最終回では「あいのり Asian Journey」シーズン1から出演しているでっぱりんがじゅんきに告白。 でっぱりんは、自分の気持ちを誰よりも知ってもらいたく、一緒に旅をするメンバーやスタッフ相手にも、裏表のない意見をぶつけ、キレる。 そんな強烈なキャラクターの反面、ムードメーカーとして場を盛り上げたり、自分の恋に関しては乙女な一面だったり、いつも全力で感情をさらけだしていた。 そんなでっぱりんが勇気を出してじゅんきに告白をした最終回。 告白の結果はブログを見るように幸せな結果となっている。 シーズン2は総勢13名のメンバーが参加。 みゃんまー&ユウちゃん、Dr. モリモリ&モア、じゅんき&でっぱりんの3組のカップルが誕生した。 地上波最終回の放送を二人で鑑賞したでっぱりんじゅんきカップルは、自身のブログで以下のように感想を語っている。 でっぱりん シーズン2本当に本当に辛かったけど、頑張って良かったってちゃんと自分の気持ちに正直になれてよかったって心から思えた瞬間でした。 ずっとこれからも一緒にいれるようにお互い成長してお互いを思いやって、そしていつか家族になれたらいいな。 なんて妄想してみたり。 笑笑 いい旅ができて、いい思い出ができました。 じゅんき あの時の思いは。 とにかく後悔しないって意識ととにかく全力で楽しむって意識をしました!この頃のでっぱりんは懐かしいな笑笑いまだに告白された時、思い出せる笑笑 緊張したけど、あの告白の時からずっと好きでいてくれてるでっぱりんはやっぱりかわいくて愛おしくもなります 現在、あいのりの旅を終え日本に戻った二人は交際11ヶ月をこえ同棲を開始し、順調に愛を育んでおり、でっぱりんはスキンケアの資格勉強、じゅんきは夢のアパレルブランドを立ち上げ活動しているようだ。 今後、二人は真実の愛を突き進むことができるのか、注目だ。
次のでっぱりんの性格 第1話からすぐにわかりますが、まあ何しろ物言いや感情の出し方がストレート。 直球どストレートです。 良い意味では正直・素直といえますが、悪く捉えると言葉がストレートすぎて時には人を傷つけることもあるかもしれません。 でっぱりんはゆめちんに想いを寄せるたかに素晴らしいアドバイスをしてくれていました。 結果告白は受け入れられなかったもののアドバイスのお陰でたかはゆめちんに対してかなり好感がアップしたものと思われます。 たかが体調を崩してしまったときにも心配してお見舞いにきてくれていました。 そんな優しい一面もあります。 情が深そうですよね。 事件の顛末 第6話を見たらわかるかと思いますが、今一度事の顛末をまとめてみましょう。 旅のストレス まず前提としてでっぱりんを含む女性メンバー全員が、団体行動や常にカメラを向けられていてプライベートのない生活に疲れはじめていました。 でっぱりんは第6話冒頭のインタビューでこう語っていました。 「カメラマンさんがわたし達がおる中で、グイグイ入ってこようとする部分があって。 そしたらわたし達も立ち位置じゃないけど、気にせななんかなみたいな。 ここにおらなとか、ここにいちゃいけないとか考えだしたら、それはそれであいのりじゃないかな、みたいな。 」 ゆめちんもアスカも同様にあいのりでの旅に結構なストレスを感じはじめているようです。 もちろんあいのりに参加すればカメラで常に撮影されるということはわかっていたと思いますが、貧乏旅行で贅沢もできず、部屋は常に3人の相部屋、常にカメラを向けられ…。 たかが帰国した後だと考えると、その時点で旅の開始から2週間~3週間ぐらいでしょうか。 確かに想像すると疲れそうに思えます。 ゆめちんやアスカは言ってもモデルさんなのでカメラを向けられることはまだ慣れているかもしれませんが、でっぱりんは一般人です。 2人以上にストレスを感じているのかもしれません。 そして、でっぱりんはこのインタビューの時だけでなく、これまでに度々長山ディレクターにそんなことも相談していたようです。 そんなストレスがあったからこその今回の事件勃発です。 YouTubeなんかに今回の動画がアップされてないか見てみましたがなかったので発言等書き起こしてみます。 映像で見たい方は配信の方でご覧ください。 でっぱりんがキレた理由 発端となったのはお酒が入って盛り上がってしまったあいのりメンバーがスタッフとの合流時間に40分遅刻してしまったこと。 あいのりメンバーはまずバスの運転手ミョーさんに謝ります。 でっぱりんも申し訳なさそうにしていました。 ミョーさんは全く怒らず「楽しかったですか?それならよかったです」と神対応を見せます。 が、その後長山ディレクターがメンバーにお説教を始めます。 「ちょっと待って。 やる気ある?みんなで相談して決めた時間、明日長時間の移動だって言ったでしょ?ミョーさん何時間運転すると思ってんの?ちょっと考えてほしいんだけど。 カメラマンさんだってさ、重たいカメラ持って撮ってるわけ。 何のために来てんの、旅?恋するために来てんでしょ?言ってることわかる?」 と、遅刻したのはもちろんのこと、遅刻したことでスタッフに迷惑をかけたことに対して怒ったわけです。 怒られているときのでっぱりんを見ていると、シュンとして申し訳なさそうで泣き出しそうな表情をしていました。 いつもにない弱ってる感じがちょっとかわいかったのは事実です…。 この顔かわいい… 笑 が、スタッフのくだりを持ち出されて以降、体を動かし始めたりとちょっと態度や表情が変わり始めます。 遅刻して怒られるのは何も不思議なことではありませんし、それはでっぱりんも納得していました。 が、「スタッフへの配慮が足らん」という部分についてはどうしても納得がいかなかったようで、一度バスに乗り込んだものの、そこからぐるぐるぐるぐる考えを巡らせていたんでしょう。 「え、待って。 ちょっと違う。 わたし言ってくる。 」と言ってバスを飛び出し長山ディレクターの元へ。 でっぱりん「これは確かにわたしたちも悪いと思うけど。 泥酔にならん程度って言われとったけど、確かに飲んどったし」 長山D「飲んだこと怒ってんじゃないじゃん」 でっぱりん「それはわかってます。 わかっとうけど…。 みんなで7人でおるのが楽しい部分もあるんですよ。 」 長山D「だから7人で会話するなって言ってるわけじゃないじゃん」 でっぱりん「わかってます。 わかってます。 それはわかっとうけど。 でもそれに対して、確かに時間守らんのが一番悪いのはわかってるんですよ。 わかっとうけど、でも…」 長山D「言えたんじゃないのって話。 その時間に戻ってこれないってなったら、その時間の前に言うのが普通じゃない?」 でっぱりん「まあ、確かに。 それは…」 長山D「それがあってもいいんじゃない?例えば30分延ばせませんかとかさ」 でっぱりん「それはわかります。 それもわかるんですけど。 わたしたちも素人で、初めてっていうのがあって、どこまでをプライベートで持ってっていいのか、プライベートじゃなく持ってっていいのかわからんくて。 まあでも、わたしだけが納得できんで来たけん、この2人(ハト胸、シャイボーイ)が来た理由はわからんけど、わたしはそこまで考える余裕はないです。 カメラマンさんとかの話とかを言われたらわたしたちも生活しづらいし、話しづらい。 どこに行っても時間を守らんのが悪いのはわかっとう。 けど、それに関して言われたらわたしたちがどう生活していいか、じゃあその人たちに気を遣いながら生活せなあかんのか、ていう風になってきたら恋愛もしづらいし、話もしづらいし、生活もしづらいなと思って、これは行っとかなあかんなって思って」 ということで、でっぱりんは長山ディレクターに反論したいというよりは、あくまであいのりの旅での自分たちのスタンスについて物申したかっただけのように思われます。 常にカメラが向けられている状況で、自分がどう振舞えばいいかわからずストレスを感じている状況で、「スタッフに対して気遣え」とも取れそうな物言いをされたことには反感を持っていたと思いますが、話し方は落ち着いていましたし話しながら落ち着いていってましたし、結局はそういうことを言いたかっただけなんでしょう。 とは言え長山ディレクターも「スタッフに気遣え」なんて言おうとは思っておらず、あくまで「みんなでチームなんだからもう少し配慮してね」ってことなんでしょう。 ただ、今後の旅のことも踏まえてあえてキツめに言ったようです。 たぶんこの2人だけで話をしていれば長山ディレクターもでっぱりんの申し出について、それなりの対応をして落ち着いていたと思います。 でっぱりんを心配してのことですが、ハト胸とシャイボーイが入ってきたことで話がややこしくなってしまいます。 シャイボーイ「先ほど長山様が7人の旅を見ているとおっしゃってましたが、わたしもハト胸も他のメンバーも7人だけじゃなくて、スタッフさん含めての旅だと思っているので、その点において、思慮が足りなかったのはわたしたちの方だと思っています。 長山様が…。 」 長山ディレクターはでっぱりんから何度か相談をされていましたが、シャイボーイもハト胸もでっぱりんが撮影のストレスを抱えていることは知りません。 特にシャイボーイは旅に参加したばかり。 シャイボーイが話をし始めるとでっぱりんがイライラし始めます。 でっぱりん「待って。 わかっとう、わかっとう。 わかっとうけど、仕事(スタッフの人たち)・プライベート(あいのりメンバー)で来とうわけやん、わたしたちは。 」 ハト胸「違うって」 でっぱりん「ちょっと待って。 ちょっと待って。 でもさ、カメラマンさんがおるけんわたしたちは撮られとる。 それはわかる。 けど、それを考えながら生きていくのが苦痛」 でっぱりん「そんなん、情でさ、こういう旅してって、わたしは楽しくないし、恋愛しようとも思ってない。 何のためにわたしたしは来たと?わたしが来た理由言っていい?恋愛したい、真実の愛を探したい、それだけです。 カメラマンさんのこと考えようとか思ってません。 」 2人が入ってきてからでっぱりんがヒートアップしていき、怒りで冷静に言葉が選べなくなってきてしまうような感が。 でっぱりん「やけんわたしは言っとうやろ?普通に時間を気にしてなかったわたしたちが悪いです。 それを踏まえた上でそれを言って欲しくなかったですって」 おそらくでっぱりんの気持ちを察している長山ディレクターが事態を収めようとします。 長山ディレクター「でっぱりん言ってることすごくよくわかる。 俺も言っちゃいけないこと言ったと思ってるのよ」 でっぱりん、事情を理解している長山ディレクターの話は落ち着いて聞いています。 が、その後は長山ディレクターと話すわけでもなく、ハト胸と話を続けます。 事情を理解しきれていないハト胸との話は平行線。 論点が少しずれてしまっている感も。 でっぱりんは自分の気持ちを理解してもらえないことに対してか、とうとう涙を流します。 さらに他のメンバーも全員ラブワゴンを出てその場へやってきます。 でっぱりんは改めて自分の気持ちを全員に話しますが、ヒートアップしてるせいか言い方がキツくなってしまいます。 他のメンバーは一様に「時間を守らなかった自分たちが悪い」と言いますが、でっぱりんもそれは理解してますし、言いたいのはそこではないんですよね。 で、仲間であるはずのハト胸がでっぱりんに対して反論をはじめます。 ハト胸「おれらってあいのりに来たやん。 テレビあるってわかってるやん」 でっぱりん「わかっとう」 ハト胸「カメラあるってわかってるやん。 それでさ、映されるのわかってるやん。 俺らって映されてんねん。 それで普通の生活なんてムリやし、もしそれでわたしはそれを気にする何かって言ったら。 俺からしたら、ほんまにごめんな?これは言いたくなかったけど、あえて言ったら、甘えてる?何を甘えてやってるん?」 と、カメラがあるとわかってるあいのりの旅でそんな不満を漏らすのは甘えだと言われてしまいます。 でっぱりん「いやいやいや、じゃあ言っていい?わたしたちは普通に恋愛しにここに来とうと。 スタッフさんたちはそれを撮りに来とうと。 じゃあわたしたちはスタッフさんのことを色々考えながら生活せないかんと?」 終始言ってることですが、でっぱりんはそう返します。 しかし、でっぱりんが想いを寄せる裕ちゃんまでもが… 裕ちゃん「もう甘えはいらないよ。 これで一つなんだって。 これでチームなんだ」 裕ちゃんの後、さらにハト胸が続けます。 あいのりの旅に参加してるならカメラで撮られることなんて当たり前なんだからと。 もうひたすらに平行線です。 でっぱりんは自分だけでなく女子メンバー全員そのストレスを感じていると言います。 それを聞いたアスカは何か言おうとしますが、頭に血が上ってしまったでっぱりんはそれを遮りハト胸に言葉をぶつけ続けます。 そして言葉が乱暴になりはじめます…。 でっぱりん「じゃあ女子メンバー全部甘えってなるとね!?お前らになんで言われないかんとや!?」 ハト胸もさすがにイライラし始めてきた様子。 ハト胸「それやったら帰った方がいいと思う」 でっぱりん「じゃあ帰るわ。 いい加減にしろよ」 でっぱりんケンカモードに入ってしまいます…。 アスカがでっぱりんの肩に手を回そうとしますが、それを振り払い、ハト胸を突き飛ばしてしまいます。 こうしてケンカが勃発。 でっぱりんはもう抑えが利かず、ハト胸に向かって暴言を吐きまくります。 そして全員がそれを抑えます。 何しろハト胸に「甘えてる」と言われたのがショックだったようです。 長山ディレクターとミョーさんの前で泣き出してしまいます。 でっぱりん「ここまで頑張った意味なんなんですか、わたしが…。 甘えるなら帰れみたいな言い方されて…なんでこんなに言われなあかん…(泣)」 というわけです。 男女の差 ハト胸はひたすらに「甘えるな」と言ってましたが、男的にこれはこれで言ってることはわかる気はするんですよね。 女子メンバーが旅や撮影のストレスを抱えているということを理解していなかったら、でっぱりんに対して若干イラッとしてしまったとしたら、確かに言ってしまうかもしれません。 男子メンバーはある意味であいのりを仕事的に捉えてしまう部分もあると思います。 もちろん仕事ではありませんが、周りに仕事している人たちがいるというのもあり、意識としてそういう捉え方をしてしまう部分はあるかと。 男にとって仕事っていうのは生きていく中で非常に重要な意味を持つのですが、そう考えると多少のストレスなんかも我慢してしまいますし、できてしまいます。 まあそもそも男なんでこういう貧乏旅行くらいではストレスにはならないでしょう。 が、女性はそうはいかないですよね。 あいのりのアジアでの旅は撮影抜きにしてもストレスを感じてしまいそうな環境です。 でっぱりんとハト胸も、別の状況で落ち着いて話し合っていればあんなことにはならなかったと思います。 あいのりでの参加者のスタンス この辺も曖昧だったんじゃないでしょうか。 常に撮影されている状況で参加者がどういうスタンスでいればいいのか。 今回の件に関して元あいのり参加者の桃ちゃんが言及していました。 「私はわかるよでっぱりんの気持ち。 わたしたちは仕事でやってるんじゃない」と。 桃ちゃんがあいのりに参加したときは、ディレクターさんに「カメラは石だと思ってね」と言われたそうです。 だから自然体でいられたしストレスフリーだったとのこと。 カメラに気使って生活してたら不自然になるし、番組として面白くないし、スタッフに配慮するのは参加者じゃなくディレクターの役目だと。 桃ちゃんブログの記事は まあ長山ディレクターもスタッフに配慮しろって言いたかったわけではないと思うんですが、言い方ですよね。 桃ちゃんも書いてましたが、あえてメンバーを焚きつける為に言ったんでしょうね。 そもそも、あそこまでケンカが大きくなるまでほぼ見ているだけだったのは、おそらく面白シーンを撮りたかったということなのかもしれません…。 確かに番組的には面白かったですし、しっかりネットニュースにもなっておいしかったと思いますけど、不自然ですし、それに利用されちゃったでっぱりんやメンバーたちもかわいそうですね…。 実際どういう話をしていたのかはわかりませんが、参加者がストレスを感じないようスタッフが配慮し、でっぱりんに相談されたときにしっかり対応してあげていればこうはなかっていなかったのかもしれません。 結局のところ… おそらく第6話を見終わった多くの人が「でっぱりんないわ~…」と思ってしまうかもしれませんが、そんな背景も含めて改めて考えると決してでっぱりんばかりを責められるものではないように思います。 メンバーが遅刻をしてしまい… ディレクターさんが余計な一言を言ってしまい… メンバーが割って入ってきてしまい… 女子メンバーフォローできず、でっぱりんもハト胸も思わず熱くなってしまい、でっぱりん冷静さを失ってしまい… と、色んなことが重なってしまったんですよね。 初見では「でっぱりんないわ~」と思ってしまったんですが、でっぱりんの気持ちや諸々の事情を踏まえたうえで改めて見るとだいぶ見え方も違ってきます。 対応はよろしくなかったと思うけど、でっぱりんまだ21歳。 管理人のお兄さんもそのくらいのときはカーッとなって冷静になれなくなってしまったこともあります! 桃ちゃんと同じく「でっぱりんの気持ちわかるよ~」というところに落ち着きました。 むしろでっぱりんの涙を見て前よりでっぱりんのことが好きになってしまったかもしれません。 アレなんですよね、歳食うと、その人のダメなとことか、弱いところを見ると逆にかわいく思えちゃったりするんですよね 笑 リタイアして欲しくないなあ。 メンバー、スタッフ間でしっかり話し合ってちゃんと解決して欲しいです。 なんだか本当に真剣に考えてしまって思わず長文になってしまいましたが、第7話では仲直りを期待してます! シーズン2でのキレ事件についてはコチラ。 「もう21歳」じゃないかな。 そして、周囲には仕事として動いている人がいるし、色々な人がそれを予定して動いているし、待ってる人もいる。 自分たちにとってはプライベート気分で、学生気分かもしれないけれど、そうした人が周囲にいるなら、遅れるなら遅れると連絡の一本くらい入れるのは「成人」として当たり前でしょう。 日頃カメラがあってストレスだったなんていうのは遅刻の言い訳になってない(そもそも、そんな言い訳をするようなら番組趣旨からして応募すべきじゃないでしょ) だったらストレスを言い訳にすれば、何でもやり放題なのかってことになる。 カメラに責任をなすりつけてストレスなんてもので正当化しようなんてするから「甘えてる」となるんでしょ。
次の『あいのり』が変わってもベッキーは変わらない(イラスト/ヨシムラヒロム) リアリティ番組の面白さは、どこにあるのか。 みずからを鼓舞して愛を求める健気な様子をあたたかく観察する番組だった『あいのり』が、Netflix版で再開されてから大きな変革を遂げている。 イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、真実の愛を探してガチンコファイトクラブ的なバイオレンスにたどり着いた、新しい『あいのり』の魅力について考えた。 * * * 「真実の愛を探す地球無期限の旅」 このフレーズにピンとくるのはアラサー、アラフォー世代といったところか。 1999年から2009年まで放送された恋愛バラエティー番組『あいのり』で何度も繰り返されていた名文句である。 道中、恋に落ちたメンバーは日本行きの航空券を片手に意中の相手に告白。 成功すればキスをしてカップル帰国、失敗すれば涙のソロ帰国。 恋と旅、モラトリアムの全てが詰まった青春の行方。 その様子をスタジオで見守っていたのが、、だった。 親目線で見守る2人に対して、些細なことでメンバーをディスる加藤。 本気でキレる加藤を見て、当時中学生だった僕は「お前、よくそんなこと言えるなぁ……」と思ったもの。 私的なことを書いて申し訳ないが、初めて嫌いなタレントが生まれた番組として自分史のなかでは刻まれている(番組終盤、加藤はと交代)。 性質上、放送中は常々やらせ疑惑を持たれていた番組でもあった。 今のところ『バチェラー・ジャパン』よりは! 上記したように『あいのり』は2009年で終了し、その後CSにて続編が作られたらしい。 ただ、ここ数年間は忘れられたコンテンツとなっていた。 そんな『あいのり』、実は昨年からNetflixにて『あいのり:Asian Journey』と名前を変えて復活。 久本雅美の代わりとなる司会者は、サブをオードリーが務めた。 ベッキーにとっては例の騒動後の復帰作でもある。 第1話、スタジオトークの一言目。 若林「ベッキーはどうなの恋愛は、思い出に残る恋愛とかあった、人生で?」 ベッキー「知ってんだろ!」 ある取材でベッキーはこんなことを語っていた。 頑張りすぎていたそれまでが第一章ならば、今は年相応に肩の力を抜いて取り組んでる第二章なんです、と。 流出した川谷絵音とのLINEで「(謝罪会見は)友達で押し通す予定!笑」と清純すぎるパブリックイメージとは異なる人間らしい面を露呈したベッキー。 そこからスタートした第二章、ならば清濁併せ飲む司会を期待するのが視聴者ってもの。 しかし、そこには第一章と全く代わり映えしないベッキーの姿が……。 相変わらず、当たり障りのないコメントに終始している。 ベッキーは変わらなかったが、『あいのり』という番組は変わっていた。 フジテレビ版では毎週放送していたがNetflix版はシーズン制に。 最終話22話を迎えた時点で一時終了となり、メンバー全員が帰国。 シーズン1の人気が出れば、シーズン2を作成する。 時代に合わせた構成となっていた。 なんとそこに新たな要素がプラスされたのだ。 それがバイオレンス要素だから視聴者の想像を超えてくる。 『あいのり:Asian Journey』は、恋と旅とバイオレンスな番組だ。 それが初めて表出したのがシーズン1第6話「言ってみろや、貴様!」、タイトルからも暴力性が漏れてる。 ミャンマーの夜市、お酒も飲み盛り上がったメンバーはスタッフとの集合時間を40分もオーバーしてしまう。 そんなルーズな態度を「やる気ある? みんなで相談して決めた集合時間だよ、カメラマンも重いカメラを持っているんだからさ!」と一喝したのが長山ディクレター。 非は明らかなので謝罪するメンバー、一旦、騒動は収まりラブワゴンに乗り込む。 今までの『あいのり』ならば「そして翌日」なんてナレーションがはいる展開だろう。 しかし、新生『あいのり』は一味違う。 シュンとした空気が蔓延する車内、「ちょっと違う」と口を開いたのは女性メンバーのでっぱりん。 ここから暴力の波が番組を包み込む。 スタッフにいちいち気を使ってられない」と詰め寄る。 当初はタイマンであったが、途中から旅のリーダー・ハト胸も参戦。 「俺らって映されるのをわかって『あいのり』に参加している。 言いたくないけど、それは甘え」とでっぱりんに問いかける。 対して「なんでそんなことをお前に言われなきゃいけない!」と激昂するでっぱりん。 「ふざけるなよ!」と吠え、ハト胸の左胸にでっぱりんの左ストレートが炸裂。 その後、画面に映されたのはフジテレビ時代の『あいのり』からは想像もできない地獄絵図。 メンバー、スタッフ入り乱れのミャンマー・カオス・ナイト。 「この乱闘どこかで……」と思い出したのが、TOKIOが司会を務めたリアリティ番組『ガチンコ!』(TBS)。 その名物企画、『ガチンコファイトクラブ』の絵面にそっくりなのだ。 トレーナー・竹原慎二役が正論を吐く長山ディレクター、竹原シンパの第一期生役はハト胸、全てに反抗する第二期生役がでっぱりんといった具合か。 戦いの構図まで似ている。 理解されないことに苛立つでっぱりんは、最終的にデパートでオモチャをねだる子供のように床にひっくり返り地団駄。 久々にマジギレする大人をまじまじと見た。 そして、悔しいが確かに面白いのだ。 このシーンの衝撃は大きい。 視聴者に「『あいのり:Asian Journey』で一番心に残ったシーンは?」と聞けば、90%以上の人がこの乱闘シーンをあげるだろう。 シーズン1において、暴力描写はこの回しか登場しない。 しかし、恋じゃ太刀打ちできない衝撃があった。 そして、今年11月『あいのり:Asian Journey』のシーズン2の配信がスタート。 シーズン1のメンバーも希望者のみ引き続き参加。 シーズン1でカップルになったでっぱりんも即急に別れたらしく推参し、再びラブワゴンのエンジンが動き出したのである。 シーズン2第1話の終盤、シーズン1から引き続き参加する22年間彼氏がいないユウちゃんと、29年間彼女いない新メンバー勇ちゃんの恋愛模様が描かれた。 これぞ!『あいのり』といえる光景である。 スタジオトークに戻り、ベッキーらしい安パイな総評。 そのあとに挿入されたのが、今後のシーズン2の見所をまとめた予告映像。 これがもうスゴかった! 少々の恋を映したのち、残りは全てバイオレンス。 「お前、おかしいやろ!」とメンバーにケンカキックをかますでっぱりん、スタッフと揉みくちゃになるでっぱりん、そして「マジで痛い」と倒れるでっぱりん。 そこで僕は、かつての恋愛バラエティー番組はもうないんだと確信。 今の『あいのり』は暴力紀行を楽しむ番組と化している。 しかも、それをスタッフが視聴者への惹きとして効果的に使うからエグい。 シーズン2第6話「愛と哀しみのカトマンズ」にて、予告映像で流されていたバイオレンス描写の本編が遂に封切られた。 酒に酔ったでっぱりんが「自主性がない」とユウちゃんを折檻、そこからメンバー、スタッフ入り乱れての「ガチンコファイトクラブ」状態ふたたび。 「あなたは男と女の修羅場を見たことありますか」というタイトルバックをキッカケに20分以上、大乱闘シーンが配信された。 ケンカを求めてでっぱりんを再キャスティングしたスタッフの味を占めた顔が浮かぶ。 「計画通り」と心の中ガッツポーズしただろう。 しかし、それは「あいのり」じゃなくて「わるのり」だ。 時代に合わせて刺激物が足された『あいのり:Asian Journey』。 スタッフが視聴者の期待に応えた結果、なんともいえない混沌とした番組へと仕上がっていた。 そして事実、でっぱりんのケンカで番組は話題となっている。 ひとまず、恋と旅とバイオレンスな『あいのり:Asian Journey』は成功中。 今後はわからないけど……(Netflixにクレームきてそう)。
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