公開日: 2018. 24 更新日: 2018. 24 「感嘆」の全く違う2つの意味と使い方、敬語、類語、英語表現 「感嘆」という言葉をご存知でしょうか。 「感嘆の声」「感嘆のため息」などと聞いたことがあると思います。 「感嘆」と聞くと、「感心する・褒め称える」という意味をイメージする人がほとんどだと思いますが、実は「感心する」という意味以外にも他の意味が含まれます。 知らなかった、という方も多いかもしれません。 ですので、「感嘆」は間違った使い方をしてしまうと、相手に誤解を招いてしまいます。 そこで今回は「感嘆」の意味や使い方、敬語、類語について解説してきます。 意味を知って、正しく使えるようにしましょう! 「感嘆」には全然違う2つの意味がある 「感嘆」の1つ目の意味は「感心して褒めること」 「感嘆」は 「感心して褒めること」を意味します。 感心、感激のあまり声やため息をもらす様子、褒め称えるさまを表します。 「感」は「外部の物に触れて心が動く」、「嘆」は「感じ入ってため息をつく。 褒める」を意味します。 このことからも、「感嘆」は「ため息をついてしまうほど感心する・感動する」という意味合いであることがわかります。 感激するあまり声が出てしまう、ものすごく褒めるというイメージです。 「感嘆」の2つ目の意味は「なげき悲しむこと」 「感嘆」は 「なげき悲しむこと」を意味します。 「嘆く」とは「ひどく悲しむ・悲しんで泣く・悲嘆にくれること」を表します。 「嘆」という字には「褒める」という意味だけでなく、 悲しんで『は〜』とため息をつく」という意味も含まれます。 ですので、 「感嘆」は「ひどく悲しむこと・悲嘆にくれるほど悲しむ」という意味になります。 「感嘆」は「感心して褒める」というイメージが強いですが、「なげき悲しむ」という意味もあります。 実際、「感嘆」は「なげき悲しむ」という意味よりも、「感心して褒める」という意味で使うことが多いです。 「感嘆の声」とは、「おおー」「わー」といった驚いたり感心したりした際の歓声を表します。 「感嘆の声をあげる」「感嘆の声をもたらす」ということで、感心したり驚いたりして、思わず大きな声で叫んでしまうことを示します。 「感嘆おくたわず」とは「感心して褒めらずににはいられない」「褒めることをやめることができない」状態を意味しています。 例文 ・作品の出来栄えに感嘆する。 ・彼の熱意には感嘆する。 ・心を動かす演奏に感嘆の声をあげる。 ・彼女の熱意と努力に感嘆する。 ・大自然の力には感嘆するばかりである。 ・日本を訪れる人は景色の綺麗さに感嘆する。 ・運ばれてきた美味しそうな料理の数々に、感嘆の声をもたらす。 ・謎の暗号をいとも簡単に解いた男性に、周りの人が感嘆の声をあげる。 「ため息」の代わりに「吐息(といき)」ということもあります。 「ため息」とは気苦労や失望などから、また、感動したときや緊張がとけたときに、思わず出る大きな吐息のことです。 「溜め息が出るほど残念である」「疲れて思わず溜め息をつく」などと言いますよね。 「吐息」は落胆したり、緊張がゆるんだりしたときに思わず出る息のことです。 「感嘆のため息がもれる」といった場合は、「悲しみなどから、思わず大きな吐息が出てしまうこと」を意味します。 例文 ・悲しみのあまり、感嘆のため息がもれる。 ・身内の不幸に感嘆のため息を吐き出す。 ・勉強しても全く成績が変わらないことに感嘆のため息がもれる。 ・映画を見て思わず感嘆のため息をつく。 ・友人の突然の死に感嘆する。 ・自分の運の悪さに感嘆のため息がもれる。 悲しんで泣く。 主語・述語の形式が整っておらず、感動の気持ちをそのまま表現しています。 口語では頻繁に用いられますが、文語で用いられることは少ないです。 感動のあまり発する言葉で、 「ああ・あら・おお・おや・えっ・ほう・おっ・まあ・やれやれ・えい・ちょっと・もしもし・はい・いいえ」などがあります。 主に、文末で用います。 漫画などでは「!!」や「!?」「?!」といったような使い方をすることがありますが、基本的に「!」「?」は連続して使わない方が無難です。 「!?」は「感嘆符疑問符」です。 「疑問符」とは疑問を表す「? 」の符号で、疑問文の終わりに用います。
次の感嘆文の作り方(書き換え)と訳し方、 HowとWhatの違い・使い分けについて 例文と問題を用いて解説します。 Howの感嘆文の作り方と訳し方 感嘆文は「なんて~だろう」と、 驚きを表す時に用います。 そして、Howを用いた感嘆文の形は 以下のようになります。 How+形容詞or副詞+主語+(助動詞+)動詞! 例えば、以下のような文です。 How happy I am! 「私は、なんで幸せなんだろう。 」 Howの感嘆文への書き換え この文は、以下の文がもとになっています。 I am very happy. 「私は、とても幸せです。 」 この文は「とても幸せ」と 幸せを強調しているだけですが、 「なんて幸せだろう」と驚きを 表したい時に感嘆文を用います。 そして、感嘆文の作り方ですが、 「very+形容詞または副詞」という 形の時はveryをhowに書き換えてから、 「how+形容詞または副詞」を文頭に出します。 上の文では、very happy(形容詞)を how happyに変えて文の先頭に出します。 そして、文の最後にピリオドではなく、 驚きを表すエクスクラメーションマーク! を付けて感嘆文は以下のようになります。 How happy I am! 「私は、なんで幸せなんだろう。 」 もう1つ、以下の文を 感嘆文に書き換えてみましょう。 He can run very fast. 「彼は、とても速く走ることができる。 How fast he can run! 「彼は、なんて速く走ることができるのだろう。 」 Whatの感嘆文の作り方と訳し方 Whatの感嘆文の形は、 以下のようになります。 What+(a+)形容詞+名詞+主語+動詞! Whatの感嘆文への書き換え 以下の文を感嘆文に書き換えてみます。 This is a very big animal. 「これは、とても大きい動物です。 」 この文は「とても大きい」と 大きさを強調しているだけですが、 「なんて大きいのだろう」と驚きを 表す時に感嘆文を用います。 この場合、形容詞bigの後ろに名詞のanimal があるのでveryをwhatに置き換えます。 そして、a what big animalではなく、 以下のようにwhatが先頭にくるように what a big animalとして文頭に出します。 What a big animal this is! 感嘆文の最後には、ピリオドではなく エクスクラメーションマーク!を付けます。 以下のように複数の場合、 aは必要ありません。 These are very big animals. 「これらは、とても大きい動物です。 」 この文を感嘆文に書き換える場合には、 very+形容詞(big)の後ろにanimalという 名詞があるのでveryをwhatに変えます。 そして、What big animalsを 文頭に出して感嘆文は以下になります。 What big animals these are! 「これらは、なんて大きい動物なんだろう。 」 HowとWhatの違いと使い分け howの感嘆文時は、以下のように howの後ろは形容詞または副詞のみです。 How happy I am! 「私は、なんで幸せなんだろう。 」 How fast he can run! 「彼は、なんて速く走ることができるんだろう。 」 これに対し、Whatの感嘆文では what+形容詞の後ろに名詞がきます。 What a big animal this is! 「これは、なんて大きい動物なんだろう。
次の「感嘆詞(感動詞)」の意味とは? 「感嘆詞」とは「感動・呼びかけ・応答」を表す語 「感嘆詞(かんたんし)」とは、「感動・呼びかけ・応答を表す語」という意味で、品詞のひとつです。 「感動詞(かんどうし)」「間投詞(かんとうし)」とも呼ばれます。 感嘆詞は、事態に対する感情や、相手の言ったことに対する反応や受け答えなどを、一語で表わします。 主語や述語となったり、他の語に修飾されたりすることはない自立語です。 例えば、目の前の事態に対する驚きを表す「ああ」「うわ」や、相手の言ったことに意外感を表わす「へー」「さあ」や、相手に呼びかける「もしもし」や、返事の言葉「はい」などがあります。 「儀礼的な表現」も感嘆詞に相当する 「感動・呼びかけ・応答を表す語」と同じく他の文の要素と結びつかず、一語で表わされる「儀礼的な表現」も、感嘆詞に相当する語として扱われます。 儀礼的な感動詞には、出会いや別れの挨拶の表現「こんにちは」「おはよう」「さようなら」「じゃまた」や、食事の挨拶「いただきます」「ごちそうさま」、出発や出迎えの表現「行ってきます」「お帰りなさい」などがあります。 「感嘆詞」にはどんなものがある? 「感動・呼びかけ・応答」を表す感嘆詞の分類一覧• 驚き・感動・感嘆: おお、まあ、あら、ほー、あれ、うわ、ぎょぎょ、ひゃー、やったあ• 同意・不同意: はい、ええ、いいよ、ああ、うん、いいえ、いや、• 理解: なるほど、ふうん、ほー• 回答を模索中であることを表わす: ええと、うーん、あの、その、そうですね、うむ、さあ• 呼びかけ: もしもし、ねえ、あの、おい、ほら、それ、さあ、せーの、ちょっと、ごめんください• 自分に対する疑問: はて、さて、はてな• 行動の開始時に自分に言い聞かせるもの: さてと、どっこいしょ、よいしょ、よっしゃ、よし 「儀礼的な表現」を表す感嘆詞の分類一覧• 出会いの挨拶: おはよう(ございます)、こんにちは、こんばんは、やあ、元気、よう• 別れの挨拶: さようなら、失礼します、じゃまた、じゃこれで、お休みなさい、ごきげんよう• 出発・戻りの挨拶: 行ってきます、ただいま• 見送り・出迎えの挨拶 行ってらっしゃい、お帰りなさい• 感謝の表現: ありがとう(ございます)、すみません、恐れ入ります• 感謝に対する謙遜の表現: いえいえ、とんでもない、どういたしまして、• 食事の挨拶: いただきます、ごちそうさま• お祝いの表現: おめでとう(ございます) 古語の「感嘆詞」とは? 感動を表す「ああ」は古語で「あな」 「ああ」「まあ」などの感動を表す言葉は、古語では「あな」と表現されます。 吉田兼好の『徒然草』には「すばらしいことよ」という意味で「あなめでたや」という表現があります。 呼びかけの語「もしもし」は古語で「なう」 人への呼びかけの語「もしもし」は古語で「なう」と表現されます。 「なう、…」と呼びかけの語で使われるほか、感動して発する語「ああ」「おお」の語としても使われます。 謡曲に「ああ、これは夢だろうか」の意味で「なうこれは夢かや」という表現があります。 相手や自分の行動を促す「さあ」は古語で「いで」 相手を誘ったり、自分の行動を促したりするときの語「さあ」は「いで」と表現されます。 紫式部の『源氏物語』では、「どれ、ご挨拶申し上げよう」という意味の「いで、御消息聞こえむ」や、「さあ、あなたも書きなさい」という意味の「いで、君も書い給へ」という表現があります。 英語の「感嘆詞(interjection)」を紹介 「感嘆詞」は英語で「interjection」と書きます。 「えっ?」と聞き返す「What? 」や、驚きの「Oh! 」、「呼びかけるときの「Hey」は馴染みが深い表現です。 一語の感嘆詞のほかに、2語以上のフレーズとなる感嘆詞も英語にはたくさんあります。 あまり知られていない表現もありますので、いくつかを紹介します。 驚きの「おお」は「Oh dear! 」、落胆の「やれやれ」は「Dear me」 不意の発声や感動を表わす語「ああ」「おお」は「Oh! 」「Ah」「 Wow! 」などで表現されます。 驚きの強いときは、「Oh my goodness! 」「Oh my God! 」などのフレーズが使われます。 また、落胆や安堵を表わす「やれやれ」は「well」「whew」などがあり、フレーズの表現には「Oh dear! 」「Dear me」があります。 「Dear me, dear me」と繰り返して落胆を表わすこともあります。 同意するときは「all right」、考えているときは「Let me see」 「そうだね」と同意するときは「right」「OK」「all right」などが使われます。 答えを考えているときの「そうねえ」や「ええと」には「uh」「well」「Let me see」などがあります。 英語の感嘆詞は「感嘆符(!)」とともに使われる 英語で感嘆詞が使われるときは、「感嘆符(!)」が文末に使われることが多いです。 エクスクラメーションマーク(exclamation mark)と呼ばれる欧文の符号です。 日本では、明治時代から日本語にも取り入れて使われるようになりました。 まとめ 「感嘆詞」は、「ああ」「やれやれ」などの感情を表わす語で、「感動詞」「間投詞」とも呼ばれます。 前後の文と結びついて状況を表わすのではなく、一語で感情や相手の発言に対する応答を表現します。 「さようなら」「いただきます」などの挨拶の言葉や、「おそれいります」などの感謝の表現も感嘆詞として扱われます。 英語の感嘆詞は、一語で表す語のほかにフレーズで用いられるものも多くあります。 また、感嘆符とともに使われることが多いため、英文にはエクスクラメーションマークが多用されます。
次の