近の中国は技術レベルが上がって、エンジン周りの高度な部品とかもつくるようになっているんですね。 スマートフォンで見ると、世界のスマートフォンの生産の中で、大体65%が中国でつくられている。 先日、アップルが見通しを下方修正しましたが、今、アップルの中国におけるiPhone工場は、稼働率が人によっては3割ぐらいじゃないかという見方があるんです。 そうなると、日本の納入する人たちも非常に厳しくなる。 東日本大震災後に一つの研究があって、ある企業、1つ目の取引先、2つ目の取引先、ということで5個の取引先をたどると、平均的には、日本中の企業が全部つながるという結果がある。 その意味では、それをさらに世界レベルに引きなおしたことが今起きているわけですから、このサプライチェーン、部品の供給網というのは、非常に深刻であるということです。 栗原:日本の自動車メーカーの動きなんですけれども、トヨタやホンダ、日産自動車の広州にある工場が、今週から生産を再開しています。 トヨタは従業員の集まり具合や部品の供給状況を見ながら、まずは通常の半分程度の生産を行っています。 またホンダの武漢にある工場は来週の再開を目指しています。 武田:ここまでサプライチェーンという話でしたけれども、柯隆さん、日本や世界の企業にとって中国のマーケットはこれだけ依存しているわけですよね。 そういった中で、今回の事態の影響をどういうふうにご覧になっていますか。 柯さん:世界の工場が役割を果たす前提は、人件費が安くないといけないんです。 昨年、中国の1人当たりのGDPは初めて1万ドルを超えました。 購買力が出てきたから、世界のマーケットの役割を果たすわけですが、ただ、その条件の一つが、安定した供給網、いわゆる物流をきちんと安定させなくてはいけない。 今回はこれが壊れている。 二つ目が、この購買力は維持していかなくてはいけないのですが、中国経済がダメージを受けると従業員の給料も下がるかもしれませんので、その購買力は本当に維持できるのかどうかというのが課題になります。 武田:マーケットとしての安定性が、今まさに問われているということですね。 今回の新型コロナウイルス、私たちの家計や雇用といった暮らしにまで影響が広がっています。 売り上げは去年の同じ時期と比べ、10分の1に激減しているといいます。 焼肉ハウス サウスポー 乾辺哲也代表 「ここまでどうしようもない状態に陥るというのは考えてもみない。 」 長年、地元の企業と向き合ってきた信用金庫。 「コロナウイルスによって影響を受けるお客様がかなりたくさんいらっしゃるところから、窓口を設置させていただいた。 」 新型ウイルスの影響で町の経済が衰退してしまう恐れがあることから、緊急の融資相談窓口を設けました。 伊達信用金庫 壮瞥支店 森近武己支店長 「お客様(企業)がどんどん疲弊してしまっては、われわれも生き残ることもできません。 そしてまた、この地域も生きていけないということになりますので、本当に大きな山場だなと思う。 」 熊谷さん:外国人の影響よりもはるかに影響が大きいということがあって、中国人は年間で1000万人くらい来ていますから、1割の100万人減ったとしても日本のGDPに対する影響は2500億円ぐらい。 ところが、その国内の旅行者の旅行の消費が20.5兆円あるわけですから、これがもし1割減ったとすると、波及効果を含めると3兆円ぐらい景気に影響が出てくる。 それから外食産業というのも厳しくて、外食は全部で26兆円あって、ショッピングセンターというのも全部で33兆円ありますから、自粛ムードが出てくると悪影響が懸念されるということです。 武田:ここまで日本国内への暮らしへの影響を見てきたわけですけれども、柯隆さん、中国国内の中小企業などの影響はどうなんでしょう。 柯さん:こういう危機には大企業も影響を受けるわけですけれども、一番危機に弱いのは中小企業。 とりわけ中国の場合は、中小企業信用保証制度がないわけですから、このまま行くと、ある調査では9割の中小企業は3か月もたない。 3か月以上続いた場合は、倒れる可能性があるわけです。 武田:9割? 柯さん:家計に直撃していくわけですから、ものすごい影響を受けると思います。 武田:中国国内の消費や雇用も大きな影響を受けると。 柯さん:家計のバランスシートが壊れるわけですから、そこにきちんと備えていかなければいけないと思います。 武田:これはやっぱり中国社会の不安定にもつながるという見方ができますか。 柯さん:中小企業というのは最も雇用がつくられるわけですから、この中小企業がダメージを受けると雇用不安になる。 雇用不安になると社会不安につながります。 武田:では、その影響を最小限に食い止めるために何が鍵になるのか。 熊谷さんは「最悪の事態 想定した危機管理」。 熊谷さん:今回のことは永続的な話ではないわけですから、特に地方企業だとか中小企業が金繰り倒産などに追い込まれないように、しっかりとサポートしていくということが重要である。 その上で、日本の企業というのは「不都合な真実」を見ない癖があって、大事なことはやはり最悪の事態を想定した上で何をやるかということ。 そういう考え方の習慣をつけていくということが極めて重要ではないかと考えます。 武田:例えば、どんなことを想定していけばいいんでしょう。 熊谷さん:「チャイナプラスワン」という言葉がありますが、中国以外のところにも拠点を分散する考え方ですね。 武田:そして、柯隆さんはこちら。 これは中国の話ですけれども、工場に「従業員は戻れるか」。 ここを改めて見るべき。 柯さん:先ほどのVTRにもあったように、従業員のごく一部が戻ってはいるんですけれども、まだウイルスの感染が終わっていませんので、物流と流通が寸断されているがために、完全に戻り切れておりません。 だから、フル稼働するまでにはものすごく時間がかかるというのがまず一つの重要なポイントでございまして。 もう一つが、やはりこのまま行くと家計の所得が落ち込んでいった場合、中国経済はものすごくダメージを受けるので、今年はマイナス成長になるかどうかは別として、この40年来、ものすごく低い成長率になるだろうと思われます。 武田:そうすると、この従業員が戻れるかどうか。 これは今後の中国経済を大きく左右する一つと。 柯さん:鍵を握る重要なデータになると思います。 武田:ありがとうございました。

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